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【完全版】1on1ミーティングの基本!「今すぐ使える」進め方とスキルと質問事例100

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1on1ミーティングとは、仕事における1対1の会議のことです。
シリコンバレーを発端に、日本ではヤフーをはじめ多くの企業が導入していきました。

時代の変化とともに、企業が社員の人材育成と離職防止を目的としたものですが、

  • 1対1といっても、具体的にどうやればいいのかわからない
  • 何を話していいかわからず、ストレスの要因になっている
  • ついつい指導や指示になってしまい、うまくコミュニケーションがとれない
  • 部下が積極的に参加しない
  • これをやるなら大切な業務を優先したい

といった問題の声も少なくありません。

そこでこの記事では、1on1ミーティングを導入する際に知っておきたい大切な考え方やステップをお伝えしています。

また実際のミーティングで非常に重要になってくる「コミュニケーション」や「コーチング」のスキルと、テーマごとに知ってすぐに活用できる「質問事例」をご紹介しています。

この記事で「1on1ミーティング」の柱となる考え方や具体的な手法を手に入れてください。

著者:足達 大和
全米NLP協会公認・NLPトレーナー

当サイト「Life&Mind」の運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。

NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。

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1.1on1ミーティングとは

1on1ミーティングは、部下の能力を開発するだけでなく、精神の安定という部分でも多大な効果をもたらします。

ここでは、その目的やポイント、そして必要なスキルについて解説していきます。

1-1.1on1ミーティングとは何か

上司と部下の1対1で行われるミーティングのことです。

目的は大きく2つあります。

  1. 人材育成(部下のキャリア開発やスキルアップ、具体的な問題解決)
  2. 離職の防止

ミーティングの頻度や時間は企業によって様々です。

月に一回から、隔週に一回、また週に一回というところもあれば、時間はインテル社のように最低1時間という設定もあれば、10分から30分ぐらいの時間を使ってすすめていく企業もあります。

具体的なメリットとしては、

  • 部下のモチベーションや意欲開発
  • スキルアップ
  • 自主性や自発性の向上
  • 会社や組織の方針や戦略のアライメント
  • コミュニケーションの活性化
  • 業務上の問題の早期発見と解決
  • チームにおけるリーダーシップの発揮
  • 働く環境や人間関係における心理的安全性の確立
  • 離職防止
  • スピーディーな報連相

といったことが挙げられ、部下だけのことではなく、上司においても上記の項目が期待されます。

【背景】

日本ではヤフー株式会社の採用で有名になりましたが、元々はシリコンバレーにおける、
グーグル、アップル、ユーチューブ、フェイスブック社の創業者や上層部が
1対1のコーチングをうけて、その重要性が認知され各社に広がっていきました。

また優秀な社員は、エンゲージメント(仕事や会社への愛着や情熱)が高いというギャラップ社の調査結果が元となり、企業の人材育成の一環として取り上げられることになります。

時代や市場が激変する中で、企業が生き残り、成長を遂げていくためには、上司や会社が知っている情報だけでは対応できず、自ら考え、自ら行動していく自発的な人材育成が必要となります。

以上のような背景で生まれたのが、1on1ミーティングです。

そういった背景もあり、日本でも1on1ミーティングが採用され始め話題となり、
近年では、その質を上げていくことに関心が寄せられています。

期待される効果の一方、先にご紹介したように

  • 1対1といっても、具体的にどうやればいいのかわからない
  • 何を話していいかわからず、ストレスの要因になっている
  • ついつい指導や指示になってしまい、うまくコミュニケーションがとれない
  • 部下が積極的に参加しない
  • これをやるなら大切な業務を優先したい

といった問題も出てきています。

ここでこういった問題を解決するための
重要なポイントを3つご紹介します。

1-2.効果的な1on1ミーティングを実施するための3つのポイント

【目的を共有する】

何のためにミーティングを行うのか。
またそのミーティングのゴールはどこか。
といった目的を、上司・部下の両当事者が共有しておくことが必要です。

なぜなら目的が共有されていないと、単なる雑談となり、互いにムダな時間を費やすことになるからです。

たとえば目的を共有しておけば、仮にミーティングの流れがスムーズでなくても、部下が「自分を理解しようとしてくれている」「自分のためにやってくれている」といった
心理的安全性や承認欲求を満たすことができます。

また上司側に「面倒だ、他の業務を優先させたい」という声が出た場合でも、部下の育成が上司としての重要な仕事であること、その目的を思い出し部下との時間を大切に取り扱うようになるからです。

以上のように、上司や部下との間に1on1ミーティングの目的の共有が重要です。

【ミーティングの主役は部下である(テーマは部下が決める)】

主役となる部下がテーマを決めてミーティングを実施します。

理由は上司が決めてしまうと、一方的な話の展開が生まれ、部下の自主性を奪ってしまうからです。

たとえば評価面談のような一方的なフィードバックではなく、部下が自ら相談したい業務上の問題や今後のキャリアなど、ミーティングのトピックを自分で考えることによって、自主的に仕事に取り組む姿勢が生まれます。

また部下が自主的に進めることで、上司に見えていなかった部分を理解できる機会にもなります。

ある部下にとっては、経験不足で停滞しているのかもしれません。
またある部下にとっては、人間関係で悩んでいるのかもしれません。

こういったところを理解し、共有する時間をもつことによって、職場や上司に対する信頼感や心理的安全性を生み出すことができます。

ですので、部下を主役にし、テーマを選ばせ、1on1ミーティングを進めてください。

【コミュニケーションやコーチングスキルを習得する】

1on1ミーティングでは、人の心理を理解した「コミュニケーションスキル」と、具体的な問題解決を生み出す「コーチングスキル」の2つのスキルが重要です。

なぜならこの2つのスキルは、ミーティングを進めるうえで部下との信頼関係を構築したり、具体的な問題解決の役立つツールとなるからです。

また知らずにいると、安心感や信頼感を形成するどころか、逆に不信感を積もらせる原因になります。

例えば、4章で詳しくお伝えしているコミュニケーションスキルの【傾聴】と呼ばれる相手の世界や立場を尊重して聴き方を知らなければ、尋問のように問い詰めていく時間となり、部下のモチベーションは下がってしまいます。

またコーチングの一つである【質問】というスキルが乏しければ、
具体的な部下の問題を解決することができず、説教で終わってしまい、部下の創造性や自主的な問題解決力が損なわれてしまいます。

ですので、質の高いミーティングを可能にするためには、人の心理を理解したコミュニケーションスキルと、部下の自主性を深い部分で刺激するコーチングスキルが必要です。

「人材育成は必要だ」「いきなりの退職を防ぎたい」。
でも、面倒なことは正直避けたいと思っている方は、

次章からすぐに活用できるテーマの事例や全体フレーム、また具体的なスキルをご紹介していきますので参考にしてください。

※コーチングでは、「質問スキル」と「コミュニケーションスキル」だけでなく、1on1ミーティングで大事な「現状理解・問題発見・課題設定」の方法を学べます。

※コーチングについて詳しくはこちら

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2.1on1ミーティングの具体的なテーマの事例

1on1ミーティングではモチベーションの低下を防ぎ、意欲的な働き方や具体的な業務の問題解決のために、以下のようなテーマを取り扱います。

【仕事分野】

  • 具体的な業務上の問題
  • 今後のキャリアについて
  • 職場の人間関係について
  • 能力開発やスキルアップについて
  • 後輩の育成や気になるスタッフについての相談
  • 他部署との関係性について
  • 競合やライバルの動向について
  • お客様の声や動向について
  • もっと効率化する提案
  • 上司へのお願い、会社へのお願い
  • 仕事で大切にしたい価値観
  • 会社の好きなところ

【プライベート】

具体的な業務のことだけでなく、部下と上司の信頼関係を築くことが目的になるためのテーマです。

  • 人生で大切にしたいこと
  • 休日の過ごし方
  • 家族との過ごし方や家族構成
  • 夢中になっているものや趣味
  • 時事ニュース
  • 健康(食事、運動、睡眠)
  • 学生時代の思い出ベスト3
  • 好きな映画やTVドラマ
  • 好きな小説やビジネス書やマンガ
  • カラオケに行ったら歌う曲は
  • 好きなスポーツは
  • 国内旅行で行ってみたいところは
  • 海外旅行で行ってみたいところは
  • 住んでみたい理想の家
  • 好きな俳優やお笑い芸人やタレントは
  • もし時間を戻せるのならいつに戻りたい
  • 自分の好きなところ、気に入っているところは

※テーマをより多く知りたい方は5章で詳しく取り上げています。

今の組織の問題や課題に照らし合わせながら、
必要なものを提示し、部下に選んでもらうのも一つのやり方です。

トップ5というやり方があります。

これは書籍「1兆ドルコーチ」のモデルとなったビル・キャンベルの技法で、部下と上司がお互いに話したいテーマトップ5をリストで書き出し、お互いに確認して共通しているテーマを理解し、優先順位を調整するというやり方です。

このリストで部下が何に関心を持っているのか、
その部下の理解にも役立てられていました。

参考文献:1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
エリック・シュミット, ジョナサン・ローゼンバーグ, アラン・イーグル (著),出版社:ダイヤモンド社

3.1on1ミーティングの全体の流れと回すためのサイクル

1on1ミーティングを実施するためには、「事前準備から次回までの流れ」といった全体像の把握と、ミーティングの「具体的なサイクル」が必要です。

3-1.1on1ミーティングの事前準備から次回までの全体の流れ

全体の流れとしては、以下の通りです。

  1. 目的を共有する
    1on1ミーティングの目的は何か。
    なんのために1on1ミーティングを実施するのか。
    部下と上司でその目的を確認し共有します。
  2. ミーティングの設定
    具体的な日時や場所、話すテーマを決めます。
    場所はいつも同じところである必要はありません。
    テーマによっては外出して行うやり方もあります。
  3. ミーティングの実施
    部下と上司の1on1ミーティングを始めます。
  4. 次回のミーティングの設定
    次回までの具体的なアクションを決め、次のミーティングを設定します。

以上のようなステップで進みます。

3-2.1on1ミーティングを回すサイクル

特に上司が知っておきたいのが、1on1ミーティングそのもののサイクルです。

以下のステップで進めていきます。

①ラポール形成

ラポールとは、相手との深いレベルでの信頼関係のことです。
深層心理で警戒心がとれ、安心感や親しみが生まれている関係性です。

このラポールが形成できていないと、部下は本音が話せなくなり、上司のサポートや提案も
強制的な指示のように部下には聞こえてしまいます。

  • この上司は、自分のことを理解してくれている。
  • 私のことを知ろうとしてくれている。
  • この人は味方だ。

こんな感覚を生み出せたら、そのミーティングは価値ある時間になります。
まずはリラックスできて、安心して話ができる状態をつくります。

②方向づけ

ミーティングのテーマや目的やゴールを共有します。

活用できる質問例

  • 「今日は何についての話を聴こうか」
  • 「今日は〇〇についての話でよかったよね」
  • 「ゴールは何にしましょうか」

などがあります。

③現状の理解

部下の現状を傾聴します。

傾聴とは、うなずきやあいづち、またアイコンタクトなど、反応を示しながら相手の話を聴くことです。

活用できる質問例

  • 「現在の状況を教えてください」(相手が自由に話し始めます)
  • 「もう少し詳しく教えてください」
  • 「それをどう進めていきたいですか」

などがあります。

④問題の発見

現在の状態とゴールの状態を明確にし、そこに生まれるギャップを整理していきます。

ここでのポイントは、問題の発見です。

活用できる質問例

  • 「問題はなんでしょう」
  • 「うまくいかない理由はどんなものがありますか」
  • 「止めているものは何ですか」

などがあります。

ポイントは上司の考えはまず横において、部下の話を遮らず、最後まで聴くことです。

⑤課題の設定とプラニング

解決するための課題を設定し、プラニングを「部下主導」で作り上げます。

解決策を部下自らが考えていくことに意味があり、上司は答えをすぐには教えず、自分で考える力を育む機会として捉えてください。

活用できる質問例

  • 「解決のために【今活用できるリソース】は何ですか」
  • 「今はなくて【準備が必要なリソース】は何ですか」
  • 「私にサポートできることはありますか」
  • 「どんなふうに進めていきますか」

などがあります。

⑥クロージング

選択肢の中から部下の意志を固め、次回のミーティングを確認します。

活用できる質問例

  • 「最初の一歩は何をやりますか」
  • 「いつまでにやりますか」
  • 「その行動をやったと、私に何で教えてくれますか」
  • (この質問に対する答えは、メール、電話、口頭、レポートなどです)
  • 「次回は〇月〇日の〇時からで大丈夫ですね」

以上がミーティングの具体的なステップです。

次章ではこれらのサイクルを回し、より効果的な1on1ミーティングにしていくための
具体的なスキルをご紹介します。

※こうした流れやポイントを体系的に学べるのがコーチングです。コーチングの流れや質問はこちらにもまとめています。併せてご覧ください。

4.知っておきたい具体的なスキル

1on1 ミーティングの実施で知っておきたいのが、相手との信頼関係を築く「コミュニケーションスキル」と部下の自発的な問題解決を促す「コーチングスキル」です。

1on1 ミーティングだけでなく、ビジネスパーソンとしての必須のスキルとして活用してください。

4-1.コミュニケーションスキル(聴き方)

まず部下との信頼関係を築くためには、コミュニケーションスキルが必要です。

警戒心がなく、心理的な安心感があり、なんとなく何でも話せてしまうムード、また上司が味方であるような感覚を生み出す土台が重要です。

こういった深層心理で結ばれた関係を「ラポール」と言います。

ラポールがお互いの間に生まれていないと、部下の本音が出てきませんし、上司の助言やサポート、また指示も受け入れがたいものになります。

効果的なミーティングにしていくためにも、以下の内容を参考にしてください。

  • 傾聴(共感しながら聴く)

共感とは、相手の意見や考え方に同意することではありません。
部下が何を大切にしているのかを理解することです。

上司が仕事で大切にしていることがあるように、
部下にも大切にしていることがあります。
そこを尊重することです。

目的は心理的な安心感を生み出し、仕事をはじめ他のテーマの具体的なアクションを生み出すことです。

まずは相手の世界観を尊重し、共感していきます。

  • ラポールスキルを活用しながら聴く

聴き方にはうなずきやアイコンタクトなどがありますが、ここでは実践的なコミュニケーションスキルと言われるNLP(神経言語プログラミング)のラポールスキルから3つご紹介します。

※NLPとは卓越性の研究で見出された天才コミュニケーターたちのモデルです。
目標達成や問題解決、ネガティブ感情の解消やセルフイメージの向上などに活用されているスキルです。

  • ミラーリング

相手の仕草や姿勢、表情といった視覚的な情報を、ミラー(鏡)のように合わせていくことです。

これは決して猿まねではなく、さりげなく、気づかれないようにすることがポイントです。
少しタイミングをずらした方が、違和感なくミーティングを進められます。

海外で日本人を見かけるとほっとするような、あの安心感や、街中で見かける学生が持つギターやラケットなど、あなたにその趣味や部活経験があると、なんとなく親しみが生まれてくる、あの感覚を意図的につくるスキルです。

  • マッチング

マッチングとは、相手の話すスピードや声の大小、またリズムなどを合わせていくことです。

相手がゆっくり話す人であれば、こちらもそれに合わせてゆっくり話す。

相手が早ければ、こちらもそのスピードに合わせて話す、というものです。

意見が一致していても、ここが真逆だと、深層心理に違和感が生まれてきます。

ご経験があると思いますが、もしあなたが早口で相手がゆっくり話す場合、
「なんだかこの人、ノリが悪いなぁ・・・、ホントに同意しているのかな・・」
といった気持ちが起きたり、

逆にあなたがゆっくり話す人であれば、早口の人に対して、
「この人、ちゃんとわかっているのかなぁ・・・」
といった不信感が起きたりします。

まずは相手の話すスピードや声の大小、ここを聴き取りながら、合わせていくことをおススメします。

  • バックトラッキング

相手が言った「単語」や「事実」、「感情」などを繰り返して伝えることです。

話が長い場合は要約して伝えていきます。

ポイントは、相手が言った言葉をそのまま活用することです。

例えば、部下が上司に対して仕事の価値観を伝えた場合、

部下が「仕事はワクワクを大切にしたいですね」と言ったら、
上司は「ワクワクだね」

と答えます。これを

部下が「仕事はワクワクを大切にしたいですね」と言っているのに
上司が「充実感だね」

と返したら、
ちょっとした違和感を持ってしまいます。

部下とのラポールを形成し、意味あるミーティングにすることが目的です。
ですので、まずは部下の「言葉」に合わせてください。

部下は自分が言った言葉を繰り返されるので、「No」の反応は生まれません。

つまり深層心理に「Yes」の反応を起こし、抗えない状態を生み出すことができます。

また部下に

  • 「自分のことを知ろうとしてくれている」
  • 「自分のことを理解しようとしてくれている」
  • 「自分のことをわかろうとしてくれている」

といった信頼感が相手の深層心理に生まれてくるスキルです。

4-2.コーチングスキル(質問)

ミーティングはラポールという信頼関係を生み出すことだけでなく、テーマによっては具体的な問題解決が求められます。

そこで知っておきたいのがコーチングスキルの「質問」です。

  • 質問

コーチングの基本的な考え方は、相手が自発的に問題を解決できるようにするための質問による会話です。そこで知っておきたいのが質問のスキルです。

質問の種類には以下のようなものがあります。

【クローズクエスチョンとオープンクエスチョン】

  • クローズクエスチョン

「はい」か「いいえ」で答えられる質問です。

例として、

  • 「○○はやったんだね?」
  • 「△△を反省しているんだね?」
  • 「□□したいと思ってるんだね?」

部下の意思の確認や、上司の認識が正しくできているかを確認する質問です。

  • オープンクエスチョン

自由に答えられる質問です。

例として、

  • 「○○をもっと生産的にするためにはどうしたらいい?」
  • 「△△の反省を今後どう活かしていきたい?」
  • 「□□ができたら、今後どんな可能性が生まれてくる?」

このように相手が自由に話せるようにする質問です。

「今どんな状況ですか?」といった質問をミーティングのスタート時に活用することによって、部下が自由に話しやすくなり、ラポールが形成しやすくなります。

【部下の制限や気づきにつながる質問】

これは部下に制限がかかっていたり、停滞した状態に活用できる質問です。

例としては、

  • 「止めているものは何?」
  • 「何がその行動を止めているの?」

といった質問です。

カウンセラーやコーチの方々も学び始めるNLPでは、

「なぜ、そうなの?」という質問は使わず、
「止めているものは何?」」と質問します。

「なぜ?」というのは原因を追求する時には便利ですが、ラポールが形成されていなかったり、部下のやる気が落ちていると、「なぜやらないの?」「なぜできないの?」と聞いてしまうと、批判や否定といった追い詰められた感覚をもちやすくなります。

そこで「止めているものは何?」「何がその行動を止めているの?」という質問を活用することで、想像するとわかりますが、自分の内面を探求できる動きが生まれます。

部下に何が起きているのか、その内面や背景を上司が理解できる質問です。

また部下が安心して問題解決の糸口を自分で探し始めることができます。

【パワフルクエスチョン】

相手の思考の枠を広げ、選択肢をもたらす質問です。

例としては、

  • 「もし、そのことが2倍のスピードでできるとしたら、何ができる?」
  • 「もし、憧れの〇〇部長だったら、どんな風に取り組むと思う?」
  • 「もし、できるとしたら、何から始められそうかな?」

このように「もし」という仮定の言葉を活用して、思考の枠を広げ、選択肢を生み出す時に有効です。

※NLPでは、「As ifフレーム」と呼んでいます。

【経験を活かす質問】

自分の体験をリソースや成功パターンにしていくことで、部下の学びや自信につなげていくことができます。

具体的には以下のような質問があります。

  • 「同じ失敗をしないために何が必要だろう?」
  • 「より早く生産的になるために何が必要だろう?」
  • 「他の場面で活かせることがあるとしたら、それはどんなこと?」
  • 「何が学べましたか?」

部下の失敗は本人だけでなく、チームや会社の学びや成長につながります。

怒るのではなく、心理的安全性を持ってもらうためにも、冷静に問いかけることです。

【バランスを整える質問】

何か新しいことを始めることは、現在の状態に何かしらの影響が生まれます。

他の何かに支障がないか予測し、ミーティングで決めたことを確実に実施するために、
バランスを整えるための質問です。

  • 「失敗する理由があるとしたら、その理由はなんでしょう?」
  • 「この計画やアイデアに反対する人がいるとすれば、その理由は何ですか?」
  • 「現状のやり方で得ているものがあるとしたら、それは何ですか?」
  • 「現状で得ているものを維持するには何ができますか?」
  • 「このやり方を導入した場合、どんなリスクが生じてきそうですか?」
  • 「中長期的に見て、マイナスの影響はありませんか?」

部下の気づいていない視点に気づかせ、バランスを整えていく視点を持つ質問です。

【支援の質問】

主にそのミーティングの最後の方で活用する質問です。

  • 「それを進めるために私にサポートできることがあれば教えてください。」
  • 「私にできることがあれば教えてください。」
  • 「あなたが実施したことを私にどうやって教えてくれますか。」
  • (この答えの多くは、メール、電話、口頭報告などになります)
  • 「次は〇月〇日の〇時からで大丈夫ですね。」

以上が部下の意志を固める、上司の「支援の質問」です。

これらの質問を活用しながら、1on1ミーティングの全体像のフレームに落とし込んでみてください。

※コーチングについて詳しくはこちらのサイトへ

5.1on1ミーティングで活用できる質問例100

ここではすぐに活用できる質問例をご紹介します。

3章の具体的なステップでもご紹介していますが、一つはビジネスとして全般に活用できる質問。もう一つはテーマ別に活用できる質問です。

5-1.ビジネス全般に活用できる質問

ここでは3章でご紹介した、6つのステップの流れで活用できる質問例をご紹介します。

【ラポール形成】

  •  1. 休日はどうでしたか?
  •  2. 今朝はスッキリと起きれましたか?
  •  3. (天気について)暑いですね。暑いのはどちらかというと好き?苦手な方?
  •  4. 〇〇のニュースみた?(部下が知ってそうなニュース)
  •  5. 朝食は何を食べた?ランチは何を食べた?
  •  6. (前回の課題に対して)どうだった?
  • ※リラックスできる問いが必要です。

    【方向づけ】

  •  7. 今日はどんなテーマにしますか?
  •  8. 何を話したいですか?
  •  9. ゴールは何ですか?
  • 10. そのゴールが手に入るとどんな可能性が生まれてきますか?
  • 11. そのゴールはあなたにとってどんな意義や意味を持ちますか?
  • 12. それに向かって進むとき、どんな価値観を大切にしたいですか?
  • 【現状の理解】

  • 13. 現状を教えてください
  • 14. 具体的に話してください。
  • 15.もう少し詳しく話してください。
  • 16. なるほど・・・それで?
  • 17. 他には?
  • 18. それはつまりどういうことですか?
  • 19.私が正確に理解しているか確認したいので教えてください。
    〇〇ということですね?
  • 【問題の発見】

  • 20. 問題は何でしょう?
  • 21. 何が成果を止めていますか?
  • 22. どんな思考が止めていますか?
  • 23. 行動を止めているものは何ですか?
  • 24. 仮に解決してしまうと、起きるリスクは何ですか?
  • 25. やると困る理由があるとしたら何ですか?
  • 26. うまくいかない理由はどんなものがありますか?
  • 27. 邪魔する見栄やメンツ、プライドがあるとしたら、どんなものですか?
  • 【課題の設定とプランニング】

  • 28. 何があるとできそうですか? 何が必要ですか?
  • 29. チャレンジに値するものは何ですか?
  • 30. 何を乗り越えればうまくいきそうですか?
  • 31. もし憧れの〇〇さんだったら、どのように考えるでしょう?
  • 32. 私にできることはありますか?
  • 33. それをやる時、どんなサポートがあればできますか?
  • 34. 誰の協力が必要になりますか?どの部署の協力が必要になりますか?
  • 35. 押さえておきたいポイントは何ですか?
  • 36. どんなふうに進めていきましょう?
  • 37. どんな計画で進めていきますか?
  • 38. この計画のリスクはなんでしょう?対処法があるとしたらそれは何でしょう?
  • 39. 3つのステップでプランを立てるとしたらどんなステップになりますか?
  • 【クローズ】

  • 40. 最初の一歩は何をやりますか?
  • 41. いつまでにやっていきますか?
  • 42. 24時間以内にできる小さな、しかも確実な一歩は何でしょう?
  • 43. どんな決意で気持ちで臨みますか?
  • 44. もし私のサポートが必要な時は、どうやって教えてくれますか?
  • 45. その行動をやったと、私に何で教えてくれますか?
  • 46. (記録したメモをお互いに確認しながら)これでいいですね?

5-2.分野別の質問例

ここでは分野別の質問例です。
仕事とプライベートに分けてご紹介します。

【仕事分野】

具体的な業務上の問題や課題の設定

  • 47. 業務上で困っていることはありませんか?
  • 48. 仕事のストレス業務ベスト3を教えて?
  • 49. もっと生産的になるために、何をやめたらいいですか?何を始めたらいいですか?
  • 50. もっとコストをかけずにできる業務があるとしたらどんなこと?
  • 51. 利益を出すために考えていく必要があることベスト5は?
  • 52. お客様はどうしてうちを選んでくれたのか、強みやその理由はなんだろう?
  • 53. もっと我々が集中して取り組むものがあるとしたらどんなことだろう?
  • 54. 会社の方針で大切だと思うところを教えてください?
  • 55. 〇〇さん(部下)が社長だったら、会社をどんな会社にしていきたい?
  • 56. 現状維持でいると、近い将来どんなリスクが生まれるだろう?
  • 57. 最悪のシナリオを防ぐために取り掛かるべき急務はなんだろう?
  • 今後のキャリアや能力開発スキルアップについて

  • 58. 一つ上の仕事とは何か?そう考えた時に浮かぶものは何ですか?
  • 59. 理想としている人は誰?その人のどんなところに憧れる?
  • 60. どんなキャリアをつくりたい?
  • 61. どんなスキルを磨きたいですか?
  • 62. 自分で思う強みベスト5を教えて?さらに強化するために何ができそう?
  • 63. 自分の弱みを補うために必要なことはなんだと思う?
  • 64. 後輩にどんな先輩として自分を見てもらいたい?
  • 65. 会社からどんな社員として称賛されたい?そのために取り組むことは何?
  • 66. 他の社員からどんな評判の声を出したい?そのために取り組むことは何だろう?
  • 職場の人間関係について

  • 67. 職場で尊敬する人は誰?(ミーティングをしている上司以外で)
  • 68. 職場で苦手意識を持っている人っている?(ミーティングをしている上司以外で)
  • 69. よく食事や飲みに行ったりする気が合うスタッフって誰?どんな話をするの?
  • 70. 職場でどんな人間関係を築きたい?そのためにはどんなことができる?
  • 71. 他部署ともっと密な関係ができたらいいなぁと思うのはどこのチームかな?
  • 後輩の育成や心配なスタッフについて

  • 72. 何とかしてあげたいと気になっているスタッフはいるかな?
  • 73. あの人が成長したら、チームが活気づくと思えるスタッフは誰だと思う?
  • 74. 〇〇さんの成長のために必要な経験があるとしたら、どんな仕事だろう?
  • 75. 〇〇さんの強み、そして弱みは何だと思う?ベスト5は?
  • 76. 〇〇さんのために「私たち」ができることはなんだろう?
  • 【プライベート】

    部下の趣味(嗜好性や世界観)

  • 77. 趣味は何?今夢中になっているものとか、ハマってるものとかある?
  • 78. 必ず見るブログやYoutubeチャンネルとかある?
  • 79. 俳優で好きな人やお笑い芸人っている?どんなところが好き?
  • 80. 好きな映画、テレビドラマ、小説ベスト5は?おススメは何?
  • 81.最後の晩餐で食べたいものベスト3は?
  • 82. 誰のツイッターやインスタがおもしろい?
  • 83.最近の気になるニュースは何?
  • 学生時代について

  • 84. 幼い頃の将来の夢は何だったの?
  • 85. 好きな教科や科目、先生とかいた?
  • 86. 初恋の思い出は?
  • 87. 学生時代に憧れた職業は何だった?どんなところに憧れた?
  • 88. 部活やサークル活動とか何してた?
  • 89. 学生時代に聞いてた思い出の曲って何?アーティストは誰?
  • 90. 学生時代に夢中になってたことは何?
  • 家族との過ごし方(関係性)

  • 91. 家族とはどんなふうに過ごしているの?
  • 92. もっとこんなふうに関われたらいいなぁって理想はある?
  • 93. 家族が原因で起きているストレスベスト3は?
  • 94. もし時間とお金があったら家族をどこに連れていきたい?
  • 95. 小さなことで家族を幸せにできるとしたら、自分にできそうなことは何?
  • 96. 親に感謝したいことベスト3は?
  • 97. 親への恩返しで、どんなことをしたことがある?
  • 健康(食事、運動、睡眠)

  • 98. 食事はどんなことに気をつけてる?
  • 99. 運動はどんなことやってるの?
  • 100.睡眠はどれぐらいとってる?
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6.まとめ

これからの人材育成と離職防止に必要な1on1ミーティングについて、基本的な考え方やその全体像と具体的なコミュニケーション、コーチングスキルについてお伝えしました。

まずは目的を明確にし、関係するメンバーにその目的を共有することです。

そして、部下が主役の1on1ミーティングで進めていきます。

そのコミュニケーションから具体的な問題解決をとおして、自発的な社員の育成につながり、チームや会社へのエンゲージメントの強化が図れます。

より効果的に、生産的にしたければ、人の心理やコミュニケーション、またコーチングを学習し、「1on1ミーティング」と称さなくても、日頃の会話がその質と同等になっていくことを目指してください。

※コーチングについて詳しくはこちらのサイトへ

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