
プレッシャーにより、「思うように結果が出ない」「自信を失いかけている」「もう逃げ出したい」という状態になった経験はありませんか?
心と身体はつながっているため、プレッシャーによるストレス、マイナスの思考や感情は、あなたが能力やパフォーマンスを発揮するのを妨げます。頑張るほど悪循環に陥るため、早く改善したいものです。
ところで、あなたはプレッシャーを感じた時、自分の能力やパフォーマンスを何パーセント発揮できていますか?
もしもあなたが、思うように能力やパフォーマンスを発揮できていないとしても、あなたが感じているプレッシャーがどのようなものでも、それに負けず、強くなることができます。それだけでなく、プレッシャーはあなたの力(プラス)に変えることもできます。
そのために必要なのは、「1、行動」「2、メンタルトレーニング」「3、考え方・捉え方」の3つです。そこでこの記事では、一流のビジネスパースンやアスリートも学ぶ心理学NLPや脳科学に基づく効果的な行動やメンタルトレーニング、考え方・捉え方を中心にご紹介します。
1.プレッシャーとは
プレッシャーに強くなり、プラスに変えるための第一歩は、プレッシャーとは何か?をシンプルに理解することです。そこでこの章では、プレッシャーとは何か?何が原因でプレッシャーを感じるか?どうしたら強くなり、プラスに変えられるか?をご紹介します。
■プレッシャーとは
プレッシャーとは特定の状況において心に感じる圧力や重圧です。つまり心にかかる負荷のことです。今のあなたの能力、経験、想像を超える状況を前にした時、あるいは自信が持てないことに対して、プレッシャーを感じます。しかし同じようなことを前にしても、自信があることに対してはプレッシャーを感じません。
■プレッシャー自体にプラスもマイナスもない
プレッシャー自体にプラスもマイナスもありません。ポイントはプレッシャー、失敗、出来事、自分自身に対する考え方・捉え方です。考え方・捉え方ひとつで、プレッシャーはプラスにもマイナスにもなります。
例えば、「プレッシャーは悪いもの」「失敗したら取り返しがつかない」「自分には無理、できない、上手くいかないかも」というマイナスの考え方・捉え方をすると、プレッシャーはマイナスに働きます。
しかし、「プレッシャーは自分を成長させてくれる」「失敗してもやり直せばいい」「自分ならできる」というプラスの考え方・捉え方をすると、あなたにとってプラスの変化や成果に変えることができます。
また考え方・捉え方は、自信に大きく影響を受けています。自信があれば困難や逆境の中にあっても可能性に目を向けることができます。しかし自信がないと、失うものや足りないもの、失敗に目が向きます。
つまりプレッシャーに強くなるには、考え方・捉え方を知ることに加え、目標やあなた自身への自信を高めることが重要です。そのために有効なのが、プレッシャーに強くなる行動とメンタルトレーニングです。
それでは具体的な内容をご紹介します。
2.プレッシャーに強くなる3つの行動
たった1つの行動が、あなたをプレッシャーに強くします。それだけでなくプラスに変えることもできます。それを可能にするのがプレッシャーに強くなる行動です。ここでは数ある効果的な行動の中から、厳選した内容を3つご紹介します。今すぐ使える効果的な内容ですので、ぜひご覧ください。
2-1.質の高い呼吸、深呼吸をする(すべての基本になります)
呼吸を整えると心が整います。質の高い呼吸、深呼吸は心理状態にダイレクトに影響するため、日常的な習慣にすると大きな武器になります。自律神経やホルモンのバランスも整い、リラックスすることができ、質の高い思考や感情、行動を生み出します。この時あなたは、すでにプレッシャーによるマイナスの影響を手放せています。
また、プレッシャーに強くなるために何だかの行動やメンタルトレーニングを行う場合、肝となるのが質の高い呼吸や深呼吸です。心を整え、思考や感情をニュートラルにできる極めて有効な方法になります。もしも質の高い呼吸や深呼吸を習慣にできれば、あなた自身の人生や結果を1つ、2つ上のステージへ押し上げることも可能です。
質の高い呼吸とは、日常的に深く吸って、深く吐くという呼吸のフロー(循環)を繰り返すことです。呼吸のリズムやテンポは、あなたにあったものを模索するのがベストです。例えば4秒で吸って4秒で吐くなど、同じ秒数吸って同じ秒数で吐くのが基本となります。
人によっては呼吸のフロー(循環)というと当たり前に思うかもしれません。しかし、忙しく、ストレスやプレッシャーの多い生活をしていると、自然に呼吸が浅くなり、呼吸を止めている時間も長くなります。それは自律神経やホルモンのバランスを見出し、マイナスの思考や感情を生み、あなたのパフォーマンスを落とします。
そのため、常に呼吸を深くして、呼吸のフロー(循環)を意識することが大切です。
そして深呼吸です。一流のアスリートも試合前や試合中に深呼吸をしています。ストレスやプレッシャーを感じた時は、深呼吸を10回ほど行いましょう。それによりリラックスできます。さらに呼吸のフロー(循環)を整えるトレーニングにもなり、あなたの身体に質の高い呼吸を馴染ませることができます。
2-2.成功者や最高のお手本を演じる(モデリング)
演じる力を活用しましょう。成功者や最高のお手本を演じることで、プレッシャーの感じ方を変えることができます。例えば今の自分に自信が持てず、プレッシャーに負けているとしても、成功者や最高のお手本を演じている時は、別の人間になりきることができます。
それによりプレッシャーを感じている自分を手放して、プラスの思考や感情、行動を手にすることができます。それは、ほしい結果を手にするために必要な、新しい自分の発見、考え方や捉え方の変化につながります。
この方法は心理学NLP(※1)では「モデリング」と言われ、あなたのセルフイメージ(※2)や自信を高めることができます。それを繰り返すことで、あなたのセルフイメージや自信は揺るぎないものに育まれて(高まって)いきます。それによりあなたはプレッシャーに強くなります。
ポイントは、「誰を演じるか」「どれだけ役に入り込み演じるか」です。以下に具体的な行動のポイントや手順をご紹介します。
【成功者や最高のお手本を演じるポイント】
- あなたにとって肯定的な存在である、成功者や最高のお手本を演じる
- あなたの気持ちが動くくらい、役に入り込み、演じる
【具体的な行動】
以下を行いましょう。
- 深呼吸を10回以上行い、リラックスする
- リラックスした状態でイメージの中で役に入り込み、演じる(2、3分以上)
- イメージの中で役になりきったら、実際に演じながら行動する
- 演じながら、役と自分との違いに気づき、学び、取り入れていく
一流の役者ほど役に入り込みます。役に入り込むほど、役の持つ思考や感情、行動につながることができ、表情や姿勢、身体の動かし方も変わっていきます。それが演技にリアリティを生みます。あなたもそれくらいリアルに、成功者や最高のお手本を演じましょう。
もし最初は慣れなくても、繰り返すうちに効果的に演じられるようになります。
(※1)心理学NLPとは
フリッツ・パールズを始めとした、3人の天才セラピストの卓越した技術や技法をもとに、「心理的な変化の方法」や「コミュニケーションスキル」を体系化した心理学です。近年では仕事、人間関係、スポーツなど、人生全般で卓越した結果を出せるように、「人間心理」「変化の原理原則」「コミュニケーションスキル」を実用レベルで使えるように体系化した最新の心理学です。
【参考】:NLPの内容・効果については、以下の記事に詳しくまとめています。
(※2)セルフイメージとは?詳しくはこちらへ
2-3.効果的な質問で、プレッシャーをプラスに変える
プレッシャーに強くなる秘訣は、プレッシャーをプラスに変えることです。プレッシャーと戦うのではなく、プラスに目を向け、マイナスをプラスに転換しましょう。そのために必要なのは効果的な質問です。
プレッシャー、失敗、出来事、自分自身への考え方・捉え方がネガティブになると、プレッシャーはマイナスに働きます。しかし効果的な質問は、プレッシャーが持つあなたにとってプラスの側面を引き出します。それはあなたの成長、変化、成果につながります。
このように質問を使いプラスの側面に目を向けるのは、心理学でも重要視されています。
以下に効果的な質問の例をご紹介します。
【質問の例】
以下の質問は、プレッシャー、失敗、出来事、マイナスの状態に対して行いましょう。そして答えを紙に書き出しましょう。
- 良い点、プラスの側面があるとしたら何か?
- それを通して得ているものがあるとしたら何か?
- それがきっかけとなり、始めたこと、気づき、学びがあるとしたら何か?
- あなたに何を教えてくれているか?
- もしあるとしたら、どんなメッセージを伝えてくれているか?
- 感謝できる点があるとしたら何か?
このような質問を繰り返すうちに、あなたはプレッシャー、失敗、出来事、自分自身が持つ、プラスの側面に目を向けられるようになります。その時すでにあなたはプレッシャーに強くなっています。
2-4.2章・まとめ
ご紹介した3つの行動は、どれも効果的です。たった1つの行動が大きな力と効果をもたらします。今すぐ使えて、早い人なら瞬間的に思考や感情、行動がプラスに切り替わりますので、ぜひお役立て下さい。
そしてプレッシャーに強くなる行動は、他にもたくさんあります。それらをまとめた記事を以下にご紹介しますので、ぜひ合わせてご覧ください。
3.プレッシャーに強くなる3つのメンタルトレーニング
メンタルトレーニングはあなたをプレッシャーに強くします。実はそれを可能にするトレーニングが存在しています。例えば、プレッシャーに強くなるために必要なポイントを3つ挙げると以下になります。1、自信 2、客観的な視点 3、マイナス感情の解消です。
これらは心理学や脳科学でも効果的とされ、あなたをプレッシャーに強くするだけでなく、今の自分の限界を突破し、より高い能力やパフォーマンスを発揮できるようになります。
あなたの人生のステージを2段階、3段階と引き上げるきっかけにすることもできますので、ぜひご覧ください。
3-1.心を掴んで離さない魅力的なゴールをイメージする
「どんな壁やプレッシャーも関係ない。このゴールのためなら頑張れる」と自然にやる気が引き出され(沸き起こり)、行動せずにはいられないゴール。それが心を掴んで離さない魅力的なゴールです。
このようなゴールを明確にできた人は幸せです。心から手にしたい最高のものを知ることができるからです。そしてあなたの意識はゴールに集中し、プレッシャーが気にならなくなります。
ゴールを繰り返しイメージする方法は、メンタルトレーニングの中でも基本です。それに対して、心を掴んで離さない魅力的なゴールを繰り返しイメージする方法は、何倍も強力にあなたの心に働きかけます。
ポイントは自分に限界を設けず、特定のゴールだけでなく、人生の様々な要素を包括したゴールを描くことです。人生の様々な要素とは、例えば、仕事、人間関係、キャリア、収入、健康、家族関係、社会貢献、趣味、時間の使い方などです。
人によっては、魅力的なゴールを描いた瞬間からセルフイメージが変わる人もいらっしゃいます。そして繰り返しイメージすることで、セルフイメージだけでなく、あなたの思考や感情、行動は大きく変わります。この時、今までプレッシャーに感じていたものが、プレッシャーではなくなります。
以下に具体的な方法をご紹介します。
【メンタルトレーニングの準備】
以下順番に質問に答えて、心を掴んで離さない魅力的なゴールを明確にしましょう。
(分かりやすいように、2年後の未来を描くことを例に挙げます)
- 何年後の未来を描きたいですか?(2年以上先を描きましょう)
- 2年前を振り返りましょう。その状況を作り出している環境、行動、能力、考え方、捉え方、セルフイメージなどを思い出しましょう。それらはこの2年、どのように影響しましたか?
- 2年後の未来をイメージしましょう。現在のものの見方、考え方、習慣、環境、行動、能力、セルフイメージを持ったままの場合、どのような未来になっていますか?
- そんな未来に満足できますか?
- 満足できない場合はイメージを調整しましょう。ライフスタイル、仕事、人間関係、健康、余暇、習慣など、どのような状態を手にしたいですか?
- そのために、どのようなリソースが必要ですか?(ものの見方、考え方、習慣、環境、行動、能力、セルフイメージなどを含めて)
【メンタルトレーニングの方法】
下記手順で行いましょう。
- 深い呼吸を10回行いリラックスする
- 心を掴んで離さない魅力的なゴールをイメージする
- イメージした時の感覚を十分に感じる
(見えるもの、聞こえるもの、感じるもの、気持ちなど)
【メンタルトレーニング成功のチェックポイント】
- 心を掴んで離さない魅力的なゴールは明確か?
- イメージが具体的/詳細か?
- 繰り返しイメージしているか?
- リラックスした状態でイメージをしているか?
この方法は毎日10分以上行うのがベストです。脳は現実とイメージの区別がつかないため、イメージを現実の体験として認識します。それを繰り返すうちに脳にイメージが馴染んでいき、ゴールを達成することが(できて)当たり前という感覚が生まれます。
イメージするときのポイントは、気持ちが高まり、心が動くくらい、リアルにイメージすることです。その繰り返しにより、ゴールを手にする自信や確信が高まります。それがあなたをプレッシャーに強くします。
3-2.瞑想を行う(集中瞑想、観察瞑想)
瞑想はプレッシャーに強くなるだけでなく、心がブレない(揺れない)心理状態を作ることができます。次世代のメンタルトレーニングと言われるくらい効果的な方法です。Googleをはじめ、様々な企業が社員のストレス管理や健康、パフォーマンスUPのために取り入れています。
さらに瞑想を続けることでゴールに対する集中力を高め、プレッシャーに飲み込まれない冷静な心理状態と客観的な視点を持てるようになります。ここからは、そのために必要な集中瞑想、観察瞑想の方法をご紹介します。
【メンタルトレーニングの準備】
- トレーニングのための落ち着いた時間を確保する(10分以上がベストです)
【メンタルトレーニングの方法】
下記の手順で行いましょう。
- 姿勢を整える
- 深い呼吸を10回行いリラックスする
- 目を閉じ、呼吸に意識を向ける
- 集中瞑想か観察瞑想を10分以上行う
【メンタルトレーニング成功のチェックポイント】
- リラックスできているか?
- 呼吸に意識を向けているか?
- 深い呼吸をしているか?
- 集中瞑想時、意識がうつろになっても呼吸に集中しようとしたか?
- 観察瞑想時、頭に浮かんできた思考や感情、イメージに対して、評価や判断せずに、客観的に観察できているか?
そして以下のように集中瞑想と観察瞑想の特徴を知り、使い分けるのがポイントです。
【集中瞑想】
どんなに強いプレッシャーの中に身を置いても、ゴールに集中し、充分なパフォーマンスを発揮できる心理状態が手に入ります。そのために、瞑想中はどのような思考や感情、イメージが浮かんでも、呼吸のみに意識を集中するのがポイントです。
【観察瞑想】
どんなに強いプレッシャーの中に身を置いても、マイナスの思考や感情に支配されない心理状態が手に入ります。そのために瞑想中、どのような思考や感情、イメージが浮かんでも、呼吸に集中しましょう。
呼吸に集中しながらも、浮かんできた思考や感情、イメージを外側から眺めているかのように客観的な視点で見ましょう。その時、自分やイメージに対して評価や判断をせず客観視することがポイントです。
集中瞑想、観察瞑想のどちらを行うにしても、毎日10分以上行うのがベストです。マイナスの思考や感情に飲み込まれるかわりに、客観的な視点が手に入るため、常に思考と感情のコントロールをできるようになります。そのためプレッシャーに強くなることができます。
高いパフォーマンスを発揮するためには、欠かせない方法の一つと言っても過言ではありません。
3-3.プレッシャー、マイナスの感情を感じ尽くす
プレッシャーやマイナスの感情を感じ尽くしましょう。それらは、あなたから自信を奪い、パフォーマンスを低下させます。しかしマイナスの感情は、感じ尽くすと消えてなくなると心理学で言われています。これはプレッシャーにも同じことが言えます。
この方法は優れたセラピスト、カウンセラー、コーチが、クライアントに対してだけでなく、自らにも使う方法です。不安、恐れ、怒り、悲しみ、悔しさなど、様々な感情に使えるため、この方法に慣れると、プレッシャーやマイナスの感情に振り回されなくなります。
具体的な方法を以下にご紹介します。
【メンタルトレーニングの準備】
以下の質問に答え、今感じているマイナスの感情を明確にしましょう。
※マイナスの感情とは、不安、恐れ、怒り、悲しみ、悔しさ、モヤモヤなどです。
- もしも今、マイナスの感情を感じているとしたら、それは何ですか?
- あなたの成果を止めているマイナスの感情があるとしたら何ですか?
- あなたの行動を止めているマイナスの感情があるとしたら何ですか?
- 上記3つの質問でマイナスの感情があると答えた場合、どんな時に、その感情を感じますか?
- イメージするだけで楽しくなる、嬉しくなるような思い出は何ですか?
【メンタルトレーニングの方法】
下記の手順で行いましょう。
- イメージするだけで楽しくなる、嬉しくなる思い出を一つ用意する
- 姿勢を整える
- 深い呼吸を10回行いリラックスする
- 目を閉じ、呼吸に意識を向ける
- 観察瞑想を5分以上行う(3−2をご参照下さい)
- マイナスの感情を感じる場面を思い出す
- マイナスの感情を感じる
- 観察瞑想を10分以上行う
(プレッシャーや、浮かんできたマイナスの思考、感情、イメージを客観的に観察します)
【メンタルトレーニング成功のチェックポイント】
- リラックスできているか?
- 呼吸に意識を向けているか?
- 深い呼吸をしているか?
- 観察瞑想をしている時、でてきた思考や感情、イメージを評価・判断せずに、客観的に観察できているか?
- 辛い時はすぐにやめる(無理していないか)
- 繰り返しトレーニングしているか?
※【メンタルトレーニングの注意点】
以下はとても大事です。かならず実践しましょう。
- トレーニング中に気持ちが辛くなったら無理せずに止める
(別の日に行うなど、日を変え、トレーニング時間を5分〜10分に減らして行います。無理のないように、回数を重ねて慣れていきましょう) - 2回行い、2回とも辛い場合は、もっと軽いマイナス感情で行う
(軽いマイナス感情で、この方法に慣れたら、徐々に難易度を高めていきましょう) - 辛くてやめた後は、深呼吸をして、口角を上げ、プラスのイメージをする
(トレーニング方法の1番で用意した楽しい、嬉しい思い出を使います) - トラウマなどの大きい感情は扱わない
(このトレーニングでは、トラウマとつながっている感情を扱うのは危険です。その感情を解消したい、軽減したい場合は、プロのセラピストや専門医に相談してベストな方法を探しましょう)
この方法はプレッシャーを感じたり、マイナスの思考や感情、イメージが浮かんだりする場合は、毎日15分以上行いましょう。トレーニングを継続することで、あなたはプレッシャーやマイナスの感情との付き合い方が上手くなります。そしてマイナスの感情に邪魔されることなく、能力やパフォーマンスを最大限、発揮できるようになります。
ポイントはプレッシャー、マイナスの思考や感情、イメージが浮かんだ時、飲み込まれるのではなく、「今、プレッシャーを感じているな」「今、マイナスの状態になっているな」など、自分を客観的に見ることです。マイナスの思考や感情、イメージとあなた自身を切り離すことができ、マイナスの感情が消えていきます。
3-4.3章・まとめ
ご紹介した3つのメンタルトレーニングは、どれも効果的です。たった1つの方法が大きな力と効果をもたらします。プレッシャーに強くなるだけでなく、あなたの人生のステージを2段階、3段階引き上げるきっかけになります。一流のスポーツ選手は日常的にメンタルトレーニングを行います。それほど効果的ですので、ぜひお役立て下さい。
そして、プレッシャーに強くなるメンタルトレーニングは他にもたくさんあります。まとめた記事を以下にご紹介しますので、合わせてご覧ください。
4.プレッシャーに強くなる5つの考え方
プレッシャーがプラスになるかマイナスになるかの決め手は考え方・捉え方です。プレッシャー、失敗、出来事、自分自身に対する考え方・捉え方がポイントです。
2章でご紹介した行動、3章でご紹介したメンタルトレーニングは心理学や脳科学に基づく方法が主なため、実践すれば効果を発揮します。しかし、どんなに素晴らしい行動やメンタルトレーニングも、あなたの考え方や捉え方がマイナスに向いていると効果を発揮できません。
それは穴の空いたバケツに水をくむようなものです。まずはバケツの穴をふさぐことが重要になります。つまり考え方や捉え方がマイナスに向いていると、どんなにあなたが頑張っていてもプレッシャーはマイナスに働いてしまいます。
しかしこれからご紹介する内容は、プレッシャー、失敗、出来事、自分自身への考え方・捉え方をプラスに向けられるようになるため、プレッシャーをプラスに変えることができます。
4-1.失敗したらやり直せばいい
失敗を恐れたりマイナスに考え過ぎると、プレッシャーがマイナスに働きます。特に失敗したら「すべてを失う」「やり直しが利かない」など、極端に考えると悪循環に陥ります。しかし現実は、どんな失敗をしてもすべてを失うことや死ぬこともありません。さらに大切なことは、常にやり直せるということを知ることです。
数々の苦境や倒産の危機を乗り越え、パナソニックを世界に誇れる、日本の代表的な会社にした、パナソニックの創業者・松下幸之助氏は、「失敗すればやり直せばいい。やり直してダメなら、もう一度工夫し、もう一度やり直せばいい」と言います。
このように失敗に対する考え方・捉え方が変わると、プレッシャーに強くなり、プラスに変えることができます。
4-2.プレッシャーはプラスに捉えると人生に有用なものになる
プレッシャーをマイナスなものと捉えると、あなたの思考や感情、行動はマイナスに変わります。逆にプレッシャーをプラスなものと捉えると、その瞬間から人生に有用なものになります。
健康心理学者のケリー・マクゴニガル氏は、「ストレスを人生に価値のある、意義のあるものと考えることでプラスに変わる」と言います。プレッシャーにも同じことが言えます。例えばプレッシャーは「自分を強くしてくれる」「能力を発揮する準備をしてくれている」など、プラスに考えることで、成長や変化、結果につなげることができます。
この効果はハーバード大学で行われた、ストレスに関する実験でも証明されています。このようにプレッシャーに対する考え方・捉え方がプレッシャーに強くなり、プラスに変えるために、極めて重要なポイントになります。そのために、プレッシャーがもたらすプラスの側面に目を向けましょう。
2−3でご紹介した質問の例が効果的ですのでご活用下さい。
参考・引用:TED・ストレスと友だちになる方法
https://www.ted.com/talks/kelly_mcgonigal_how_to_make_stress_your_friend/transcript?language=ja
4-3.壁を感じた時は飛躍するチャンス
今の自分では超えられないような問題や課題、ピンチを前にした時、人は強力なプレッシャーを感じます。この時、マイナスに考えるほど、プレッシャーはマイナスに働き悪循環に入ります。さらに自分に自信が持てない時もプレッシャーはマイナスに働いてしまいます。
しかし、「壁を感じた時は飛躍するチャンス」と考えることで、プラスに作用し、あなたの力に変えることができます。そして、この考え方を身につけることで、常に可能性に目を向け、「今できることは何か」と考えて行動することができるようになります。それによりプレッシャーに強くなり、結果を出せる体質を手にすることができるようになります。
メジャーリーガーのイチロー選手は過去のインタビューで、「壁というのは、できる人にしかやってこない。超えられる可能性がある人にしかやってこない。だから、壁がある時はチャンスだと思っている」と答えています。こう考えることで多くの問題や課題、ピンチを成長と飛躍に変えました。
このように問題や課題、ピンチなど、マイナスに捉えがちな出来事をチャンスと考えると、プレッシャーに強くなることができます。
4-4.失敗はない、ただフィードバックがあるだけ
失敗はマイナスなものだと考えると、プレッシャーがマイナスになります。しかし、「失敗とはあくまで結果であり、こうすると上手くいく上手くいかない、ということを教えてくれるフィードバックである」と考えるだけで、気持ちが変わり、前に進むことができます。
心理学NLPでは、「失敗はない、ただフィードバックがあるだけ」という言葉があります。これは上記の考え方を表す非常に重要な考え方とされています。
電球や電話など、様々な発明をしたトーマス・アルバ・エジソン氏は、電球を発明するまでの間に1万回以上の失敗をしています。それに対して、「私は今までに一度も失敗をしたことがない。上手く行かないのは失敗じゃなくて、その方法では上手くいかないことがわかっただけ。だから成功なんだよ」と話しています。
大事なのは結果から学び、改善して、次につなげていくことです。その循環が結果につながります。この考え方を実践し始めた時、プレッシャーに強くなっていきます。
参考・引用:地球の名言
http://earth-words.org/archives/527
(エジソン氏の言葉は、訳者により多少の表現の違いがあります)
4-5.最後に笑えればそれでいい
最終的に笑えれば幸せです。そう考えるだけで心に余裕が生まれ、思考や感情、行動が変わります。「最後に笑えたらいい」「最後に笑うためにどうしたらいいか」。そこに目を向けるだけで、プレッシャー、失敗、出来事、自分自身に対する付き合い方が変わります。
ぜひ心のどこかに置いておきたい考え方です。
4-6.プレッシャーに強くなる2つの補足
ここでは考え方・捉え方とは少し違いますが、プレッシャーに強くなるために絶対に押さえておきたい2つの補足事項をご紹介します。
■1.生活習慣や規則正しい生活がプレッシャーに強い体質をつくる
不規則な生活習慣や生活リズムが、プレッシャーやストレスに対する耐性を低くします。自律神経やホルモンのバランスとつながっているため、想像以上に影響しています。しかし食事、栄養、水分補給、睡眠、呼吸、運動などの規則正しい生活習慣や生活リズムにより、劇的に改善することができます。自律神経やホルモンのバランスが整い、プレッシャーやストレスに対する耐性が高まります。
以下に食事、栄養、睡眠、呼吸、運動のポイントについてシンプルに教えてくれる記事をご紹介しますので、合わせてご覧下さい。
■2.自分を高める/変えることが1番の解決策
自信が持てないことに対して、人はプレッシャーを感じます。自信があればプレッシャーは感じません。つまりプレッシャーに強くなる鍵は、「できて当たり前」「自分にできないわけがない」「最終的には結果を出せる」と思えるほど、自信を高めることです。
それがプレッシャーに強くなり、プラスに変える1番の方法です。
相対性理論やノーベル物理学賞で有名なアインシュタイン(Albert Einstein)は、「問題はそれと同じレベルの次元(思考)では解決することはできない」と言います。
これはプレッシャーに置き換えることができます。プレッシャーを感じる出来事、悩み、問題は、それよりも上のレベルに上がることでしか解決できません。そしてレベルを高める方法の1つが、考え方・捉え方を変えることです。
5.まとめ
いかがでしょうか?
ご紹介してきた内容を実践することで、あなたはプレッシャーに強くなり、プラスに変えることができます。たとえ今、どれだけプレッシャーに悩み、苦しんでいてもです。
ここでご紹介した行動やメンタルトレーニング、考え方・捉え方は、心理学や脳科学でも効果的と言われる内容です。あなたはプレッシャーに強くなるだけでなく、今までよりも高く、あるいは劇的に能力やパフォーマンスを引き出せるようになりますので、ぜひご活用下さい。そしてあなたにとって最高の未来、最高の結果につなげていきましょう。