コーチング

実践者の1冊『コーチング1on1で成果を最大化する心理学NLP』ポイント解説

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この本は、「コーチング」としての1on1について書かれています。

1on1で行き詰まりを感じているか、さらなる高みを目指す方に、この本をおすすめします。

本書の日本出版にあたり、著者であるNLPの世界的な権威3名の講演会が行われ、コーチングとは職業がコーチの方だけではなく、家族にも職場の仲間にも効果的であることを伝えてくれました。特にパワフルクエスチョンができるかどうかが、大きな鍵となることがわかりました。

そして本書はコーチングの実践者向けですので、ティーチングやフィードバック、あるいは単なる話し合いを求めていたり、1on1を制度化するための情報がほしい方には、少し方向性が違う内容です。

例えば、
1on1はやってるし、わかるけど、そこまでのものじゃないんじゃない?
1on1で、そこそこの成果は出てると思うけど、必須とも思えない。

または、
1on1で同じ質問をするんだけど、人によって返事がだいぶ違って困る。
聴くに徹すると、話が期待と違う方向に流れてしまうのが悩み。

このようなことがあれば、納得できることも多く、新たな一手を掴んでいただけることと思います。この記事では、書籍に掲載のコーチング1on1で役立つポイントを、ありがちな課題と共に紹介していきます。

他者との会話において、考え方の違いやコミュニケーションの方向性に悩んだことがある方なら、人間心理や脳内の情報処理を基に示された、即戦力となる知識が得られると思います。気になったワードから読んでも良いでしょう。

ご紹介する書籍はこちらです。

コーチング1on1で成果を最大化する心理学NLP

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1.このような皆さんにおすすめします

1on1を実践されて、行き詰まりを感じているか、さらなる高みを目指す方におすすめします。

この本では、「コーチング」としての1on1ですので、一人はコーチ、一人はクライアントとしてお話を進めていきます。

1on1は、慣れるほどに良い時間を作れるようになりますが、やはりコーチ側のスキルが高いほど、意味深い時間になることが期待できます。

例えば、このような課題はありませんか?

【クライアント側】

  • 何でも話して良いと言われても、話すのが苦手で困る。
  • 自己開示を求められるのが苦痛。
  • ついつい相手が期待している答えを考えて話してしまう。
  • 仕事の締切が迫っているのに、話す時間をとる意味がわからない。この時間が仕事に役立っていると思えない。
  • 本当に自由に話したら、もう少し真面目に話すよう注意された。

【コーチ側】

  • 傾聴はできていると思うが、本音を引き出せているのかわからない。
  • 描いたコミュニケーションの流れと、全く違うところに行きついてしまう。
  • 関係性は改善したが、仕事に関して効果的なのか疑わしい。
  • 全員に同じ質問をしても、回答が違いすぎて、どう進めると良いか迷うことがある。
  • そこそこ上手くできていると思うが、さらなる成果や心理的安全性を育みたい。

クライアント側でも、コーチ側でも、慣れて1on1ができてくると、せっかく仕事の手を止めてまで話すのだから、もっと成果が上がるようにしたいと思われる方は多いでしょう。

他にも、家族の話や、自己開示をし合うのは、最近の風潮と反する中、何を深めるべきか迷うこともあるかもしれません。

そんなときに役立つのが、心理学を元にしたコーチング1on1です。

コミュニケーションをどういう方向で進めるのか、そういったことを定め、何らかの成果を導くコミュニケーションが為されれば、お互いに意味ある時間となるでしょう。

ここからは具体的に、コーチングのプロセスと、そこに効果的な心理学NLPの知識を交えて紹介していきます。

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2.なぜコーチングなのか

コーチングは、クライアントが望むゴールへの到達がより望ましい状態になったり、想定より早く到達するのを助けることですので、プロセスは下記のようにシンプルです。

  1. 達成したいゴールを確認する
  2. 現状の確認により、ゴールと現状の差異を発見する
  3. 差異を埋めるための、新しく始める行動や他の選択肢を見つける
  4. ゴール達成のために、行動計画を作成する

そして実際は、クライアントの答えは複数出ますので、それを明確にデザインする複雑さも生じます。

コーチングはパッケージされた商品ではなく、クライアントのゴール、クライアントの価値観、クライアントの環境など様々なことが絡み合いながら、コーチとの会話によって築き上げられていくのです。 そのため、クライアントにとって快適にゴールに進むことができるので、コーチング1on1では成果が出やすいと言われています。

まず最初の段階でゴールを確認し、それが達成できたとわかる指標を明確にする必要があります。

それは、ここを聞き出せないでいると、クライアントがゴールを達成したことが、クライアント本人も、コーチもわからないためです。
とても大事な部分です。

職場の1on1でも、コーチングの視点で考えるとこのようなことです。

例)

『先輩に認められたいです。

 指示待ちだと怒られるのですが、

 自分で決めて進めても怒られるんです。

 いったいどうしたら良いのでしょうか?』

ここでのゴールは、先輩に認められることですが、これは、どうしたら達成とわかるのでしょうか?

このようなとき、言っている本人も明確な答えを持っていない可能性があります。

そういったときにコーチングの質問や、コミュニケーションの方向性を定め、どうなれば、そのゴールは達成となるのか?そういったことを明確にしていきます。

気をつけたいのは、「怒られたくない」という気持ちもあることです。ここをケアすることで、積極的な行動計画への制限がなくなっていくと期待できます。

客観的には、「こまめにコミュニケーション取ったら良いのでは?」「報告が足りないのでは?」とアドバイスをしそうになりますが、コーチング1on1ではそれを相手から引き出すことが望ましいですね。

また、「こうしたい!」という話がメインの人と、「こうしたくない!」という話がメインの人がいます。

「したくない」ばかり言っているのを聞くと、やる気が無いように聞こえますが、全力で「したくないことを避けること」にやる気が溢れているだけです。表現が違うだけで、ゴールが同じことすらあります。

例えば、以下のような表現を見聞きすることがあるかもしれません。

  • 後輩に、元気な笑顔を見せたいんです
  • 後輩に、疲れた顔は見せたくないんです

表現は違いますが、ゴールは似たようなものです。

他にも、

  • お客様の前に立つので、若々しくいたいです
  • お客様の前に立つので、老け込みたくないです

どちらも同じようなゴールですが、若々しくいたいと聞くほうが、積極的な印象があると思います。

老け込みたくないと言うのは、ネガティブな印象すらありますが、本人は至ってポジティブに、アンチエイジングに取り組んでいるかもしれません。

この本では、そういった違いも紹介していますので、これまでとは違う耳で、クライアントの言葉を捉えることができるでしょう。この様になると、クライアントが望むゴールへ、クライアントにとって快適なコミュニケーションで導くことができるので、コーチング1on1が成果を生みやすいと考えられています。

3.コーチングの基礎から私が選んだ3つのポイント

ここでは、コーチングの基礎の中でも、知っておきたい以下の3つに触れておきます。より生産的でありたい、と考えた時に重要なポイントと言えるでしょう。

1.コミュニケーションブロッカー

2.非言語コミュニケーション

3.コーチングの技巧

1つ目は、コミュニケーションブロッカーです。

これは円滑なコミュニケーションを遮る、受け答えのことを言います。

解決策の押し付け、命令、警告のように、明らかにコーチの在り方として問題があるものと、褒める、慰めるなどのように、一見良さそうなことも載っています。

例えば、これはどうでしょう?

「上司はあなたに怒っているわけではありません。

 ただ単に、そう見えてしまうだけです。」

上司と部下の間に立っていると、つい言ってしまいそうですが、これはクライアントの考えを否定しています。

こういった具体的な発言事例が16個載っています。

自分のクセとして、ついついやっていることがあるかもしれませんが、それは、無意識の内にクライアントの心を傷つけ可能性を狭めているかもしれません。

使う言葉に鋭敏になり、クライアントに効果的であるよう努める必要があるのです。

2つ目は、非言語コミュニケーションです。

言葉には出していない、見た目など非言語から伝わるメッセージのことです。

この本では、1on1という状態を、1つのシステムとして捉えて、その構成要素として非言語コミュニケーションについて触れています。

また、役職や社歴などの関係で、無意識の内に取っている、避けたい姿勢の危険についても気づけるでしょう。

コーチが腕を組み、ゆったりイスに腰掛けることで、威圧感を与える可能性もあります。エクササイズが載っていますので、試してみると発見があるかもしれません。

特に気をつけたいのは、コーチ側が非言語のコミュニケーションが少ない場合です。

クライアントが身振り手振りで一生懸命話しているのを、真剣に聴いているものの、一点を見つめて、頷くこともない状態では、クライアントは不安に陥っていたりします。要注意です。

3つ目として、コーチングの技巧も紹介しておきます。

承認、挑戦、中断、探求、要望、リフレーミングと複数ある中でも、【中断】は大事な技巧でしょう。

クライアントが、全く関係ない話をしていて、脱線しているときに、中断できるか?は限られた時間で成果を出すために、重要です。

例えば、このような言葉がけです。

「すみません、この話がどこに進んでいるのかわからないのですが」

聴くに徹すると言っても、お互いの時間を有益なものにするために、コーチング1on1では、中断することも選択肢です。

脱線しながら、戻ってくるようにコミュニケーションをデザインするスキルがあれば、それでもよいでしょう。そしてシンプルに、相手とのコミュニケーションを方向づけたとおりになるよう、中断することのほうが時間の無駄がないと私は思います。

4.コーチング1on1の舵取りはコーチです

コーチング1on1ではクライアント主体で進めますが、その場をコントロールして、 コミュニケーションを方向づけるのはコーチの役割です。

1on1で困るのは、ひたすら聴いていても、話がまとまらなかったり、生産的な時間にならないことですね。コーチ側に、コミュニケーションを方向づける技量があることで、1on1は成果が上がるでしょう。

コミュニケーションのゴールを自分が定め、そこに導くように言葉をかけていくのです。これが自然にできるようになるまでは、練習が必要です。

大枠の台本を作って、一緒に組み立てるようにしても良いかもしれません。

始める前に、

『せっかく話をできるので、困っていることがあれば解決につながるよう、なにか目標があるなら達成できるよう、協力させてほしい』

などと言葉をかけると、既にそのコミュニケーションは意図が設定されていきます。漠然とでも、なにか良い方向に向かうための話ができることが伝わるでしょう。

『最近どう?』から始めて、とりとめない話をするのとは、また違う時間になると期待できます。

その後も、脱線に気づきつつ、必要に応じて戻し、脱線した先が本音だった場合は、仕切り直すなど、コミュニケーションを方向づけるよう働きかけていきましょう。

書籍には、ここまでのような基本に加えて、コーチングのテクニックも載っています。一つ一つに具体的な手順も載っていますので、まずは自分で試してみると良いでしょう。

第1章 概要
  • なぜコーチングなのか
  • コーチングとは
  • コーチングの焦点とは
  • コーチング・スキルと心理療法
  • 神経言語プログラミング(NLP)
  • コーチとクライアントの関係性
第2章 コーチングのプロセス
  • コーチ契約
  • コーチング・サイクル
  • インテーク(導入セッション)
  • 普遍の変化のサイクル
  • メタプログラム
  • パート1:メタプログラム・プロファイリング
  • パート2:パターンの説明
  • 決断の判断基準
  • プロセス型/オプション型
  • 変化・相違対応
  • 確信
  • 納得モード
  • 行動の主体性
  • 全体型/詳細型
  • 関係性
  • 時間参照
  • 連携
第3章 コーチング入門:基礎
  • コミュニケーション・ブロッカー
  • コーチングと非言語コミュニケーション
  • システミック・コミュニケーション
  • アクティブ・リスニングとバックトラッキング
  • 知覚位置
  • オープン・クエスチョン
  • 非常に有効なコーチングの質問 「メタモデル」
  • 前提 (暗黙のまたは隠れた前提)
  • コーチングの技巧
第4章 コーチング・セッションの概要
  • コーチング・セッションの概要
  • ラポールを築く
  • クライアントのアジェンダ(課題項目)を保持する
  • コミュニケーションを方向付ける
  • 適格に構成されたアウトカム ~成功のための必要条件~
  • メタアウトカム ~アウトカムのアウトカム~
  • あなたの未来の脚本を創る(ストーリーボード) ~長期目標を逆計画する~
  • ステート・マネジメント
第5章 テクニック
  • アプリシエイティブ・インクワイアリー
  • グレゴリー・ベイトソンの問題解決ストラテジー(ロバート・ディルツ考案)
  • ニュー・ビヘイビアー・ジェネレーター(新しい行動を作り出す)
  • リソース・ステート
  • 創造的な問題解決のプロセス:リフレーミング ~意識的なコーチングのプロセスとしてのリフレーミング~
  • クライテリア(価値基準)を明確にする
  • ディズニー・ストラテジー(ロバート・ディルツにより開発)
  • ビリーフ
  • ステムビリーフ(根幹のビリーフ)とは
  • ビリーフチェンジのプロセス(ジャン・エルフィンが開発したテクニックを改良したもの)
  • コーチとして熟考すべき重要なポイント
まとめ
  • 付録1
    ・メタプログラム・プロファイリング
  • 付録2
    ・ダン・ロスによるケーススタディ
     知覚位置
     メタモデル
     リソース・ステート
     ビリーフ
     再刷り込みと知覚位置

ではこの後、著者についてご紹介していきます。

5.著者について

3人のプロフィールや人柄についても触れてご紹介します。

ティム・ハルボム氏(Tim Hallbom)

ティムさんは、コーチング分野では、長年に渡るたぐいまれな貢献により、International Academy of Behavioral Medicine, Counseling and Psychotherapy(IABMCP)より、プロフェッショナル・コーチング分野でのDiplomate(最高位の会員資格)を授与されています。

さらにティムさんのNLPコーチ認定プログラム(NLP Coach Certification program)は、北米で初めて国際コーチ連盟(ICF)に承認された、NLPを基礎としたプログラムとなりました。

心理療法士としてキャリアをスタートされたティムさんの、論理的で凄腕スキルと、常に穏やかな様子でありながら、目をキラキラさせて見せるユーモアのあふれる一面は人を虜にします。

ティムさんがマネークリニックというセミナーの中で、自分が子供時代の体験を話してくれたことがあります。

貯金箱のお金を黙って使ってすごく怒られたと思っていたけど、大きくなって母親に聞いたら、『小さなあなたが交通量の多い道路を渡ったとわかって、怖くてたまらなかったわ!』と言われた話は印象的です。

このように、子どもの世界で捉えた印象は、思い違いであることもあります。それらを書き換えることで、人生を良い方向へ切り開くスキルなどにも定評があります。

ニック・レフォース氏(Nick LeForce)

ニックさんは、1983年から神経言語プログラミング(NLP)や、エリクソニアン催眠療法を集中的に研究し、その後ティムさんとクリスさんの2人と出会い、コーチやコーチのトレーナーとして世界中を飛び回り、今に至ります。

日本では昨年から、『NLP催眠療法マスタープラクティショナー認定コース』を担当され、そのクラスの受講生の皆さんから、他のクラスも担当してほしいと熱望されています。

なおセミナー中に、ニックさんの家のネコがドアの外でにゃーにゃーと鳴き、音声が入ってしまったときに『Oh,私達のチームに加わりたいようだ』と笑顔で話されました。このことだけでも、ネコをかわいがっていること、受講生との距離感など温かい人柄が伝わってくると思います。

さらにニックさんは、詩(ポエム)も得意とされています。詩で人の無意識に働きかけ、自然な内面の変容を促すなど、穏やかながらパワフルに、人の内面に変革を起こしてくれます。

クリス・ハルボム氏(Kris Hallbom)

クリスさんは、世界的に知られたNLPトレーナーであり、著者であり、ライフ・コーチでもあります。

またクリスさんは、世界中の20を超える国々で受講生を前にしたライブ講義形式で教えられている、『NLPマネークリニック™ プログラム』の共同開発者でもあり、多くの人々がそれぞれの人生で望んでいるものをより多く手に入れるためのサポートをしています。

そしてクリスさんが教えてくれる中には、健康に関して【奇跡のレシピ】と名付けたレシピがありまして、これが生まれる経緯は恐ろしいものでした。

当時、『あまりにも深刻な病状のクライアントが増えている。もしかして私がそうなのかしら・・・』と検査をされ、どう考えても、良い状態にない検査結果の中、夫のティムさんとともに、その危機的状況を乗り越えられました。

書いていて、クリスさんが元気でいらっしゃること、実体験に伴う知識を集約して、提供してくれていることに改めて感謝が湧いてきました。

(奇跡のレシピは、NLP上級ヘルス&ウェルネス コーチトレーニング・健康と生活習慣編で学ぶことができます。)

この本は、このように人間心理を深く学び、実践され、人々や企業のコーチとしても活躍する3人の叡智が詰まった一冊です。

時折、自分の心に触れる部分があり、本から離脱し、自己探求に入ることがあるかもしれません。

それも、この本をおすすめしたい部分の1つです。普段は気づいていない自分の気持ちや考えに気づくことや、過去の思い出したくないネガティブな記憶と向き合うことは、今後の人生をより良くする助けになってくれるでしょう。

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まとめ

コーチングと題された本ですので、コーチングにはもちろん役立ちます。

そして、何かを目指したい、さらなる飛躍を遂げたいと考え、これまでと違うコミュニケーションを取る際にも一助となるでしょう。

本の最後に付録として載っている事例は、それぞれ自分とは違う他人の話ではありますが、『こういうこと、私もあるかもしれない』とか、『あのとき、あの人はこういう状態にいたのかな』などと思い当たることがあるかもしれません。

自分が体験しないことを、ありありと体験させてくれるのが事例のよいところです。ぜひ、いろいろ想像しながら、読み進めてみてください。

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