
節目のタイミングで振り返り、自分が本当にやりたいことはなんだろうか?と考えることがあるかもしれません。
【終わりよければ全てよし】と言われますので、特に年末や年度末は、
真剣に考え、梅雨時には少し気持ちが薄れている方もいるでしょう。
節目のタイミングでは、納会なども楽しい時期ですが、仕事がデキる人や、成長し結果を出し続けるビジネスパーソンは、ある3つのことに取り組みこのような体験をされています。
- とにかくスタートダッシュが違う!
- 他の人が目標設定している頃には、一つの目標が達成されている!
- チーム力が発揮できて、驚くほどプロジェクトが進むようになった!
- 時間と気持ちに余裕が生まれ、好きなことをやる時間が増えた!
- ムダを省き、生産性や効率が上がって、成長している充実感が増えた!
ここでご紹介する3つのことに取り組むことによって、ますます仕事や人生の効率や生産性を上げ、目標達成を加速させていくことができるでしょう。
【デキるビジネスパーソンは、節目で何に取り組んでいるのか】
「整理整頓」や「断捨離」が各メディアで取り上げられる中、デキる人は、実は「モノの片づけ」だけでなく、「人生の整理整頓」に取り組みます。
単なる整理整頓という考え方ではなく、【仕事や人生でやりたいことがあって、はじめて「必要なモノ」「不要なモノ」が生まれてくる】という発想で、人生で「やること」「やらないこと」を決めていきます。
この記事では、デキるビジネスパーソンが取り組む、人生の整理整頓「7つのリスト」をメインに、節目のタイミングで実践したい「モノの整理整頓法」、そして「人と話す」という3つのことをご紹介しています。
具体的な方法や効果、また他の人が節目でどんなことに取り組むのか、そのリストもご紹介しています。また節目ならではの参考書籍もご紹介していますので、ぜひあなたの未来に役立ててください。
![]() | 著者:足達 大和 全米NLP協会公認・NLPトレーナー |
当サイト「Life&Mind」の運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。 NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。 |
目次
1.「7つのリスト」を作成する
ここではデキる人たちが取り組んでいる「人生の整理整頓7つのリスト」をご紹介します。
人生で「やること」「やらないこと」、また「大切にしたいこと」「手放すこと」を整理すれば、ムダを省き、効率や生産性を高め、達成感や充実感といった「生きがい」や「生きる喜び」を手に入れることができます。
あなたの仕事や人生を一気に加速させる
次のスタートまでに作成したいリストは、以下の7つです。
- 才能や得意分野を伸ばす強化策リスト
- 苦手を克服する改善策リスト
- あなたのモヤモヤをスッキリさせる完了リスト
- 奪われたエネルギーや集中力を取り戻すドロップオフリスト
- 一貫性をもって自分をパワフルに動かす価値観リスト
- 後悔のエネルギーをやる気に変えるエンディングリスト
- バランスホイールを使ったやりたいことリスト
では一つずつ具体的にお伝えします。
1-1.強化策リスト:才能や得意分野を伸ばす
ここでは仕事や人生を飛躍させるための準備として、あなたの才能、得意分野、また強みを拡大させていく「強化策リスト」を書き出します。以下の2つのステップで書き出してください。
■ステップ1 出来事を振り返り、うまくいったことを書き出す
「うまくいったこと」とは、得意分野や才能、また強みといったこともそうですし、成功したこと、面白かったこと、楽しかったことといったポジティブな出来事や体験です。
以下の例を参考にしてください。
例
うまくいったこと | 強化策 (伸ばすためにやること) |
---|---|
仕事の個人目標が達成できた | |
前回の振り返りのときより本が読めた | |
楽しい家族旅行ができた |
■ステップ2 伸ばしていきたい強化策をリスト化する
うまくいった点をみて、さらに伸ばしていきたいと思う【強化策】を考えます。どのように伸ばしていきたいか、またそのためにやることは何かを以下の例を参考に書き出してください。
例
うまくいったこと | 強化策 (伸ばすためにやること) |
---|---|
仕事の個人目標が達成できた | チームの目標達成を目指すためにコーチングを学ぶ |
前回の振り返りのときより本が読めた | アウトプットのために本ごとのレビューをつくる |
楽しい家族旅行ができた | 来期は海外に行く、またはイベントの数を増やす |
つまり、ここで書き出したリストは、
- コーチングを学ぶ
- 本のレビューを作成する
- 家族のイベントを増やす
となります。
このように過去の出来事から、よりポジティブな体験や成長ができる「強化策」を具体的に見出していきます。
このやり方は、実際に起きた出来事をあつかうので、リアルで実感が伴う目標設定にも有効です。
1-2.改善策リスト:苦手を克服する
このリストは、先の強化策リストと同じアプローチで、失敗や反省を歯止めする、やることリストを決めていきます。同様に以下のステップで、書き出してください。
■ステップ1 出来事を振り返り、うまくいかなかったことを書き出す
「うまくいかなかったこと」とは、失敗したこと、反省したこと、二度と体験したくないといったネガティブな出来事や体験のことです。
人によっては、忘れたいことかもしれませんが、この出来事や体験を成長の糧として、
学びにしていくのがこのリストの目的です。
以下の例を参考にしてください。
例
うまくいかなかったこと(失敗や反省) | 改善策 (改善のためにやること) |
---|---|
A社のプレゼンが散々だった | |
上司との会話がぎくしゃくしていた | |
太った |
■ステップ2 再発防止、また改善していきたいことをリスト化する
うまくいかなかった点をみて、改善したい【改善策】を考えます。どのように改善していきたいか、またそのためにやることは何かを以下の例を参考に書き出してください。
うまくいかなかったこと(失敗や反省) | 改善策 (改善のためにやること) |
---|---|
A社のプレゼンが散々だった | プレゼンテーションの研修に参加する |
上司との会話がぎくしゃくしていた | コミュニケーションの本を読む |
太った | ジムに通う |
つまりここで書き出したリストは、
- プレゼンテーションの研修に参加する
- コミュニケーションの本を勉強する
- ジムに通う
となります。
このやり方も、「強化策」と同様に、実際に起きた出来事をあつかうので、リアルで実感が伴う目標設定に有効です。
次はまた別の角度でリストを作っていきます。
1-3.完了リスト:モヤモヤをスッキリさせる
この完了リストとは、着手したものの未完了になっていること、言いたいことや伝えたいことがあるのに言えずにいること、またやろうと思っているのにやらずにいることなどを書き出します。
あなたの集中力や生産的なエネルギーを奪っているものが、この完了リストの項目です。
なんとなく気になっているもの、モヤモヤしたものを書き出してください。
例えば、
- そのままになっている未完了なプロジェクトや案件
- やろうと思っていて着手していないこと
- 誰かに借りた物を返していない
- 曖昧にしていること
- 誰かに言えずにいるお礼や感謝の言葉、または謝罪の言葉
です。
思いつくまま書き出してください。
書き出された項目は、次の「ドロップオフリスト」で整理整頓していきます。
1-4.ドロップオフリスト:奪われたエネルギーや集中力を取り戻す
ドロップオフとは、【やめること】【手放すこと】を意味する言葉です。
目的はビジネスの言葉で表現すると本来の「リストラクチャリング(再構築)」や「選択と集中」を意味します。
次のステージに進むためには、今あるリソースを望むものやゴールに向けて、集中して活用していくことが必要です。
あなたの仕事も、そして人生もここで何かをやめたり、手放すことで、新たなステージを生み出す時間やお金、また活力といったリソースを手に入れることができます。
それは「物」だけでなく、行動や考え方、また人間関係なども含みます。以下の項目について例を参考にしながら、思うままに書き出してください。
- より生産性を高めるために、やめたほうがいいことは何か、手放すものは何か?
- あなたの人生がより豊かになるためにやめたほうがいいことは何か、手放すことは何か?
- あなたの仕事や人生で時間やエネルギーを奪われているものは何か?
以下の例を参考にしながら、ぜひ書き出してみてください。
【ドロップオフリストの例】
- 着手しているプロジェクト
- 停滞している事業
- 深夜の食事やネットサーフィン
- 喫煙やお酒
- スマホを見る時間
- 過剰なコーヒーや間食
- 人の目を意識した過剰な行動
- 完了リストで書き出した項目 など
1-5.価値観リスト:一貫性をもって自分をパワフルに動かす
価値観とは、あなたの人生で「大切なもの」です。
その価値観とは、「自由」「創造」「表現」「冒険」「笑顔」「つながり」といったキーワードで表され、あなたの人生を動かすパワフルな原動力になります。
価値観に逆らって過ごしていると、一見うまくゴールを手に入れたように見えても自己矛盾や葛藤が起きて長続きしません。
例えばあなたに「誠実さ」といった価値観があるにもかかわらず、不誠実なことを行うと、嫌悪感や罪悪感をもち、酷いときには病気の原因になります。
パワフルに人生を過ごしている人は、この価値観に忠実です。一貫性をもって日常を過ごしていますので、日々充実感を覚えながらエネルギッシュに過ごしています。
【あなたにとって大切な価値観とは何か】
以下の3つのステップであなたの価値観をより明確にしてください。
■ステップ1 理想の人物について書き出す
以下の表を見てください。
人物 | 考え方や特性 |
---|---|
まずこの表の左の欄には、あなたが理想とする人物の名前を書きます。
ここは身近な人、歴史上の人物、偉人や映画や漫画の主人公でも大丈夫です。憧れている人や尊敬する人物の名前を書きます。すると以下のような人物リストが出来上がります。
人物 | 考え方や特性 |
---|---|
スティーブ・ジョブズ | |
マザーテレサ | |
ガンジー | |
アインシュタイン | |
イチロー | |
松本人志 | |
ルフィ(ワンピース) |
■ステップ2 その人物の考え方や特性を書き出す
右の欄には、どうしてその人物が好きなのか、どんなところに憧れるのか、その考え方や特性を書き込みます。
例えば、スティーブ・ジョブズであれば、
「創造性をもってそれを形にしたこだわりの生き方」とか、
マザーテレサであれば、
「愛を与え、多くの人に生きる勇気や優しさを与えた」といった具合に自由に書き込んでいきます。
そうすると、以下のような書き込みができます。
人物 | 考え方や特性 |
---|---|
スティーブ・ジョブズ | 創造性をもち、できると信じて妥協しない生き方 |
マザーテレサ | 愛を与え、多くの人にやさしさや生きる勇気を与えた |
ガンジー | 国のために自分を信じて行動を起こしたところ |
アインシュタイン | 常識にとらわれず、自分の想像力を信じて何かを生み出す力 |
イチロー | 理想を探求し、周囲になんと言われようと進んでいく姿勢 |
松本人志 | 笑いで世の中を幸せにしようとする考え方。また探求心 |
ルフィ(ワンピース) | 仲間を大切にすること。その強さ |
そして記入が終わったら確認してください。
これらの考え方や特性の中には、あなたが他の人に投影しているあなたの価値観が含まれています。以下の価値観の例を参考に、あなたが大切にしたいキーワードを見つけてみてください。
【価値観の例】
正直、誠実、創造、独創性、愛、知性、冒険、チャレンジ、中庸、寛大、平等、公平、前進、一生懸命・一所懸命、遊び心、探求、追求、極み、調和、つながり、美しさ、勇気、楽しさ、自由、真心、洞察、深堀り、活力、刺激、平安、自発的、忍耐、思いやり、洗練
※逆のリストを書き出すことでも、あなたの価値観はより浮き彫りになります。
例えば、認めたくない特性として「社会的な立場で対応を変えてしまう人」と記入したら、「平等」という価値観が挙がってくるかもしれません。
すぐに気づく人もいれば、次のステップで自分にとっての大切な価値観を見出すことができます。
※参考文献 ジュリア キャメロン ずっとやりたかったことを、やりなさい。サンマーク出版
■ステップ3 次の8つの質問に答えながら価値観、キーワード、特性を整理する。
以下の質問で、あなたの動かす価値観をさらに整理してください。
- 書き出しの最中に繰り返し出てくるキーワードは何か?
- 言葉は違っていても、同じような意味が込められているキーワードは何か?
- 書いている最中に、何回も書きたくなっていた価値観は何か?
- リストを眺めながら、回数は少なくても印象にのこるキーワードは何か?
- これらの中で、自分を幸せにしてくれたり、満足感や充実感を与えてくれるものは何か?
- これまでのリストにないもので、今、あなたの人生で大切にしたい価値観は何か?
- これまでの表や質問で、リストアップされた価値観やキーワード、または特性で、意識して表現しているもの何か?
- 同様に上記のリストアップされた価値観やキーワード、または特性で、表現できていないものは何か?
8番の質問の答えを見ればわかりますが、ここで答えた内容は、
「あなたにとって大切だけど、体験できていないもの」になります。
この答えの部分を意識して日常を過ごしてください。
この価値観だけでも、日々の充実感、仕事の満足感を手にすることができます。
以上で書き出したことから、あなたのこれからの人生で大切な価値観をリスト化し、その優先順位をつけてください。
※参考文献 NLPマネークリニックセミナー テキストより
1-6.エンディングリスト:後悔のエネルギーをやる気に変える
ある人にとってはこれが一番の人生の整理整頓になるかもしれません。
それは遺書を書くことによって生まれてくるエンディングリストです。
遺書を書き出せば、直近だけでなく、あなたの人生を振り返ることができます。
【明日からの一年が、あなたの人生にとって最後の年だとしたら】
エンディングリストはこういう前提で、しておきたかった後悔を参考にして、今後取り組むこととして書き出していきます。
書き出すことに特別に構える必要はありません。遺産の分配といったことではなく、
以下のような項目を書き出していくだけで、あなたの人生は整理整頓されることでしょう。
- この人生で何を与えられたのか
- この人生で学ぶ必要があったことは何か
- 何が後悔となっているのか
- 感謝しているのは誰か
- 誰に何をしてあげたかったか
- もう一度生まれ変われるとしたら、どんなことにチャレンジしたいか
- もう一度生まれ変わったら、どんな人生にしたいか
ぜひ、こういった項目に想いを巡らせ、そしてこれから何をしていくかを考えてみてください。それがエンディングリストです。
1-7.やりたいことリスト:バランスホイールを使う
とてもシンプルですが、最後に「やりたいこと」を書き出してください。
これまでは成長のために「やらなきゃいけないこと」といった枠組みで、窮屈に感じた人もいると思いますが、本来あなたの人生は、あなたのもの、自由です。
デキる人たちは仕事だけでなく、遊びや趣味といったことも大事にしています。そしてバランスを重視しています。そこで参考になるのが、バランスホイールと呼ばれるものです。
仕事や人間関係、また経済や趣味といった各分野を見ながら、思いつくままにやりたいことを自由に書き出していきます。
ポイントは、バランスです。
仕事がうまくいっても家族との関係がうまくいっていなければ長く続きません。また、経済的に豊かであっても、健康面に問題があれば、その豊かさや幸せを実感することはできません。
そういったことも意識しながら、これからの人生で「やりたいこと」を書き出していきます。
2.モノの整理整頓を始める
荒れた学校や生活地域を調べてみると、窓が割れていたり、壁に落書きがあったり、照明が暗いといった、いくつかの共通点があります。
また企業の世界でも同じで、成長している企業はオフィスだけでなく、トイレもきれいです。逆にうまくいっていない企業は、面白いようにオフィスが煩雑でトイレが汚い。
これらから言えることは、生活や仕事といった人生の質と、それを取り巻く環境には、確かな因果関係があるということです。
ここではあなたの時間や集中力、またやる気や発想、そして経済的な影響をあたえている「モノ」の整理整頓のステップ、そして具体的な4つの効果や何を整理整頓するのか、その具体的な対象をご紹介します。
2-1.整理整頓のステップ
モノの整理整頓の具体的なステップをご紹介する前に理解しておきたいのが、「整理」と「整頓」の違いです。
【整理】とは、すべての物を「使う物」と「使わない物」に分けて捨てること、
【整頓】とは、「使う物」をどこに配置するかを決めることです。
物が少なければ少ないほど、空きスペースができ、整頓も清掃も楽です。ぜひこのことを理解し、以下の具体的なステップを活用してください。
ステップ1 目的と基準を決める
ステップ2 物を「見える化」する
ステップ3 分ける
ステップ4 さらに分ける
ステップ5 捨てる
ステップ6 再配置する
■ステップその1 目的と基準を決める
何のための整理整頓か、その目的を考えて、「使う物」「捨てる物」の基準を設定してください。例えば、
- 1年間使わなかった物は捨てる
- 筆記具など、複数あるものは捨てる
- 迷ったら捨てる
などです。
片づけの本で有名な「人生がときめく片づけの魔法」の著者、近藤麻理恵氏はその物を持ったとき、「ときめくか」「ときめかないか」という基準を伝えています。また最小限の物で生活するミニマリストたちは、「ときめいても捨てる」と言っています。
大切なことはあなたの基準です。
人生の整理整頓「7つのリスト」で書き出されたことを基準に、
必要な物、そして不要な物に分けていくことによって、仕事やプライベートでの成果を飛躍的に高めることができます。
■ステップその2 物をすべて出して、「見える化」する
机でも床でもいいので、あなたが使っている物すべてを一度取り出して並べます。
これは物の量と空きスペース全体を俯瞰的に認識するためです。こうすることで、一気に「使う物」「捨てる物」に分けていくことができますし、物を出したときに空きスペースが見えてきますので、整頓時に素早く取り組むことができます。
■ステップその3 分ける
分けるための段ボール箱やビニール袋を用意してください。そして物を以下の3つに分類します。
- 使う物
- 捨てる物
- 保留する物
見える化したすべての物を「使う物」「捨てる物」、そして「保留する物」に分けていきます。
「保留する物」というのは、「これ、どうしようか?」と判断に迷うものです。例えば「人からもらった贈り物」や、今は使ってはいないけど「まだ使える物」といった類です。
あなたがつくった「基準」に従って分類してください。スピードを意識しながら分けていくのがポイントです。
■ステップその4 さらに分ける
整理整頓のポイントは、「保留する物」をどれだけ「捨てる物」に移せるかが重要です。
おすすめは、すべて「捨てる物」に移行することですが、どうしてもそれができない場合は、「保留する物」をさらに分けます。
例えば、図にあったように、
- 人にあげる物
- ネットオークションやフリマで売る物
- 修理して使う物
です。
そしてここがポイントですが、いつそれをやるかを決めてください。
「保留する物」を字のごとく保留してしまうと、また同じことが起こります。
必ず期限を設定してください。
※人からもらった「保留する物」は、写真に収め、気持ちをもらって捨てるというやり方が効果的です。
■ステップその5 捨てる
「捨てる物」に分類されたものを捨てます。
できるだけ早い時期に捨ててください。
この時期が早いほど、あなたはスッキリした状態を手に入れることができ、達成感を感じながら次へのアクションに向かうことができます。
■ステップその6 整頓する(物を戻す、再配置する)
ここからが整頓の段階です。
使う物を使いやすく、しまいやすく、探しやすくするのがポイントです。
あなたの目的に向かって再配置してください。
■ステップ7 デキる人は、整理整頓のルールを設定する
物の配置が決まったら、定期的な清掃を行い、整理整頓された環境維持を心がけてください。ここでもあなたなりのルールを設けておくことをおすすめします。
- 物を一つ購入したら、一つ捨てる
- 物を一つ使ったら、二つ片づける(また簡単な場所を掃除する)
- 金曜の夕方に15分間掃除する
- 毎週一回パソコンのファイル整理を5分やる
- デスクの上には必要なものだけ置く
などです。
整頓された状態を保ち、快適な環境維持のために役立ててください。
目的は、次にご紹介する具体的な4つの効果を手に入れるためです。
2-2.デキる人は整理整頓の効果を知っている
仕事ができる人は整理整頓のメリットを理解しています。単なる片づけではなく、より質の高い仕事と人生を手に入れる具体的な効果を確認してください。
■時間のムダが減り、効率が増す
リズ・ダベンポートは、その著書「気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ」のなかで、ビジネスパースンが職場で探し物に費やす時間は、年間1500時間と伝えています。
これを一日8時間労働で換算すると19日分になり、この日数は営業日の約1か月分に匹敵する時間です。
整理整頓をするだけで、約一か月分の仕事量が確保できるわけです。
つまり一年12か月を13か月にできるわけです。
職場だけでなく自宅のほうまで実践すれば、これだけでも取り組む価値は大いにあります。
■やる気や集中力が増し、生産性が高まる
目の前に山積みの書類があるところを想像するとわかりますが、こんな時は見るだけでやる気が奪われ、なかなか着手できません。
私たちの脳は、自覚している以上に見えているものにエネルギーを奪われていて、物が多すぎると、気が散ってしまい本来の仕事や活動にエネルギーを向けることができない状態になります。
企業では整理整頓を「環境整備」とよび、経営戦略の一つとして取り上げ、導入した企業では、売上や利益が上がったり、顧客満足や社員満足が高まるといった事例があります。
整理整頓を行うと、奪われたエネルギーをとりもどし、生産的なものに集中させることができるわけです。
※参考文献 小山 昇 朝30分の掃除から儲かる会社に変わる―社員ニコニコ業績ピカピカの法則
■ストレスが減り、精神的に快適になる
心の悩みを解消するプロのカウンセラーが口をそろえて言うのが、悩みをもつクライアントの多くは部屋が散らかっている傾向があるということです。
そして特筆すべき点は、部屋の片づけを行うだけで、悩みが解消されるケースがあるといいます。つまり整理整頓は心に影響を与えるということです。
整理整頓後の生活や仕事は、必要なものだけが残るので、何がどこにあるのかがすぐにわかり、片付けや掃除が楽になり、そしてスッキリとした健全な精神状態を保てます。
自分が仕事や人生をコントロールできている感覚を「自己効力感」といいますが、整理整頓は、こういったあなた自身を肯定する感覚を取り戻す効果、といったがあります。
■経済的なムダがなくなる
物があふれていると、探すのが面倒になり、同じものを二度買いすることがあります。
こういった経済的なムダもあれば、前述したストレスが生まれてくると、衝動買いに走ることもあります。この衝動買いは一時的には満たされますが、さらにストレスを生む原因をつくってしまいます。
このように生活に必要な物、仕事で使っている物でつくられる環境は、直接または間接的に、あなたのやる気や発想、また気分に影響を与えているわけです。
2-3.整理整頓するモノ
何を対象に整理整頓するか、そのモノについてご紹介します。チェックリストとして活用してください。
【オフィス】
- キャビネット
- デスク回り(書類トレイや電源コードなど)
- 机・引き出しの中(文具類など)
- 書類(本や雑誌などの資料を含む)
- パソコンのデータ
【プライベート】
- 家具(椅子やテーブルなど)
- 電化製品
- 使わない鍋や食器、お盆、お箸
- 衣類(下着やタオルを含む)
- 本や雑誌、新聞
- 請求書などの書類
- 誰かからのプレゼント
- 玄関回り(靴や傘などを含む)
これらを整理整頓するだけで、確実に違いは生まれます。
繰り返しになりますが、大切なポイントは、とにかく可能な限り捨てることです。
3.人と未来の話をする
仕事もプライベートも、人との関係性で私たちの人生は動いています。
デキる人は、このことを理解しています。
ぜひ節目のタイミングで、あなたにとって大切な人とともに、この年をどう締めくくりたいか、来期はどんな年にしたいかを語り合ってください。
大切なパートナーやメンバーとどんな内容を話すのか、そして他の人たちはどんな過ごし方をするのか。その例や効果をご紹介します。
3-1.話す内容の例
人と節目に話しておきたいのが、ズバリ、先にご紹介した人生の整理整頓「7つのリスト」の内容です。
- 強化策リスト:才能や得意分野を伸ばす
- 改善策リスト:苦手を克服する
- 完了リスト:モヤモヤをスッキリさせる
- ドロップオフリスト:奪われたエネルギーや集中力を取り戻す
- 価値観リスト:一貫性をもって自分をパワフルに動かす
- エンディングリスト:後悔のエネルギーをやる気に変える
- やりたいことリスト:バランスホイールを使う
一緒に成果を築く仕事のメンバーやプライベートを過ごすパートナーと、「もっと増やしていきたい出来事や体験」、また減らしていきたい「改善策」を話し合っていきます。
また相手が「やめたいと思っていること」や「スッキリさせたいこと」、また大切にしたい「価値観」や「やってみたいこと」を思いのまま話し、共有していきます。
話し合いそのものが、大切なポイントです。
3-2.人と話す効果
オートクラインという言葉があります。
これは誰かに話すことによって、自分の気持ちや考えが整理できたり、想いや思考がまとまってくる効果のことです。
あなたが大切に思っている人たちに自分の想いや考えを伝えると、このオートクラインが起きて、自分が何をしたいのか整理ができ、優先順位も含めてそのことがより明確になります。
さらにその人が信頼できる人であれば、あなた自身を客観的に見てもらえたり、具体的な情報や人を紹介してもらえ、現実化が加速します。
逆の立場で、あなたが人の話を聞くことで、大切なことや問題に思っていることをとおして、その人をさらに理解できる機会になります。
あなた自身が貢献できること、助けになることを見つけることができ、さらにより良い関係が築ける機会になることをデキる人たちは知っています。
一人で何かを生み出すには限界があります。
デキる人はこのことを理解して、人との時間、人とのつながりを大切にしています。
ぜひ、節目を迎えるタイミングでやることの一つに掲げてください。
以下はそういった話の中から生まれた、節目のタイミングにやることの例です。
- 感謝を込めたカードや挨拶状の作成
- 来期の予算を立てる
- 一人旅をする(降りたことのない駅や街を歩く)
- 会いたい人に会う
- お金や外国語の勉強をする
- 今期最後の筋トレやダイエットにチャレンジする
- 趣味の教室や体験講座に参加する
- 感謝を込めたお墓参り
- ご褒美(旅行、スパ、物を買うなど)
- パートナーや家族との過ごし方を考える
- 一人の過ごし方を考える
- 読みたかった本を買い込む。読みまくる
- 勉強やスキルアップの時間を設ける
- 見たかったDVDを見まくる
- ご来光を名所に見に行く
- 美術館や高級なホテルの食事といった一流のものを体験する
4.まとめ
ここでご紹介した内容は、節目だけでなく、これからのあなたの仕事、そして人生に大きな影響をもたらすものです。
「人生」の整理整頓で、やること、やらないことを決めてください。
「モノ」の整理整頓をおこない、使う物、捨てる物を決めてください。
そして、大切な人とこれからのことを語り合ってください。
大切なポイントは、「今」から始めることです。
「7つのリストを書き出す時間を設定する」とか、「リストを書き出すノートを購入する」、また「人とアポイントをとる」といった小さな一歩でもかまいません。
この小さな一歩が仕事や人生を先取りし、飛躍する一年のスタートになります。
【記事の参考書籍】
節目ならではの「モノ」や「人生」の整理整頓に関する参考書籍をご紹介しています。
ぜひ節目の大切な過ごし方の参考にしてください。
■片づけで人生を変えてやろうという気持ちが出てくる世界で600万部の定番の本
■物の整理整頓をとおして、生き方や気の流れを変える風水的要素を含んだ本
■埋もれたあなた自身を取り戻し、本来のあなたを発見できる本です。価値観リストの作成に参考になります。
■整理整頓、環境整備で業績を伸ばすための必読書といえばこの本です。オフィスや工場といった職場の整理整頓に関心がある方におすすめです。