NLP・心理学

「苦手」は克服できる~そのための効果的な実践手順(基礎編)

苦手なものを考えただけでも、、、

「気持ちが重い。。。」
「嫌な感覚、嫌なイメージしか出てこない」
「考えただけでも辛い。。。緊張してしまう」

苦手意識が先行し、
やらなければいけないとわかっていても手につかない。
こういったものは、誰にでも1つか2つはあるものです。

悩みが多いものを挙げるとすると、

  • 人前でのスピーチ
  • 上司や目上の方に対する苦手意識
  • 過去の失敗体験から来ているもの
  • 声が大きい相手や威圧的な人
  • 異性
  • 昔、自分と相性が合わなかった相手と似ている人
  • 問題やトラブルが起こったとき
  • プレッシャーや責任がかかるとき  etc

「この苦手さえ克服できれば楽になるのになぁ…」と
お感じの方も多いはず。

実は「苦手」は、あなたを守るために脳が無意識につくり、そして作動させている防御システムです。「苦手」は無意識が支配しているので、意思の力で乗り越えるのは難しいのです。

しかし、「苦手」の仕組みを理解し、無意識を活用するというアプローチで向き合えば、克服することができます。

そこで今回は、「苦手」を克服するための1つの手法を取り上げました。誰でも1時間ほどの短時間で実践し、効果の出せる「リソース・アンカー」という手法をご紹介しております。

ぜひこの記事を読んで「リソース・アンカー」を実践し、あなたにとって深刻な苦手を克服してください。

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1.はじめに〜本記事で扱う「苦手」について

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どんな「苦手」も、必ず克服することが可能です。

ただし、問題が1つあります。
それは、人が「苦手」という言葉を使うとき、その意味の範囲がとても広いということです。

そこで、本記事で使う「苦手」という言葉を定義します。
本記事で扱うのは「次の4条件を全て満たす苦手」です。

  1. 放置すると仕事上、あるいは生活上に相当の支障がある苦手
  2. 自分自身の苦手
  3. 深刻なネガティブ感情が沸き起こる苦手
  4. あなた自身が明確に克服したいと決断できる苦手

なお、言葉を定義する理由について気になる場合は、「まとめ」のあとに「付記〜苦手を定義する理由」を書きましたので、必要に応じてお読みください。

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2.「苦手」を克服するために、「苦手」の正体を知ろう

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「苦手」なことや「苦手」な相手が全くない人は、いません。

なぜなら、「苦手」とは、あなた自身を守るために、脳が無意識に作る防御システムだからです。

苦手は、過去のある体験のとき「無意識に、一瞬に、かつ、ネガティブ感情を紐付けして」記憶されます。

そして、形成された苦手は、あなたが苦手なものや苦手な相手に再び出遭ったとき、過去に作られた苦手の記憶の中から「無意識に、一瞬に、ネガティブ感情を沸き起こらせ」、それを避ける行動をあなたにとらせようとします。

2-1.「苦手」の正体は「苦手意識」です

「苦手意識」がどう作られ、それがどう発動されるのかということを見てみましょう。

【形成プロセス】

あなたは過去の体験の中で、苦手の元となる原体験を味わいました。

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例えば、あなたは過去に「獰猛な大型犬に酷く吠えられ、噛まれそうになった。」(刺激)としましょう。

それは昔のことであり、すでに顕在的な記憶はないかもしません。

しかし、そのときあなたの脳は、次のような脳内イメージを「無意識に、一瞬に、ネガティブ感情を紐付けして」作ります。

「獰猛な大型犬が酷く吠え、今にも噛まれそうだ」という脳内イメージに「恐い!」というネガティブ感情を紐付けして記憶するのです。(反応)

これは「無意識に、一瞬に」行われるので、あなたは「今、苦手の元となる脳内イメージが形成された」と気に留めることもないのです。

さらに、脳内イメージは「一般化」が行われ、「実際にあなたを恐がらせたあの犬が恐い」ということではなく、「犬(全般)は恐い」というものが脳内イメージとして形成されます。

その後、「獰猛に吠える犬に出遭う」と、原体験のときに作られた脳内イメージはさらに強固なものになります。

こうして作られた脳内イメージを「苦手意識」と言います。

つまり、ある【刺激】に対して、そのときの【反応】を一般化して脳内イメージとして記憶したものが「苦手意識」なのです。

【発動プロセス】

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一度、「犬は恐い」という「苦手意識」が形成されてしまうと、極端な話、とても小さく可愛い犬を見ても「苦手意識」が発動され、「恐い」という感情が無意識に、かつ、瞬間に沸き起こり、その可愛い犬すらも避けようとします。

頭では「小さく可愛い犬だし、危険はないだろう」と理解できたとしても、可愛いという感情ではなく恐いという感情が沸き起こってしまうのです。

また、写真で獰猛そうな犬を見たときも、「苦手意識」が発動し、「写真だから吠えられることも、噛まれることもない」とわかっていても、「恐い」という感情が無意識に、かつ、瞬間に沸き起こってしまうのです。

これはどういうことかというと、「目の前の現実や写真を見たりする」体験が引き金(刺激)となり、脳内イメージの「犬は恐い」(反応)を再体験しているのです。

そして、発動した脳内イメージが紐付けしているネガティブ感情も即座に現れ、その後のあなたの行動を制限するのです。

すなわち、可愛い犬であっても避けたり、犬の写真を見るだけで恐怖におののくというようになるのです。

「行動を制限する」と書きましたが、単に行動することを避けるというだけでなく、行動したとしても期待する結果が出しにくいのです。

なぜなら、ネガティブな感情は、人の能力発揮の阻害要因となるからです。

この事例は「犬は恐い」という「苦手意識」だからまだいいのです。

2-2.「苦手意識」を克服するには2つのアプローチがあります

「苦手意識」を放置したままでは、仕事上、あるいは生活上で相当な支障となります。だからこそ、私たちは克服したいと思うわけです。

「苦手意識」のことを理解していれば、克服するためには、「単に意思の力だけではダメだ」ということが分かるのではないでしょうか。

本記事では、「苦手意識」の形成と発動の主役とも言うべき、無意識を活用することで克服を実現していきます。

そして、無意識を活用して「苦手意識」の克服を行うのには、大きく2つのアプローチがあります。

1つは、脳内イメージ、事例でいうと「犬(全般)は恐い」というイメージに付随している、ネガティブ感情を抑え込むアプローチ〜「感情コントロールのアプローチ」です。
無意識を活用して、感情をネガティブからポジティブにコントロールします。

そして、もう1つは、脳内イメージそのものを解消するアプローチ〜「苦手意識そのものを消し去るアプローチ」です。
これも無意識を活用して「苦手意識」を消し去ります。

今回は、1人で出来て、かつ、高い効果が望める「リソース・アンカー」という手法に限定して解説を進めます。

「リソース・アンカー」は「感情コントロールのアプローチ」の基礎的方法ですが、前章で定義した「苦手」の多くが、この「リソース・アンカー」で克服できるでしょう。

<補足>

「苦手意識そのものを消し去るアプローチ」は、問題の根っこである「苦手意識」自体を消してしまうので、高い効果が望めます。
しかし、このアプローチで行う方法たちは、どれも1人でやるには難易度が高いのです。
従って2つ目のアプローチ~「苦手意識そのものを消し去るアプローチ」については、経験と技術レベルの高いカウンセラーや、彼らが行う講習会に委ねます。

また、「感情コントロールのアプローチ」は、トラウマなどの強烈なネガティブ感情を伴う苦手には、不向きです。トラウマは、信頼できるスキルを持つカウンセラーの指導のもとで、2つ目のアプローチを取り組むことで克服しましょう。

3.感情コントロールを実践してみよう〜「リソース・アンカー」

3-1.「リソース・アンカー」とは

1).「リソース・アンカー」とは?

「リソース・アンカー」とは、自分がある困難な状況に置かれネガティブな感情に包まれたとき、過去に自分が体験した素晴らしいパワフルでポジティブな感情を「今このとき」に瞬時に再体験するスキルです。

このスキルを使うためには、事前に「過去に自分が体験した素晴らしいパワフルでポジティブな感情」を身体の一部にスイッチ(これをアンカーと言います)のように備え付けます。

そして、必要なときに、このスイッチをオンにする(これをアンカーの発火と言います)ことで、ネガティブからポジティブに瞬時に状態を変えるのです。

2).「苦手意識」と「リソース・アンカー」

前章でご理解いただいたように、「苦手意識」が発動すると、あなたは一瞬にしてネガティブな感情に支配され、そのネガティブな感情があなたの能力発揮の邪魔をします。

そういう状態に陥ったとき、この「リソース・アンカー」のスイッチをオンすることで、ネガティブ感情に支配されていたあなたは、一瞬にしてパワフルでポジティブな状態へと変化することができ、それにより、十分に能力が発揮できるようになります。

3).「リソース・アンカー」実践の流れ

「リソース・アンカー」実践のおおよその流れは、次のようになります。

人は、過去のパワフルでポジティブだったときのシーンを思い浮かべると、そのときの感情に浸ることができます。

そこで、特定の「パワフルでポジティブだったときのシーンを思い浮かべ」、そこで蘇ったパワフルでポジティブだった感情(反応)を身体の一部を押さえること(刺激)で、神経学的に結びつけるのです。

このとき使う身体の一部が「アンカー」です。

「神経学的に結びつける」というと、とても難しそうだと思うかもしれません。

ご安心ください。感情(反応)とアンカー(刺激)は、無意識に結びつきを作ります。

こうやって作られたアンカーを押さえる(刺激)と、一瞬にして感情が蘇り(反応)、あなたの感情の状態はパワフルでポジティブになるのです。

そして、感情(反応)とアンカー(刺激)の結びつきを複数のパワフルでポジティブなシーンで作成し、「アンカー」自体を磨き込みます。

そして、このようにパワフルでポジティブな状態をリソースフルな状態と言います。

<補足>

あなたが「リソース・アンカー」を作ることに慣れてきたら、ここで示した場所以外にアンカーを作ってもOKです。

そのときは、普段はなかなか触らないような場所、つまり、意識的にしないとアンカーを発火できないような場所に設定しましょう。

親指と人差し指で耳たぶをつまむ(押さえる)とか、小指の先をつまむ(押さえる)とかもお薦めです。

4).「リソース・アンカー」実践のステップ

この「リソース・アンカー」を実践するには、2つのステップがあります。簡単ですから、実践しながら理解していきましょう!

第1ステップは、まず「ひとつの感情」を「アンカー」に結びつけるプロセスです。

第2ステップは、第1ステップで実践したプロセスを応用して、「複数の感情」を第1ステップで作った「アンカー」に重ねていき、よりパワーアップさせる、すなわちリソースフルなスキルに仕上げるプロセスです。

3-2.「リソース・アンカー」の第1ステップ

<補足>

右手でも左手でもいいですが、親指と小指をこの写真のようにくっつけることでアンカーをつくり出します。親指と小指をくっつける強さは触れる程度ではなく、痛みを伴わないそこそこの力で、かつ一定の力で抑える感じにしてください。

<第1ステップ> ワーク時間はおよそ10分です

まず、1つのポジティブな感情をアンカーに紐付けします。

この第1ステップが、第2ステップ以降の土台になりますので、第1ステップはじっくり、そして、しっかり理解しましょう。

1.リラックスして肩の力を抜いて、椅子に背筋を伸ばして座ります。目を閉じて、ゆっくりと深呼吸を3〜4回しましょう。

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2.どんなシーン、どんなときのことでも結構です。(A)「自分の中にエネルギーが満ちあふれていると感じたとき」を思い浮かべてください。

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3.あなた自身がそのシーンの中に入り込んで、その中にいる自分の目で周りを見て、自分の耳で音を聞いて、自分の身体で感じてください。

●エネルギーが満ちあふれているシーンの中で、今、あなたには何が見えていますか? 何が聞こえていますか? 何を感じていますか?

4.そうやって見えるもの、聞こえるもの、感じるものを確認していくと、あなたの中に感情が高まっていることに気づくことができるでしょう。そして、感情の変化が起き始めたと感じたら、遅滞なく写真のように親指と小指を一定の力で押すようにくっつけてください。
このように一定の刺激を与えることを「アンカーオン」と呼称します。

5.親指と小指を一定の力で押したまま、3を繰り返します。そして、感情が上昇しマックスを迎え、少し下がってきたなと思ったら、親指と小指を離してください。これを「アンカーオフ」と呼称します。

5-1.感情が上昇してきたと感じたとき「アンカーオン」、感情がマックスを迎え下降してきたなと感じたとき「アンカーオフ」します。

6.椅子に座ったまま10秒くらい伸びをしてみましょう。

●これを「ブレイク」と言います(注1)。

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7.確実に機能するアンカーを作るために、2.〜6.を3〜4回繰り返します。

8.テストです。最近あった「ちょっと嫌なこと」を思い浮かべてみましょう。「ちょっと嫌なこと」に伴うネガティブな感情が出ます。

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9.「リソース・アンカー」を発火させます。(「アンカーオン」)

●紐付けしたポジティブな感情を沸き上がらせるために「アンカーオン」することを「アンカーを発火する」といいます。

10.「8.で思い浮かべたちょっと嫌な感じ」が「ポジティブな感じ」に変わったらOKです。アンカーがきちんと設定されていれば、意識的に変えようと思わずに、感情が変わるのです。

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11.上手く行かない場合は、もう一度2.〜6.をやった上で、テストをやってみます。

<補足>

「ブレイク」は、そのとき支配されている感情を一旦クリアすることが目的なので、椅子に座ったまま背伸びする以外にも、いろいろなことで代替できます。例えば、「一昨日の朝に食べたものは何だったろう」と考えるだけで、そのとき支配されていた感情はクリアできます。

3-3.「リソース・アンカー」の第2ステップ

第1ステップで、あなたの「リソース・アンカー」に「自分の中のエネルギーが満ちあふれていると感じたとき」に伴うポジティブな感情を紐付けることができました。

第2ステップでは、この「リソース・アンカー」に、さらにいくつかのポジティブな感情を重ねるようにどんどん紐付けすることで、パワーアップしていきます。

あらたにアンカーに重ねて紐付けするポジティブな感情は、次の5つのシーンで出てくる感情です。

1.自分がものすごく愛されていると感じたとき
2.自分にもの凄い力があって、パワフルだと感じたとき
3.何でも欲しいものが手に入ると感じたとき
4.涙が出るほど笑い転げたとき
5.ものすごく強い自信を持てたとき

<第2ステップ> ワーク時間はおよそ40分です

1.第1ステップ2.の(A)の部分を「自分がものすごく愛されていると感じたとき」に読み替えて、1.〜7.を実行します。つまり、この「自分がものすごく愛されていると感じたとき」で3〜4回アンカーづくり(感情の紐付け)をします。テストはしなくていいです。以下、同じ。

●第1ステップの3.の一部について「自分がものすごく愛されていると感じたとき」のケースに読み替えてください。以下、同じ。

●次のポジティブ感情の紐付けをする前に、椅子に座ったまま10秒くらい伸びをしてみましょう。ブレイクします。

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2.第1ステップ2.の(A)の部分を「自分にもの凄い力があって、パワフルだと感じたとき」に読み替えて、1.〜7.を実行します。

●ブレイクします。

3.第1ステップ2.の(A)の部分を「何でも欲しいものが手に入ると感じたとき」に読み替えて、1.〜7.を実行します。

●ブレイクします。

4.第1ステップ2.の(A)の部分を「涙が出るほど笑い転げたとき」に読み替えて、1.〜7.を実行します。

●ブレイクします。

5.第1ステップ2.の(A)の部分を「ものすごく強い自信を持てたとき」に読み替えて、1.〜7.を実行します。

●ブレイクします。

6.テストです。最近あったちょっと嫌なことを思い浮かべてみましょう。それから「リソース・アンカー」を発火させます。

●ちょっと嫌な感じが、第1ステップのときと比べて、さらにパワーアップしたポジティブな感情に変わったらOKです。

●若干パワー不足を感じたら、第2ステップ1.〜5.を何回か繰り返して、再度テスト(6.)します。

●上手くいくかどうかのポイントは、第2ステップを楽しみながら、つまり、ポジティブな感情を楽しみながらやることです。なので、例えば「涙が出るほど笑い転げたとき」ではシーンを思い浮かべたら本当に大笑いしてもかまいません。かまわないというより、ぜひ、大笑いしながらアンカーを作ってください。

3-4.「リソース・アンカー」をさらにパワーアップする2つのポイント

「リソース・アンカー」をさらにパワーアップする方法が2つあります。

  1. いろいろなシーンで、とにかく頻繁に使ってみること
  2. ときどき第2ステップを再実行してメンテナンスすること

たったこれだけですが、これをやるかやらないかでは、雲泥の差がつきます。

着実に、以上の実践を重ねていけば、あなたは「リソース・アンカー」の達人になります。そして、その効果をどんどん自覚することができるでしょう。

4.まとめ

今回は、苦手を克服するために、まず苦手を定義し、その苦手の正体を明らかにしました。

苦手の正体は「苦手意識」です。

そして、「苦手意識」の形成と発動を説明した後、「苦手意識」を克服する2つのアプローチを示しました。

その上で、1つ目のアプローチ「感情コントロールのアプローチ」にターゲットを定め、そのアプローチの1つの具体的な方法手順を示しました。

「リソース・アンカー」です。

この「リソース・アンカー」は、「感情コントロールのアプローチ」の中では基礎的な方法ですが、高い効果を望めるやり方です。

そして、「リソース・アンカー」は使えば使うほど、より磨くことができます。

「リソース・アンカー」のスキルは、身に付けるために何年もかかるものではなく、1時間くらいで習得可能です。

ぜひ、前述の手順に従い実践されて、具体的なあなたの苦手を克服していただければと思います。

必ず、あなたの人生に寄与できる、欠かすことの出来ない素敵なスキルとなるはずです。

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付記〜苦手を定義する理由

以下、苦手を例にしての説明ですが、実は、あなたが他人の相談事にのる場合や、あなた自身が抱えている問題を分析する上で、大切なポイントにもなります。

まず、他人の相談事や自分自身の困り事を分析するとき、そこで使う言葉をきちんと聞き分ける(=定義する)ことが大切です。

定義が曖昧だと、問題の捉え方も曖昧になり、そして、その解決のためのアプローチと方法も曖昧になってしまいます。

例えば、相手が「苦手」を口にしている場合でも、よくよく聞き分けるとそれは「葛藤」かもしれません。また、あるいは「先送り」かもしれません。

本記事で扱う「苦手」と、「葛藤」や「先送り」では、対処が異なるのです。

それではまず、本記事で扱う「苦手」の定義を再掲します。

  1. 放置しておくと仕事上、あるいは生活上、相当の支障がある苦手
  2. 自分自身の苦手
  3. 深刻なネガティブ感情が沸き起こる苦手
  4. あなた自身が明確にそれを克服したいと決意している苦手

1項目ずつ解説をさせていただきます。

付記-1「放置すると仕事上、あるいは生活上、相当の支障がある苦手」と定義する理由

人は実に様々な意味合いで「苦手」という言葉を使います。

ネットで「苦手」を検索してみると、様々な「苦手」が出てくることにあなたは驚かれるかもしれません。

スピーチが苦手、犬が苦手、英語が苦手、高いところが苦手、ピーマンが苦手、口うるさい上司が苦手…などなど。

それらの中には、深刻な苦手もあれば、放置したままでも全く問題のない苦手もあるでしょう。

深刻な苦手と、放置したままで構わない苦手を同列で扱うのは意味がありません。

意味がないというのは「あなたにとって意味がない」のです。

どういうことかというと、例えば「犬が苦手」ということに対し、Aさんは深刻な解決すべき問題と捉えているかもしれませんし、Bさんは困ることがないのでどうでもいいと捉えているかもしれません。

つまり、言葉で言えば同じ「犬が苦手」であっても、その「深刻さの程度は人により違う」ということです。

もう少し補足すると「放置していても構わないという、客観的に判断できる苦手のカテゴリー」は存在しません。

「あなたにとって放置したままでいいのか悪いのかという、主観的な判断があるのみ」なのです。

「あなたにとって放置したままで構わない苦手」は取るに足らないものなので、スルーしていいのです。

特に克服を考えるとき、放置したままではダメだと認識することで、その状態が問題だと認識することが重要なのです。

何かを解決するには、まずは、それが問題だと認識することがスタートです。

以上のことから、第1条件を定義(言葉の意味を限定)しました。

●「放置すると仕事上、あるいは生活上に相当の支障がある苦手」であること

付記-2「自分自身の苦手」と定義する理由

苦手を検索したり、苦手相談を見ると、自身の苦手でなく、子供の苦手をどうしたらいいか、部下の苦手をどうしたらいいかなど、自分以外の苦手をなんとかしたいというケースも散見されます。

人を変えようと思っても、それがなかなか叶わない、はっきり言うと、ほとんど叶わないということをあなたは知っているかもしれません。

あなたは「自分の苦手克服を再現できる力が卓越している」としても、それを他人に適用するのは、相当に難易度が高いのです。

あなたが相手の中に見て取った「苦手」の場合、相手にしてみればそれが「今克服したい苦手」かどうか定かではありませんし、もしかしたら「苦手」とすら思っていない場合だってあるのです。

また、克服したいと口では言っても、相手にとってその優先順位が決して高くないということだってあるのです。

その相手からなんらかの依頼があれば、手助けをする余地はありますが、そういう場合であっても、克服する主体はあくまでもその相手自身であり、あなたが主体で相手の苦手克服に取り組むのはお門違いです。

言い換えると、プロカウンセラーでもない限り、他人の苦手克服に頭を悩ますことは得策ではありません。

さらに「自分自身の苦手」という言葉には、もう少し深い意味があるのです。

例えば「上司が苦手」というケース。物言いがとても乱暴な上司だったとしましょう。

このとき、2つの対処が考えられます。

それは「私が上司を変えるというアプローチ」、そして、もう1つは「私が私自身を変えるというアプローチ」です。

ここでは詳細解説しませんが、前者はとても難しいのです。それと比較して、後者は容易だし、可能なことなのです。

つまり、「自分自身の苦手」ということには、「問題を自分自身のものとして捉える」という意味が含まれています。

何かを解決するには、それが自分自身の問題であり、自分自身が変わることで解決できると認識することが重要なのです。

以上のことから、第2条件を定義(言葉の意味を限定)しました。

●「自分自身の苦手」であること

付記-3「深刻なネガティブ感情が沸き起こる苦手」と定義する理由

定義の第1条件と関連するのですが、あなたが苦手を感じるときに、深刻なネガティブ感情が沸き起こらなければ、それはほとんどの場合、放置していても構わない苦手です。

例えば、あなたが人前でのスピーチを苦手だと感じており、それは仕事上でぜひ克服したいものだと考えているとしましょう(第1条件に合致)。

そして、それはあなた自身の問題、あなた自身が変わるべき問題だと捉えています(第2条件に合致)。

しかし、あなたは人前のスピーチにそれほどのネガティブ感情を持っていません。むしろ、なんとかこの苦手を前向きにクリアしたいと燃えています。

そういうときは、あなたには苦手を克服するための行動を強く抑制するネガティブ感情がないので、理性的に対処することが可能ですし、克服のための行動を起こしやすいのです。

どういうことかというと、スピーチが上手くなる本を読んだり、スピーチを教える講座を受けたりすることで、あなたが思っている苦手は克服できます。

一方、本記事で扱う苦手は、「克服したいと自ら思っているにも関わらず、深刻でネガティブな感情が、その克服のための行動を制限し、克服に至らない」というものです。

実際、感情は能力の発揮と密接に関わり合っています。

何かを解決するには、その問題に潜んでいるネガティブ感情を対処することがポイントとなります。

以上のことから、第3条件を定義(言葉の意味を限定)しました。

●「深刻なネガティブ感情が沸き起こる苦手」であること

付記-4「あなた自身が明確に克服したいと決断できる苦手」と定義する理由

「放置したままでは問題だとあなたが今認識している苦手」で、かつ、「自分自身の苦手」で、さらに「この苦手には相当なネガティブ感情が紐付いている」としても、次なる関門があるのです。

それは、自ら克服したいという決断ができるかどうかです。

第1条件「放置したままでは問題」だと思っていても、それを今克服したいという決断ができない場合というのもあります。

そして、苦手克服にとって、一番大事なのは、自ら「それを克服しようと決断する意思」があることなのです。

第1条件を満たしても、「自ら苦手克服しよう」という決断に至れない場合は、なんらかの心の抑制が働いているのです。

苦手克服にあたる前に、その心の抑制の解決が必要なケースが往々にしてあるのです。

相対で行うカウンセリングでは、こういう少し複雑なケースでも対応できますが、紙面上では無理です。

何かを解決するには、それを解決しようという意思が必要なのです。

以上のことから、第4条件を定義(言葉の意味を限定)しました。

●「あなた自身が明確に克服したいと決断できる苦手」であること

「付記」は以上です。

この「付記」に書いた赤字の文章たち。

それらは、あなたが抱える問題に、少なからず心の問題が関与しているならば、参考になる視点ばかりでしょう。

あなたが、問題解決を実践する前に、その問題を顧みるポイントとして活用いただければと思います。

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