
「自己肯定感」
この頃よく耳にするようになりました。
自己肯定感とは、
良い面も悪い面も含めて、ありのままの自分を肯定できる感情・感覚のこと。
自分の存在そのものに「OK」「いいね」を出せることです。
そして自己肯定感が高いか低いかは、
- 自分がどんな仕事に就くか
- どんな人たちと付き合うのか
- どのくらいの収入を手にするのか
など、人生全般の「選択」に大きく影響していますから、ひいては人生の「質」や「充実感」を左右することに・・・。
自己肯定感は、私たちにとって決して無視できない重要なことなのです。
自己肯定感は、特に幼い頃に受けた親からの愛情だったり、育った環境によってベースが作られると言われます。
では、子供の頃に自己肯定感が低くなってしまったら、ずっと低いままの人生が待っているのか?というと、そんなことはありません。
自己肯定感は大人になってからも、高めていくことができます。
この記事では、自己肯定感を高めていくために有効な心理学の手法も交えて、すぐに取り組むことのできる方法をご紹介していきます。
目次
1.自己肯定感とは?人生に大きく影響する
1−1.自己肯定感とは
自分の良い面、悪い面も含めて、ありのままの自分を肯定できる感情・感覚のこと。
自分の価値を認めることができていたり、自分に自信を持てている状態です。
自分の存在そのものに対して「OK」と思えたり、自分に自信が持てるということは、より積極的な考え方や言動につながるため、私たちにとってとても重要なものなのです。
1−2.人生の質を左右するセルフイメージと自己肯定感
心理学NLPでは「自分のことをどのように思っているか」という、セルフイメージ(自己認識)が人生に大きく影響すると言われており、それは自己肯定感とも濃く関係しています。
例えばあなたが今、
- どんな仕事に就いているか
- どんな人たちと付き合っているか
- どのくらいの収入を手にしているか
こうしたことに、少なからず影響しているでしょう。
セルフイメージが高ければ(=自己認識が肯定的)、自己肯定感も高く、反対にセルフイメージが低ければ(=自己認識が否定的)、自己肯定感も低いだろう。
このように予測することができるのです。
2.どうやって自己肯定感は作られるの?
2−1.自己肯定感の土台は幼少期に作られる
自己肯定感の土台が作られるのは幼少期だと言われ、子供の頃の生活環境や、親・兄弟との関わり方、教育などに影響を受けています。
- 親や兄弟から十分愛情を受けていた
- 得意なことで、よく褒められた
- 部活で先輩に可愛がられた、モテた
上記のような環境で育ったり、経験をしてきた場合・・・
↓↓↓
- 私は愛される存在だ
- 私には能力・才能がある
- 私は魅力的/人気者だ
このようなセルフイメージを持ち、
そしてそんな自分を、肯定的に感じる傾向が高くなるでしょう。
一方で、
- 幼い頃、両親にひどい仕打ちを受けたり
兄弟と比較されることが多かった - 鍵っ子で孤独だった
- いじめを受けたり、恥をかく経験をした
上記のような環境で育ったり、経験をしてきた場合・・・
↓↓↓
- 私は価値がない/愛されていない
- 私はひとりぼっちだ
- 私は嫌われている/能力がない
このようなセルフイメージを持ち、
そしてそんな自分を否定したり、自信を持てなくなってしまうような、低い自己肯定感が育まれる可能性が高いでしょう。
ただし自己肯定感は、成功体験を重ねたり、人間関係に恵まれていくと、大人になっても変化していく、と考えられています。
仮に今、土台が低い状態だとしても、高めていくことができるのです。
3.自己肯定感が高い人・低い人の特徴。人生に与える影響は?
3−1.自己肯定感が高い人の特徴
自己肯定感が高い人には、以下のような特徴が見られます。
- 前向きな考え方や行動ができる
- 失敗を肯定的に捉えることができる
- 自分の軸を持って考え、判断できる
- 自信がある。セルフイメージが高い
- 人に対して肯定的に関わることができる
そしてこのような特徴がある人は、
例えば仕事においては自然と問題解決のアイデアが生まれ、すぐに行動に移すことができます。
仮に失敗しても、その失敗した自分を受け入れ、改善点を見つけて建設的な努力をすることができるでしょう。
3−2.自己肯定感が低い人の特徴
自己肯定感が低い人には、以下のような特徴が見られます。
- 他人と自分を比較したり、周囲の意見に左右される
- 物ごとをネガティブに捉えてしまいがちになる
- 自分に自信が持てない。セルフイメージが低い
- 逃避や依存してしまう
- 認められたい欲求が強い
そしてこのような特徴がある人は、
例えば仕事でチャンスが来ても「きっとうまくいかない」「自分にはできない」「反対されるはず」・・・こんな風に考えてしまう傾向があります。
うまくいかない発想やできない理由、やらない言い訳が自然と浮かび始めるかもしれません。そうしてチャンスを遠ざけてしまう可能性が高いのです。
3−3.自分の人生の「選択」に影響する
ここまでご覧いただいた方は、すでにお分かりかもしれません。
仕事、環境、人間関係など・・・今の自分は、
自分のセルフイメージと自己肯定感に相応しいものになっている。
このように言っても過言ではないくらい、人生に濃く影響しているということです。
高いセルフイメージを持ち、自己肯定感も高い方であれば、
「自分はもっと成長・成功する価値がある」
「自分はもっと人から愛される」
このように自分を信じて、前向きに努力できたり、自分に相応しいと思われる判断・選択をしてきたでしょう。周囲に信頼できる人がたくさんいたり、その輪の中にいる自分が「当たり前」なのです。
低いセルフイメージを持ち、自己肯定感も低い方であれば、
「自分には、こんな仕事は大それている。向いていない」
「自分は魅力的ではないから愛されない」
このように自分に対して低い思い込みを持ち、そのような自分に相応しいと思われる判断・選択をしてきたかもしれません。
自分を認めたい、人から認められたいと一生懸命頑張っているのに、それでも自分を信じることができないので、なかなか納得いく結果がでない。
自分でもそれを「仕方ない」「当然だ」と思ってしまっているかもしれません。
もしも、あなたが自分のことを認めてあげることができないと感じているのでしたら、それを変えるために、少しずつでも取り組んでみませんか。
4.自己肯定感を高める3つの方法
4-1.気づき、受け入れ、許可する3つのステップ
この3つのステップは、自分に対してどんな否定的な思いを持っているのかに気づき、それが事実ではなく、思い込みであることを受け入れること。
最初の一歩を見出していくための3ステップです。
【ステップ1】
まずは自分が、「どんなことに対して、ダメだと思っているか」を見つけていきましょう。
以下のように紙に書き出します。
- 私は仕事ができない人間だ
- 私は異性にはモテない。魅力がない
- 自分は愛されない
- 自分は何をやっても失敗する
- 私はみんなに迷惑をかける
あなた自身がしっくりくる第一人称、(私は/僕は/自分は)を使ってください。
【ステップ2】
ステップ1で書き出した、否定的でネガティブな文言に対して、
「〜と、今は思い込んでいる」または「〜と、今は感じている」という言葉を加えます。
例えば以下のような文章です。
- 「私は仕事ができない人間だ」と、今は思い込んでいる
- 「私は異性にはモテない。魅力がない」と、今は思い込んでいる
- 「自分は愛されない」と、今は思い込んでいる
- 「自分は何をやっても失敗する」と、今は感じている
- 「私はみんなに迷惑をかける」と、今は感じている
今自分に対してネガティブに思っていることに、「本当にそう?」とふと疑問が起きたり、「今は」という言葉の影響で、「将来は改善されていく」という期待のような感覚が生じてくるのを感じられるかもしれません。
そのためにも、実際に紙に書いて客観視することが大切です。
【ステップ3】
最後は、ステップ2で書き出した言葉を、「許可する」言葉に変えていきましょう。
私たちは「あれはダメ」「これはダメ」と、さまざまな体験で、心の中にいろいろな制限や、マイナスの思い込みができてしまっています。
その制限、思い込みを緩和させるために「◯◯してもよい」という言葉に変えていきます。
以下の例を参考にしてください。
私は仕事ができない人間だ
⇒ 「仕事ができる私になってもいい」
私は異性にはモテない。魅力がない
⇒ 「魅力的になってもいい」
「そして異性にモテてもいい」
自分は愛されない
⇒ 「自分は愛されてもいい」
「人の好意を受け取ってもいい」
自分は何をやっても失敗する
⇒ 「自分は何かにチャレンジしてもいい」
「失敗したとしても、また始めればいい」
私はみんなに迷惑をかける
⇒ 「私は誰かの役に立ってもいい」
幼い子を励まし、応援するような言葉を作ってください。
このような、自分に対して許可を出してあげる言葉を頭に浮かべるだけでも、あなたの傷ついた心を癒し、自分の制限を手放していくアプローチになります。
4-2.マイナスの思い込みを変えるリフレーミング
心理学NLPのリフレーミングとは、枠組みを変えることで、人・物ごと・出来事に対する印象や、意味づけを変えることです。
リフレーミングすることで、その先の反応や行動が全く違うものになっていきますし、時には大きな気づきを得たり、パラダイムシフトが起こることもあります。
私は以前、「頑固」な部分を自分の短所だと思っていましたが、
それを先輩から、「あなたは拘りを持っている」と言っていただきました。
人からそのように思われていることを知り、これは決して悪い面ばかりではなかったのだと、肯定的に捉えられるようになりました。
日頃から、起こった出来事や物ごとに対してネガティブに捉えてしまう傾向がある方は、意識的にリフレーミングして、肯定的な面を見つけるようにしていきましょう。
例えば、上司に指摘を受けたとします。
「指摘を受けた」という出来事は変わりませんが、ネガティブに捉える傾向がある人は、
「自分に能力がないから指摘を受けたのだ」
「やはり自分にはできない」
このように一層自信をなくしてしまったり、萎縮してしまう可能性があります。
ポジティブに捉える傾向がある、自己肯定感の高い人は、
「受けた指摘を次に活かそう」
「わざわざ指摘されたのは、自分が期待されているから」
このように、建設的に意味づけして糧にしていくことが予測できます。
肯定的な意味合いを常に考えて、前向きな思考が生まれやすくしていきましょう。
4-3.スモールウィンを積み重ねる 100の目標達成
スモールウィンとは、小さな成功のことです。
ごく簡単にできること、小さなことでも、それを継続することが確実に自分の自信になっていきます。
教育者であり著者の原田隆史さんは、
荒れた中学校の教師として赴任後、立て直し、陸上の全国大会では「7年間で13回の日本一」に生徒を導いた実績を持つ、カリスマと言われるスゴイ先生です。
その指導法の中にも、このことは取り入れられています。
心をきれいに、強くするには小さな習慣を決めて毎日続けることです。
例えば、「ゴミ出しをする」「近所の清掃をする」「20分ウォーキングする」といったところでしょうか。小さな生活習慣でも、毎日続けていると、「自分もやればできる」という自己肯定感が高まり、自信がつくものです。
そして、この小さな成功体験を積み重ねると、セルフイメージが高くなっていきます。
では、スモールウィンを積み重ねていく
「100個の目標達成トレーニング」のやり方をご紹介します。
100個の目標達成トレーニング
「あの人にお礼を伝えよう」
「デスクの引き出しを整理しよう」
このくらいの小さなことを100個達成(完了)することを、コツコツ積み重ねるのがこのトレーニングです。
- ポストイットなどのメモを準備し、
1枚に1つ、実行することを書き出していく
(例:○月○日までに、デスクの引き出しを整理する) - 期日までに達成し、赤いペンでメモに「達成」と書く
- 達成したメモが100枚になるまで続ける
人によって違いはありますが、30〜40個を超えたあたりから、自分のセルフイメージや自己肯定感が変わってきていることを実感される方が多いようです。
なぜなら1つ1つの達成や完了が、自分の「自信」を引き出してくれるからです。
100個を終えた頃には、自分が大きく変わっていることに驚く方がたくさんいらっしゃるように、あなたもそれを実感していただければと思います。
そして・・・
このトレーニングを行う上で、気をつけたいことが2つあります。
① 継続が必要だということ。
セルフイメージが変わってきたな、自分に対して「OK」を出せるようになってきたなと感じても、元の状態に戻らないようにするためには、ある程度継続が大切です。
② 必ず達成できる小さな目標にすること。
ハードルの高い目標を設定してしまい、期日通りに終えられない場合、「自分は決めたことができない」「やっぱり自分はだめなんだ」というマイナスのセルフイメージをさらに強化してしまいます。
必ず達成できる小さな目標を。
そして意地でも達成する、と決めて取り組んでください。
長年かけて作り上げたセルフイメージや自己肯定感が強力であるほど、
そう簡単には変わってくれない場合もあります。
ですが、自分を変えたいと真剣に思われる方にとって、この地道な方法が、実は最も堅実だと言えるでしょう。
4−4.専門的なアプローチが必要な時もある
今回ご紹介した方法は、着実に自己肯定感を高めていくために役立ちます。
しかし、幼少期に辛い経験をされて、それがトラウマとなっていたり、自分の可能性を閉じてしまうような、足枷のようなものを感じている・・・。
心の深い部分に、こうした傷をお持ちの方の場合は、自己肯定感を高めていくための取り組みが、なぜかうまくいかないことが起こったり、あるいはさらに辛いと感じてしまうかもしれません。
そのような状態の方は、まず心に受けたその深い傷を癒して、足枷を外していくという取り組みが有効だったりします。
セラピーの講座で学んだり、セラピーを受けて自分の内面と深く向き合うことで、自分を肯定的に受け入れることができるようになった方はたくさんいます。
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最後に
この頃よく耳にするようになった「自己肯定感」。
ここまで、どのように自己肯定感が育まれるのか、どのような影響があるのか、そして高めていく方法をご紹介してきました。
自己肯定感やセルフイメージ(自己認識)が高いか低いかは、
- 自分がどんな仕事に就くか
- どんな人たちと付き合うのか
- どのくらいの収入を手にするのか
など、人生全般の「選択」に大きく影響しています。
そしてその選択は、私たちの人生の充実感や質を左右することに・・・。
自己肯定感は、私たちにとって決して無視できない重要なことなのです。
ここまでご覧になって、自分の自己肯定感やセルフイメージに関心があるという方や、高めていきたいと思われた方は、記事でご紹介したことにぜひ取り組んでみてください。
また、先にご紹介しましたように、ご自身の内面と深く向き合うことに関心をお持ちの方は、心理学NLPの学びを取り入れてみることも有効です。
※参考文献
- 田島,賢侍; 奥住,秀之(2013-02-28)「子どもの自尊感情・自己肯定感等についての定義及び尺度に関する文献検討 : 肢体不自由児を対象とした予備的調査も含めて」東京学芸大学紀要. 総合教育科学系, 64(2): 19-30,東京学芸大学学術情報委員会.
- リチャード・バンドラー,ジョン・グリンダー(1998)『リフレーミング―心理的枠組の変換をもたらすもの』(吉本武史 , 越川弘吉訳) 星和書店.
- 原田隆史(2005)『成功の教科書熱血!原田塾のすべて』小学館.