
あなたはご存知でしょうか?
傾聴といわれる「聴く技術」が、想像以上にあなたの仕事や人生、家族、恋愛、友人などの人間関係において、大きな影響があることを。
実は傾聴を学び、適切に実践することで、以下のことが可能になります。
- 深いレベルで、相手をよく理解し、気持ちを汲み取り、共感できる
- 傾聴なしではいけないレベルで、深い信頼を得ることができる
- より良好な人間関係を築くことができる
- 難しい人間関係の問題を解決しやすくなる
- コミュニケーション能力と自信が高まる
- 相手の自己重要感(※)や心理状態が高まる
- 相手の成果を止めていた思考や感情を整理することができる
- 相手自身が、悩みや問題の解決のため、必要な行動や変化を得ることができる
- 相手の行動や変化のサポートできるようになる
このようにコミュニケーション、人間関係、相手の行動や変化のサポートなどで、大きな価値を生み出します。
これらを仕事、ビジネス、家族、恋愛、友人など、あなたの人間関係や状況に置き換えると、手にする結果や関係性が、今までと大きく変わるのではないでしょうか。これらから傾聴は、「最高の人間関係を築く鍵」とも言えます。
もしもあなたがそれを求めているなら、この先にご紹介する内容を理解し、実践することで手にすることができます。傾聴を身につけるためのステップもご紹介していますので、ぜひ実践していきましょう。
※自己重要感とは
人は自分の存在を認めたいという根源的な欲求があります。自分の存在を自分で認めたい、他者からも必要な人間として受け入れられ、認められたいというものです。それを自己重要感といいます。
そして自己重要感が満たされている場合、肯定的な思考、感情、行動を生むため、望んでいる結果やプラスの結果を手にしやすくなり、人生の充実感や満足度が高まる傾向があります。逆に自己重要感が低いと、自己否定やマイナス思考になり、自分で自分の可能性にブレーキを掛けたり、思うような結果が出ないということが起きがちです。
そのため、自己重要感を高められるかどうかは、コミュニケーションにおいて、あるいは、相手やあなたの人生においても、非常に大切なテーマになります。
目次
1.傾聴とは
傾聴とは、あなたの仕事、人生、人間関係を豊かにするスキルです。そして話を聞いてもらう相手にとって、傾聴は深い信頼にもとずく人間関係を手にし、自分の思考、感情、人生を整理し、必要な行動や変化を生み出せるなど、肯定的な意味を持ちます。
そこでこの章では、あなたが傾聴を使いこなせるように、傾聴とはどういうものか、具体的にご紹介します。
■1−1.傾聴とは
傾聴とは、「深いレベルで、相手をよく理解し、気持ちを汲み取り、共感する」聴き方です。それを行うことで、深いレベルで相手の信頼を得て、良好な人間関係を築くことができます。そして相手の気持ちを汲み取り、深いレベルで相手をよく理解できるようになると、人間関係のこじれなど、難しい人間関係を改善しやすくなります。
そしてとても重要なことがあります。それは傾聴する側の姿勢です。相手が安心して、心地よく、心を開いて、何でも話せる状態をつくるために、「相手を尊重し、相手のために聴く」という姿勢が大切になります。自分本位の姿勢で、聴き方だけ実践しても、相手が心を開くとは限りません。
そのため、実は傾聴とは「相手を尊重し、相手のために聴く」という、「心に耳を傾ける」姿勢とも言えます。そしてその姿勢をコミュニケーションの中で形にするのが、聴き方です。
【補足情報】
今ではコミュニケーションスキルとして、仕事、ビジネス、日常のコミュニケーションに使われている傾聴ですが、もともとはカウンセリングで使われる聴き方でした。
カウンセリングの目的は、悩みや問題を抱えるクライアントが、「自分自身を受け入れ、自分らしくより良い人生を生きる。そのために必要な行動や変化を自分で起こせるようにする」ことのサポートです。そのための重要な一部が傾聴でした。
■1−2.なぜ傾聴が大切なのか?
傾聴は、使わないと得ることのできない効果があります。
例えば、傾聴できるようになることで、カウンセリングの場だけでなく、仕事、ビジネス、家族、恋愛、友人などのコミュニケーションにとても役立ちます。
コミュニケーション上手は聞き上手と言われますが、聞き上手ほど傾聴を自然に使っています。そこで、相手の中で生まれる心の変化を例に上げて、傾聴の効果をご紹介します。
- 自分の内面と対話できる
相手は話をするために、自分の中で曖昧な思考を言葉にします。さらに口に出した言葉を自分でも聴いたりなど、話せば話すほど、思考や感情が整理されます。そのため、会話の最初は話にまとまりながくても、傾聴することで整理されることがほとんどです。
しかし相手の中で思考や感情が整理されてくると、自分で自分の状態に気づき始め、悩みや問題の解決のために、「今自分は何をしたらいいか」など、具体的な思考や行動を起こせるようになります。これが心理的にも肯定的な変化を生み出します。
これを傾聴する側のあなたに置き換えると、相手をより理解・共感することができ、相手がより良くなるサポートすることができ、信頼も得ることにつながります。
※このような自分の内面との対話を「自己対話」と言います。
- 自己重要感が満たされる/高まる
人は他者からの承認欲求を持っています。そのため肯定的な言葉や態度は、相手の自己重要感を満たし、高めることにつながります。具体的には以下のような行為が相手の自己重要感を満たし/高めます。
- 相手の話を聴く
:話を真剣に聴いてもらえるだけで、自分は受け入れられていることを実感し、自己重要感が満たされます。 - 話を肯定的な態度で受け止める
:無条件に相手を肯定し、受け止める姿勢を頷きずきや相槌、「そうなんですね」などの形で表現します。 - 話を聴いていますよと、話を伝え返す
:相手の話を伝え返すことで、「話を聴いてますよ」というメッセージにもなり、自己重要感が満たされます。
など
このように無条件に肯定し受け止める姿勢が相手に伝わり、自己重要感が高まります。そして人は、自己重要感が満たされ、高まると、自発的に変化や行動を生み出せるようになります。傾聴により、それを促すことができるようになります。
- 深いレベルで心を開ける
傾聴するほど、相手は心を開きます。聞き上手ほど、相手のかなり深い話を聴くことができます。例えば、誰にもしたことのない話、本当に限られた人にしか伝えていない悩みやコンプレックスなど。そして深い話をできるくらい心を開いた相手へ、人は心を寄せます。
相手の話が、悩みや問題、コンプレックスなど、心理的に深く、強いものに結びついている場合は特にそうです。
そのために必要なことは、あなたの意見は脇に置き、辛抱強く、傾聴することです。それができるようになると、こじれたり、すれ違っていた人間関係を修復することもできるようになります。
このように傾聴は、コミュニケーション、人間関係、他者のサポートへ大きな効果を発揮します。
2.傾聴を身につけるための3ステップ
段階的に傾聴を身につけましょう。傾聴には種類がありますが、これからご紹介する3ステップで傾聴の基本を身につけることができます。それぞれのステップで、相手の話を十分に聴けるようになったと思ったら、次のステップに行きましょう。
十分に聴けていることの判断基準としては、相手が自ら、深い話をしてくれるようになり、あなたはそれを十分に聴くことができている状態になっているかどうかになります。
※傾聴している時は結果的に、相手とあなたの話の割合は、「1対9」~「3対7」になります。この割合以上にあなたが話していたら、話し過ぎかもしれません。
■2−1.ステップ1「受動的な傾聴」
このステップでは、「心に耳を傾ける」という傾聴の基本姿勢を学びましょう。相手のために聴き、相手のために聴き続けます。そして相手の話を受け止めながら、聴き続けることには、集中力とエネルギーが必要です。
そのため、このステップで話を聴く、聴き続けることに慣れましょう。そして、相手が話しやすいように、頷きずき、相槌、アイコンタクトを身に着けましょう。このステップをしっかり身につけることで、ステップ2、ステップ3の傾聴を効果的に行えるようになります。
具体的なポイントは以下になります。
【受動的傾聴のポイント】
耳を傾ける時、人の心が動き始めて変化
- 相手を尊重し、相手のために「心に耳を傾けて」聴く
- 相槌と頷きを返す
:時折、通常以上に大きく頷いたり、ゆっくり頷くなど、頷きずきの大きさ、スピード、強弱を付けると、相手がより話しやすくなります。相槌の強弱にも同じことがいえます。 - アイコンタクトを大切にする
:目や表情で反応を返します - 間や沈黙を大切にする
:間や沈黙は、相手が自己対話している時間になります。相手にとって大切で肯定的な時間になるため、間や沈黙を恐れずに、相手のために待ちましょう - 気持ちを汲み取りながら聴く
:表情、姿勢、ジェスチャー、呼吸、雰囲気には、相手の心理状態が反映されています。そのため、相手の状態を観察しながら話を聞きましょう - 相手が話しやすい雰囲気を作る
:頷きずき、相槌、アイコンタクトで反応を返しながら、相手が話しやすい雰囲気を作ることを大切にしましょう。それにより心を開いて話をしてくれます
など
慣れてくると、頷きと相槌、アイコンタクトだけでも、数時間でも、傾聴できるようになります。
■2−2.ステップ2「反映的傾聴」
鏡のように相手に反応を返しながら聴く方法が、反映的傾聴です。
具体的には受動的な傾聴にプラスして、以下を意識的に行います。
【プラスする要素】
- 確認するプロセス(感情や話の要約を伝え返す)
- より深く共感する(よく聴き、よく理解し、深く共感する)
- 相手に表情、姿勢、ジェスチャーを合わせる
相手の鏡のように反応を返すことで、相手はより深く自己対話でき、より深く心を開きやすくなります。そのため、頷きや相槌、アイコンタクトに加えて、「感情」や「話の要約」を伝え返します。
具体的には以下のことを行います。
【確認するプロセス(感情や話の要約を伝え返す)】
- 相手の感情を返す
:2つの方法があります。それは①「相手が使った言葉で返す」、②「相手の言葉には関係なく、あなたが受け取ったことを伝える」という方法になります。②に関しては、あなたの返したことが間違っていても、相手が訂正しながら話を続けてくれます。それにより、さらに相手を深く理解することができるようになります。 - 話を要約して返す
:時々、相手が感じていることを要約して伝えます。
【より深く共感する(よく聴き、よく理解し、深く共感する)】
相手が感じていることを自分ごとのように感じましょう。
そのために相手の立場に立ち、相手を話をよく聴き、より深く理解し、気持ちを汲み取ります。それにより、深く共感しやすくなります。さらに相手がどんな状態で、何を感じて、何に困っていて、何を望んでいるのかな、心の内側に目を向けることで効果を高めることができます。
【表情、姿勢、ジェスチャーを合わせる】
表情、姿勢、ジェスチャーを合わせましょう。
無意識レベルでは、あなたの表情、姿勢、ジェスチャーなどを見て、相手はあなたが感じていることを感じ取ります。そうして自分の状態を知ることができます。そして、あなたが深く共感すればするほど、より深い自己対話をできるようになります。
そのために相手の表情、姿勢、ジェスチャーなどに合わせることを「ミラーリング」と呼びます。詳しくは下記の記事で特集していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
【補足情報】自己対話を促進することについて
アメリカの臨床心理学者のカール・ロジャース氏は次のように言います。
「カウンセリングにおいて、自分の言葉で話したいように話すことが、クライアントにとって効果が高い」
反映的傾聴で相手が使った言葉を伝え返す意味はここにあります。相手は自分の使った言葉が伝え返されることで、思考や感情を整理し、より深く自己対話でき、行動や変化を起こせるようになります。
そしてカール・ロジャース氏は続けます。「無意識レベルでクライアントは、カウンセラーを通して、自分をより深く知る」と。それはカウンセラーが使う言葉以外の表情、姿勢、ジェスチャー、あるいは雰囲気などに基づきます。そのために、クライアントの話をよく聴き、よく理解し、より深く共感することが大切になります。
■2−3.ステップ3「積極的傾聴」
積極的に相手との関係性を高めましょう。相手がより話しやすい状態を作ることができます。
今までご紹介した聴き方にプラスして以下を行いましょう。
【積極的傾聴のポイント】
- 意識的に、信頼関係を築く
- 相手がより話しやすくなるような言葉を使う
具体的には以下のように行います。
【意識的に関係を築く】
以下を相手に合わせます。
- 話のスピード、リズム、テンポ
- 声の大きさ、抑揚、高低、強弱
- 呼吸
- 間
- 使う言葉
など
もちろん、今までにご紹介した頷きや相槌、アイコンタクト、表情、姿勢、ジェスチャーも合わせます。これらはラポールスキルと言われ、無意識レベルで信頼を得て、深め、育むことへ効果を発揮します。
もちろん関係性は、「受動的な傾聴」、「反映的な傾聴」でも築けますが、「積極的な傾聴」で、より効果的に行いましょう。信頼関係が深まるほど、相手はより心を開きやすくなります。
より詳しくお知りになりたい方は、以下にラポールについてまとめた記事がありますので、合わせてご覧ください。
基本的な考え方には、類似性の法則があります。人は自分に似た人に親近感、安心感、共感、信頼感を抱くというものです。そのため、類似性の法則を活用したコミュニケーションを行うことが、非常に大きな効果を発揮します。
【相手がより話しやすくなるような言葉を使う】
- もっと詳しく聴かせてください(詳しく教えてください)
- 具体的には?(具体的にはどういうことですか?)
- それってどういうことですか
など
このような言葉をかけることは、「話してもいいんですよ」という許可になり、相手を肯定する行為にもなります。そのため、コミュニケーションがより円滑になります。
さらに話を具体的にし、深く掘り下げることができるため、相手をより深く知ることができるなど、傾聴の効果を短時間で、格段に高めることもできるようになります。
3.傾聴の準備・傾聴するための心理状態の作り方「5つのポイント」
ベストな心理状態を作りましょう。傾聴するためにベストな心理状態があります。
そのため、これからご紹介するポイントを抑えているかどうかは、良い聴き手になれるかどうかを決定づけます。心理状態一つで、あなたの反応、関わり方、集中力、思考、感情、言動に違いが生まれるため、非常に大切なポイントになります。
■3−1.思考や感情をリセットする
一度、直前までの気持ちをリセットしましょう。それにより新しく気持ちを作りやすくなります。そのために効果的な方法の一つが深呼吸です。
呼吸の効果を使い、心を身体をリラックスさせて緊張や直前までの心理状態を緩和させます。慣れてくると、数回の深呼吸で気持ちをリセットできるようになります。
以下に深呼吸を行う際のポイントをご紹介します。
【深呼吸を行う】
- 深呼吸を10回以上行う
- 深呼吸している時は、呼吸に意識を向ける
- ゆっくりと呼吸を繰り返す
他にも好きな音楽を聴く、体を動かすなど、気持ちが切り替わる方法をいくつか知っているとベストです。
■3−2.意図を設定する
コミュニケーションにおける意図を決めましょう。意図とは、相手に対してどのように接するかという姿勢です。どのようにを決めることで、脳や無意識が方向付けられ、あなたの思考、感情、行動は意図に沿ったものになっていきます。
不思議ですが、傾聴する際にも意図を設定しているかどうかで、あなたの姿勢や聴き方、心理状態に違いが生まれます。
以下に、意図の設定について「例」をご紹介します。
【意図(どのように)の例】
- 「心に寄り添いながら」聴く
- 「とても大切な人だと思って」聴く
- 相手の話に「集中する」
- 「理解と共感の姿勢」を大切にする
- 「否定せず」に、「受け止め」ながら聴く
- 「感謝しながら」関わる
- 「リラックス」して傾聴する
- 「心をオープン」にする
- 「笑顔」で話に集中する
- その場を「楽しみ」ながら
など
「」で囲んだ部分が意図になります。どのように聴くか?のどのようにの部分です。
心に余裕を持てない時ほど、意図を設定することで、心理状態をプラスに変えることができるようになります。
■3−3.興味、喜び、好奇心、感謝を感じる
興味、喜び、好奇心、感謝を感じとりましょう。短時間で気持ちを切り替えたり、ベストな心理状態になりやすくなります。それにより、自然と相手を尊重し、心に耳を傾け、よく聴き、深く理解し、共感することができます。
そのために以下を行いましょう。
【興味、喜び、好奇心、感謝の状態につながる方法】
- 過去に興味、喜び、好奇心、感謝を感じた時のことを思い出す
- 今から合う人は、大切な人だとイメージする
- 心の中で、「あなたに会えて良かった、嬉しい」と喜びを感じる
- 心の中で、「あなたのことをもっと知りたい」と興味、関心、好奇心を感じる
- 出会えたこと、一緒に過ごせることへ感謝する
- 一期一会(その瞬間を大切にする)を意識して、感じる
など
この方法を身につけると、短時間で心理状態を変えることができるようになります。
■3−4.マイナス要素を解消する
あなたの意識がどこに向いているか確認しましょう。
意識がマイナスに向いていると、相手の話に集中できなくなります。そこで以下のような質問を使い、まずは自分の状態を確認しましょう。
【自分の状態を確認する質問】
- 今どこに意識が向いているか?
- 今何を考えているか?
- 今何を感じているか?
- 相手の話に集中できる状態か?
- 傾聴を妨げる要素はないか?
など
もしもマイナス要素がある場合は、それを解消しましょう。
■3−5.相手の感情と自分を切り離す
共感力の高い人ほど、傾聴しながら相手が感じているマイナスの感情を自分の感情として受け取ってしまうことがあります。それにより、あなたの心理状態がブレたり、感情移入してしまうなど、傾聴を妨げる原因になります。
そのため、相手の感情は相手のものであることを意識しましょう。
4.相手が心地よく話せる方向から聞く
相手との物理的な位置関係に気を配りましょう。例えば、相手の右側に座る(立つ)、左側に座る(立つ)など。
相手との関係、どのような場所でコミュニケーションを取るかなどにもよりますが、相手との位置関係に気を配れるようになると、傾聴しやすくなります。
人は過去の体験から、相手との物理的な位置関係で気持ちの状態に変化が生じます。例えば小さい時に両親に怒られる時、いつも右側(右耳の側)から厳しい言葉を言われ続けた場合、声により右側からの刺激とマイナスの感情が紐付いてしまうなど、人によっては大きな嫌悪感を抱くこともあるほどです。
もちろん、その逆もあります。左側から話しかけられると心地よくいられるなど。
このように人は、物理的な位置関係と心理状態が密接に関係しています。そのため相手との物理的な位置関係に気を配ることで、相手が話しやすい状態を作ることができます。正面に向き合っている場合はいいのですが、相手の横に座る場合は意識して気をつけたいポイントになります。
そして、具体的なポイントは以下になります。
【相手の身体の右側、左側のどちらから話すかを決める方法】
- 相手にどちらから話しかけるのが心地よいか、直接聞く
- 相手の反応を見て、どちらから話しかけられるのが心地よいか、確認する
もしもあなたがカウンセラー、セラピスト、コーチ、コンサルタントでしたら、クライアントに教えていただくのも、効果的な方法になります。
5.傾聴時に気をつけたい信頼関係を壊す10の聴き方
気づかずにやってしまいがちな、聴き方をご存知でしょうか。
相手のためにと思っていても、思わずNGな聴き方をしてしまうことがあります。その瞬間に相手は違和感を覚え、心を閉ざしたり、話すことをやめてしまうこともあるほどです。
そこで以下に、傾聴において注意したいポイントをご紹介します。
【傾聴で気をつけたい主なポイント】
- アドバイスする
- 説得する
- 同情する
- 自分が話しすぎる
- 否定、批判、反論
- 話を遮ぎる、言葉をかぶせる
- 無反応
- 話に集中できていない、別のことに意識が取られている
- 間や沈黙を大切にできない、我慢できずに話をしてしまう
- 聴きたいことを聴く、話を誘導してしまう、自分のためだけに聴く
など
「相手の反応は自分のコミュニケーションの成果」という言葉がありますが、相手の反応を通して、自分のコミュニケーションが上手くいったかどうかが分かります。
例えば、お互いに興味や好奇心、信頼感を持って深いコミュニケーションを取れていれば、あなたの傾聴はうまくいっていると判断できます。しかし、あなたに対する相手の反応や感情に、拒絶や違和感がある場合、あなたのコミュニケーションが、その反応を生み出した可能性が高いと考えることができます。
まとめ
傾聴とは、あなたの仕事、人生、人間関係を豊かにするものです。あなたが傾聴することで、コミュニケーションが円滑になり、相手をより深く理解し、気持ちを汲み取り、共感することができます。それは良好な人間関係を築き、時に解決が難しいと思うような人間関係の解決にも効果を発揮します。
このようなコミュニケーションを取れる様になると、職場や日常のコミュニケーションにおいて、仲間、部下、家族、恋人、友人の悩みや問題解決のサポートもできるようになります。
そして相手にとっての傾聴は、自己重要感を高め、自分の思考、感情、人生を整理し、より良い人生や悩み・問題の解決に向けて、必要な行動や変化を生み出せるなど、とても多くの効果があります。
どんなにコミュニケーション能力が高くても、相手を理解し、深い信頼関係を築くためには、傾聴が不可欠です。何よりも傾聴により育まれた人間関係は、かけがえのないあなたの財産にもなります。
【補足情報】:自己対話による人の変化に関して
アメリカの哲学者であり、臨床心理学者のユージン・ジェンドリン博士は次のように言います。
- 「自分が内側で感じていることに触れながら、そこにあるメッセージにやさしく耳を傾ける時、人の心が動き始めて変化が生じる」
- 「クライアントの内側には、クライアント自身がやさしく耳を傾けるべきもう一人のクライアントがいる」
もしもあなたが、職場の仲間や部下、後輩、あるいは家族や恋人へ傾聴するなら、相手の思考や感情を整理し、悩みや問題への答えやアイデア、自分の持っているリソースに気づくことをサポートできます。このように傾聴、相手の肯定的な変化を促すことができます。
【出典・参照元】WIKIペディア:ユージン・ジェンドリン