目標の立て方にはいくつかのやり方があります。
たとえばSMARTの法則と呼ばれるものがその一つです。
- S: Specific(具体的、特定された)
- M: Measurable(測定可能、数字になっている)
- A: Achievable(達成可能な)
- R: Realistic(現実的な)
- T: Timed(期限がある)
※解釈には諸説あり
またビジネスにおいては、KGIやKPIと呼ばれるものもその一つです。
- KGI(Key Goal Indicator):ビジネスの最終目標を定量化し評価できる指標
- KPI(Key Performance Indicators):目標達成の鍵となる指標
わかりやすい言葉では、「結果目標」「経過目標」「行動目標」と呼ばれるものがそうです。
- 「質」や「熱量」が伴っているか
多くの場合、これらは「数」や「量」の表現の仕方であって、
そこには情熱、魅了する要素、また動機や目的といったものが伴っていないので、
達成に向けての熱量や質、心躍るようなエネルギーはわきません。
個人、法人という領域において、さまざまな目標の立て方がありますが、私が26年の間に研修やセミナー、またコーチングやコンサルをしながら現場でみえてきたのは、「質」という言葉をシンボルにしたエネルギーが必要だ、ということです。
この記事では、その「質」をどのように目標に落とし込むか、その目標の立て方についての「考え方」「準備としての見つけ方」、そして「具体的な設定方法」についてご紹介しています。
ここでお伝えしている考え方、見つけ方、また方法を活用することによって、
仕事やプライベートの飛躍的な進化や成長、また劇的なステージの違いを生み出すことが可能になります。
- 3ヶ月で達成できること
定期的に約3ヶ月の期間を設定して、目標達成に取り組むグループコンサルを実施しています。
そこにご参加された方々は、具体的には以下のような成果を生み出しています。
- 3ヶ月で、3社からの出版依頼
- 3ヶ月で、昨年の売上7ヶ月分、約2倍の売上を獲得
- 3ヶ月で、パートナーをみつけて結婚
- 3ヶ月で、業務改善に取り組み社内評価で社員一位に
- 3ヶ月で、20キロダイエットに成功
この他、独立起業やゴルフをはじめて3ヶ月でスコア100切りなど、
その道のプロのコンサル、インストラクターが驚くほどの成果を上げられました。
なぜそういったことが可能になるのか?
その理由の一つに、今回のテーマである「目標の立て方」があります。
目標を設定すると、
- アイデアやヒラメキが多くなる
- ムダを省き、時間や労力を有効に活用できる
- 必要な情報と不要な情報の区別がつきやすくなる
- 失望や失敗、逆境に強くなる
- 協力者が現れる。周囲の協力を得られやすくなる
- 決断力、発想力といった具体的な能力が開発される
といったさまざまなメリットがありますが、
それ以上に大切な要素や重要性が、「目標の立て方」にあります。
この記事では、まず本当に実現させたい目標についての「考え方」、そして「準備としての見つけ方」、最後に「具体的な立て方」をご紹介しています。
この記事が、あなた自身の成長と、仕事や人生の充実感を向上させる一助となることを願っています。
著者:足達 大和 全米NLP協会公認・NLPトレーナー | |
当サイト「Life&Mind」の運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。 NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。 |
目次
1.目標に関する考え方
ここでは本当に実現させたい目標を立てるにはどうしたらいいのか。
まずは考え方です。
ここでは目標に関する考え方を3つご紹介しています。
これまでのあなたの目標に対する考え方とは、異なるものがあるかもしれませんが、
冒頭にご紹介した短期間で成果を生み出された方たちが、学び実践されたものです。
1-1.できるから目標にするのではなく、やりたいことを目標にする
この記事を書いているとき、ある人の引退のニュースが飛び込んできました。
その人の名は、あの歴史に残るプロ野球選手「イチロー」です。
彼の実績や結果だけではなく、高みを目指す過程の中で彼が放つ一言一言は、多くの人への力づけとなっていました。
その中でも印象に残る、そしてこれを読んでいるあなたにお伝えしたいことが、
できると思うから挑戦するのではなく、
やりたいと思うから挑戦する。
というメッセージです。
人はそれぞれの背景をもち、今いる場所でそれなりに努力してはいるものですが、
ここで少し考えてみていただきたいのです。
あなた自身、どれくらい
「やりたい」と思うことに「挑戦してきた」か、ということを。
繰り返します。
「やりたいこと」、そして「挑戦してきたか」ということです。
ひょっとしたらできそうなこと、やれそうなことなど、
「失敗しても傷つかない」ようなものを掲げてきたかもしれません。
また、「人に批判されない」「人に文句を言われない」といった
「おりこうさん」的な目標を掲げてきたかもしれません。
もちろん、傷つくこと、批判されること、
文句を言われることは怖いことです。
ただ、イチローをはじめ、人に影響を与え、世界を動かすような人は、
アスリートの世界だけでなく、スティーブ・ジョブズもイーロン・マスクも、それをやりたいと思ったから始めました。
また、ガンジーやマザーテレサといった人たちも、
それが大切だと思ったから始めた人たちでした。
あなたが世界を動かそうと思わなくても、
「やりたい」と思ったことは始められます。
あなたが人に影響を与えようと思わなくても、「大切にしたい」ことは、大切にできます。
彼らと同じような偉業はできなくても、
同じ発想で、あなたの人生に取り組むことはできます。
- 墓碑銘をヒントにする
墓碑銘とは、故人のお墓に刻まれる言葉で、その人が遺したかったメッセージや、その人を表す象徴的な言葉があります。
あなたの人生もいつかは終わりを迎えお墓に入ります。
その墓石になんと刻みたいか、
そういったこともあなたの目標を考えるときの参考になります。
【愛を与え続けた人】ここに眠る
これはある方に教えていただいたことですが、
マザーテレサの眠るMother Houseには、こういった言葉が刻まれているそうです。
そのメッセージをみた人たちが
「たしかにこの人は、多くの人たちに愛を与えた人だ」
と彼女の存在を感じ取ることができます。
もし、今あなたの人生が終わり、
墓石にあなたを表した言葉が刻まれるとしたら、
どんな言葉になるでしょうか。
- 「失敗を恐れ続けた人」、
ここに眠る - 「挑戦せず、できそうなことをやり続けた人」、ここに眠る
- 「批判を恐れたおりこうさん」、ここに眠る
ちょっと寂しいですよね。どうせなら、
- 【人生にチャレンジした人】、ここに眠る
- 【大切にしたいことを大切にし続けた人】、ここに眠る
- 【後世のために価値を創造した人】、ここに眠る
先にご紹介した成果を生み出した方々には、こういった言葉が刻まれる自分になっていくことを意図して、目標をつくっていただいています。
- 挑戦できる自分になること
達成したい目標を立てる前に
やりたいことに挑戦できる自分になることです。
私たちは価値ある目標を掲げようが、掲げまいが、
何かしら悩みをもったり、問題を抱えたりします。
言えることは、どうせ悩みや問題があるのであれば、
「やりたいこと」の領域で、また「大切だと思える」領域で悩み、
悪戦苦闘しながらも、前進していくあなたでいたほうが成長できます。
できそうなことをやってきたあなたよりは、何倍もの充実感や達成感、そしてチャレンジした人しかわからない成長があります。
- 【挑戦した人】にしか見えない景色があります。
- 【挑戦した人】にしかわからない気づきや発見があります。
- 【挑戦した人】にしか感じられない人とのつながりや感謝。
- またより大きな価値観や人生観を手に入れることができます。
成果を生み出す人は、そこを見つけた人であり、
それが見えていなくても、そこを決めて行動した人です。
目標についての考え方の提案①
- できるかどうかではなく、
- 達成できるからやるのではなく、
- やりたいことに挑戦できる自分になる。
1-2.自分自身に感動できる伝説レベルを掲げる
次に考えていただきたいのは、
【自分史上かつてないほどの伝説レベル】
を掲げるということです。
研修やセミナーに参加された受講者によく聞く質問があります。それは、
「最近感動したことは何ですか?」という質問です。
その答えとしてよく出てくるのが、
- 映画やドラマ、スポーツ選手のパフォーマンスを観て
- 旅行先の観光地や大自然を見て
- 家族や知人の結婚式でのスピーチ
といったものが挙がります。
私自身もこういったことには感動しますが、これらの項目に、ある共通点があることがわかります。それは「自分以外の誰かや何かに感動している」ということです。
ここが、大事なポイントです。
私たちは、他の人の人生には感動しても、
自分の人生には、そして自分自身には感動していない、ということです。
想像以上のスピードで何かを成し遂げ、成功の階段を駆け抜ける人、
また成長のステージを一気に上げていく人は、
- 自分に感動できるほど、夢中になれるものは何か
- 片手ではなく、両手を突き上げて喜べるものは何か
- 何度失敗しても、あきらめられないほどの願いは何か
- たった一度の人生をつかってでも惜しくない、価値あるものは何か
- ささやかでもいい、後世のために今自分ができることは何か
目標を立てるとき、こういったことを考えながら見つけていくことをオススメしています。
そして「挑戦なき達成は惰性である」と、考えてみることもオススメしています。
「予定のような目標」はオススメしません。「予定のような目標」とは、たとえば、
学生時代の友達と数年ぶりに飲む機会があったとします。
「じゃあ、来週金曜日19時に新宿で」と約束を取りつけて、当日になり、
「やったぁ、オレたち目標達成だ!」と喜んだりしませんよね。
「金曜日19時、学生時代の友達3人と新宿で飲む」
SMARTの法則的には、いかにも目標のような表現になっているのですが、
先にご紹介した飛躍的な結果をつくられた方は、予定のようなものは掲げません。
そこで掲げられるものは、
- 自分自身に感動できること
- 昔からやってみたかったこと、損得なしで憧れていたもの
- 今、命がなくなったとしたら、後悔すること
- 他の誰かを幸せにするためにできること
- 達成や未達成という結果を越えて、心と体全部をつかって味わいたいこと
- たとえ失敗しても、一歩でも一ミリでも近づきたいと思える挑戦に値する願い
こういったことを前提に目標を見つけていただきます。
すべてを投げ出して取り組みたいことが見つかれば、
実はおのずと他の分野、たとえば健康や人間関係、お金の使い方なども大切にしはじめ、いい影響が生まれ結果的には、人生の質が向上していきます。
目標についての考え方の提案②
- 成し遂げた自分に感動できる
- 伝説となる目標は何かを探求する
1-3.目標は目的のためのシンボルである
目標には、目的があります。
この目的をもった目標は、たとえ未達成でも達成以上の価値を生み出します。
ここでは、これまで成果を出された方たちの例を挙げながら、目的を持つことの重要性をお伝えします。
- 価値ある未達成
冒頭にお伝えした、3ヶ月で3社から出版依頼があった方の例です。
この方の3ヶ月の期間で掲げられた目標は、
「本を一冊出版し、一万部売る」いう目標でした。
どうせやるのであれば伝説となり、
両手を挙げて喜べるような目標を掲げたわけです。
そして達成に向けてのチャレンジを進める中、
出版社の事情もあり期間中には達成できないことがわかります。
そして、どう進めていくのか、
その方と相談しながら、ある目標を設定しました。
その新たな目標がきっかけで、期限は過ぎたものの、
3ヶ月終了後の1ヶ月目に、1社からの出版依頼が決定。
驚くことに2ヶ月目に2社からの出版依頼が決定されました。
つまり、3ヶ月で計3社からの出版依頼がくるという、想像を超えた結果を手に入れられました。
ポイントは、もちろんその方の情熱ですが、
目標を立てなおすときに軸にした考え方は、
この目標は、「どんな目的のための目標だったのか」という発想です。
- 目標は、目的のためのシンボルである
目標は、目的のためのシンボルです。
たとえば、家族を幸せにするという目的があったときの目標は、
家族旅行に行くことかもしれませんし、
会話の時間を増やすということかもしれません。
他には外食を楽しむ、パートナーと同じ趣味を始める
といったことが挙げられます。
目的と目標の関係を表すと、以下のような図になります。
つまり、目的があれば、目標はいくらでもつくれるということです。
まり、目的があれば、目標はいくらでもつくれるというに
本を出す目的は何かを探求し、新たな鍵となる目標を設定することができます。
まとめると、最初に立てた目標とは違いますが、
それ以上に価値ある目標を手に入れることができました。
- やりたいことに挑戦し、伝説を目指した人が手に入れる、価値ある未達成。
この方のチャレンジは未達成でした。
そして達成以上の価値ある未達成でした。
手に入れたのは、想像を超える結果で、さらに「やればできる」という
信念が強化されたということです。
一つの目標を達成するだけでは、決して見ることができなかった景色、そして可能性、また仕事や人生に対する信念の強化と、想像以上に大きな価値を手に入れられたわけです。
こういった例は数多くあります。
冒頭にもご紹介したセールスの方は、本当は3ヶ月で昨年分の予算を達成するという目標でしたが、結果は7か月分。つまり未達成でした。
しかし、そんな実績をつくる社員を役員たちが見逃すはずがありません。
役員だけでなく、社員の注目を浴び、当然のごとく評価も上がりました。
価値ある未達成でした。
その方の目的は、「挑戦、そして自身の成長」で、
この後も大きな価値を手に入れられました。
またブログでこれまでの倍以上の記事を書く、という目標を掲げた方がいました。
結果は未達成でしたが、そもそも目標の目的は新規顧客の獲得が狙いでした。
記事数は未達成でも、その先にあるクライアントが獲得できた、
という望ましい結果を手に入れられました。
手段が目標になるケースですが、この場合目標が未達成でも、その先にあるクライアントが増えたという想像を超えた達成感を手に入れられたわけです。
そして、これは目標達成どころではなく、
夢の実現を手に入れられた方の例です。
大好きな憧れの映画配給会社に就職したくて、
3ヶ月で映画200本を観るという目標を掲げた方がいます。結果は未達成でした。
しかしこの方は、同様になんのための目標か、その目的からあらためて目標を修正し、結果として昔から大好きな憧れの映画配給会社に就職するという夢を実現させることができました。
つまり価値ある未達成です。
この他、例を挙げればきりがありませんが、
共通しているのは、予定のような目標ではなく、伝説レベルの目標であること、そしてその目的とつなげて行動を起こしたということです。
目標についての考え方の提案③
- 目的と目標のつながりを確認すること
- 価値ある未達成という存在を知り、挑戦すること
次の章ではこれらの考え方を前提に、目標をみつけていく2つの方法をご紹介します。
2.目標を立てる前に知っておきたい2つの方法
目標を立てる際に二つのタイプがあることに気づきました。
一つは、夢や理想を追う「探求型」。もう一つは、大きな夢や理想というのは見えていないけれど、今ある現実をより良くしていこうという「展開型」です。
探求型にオススメなのが「20の問い」という方法です。
もう一つ、展開型にオススメなのが「現実的な4つのアプローチ」という方法です。
2-1.「20の問い」
先にご紹介した「やりたいこと」や「伝説」、「目的」といったキーワードを活かす目標の立て方の参考として【20の問い】をご紹介しています。この問いを活用して、あなたの目標を立てる際のヒントにしてください。
※取り組むときは一つひとつの質問に答えを書き出しながらやることをオススメします。
- あなたが上手なこと、得意なことは何か
- あなたが時間を忘れ、没頭してしまうことは何か
- 人に見込まれたり、信頼されて、お願いされることは何か
- あなたにとって、習得が速いものは何か
- もし失敗しないとしたら、チャレンジしてみたいことは何か
- これまでの人生で、何に多くのお金を使ってきたか
- これまでの人生で、何に多くの時間を費やしてきたか
- すべての仕事の報酬が同じであれば、あなたはどんな仕事をしたいか
- あなたがワクワクしたり、ときめいたりすることは何か
- あなたが人にやって、喜ばれたことは何か
- 人から「スゴイ」「さすが」「センスがある」と言われることは何か
- あなたが今持っているもので、伸ばしたいと思っているものは何か
- 子供の頃の夢や憧れは何だったか
- 「体験したくない人生」とは、あなたにとってどんな人生か
- 自分の人生と引き換えるのなら、何と引き換えたいか、何を成し遂げたいか
- やらなくて後悔することは何か
- もしあなたがなれるとしたら、どんな分野で有名になりたいか。賞賛されたいか
- 誰のように成功したいか、誰のように幸せになりたいか
- もし何をやっても賞賛も批判もないとしたら、あなたは何をやりたいか
- 次の世代のために、遺しておきたいこと、やっておきたいことは何か
色々な答えが出てくると思いますが、こういった問いと向き合いながら、
あなたにとっての価値ある目標のヒントにしてください。
2-2.現実的な4つのアプローチ
今ある現実を大切にし、すぐに取り組める目標の立て方としては、「始める」「増やす」「減らす」「なくす・やめる」という4つのアプローチがあります。その4つのアプローチをそれぞれ説明します。
- 「始める」目標
- 「増やす」目標
- 「減らす」目標
- 「なくす・やめる」目標
これは、これまで経験がなかったこと、やりたくても手を付けずにいたことを取り上げます。
人によっては、英語の勉強やスポーツジムに通う、ということかもしれません。
仕事でいえば、伝説に取り組む、ということもこの項目に入ります。
これはすでにやっていることの時間や質を高めていく目標です。
たとえば、読書量を増やす、家族との時間を増やす、ある人にとっては睡眠時間を増やすといったことです。
また話やプレゼンが得意なのであれば、さらに伸ばしていく、能力開発といったこともここに入ります。
これは、やめる必要はないけれど、自分の時間を有効に使うため、また上記の「始める」「増やす」目標の時間を確保するために掲げるものです。
たとえば、スマホをみる時間、ある人にとっては体重、といったことがこの項目です。
ムダな時間を徹底排除するための項目です。
不要な物を捨てる断捨離などもその一つで、ネガティブな人間関係やムダに使っているお金の使い方を見直します。禁煙など、やらないことを掲げる項目です。
例
以上の4つの項目はビジネスの領域でも活用できます。
- 始める:新しいシステムの導入や取り組み、また新規事業を意味します。
- 増やす:すでに行っているもので、投資しがいのある業務やスキル開発などを意味します。
- 減らす:残業時間やコスト、また業務プロセスの見直しの着手でみえてくるものです。
- やめる:コストと時間がかかり、投資効果が見込めないもの、撤退する事業などを意味します。
またプライベートも含む人生の各分野で、総合的に目標を見つけたい方は、以下のようなフォーマットが役に立つと思います。目標を立てる際のヒントにしてください。
3.具体的な目標の立て方
目標の立て方はとてもシンプルですが、ポイントはこれまでお伝えしてきた内容やプロセスで感じるあなたの想いを大切にしていただきたいと思います。
これまでのヒントで起きるあなたの想いを形にするのが、ここでご紹介している目標を立てる際のポイントです。
実践心理学NLPから目標設定のポイントをご紹介します。
3-1.肯定的な表現
したくないことではなく、したいことを書き出します。
「病気にならない」「貧乏にならない」といった表現ではなく、
「健康になる」「豊かになる」といった表現です。
3-2.自分ができることにフォーカスする
「子供を大学に合格させる」という場合、合格に向けて努力するのは子供ですから、そのために「勉強費用を100万準備する」というのが、自分ができることにフォーカスした目標です。
「売上1.5倍」といった目標を掲げる場合は、
買うのはお客様ですから、そのために「訪問数を含めアプローチを2倍にする」というのが、自分ができることにフォーカスした目標です。
3-3.達成した証拠を五感で表現する
どうなったら達成したと言えるのか、その証拠をNLPでは、五感で描写することをオススメしています。つまり、
- 達成したあなたは何を見るのか
- 達成したあなたは何を聞くのか
- 達成したあなたが触れるものは何か、感じるものは何か
この問いに対する答えを、言葉や文章で表します。
たとえば、念願の資格を取得したら、
見えるものは、
合格通知や認定書。家族の笑顔などです。
聞こえるものは、
周囲からのお祝いの言葉や、自分の内側から聞こえる「やった!」という喜びの言葉などです。
触れるもの、感じるものは、
資格の認定書。応援してくれた周囲の人たちの握手の感覚。また達成感、充実感、周囲への感謝、次を目指すやる気などです。
このように、達成したら「見えるもの」は何か、「聞こえるもの」は何か、「触れて」「感じられるもの」は何かを表現します。
3-4.期限や数字を入れた具体的なものにする
これは、あなたの心の中にある想いを現実的なものにする
シンプルかつ必須の項目です。その項目は、
- いつまでに
- 何を
- 誰と
- どれくらいやるのか(数値化)
この項目を明確にすることが重要です。
まず目標を立てる、そしてすぐ動いてみてください。
動かないとわからないことはたくさんあります。また行動したからこそ、はじめてわかることがあります。
それが成長です。
「考えながら動く」のではなく、
「動きながら考える」、これを大切にしてください。
3-5.メタアウトカムを設定する
メタアウトカムとは、目的のことでもあり、目標を達成することで、
- どんな価値が手に入るのか
- どんな成長が訪れるのか
- どんな可能性が生まれるのか
- どんなベネフィットが生まれるのか
- 自分も含め、だれが幸せになるのか
こういった目標達成を越えた部分をみつけ、
特定することです。
NLPでは、目標のことを「アウトカム」と表現し、
メタとは「それを越えた」という意味の言葉です。
つまり、目標を越えて、何を手に入れるのか。
そのことをメタアウトカムと言います。
これは1章でご紹介した、目標の修正のときにも役に立つ鍵となります。
3-6.エコロジー的観点
要はバランスです。
NLPでは、周囲とのバランスのことを「エコロジー」と表現しています。
仕事の目標は達成したものの、家族はバラバラ、体はボロボロといった状態をつくってしまっては意味がありません。
あなたとあなたの周囲の両方に、Win-Winの関係が生まれることが大切です。
以下の内容を参考にしてください。
- 自分と家族とのWin-Win
- 自分と職場とのWin-Win
- 自分と社会とのWin-Win
- 自分と世界とのWin-Win
- 自分と自分(心や体、成長)とのWin-Win
他の目標の立て方にはない、NLPならではのユニークな観点です。
以上をまとめると以下のようになります。
目標を立てる時の質問 | |
①肯定的な表現 | 何をしたいか、欲しいもの、欲しい状態は何か? |
②自分へのフォーカス | 達成のために、自分がコントロールできるものは何か? |
③五感で表現する | 達成した自分が見るもの、聞くもの、触れて感じるものは? |
④具体的 | いつまでに、何を、誰と、どれぐらい(数値化)やるのか? |
⑤メタアウトカム | 達成するとどんな可能性が生まれるのか? |
⑥エコロジー | 周囲とのWin-Winのためにやることは何か? |
4.まとめ
この記事では単なる目標の立て方ではなく、目標そのものへの考え方をご紹介し、
見つけ方、そして具体的な立て方をお伝えしました。
できるか、できないかといった目標ではなく、
「やりたいことへの挑戦の目標」「自分に感動できるための伝説目標」、そして「目的をもった目標」という観点を大切にしてください。
そのヒントとして「20の問い」「4つのアプローチ」をご紹介しています。
そこで出たあなたの想いの整え方として、NLPの考え方から6つをご紹介しました。
人の数だけ人生はありますが、
あなたの人生は一度きりです。
目標は未来を変えるだけでなく、やると決めたら、
あなたの「今」を変えてくれる重要なツールです。