ビジネスの世界で
よく聞くフィードバック。
あなたは効果や意味を理解し、
うまく使いこなせているでしょうか。
よりよい成果を生み出すためにも
ここでは、フィードバックのメリットや
心理学NLPを駆使した
効果的なフィードバックの伝え方も
お伝えしていきます。
今更、フィードバックのやり方なんて
聞けないという方も、この記事を読んで
上手にフィードバックを
使いこなしていきましょう。
目次
1.フィードバックとは?
フィードバックを辞書で引くと
「動作や行為などにおいて、その結果を原因にてらしあわせ、原因を調整していくこと。」
と書かれています。(コトバンク引用)
こうしたところから、ビジネスの世界においては、行動や成果に対する評価や、改善点・アドバイスを伝えることを指します。
注意や指摘と異なる点は、どのように行動すればよかったのかなど、行動に対して、具体的な内容を伝えることが挙げられます。
2.フィードバックのメリット
近年、フィードバックの重要性が重視されていますが、一体どのような効果・メリットがあるのでしょうか。
下記に簡単にまとめました。
2-1.目標まで最短ルートで進める
フィードバックを伝えることで、軌道修正が可能となるため、間違ったことをしてしまう時間を削減できます。
フィードバックは指摘だけではなく、具体的に改善点を伝えることなので、どのようにすればいいか明確になりやすく、目標まで最短ルートで進むことができるようになります。
また、自分から質問することが、苦手な人も中にはいるので、相手からの質問を待たずに、こちらが進んでほしいルートを提示することができ、時間短縮にもつながります。
2-2.スキルの向上
通常、やはり上司のほうが仕事ができるのは当たり前で、社会経験が長い人ほど、多くの知識や経験を持っているものです。
そのような先輩や上司からのアドバイスは、後輩や部下からすると目からウロコな内容であるということも、少なくないと思います。
持っている知識や、経験談をフィードバックの中で伝授すれば、相手がスキルアップする効果もあります。
悩んでいる人がいれば、惜しまずにフィードバックをして、視野を広げてあげることを行ってみてください。
2-3.モチベーションアップ
相手のいいところも伝えるので、自ずとモチベーションがアップします。
また、フィードバックするということは、相手のことを気にかけているという証にもなりますので、頑張ろうという気持ちが生まれてくる人も多いです。
自己重要感が低い人にとっては、人に気にかけてもらえるだけでも、モチベーションアップに繋がります。
自己重要感を上げてくれる人は、なかなかいないので、相手の自己重要感を上げることができれば、かなり効果が出ます。
自己重要感が上がると、積極的に行動できる人も多くなるので、チームがエネルギッシュになることも期待できます。
2-4.信頼関係の構築につながる
適度にフィードバックを行うということは、その度にコミュニケーションを取るということです。
交流が深まるほど、親近感が生まれ、強い絆ができ、信頼関係の構築に繋がっていきます。
そうすると、よりフィードバックもしやすくなり、一石二鳥の関係性が生まれます。
近年、問題視されているパワハラや、セクハラなどのハラスメントも、信頼関係を築けていないことが、問題の一つになっている状況です。
しっかりとコミュニケーションを取って、信頼関係を築くことで問題も減らし、働きやすい環境を作っていくことが可能となります。
3.フィードバックの種類
2つの種類にフィードバックは分けられます。
それぞれ解説いたします。
3-1.ポジティブフィードバック
ポジティブフィードバックとは、相手の良かった点を伝えるフィードバックです。
褒める、認める、労うといった要素があるので、フィードバックをもらった人は自己重要感が上がり、モチベーションもアップするフィードバック方法です。
どの点がどのように良かったのかを、具体的に伝えるのがポイントです。
日頃の感謝などもこの機会に伝えると、更に効果的です。
3-2.ネガティブフィードバック
ネガティブフィードバックとは、相手のできていなかったところを指摘して、具体的にどうすればいいかを伝えます。
ポジティブフィードバックとは異なり、改善点を伝えるため、伝え方には十分に気をつける必要があります。
「もっとよくするために」
「あなたが成長するために」
「あなたの実力を見込んで」など
なぜフィードバックをしているのかを、示しながら伝えることで受け取りやすくなるでしょう。
場合によっては、ポジティブフィードバックも駆使しながら伝えることで、より効果が生まれますので、ぜひ一緒に伝えていきましょう。
4.フィードバックの方法
フィードバックの伝え方は様々なものがありますが、ここでは、特におすすめの伝え方3つを、ご紹介いたします。
4-1.サンドウィッチフィードバック
サンドウィッチフィードバックとは、ネガティブな内容を、ポジティブな内容に挟んで伝える方法です。
具体的には、良かった点を伝えた後に、悪かった点と具体的な改善策を伝え、また、別の良かった点で締めくくる流れになります。
例えば、次のような形でフィードバックします。
「さっきのプレゼンでは、全員に目配せができていて引き込まれたよ。」
「しいていうなら、ジェスチャーが多くて気になるところもあったから、そこも意識するとよりよくなるんじゃないかな。」
「それにしても、話すスピードもちょうどよかったし みんな聞き入ってたよ。」
ネガティブな内容だけだと、受け取りにくくなる人もいらっしゃいますが、上記のように、まず、ポジティブなところから入ると、聞き入れてもらいやすくなります。
また、最後もポジティブなフィードバックで終えるため、相手のストレスも少なく、うまくフィードバックを伝えることが可能となります。
4-2.SBI型フィードバック
SBI型とは、下記の順番で伝えることで、受け取り手が内容を理解しやすくなるという、フィードバックの方法です。
:何について話すか前提を伝える
↓
Behavior(行動)
:事実に基づき、相手の行動について具体的に話す
↓
Impact(結果)
:その行動がどのような結果を生んだのかを説明する
例えば、次のような形でフィードバックします。
S:「今日のお客様対応についてなんだけど」
B:「前もって情報を確認して話してくれたよね。」
I:「そのおかげで、気配りができるスタッフが多いねって
お褒めの言葉をいただいたよ。
これからも、お客様第一で行動してくれると助かります。」
このように、あなたの行動により、結果がどうなったのか、どう影響したのかを伝えていきます。
また、最後に、今後どうしてほしいのかを伝えていくことで、相手に納得してもらいやすいフィードバックを、伝えることができます。
この状況・行動・結果の順番で伝えることにより、具体的に内容が理解できるので、お互いの考えに齟齬がなく、改善につながりやすくなっていきます。
4-3.ペンドルトン型フィードバック
ペンドルトン型フィードバックとは、心理学者のペンドルトン氏が開発した方法です。
まず、何について話すのか決め、フィードバックする人とされる人が、お互いにディスカッションしながら、下記の枠組みに沿って進めていきます。
- 良かった点
- 改善点
- 具体的な改善方法
- 次の行動計画
一方的に伝えるフィードバックとは異なり、フィードバックされる人も考えて、意見を出してディスカッションしていくので、少々時間は要してしまいますが、行動を自身で振り返りながら進めるため、より受け取り手が納得しやすいフィードバックの方法になります。
5.より効果を出すポイント
ここからは、4章で書いたフィードバックの方法の効果が、より出るように、心理学NLPのスキルや考え方を使いながら、伝えるポイントをお伝えします。
5-1.信頼関係を十分に築く
フィードバックを伝えるには、信頼関係を築くことが鍵になってきます。
たとえば、初めて会った人から、なにかフィードバックをもらったとしても、素直に受け取れる人は多くないかもしれません。
反対に信頼している人からのフィードバックは、ありがたいと感謝するのではないでしょうか。
信頼関係があるか、ないかで、受け取り方がかなり変わってくるということです。
信頼関係はスイッチを押せば、すぐに築けるというものではありませんが、築く時間を短くすることは可能です。
その方法は、相手の話すスピードや言葉、動きに合わせるということです。
それだけでいいの?と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、これをするだけで、信頼関係を築くことが簡単になります。
なぜかというと、自分と近いものに安心感を感じやすいというのが、本能レベルで人間が持っている感覚だからです。
初めて会った人が同郷だとわかったときに、安心したり、親近感が湧いた経験が、あなたにもあるかもしれません。
これと同じ原理で、自分となにか合っているものがあると、安心感があり、心を開きやすくなります。
心を開いてくれると、フィードバックをすんなりと受け入れてくれる土台ができます。
その土台作りをまず行ってから、フィードバックすることをおすすめします。
5-2.リフレーミングでフィードバック
4章でお伝えした、サンドウィッチフィードバックに使うと効果的なのが、「リフレーミング」です。
リフレーミングとは、心理学NLPの手法の1つで、ものの見方や視点の枠組みを変えることを言います。
一見マイナスな面にも、ポジティブな側面があります。
その側面を見出すことができるようになると、フィードバックの質も上がっていきます。
例えば、作業スピードがかなり遅い人に対して、早くしてほしいと伝えたいとしましょう。
その際に、「作業スピードが遅い」ことのポジティブな側面を考えます。
「仕事が丁寧」「ミスが少ない」などが挙げられると思います。
それを取り入れながら、サンドイッチフィードバックで伝えてみると、下記のようになります。
「〇〇さんの仕事は丁寧で安心感があるね。」
「もし、もっとスピード感を上げられるなら
周りの人のサポートもできるから、効率がいいね。」
「いつもミスが少なくて助かってるよ。ありがとう。」
このように、前後の言葉をリフレーミングの言葉で伝えると、自分のいいところも知ることができ、成長するための学びにも繋がってきます。
また、フィードバックを伝える側からしても、いいポジティブフィードバックが思いつかないとなった際に、リフレーミングが使いこなせると、フィードバックするハードルが下がり、伝えやすくなります。
リフレーミングは練習すればするほど、身についていきますので、ぜひ試してみてください。
5-3.「行動」をフィードバック
上記でもお伝えした心理学NLPでは、「ニューロ・ロジカル・レベル」という考え方があります。
人の意識には、5段階のレベルが存在することを表したものです。
その5段階については、下記のとおり、下から、環境、行動、能力、信念・価値観(大切なこと)、そして、自己認識です。
上位の要素が、下位の要素に影響を与えます。
この考え方を知っていると、フィードバックを与える際に、強い効果を生み出すことができます。
例えば、お客様とのアポイントが少ない人に対して、
「お前はアポイントがないから、だめなんだ」
と伝えてしまうと、自己認識の部分を否定することになり、「私は無能」「私はダメ人間」といった感覚を、与えてしまいます。
そうすると、言われた人は、能力を発揮することができず、望まない結果を生み出してしまうことが予想されます。
フィードバックを与える際は、
「あなたはアポイントに行く回数が少ないから、
営業を増やしてみてはどうか」
というように、下層の「環境」や「行動」の部分をフィードバックすることが鍵となってきます。
反対に、褒めるようなポジティブフィードバックならば、上位にある「信念・価値観」や、自己認識」の部分をフィードバックすることで、効果的な学習や成長が生まれてきます。
「あなたがいてくれて本当に助かった。」
と存在を感謝されると、嬉しいと感じませんか。
ぐっと引き込まれるフィードバックをするためにも、心理学NLPのニューロ・ロジカル・レベルを駆使して、より効果を出していきましょう。
6.まとめ
フィードバックについてお伝えしてきましたが、参考になりましたでしょうか。
フィードバックの伝え方次第で、より良い結果を導き出すことができます。
いいフィードバックをすると、目標達成するだけではなく、深い信頼関係を築くことができたり、相手の自己重要感を上げられるなど、様々な効果も期待できます。
ぜひ、上記でお伝えした伝え方を駆使して、あなたのフィードバックを、効果的なものにしてください。
また、上記でご紹介した「心理学NLP」とは、
Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略称で、別名「脳と心の取扱説明書」と呼ばれる新しい心理学です。
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