上司・部下からリーダーシップを求められるが、
具体的にどのような行動をすれば、
【リーダーシップ能力】があると思われるのか分からない、
という方も多いでしょう。
そこで「リーダーシップとは何か?」
「リーダーの役割はどのようなものか?」について、具体例とともに解説します。
目次
1.「リーダーシップ」の意味と理論
職場でよく使われるリーダーシップという言葉、
これには「リーダー(部下などをまとめる立場の人)が
メンバー(まとめられる側の立場の人)との間に存在する人の心を、
ひとつにさせようと働きかけること」という意味があります。
そしてリーダーシップ能力は、リーダー自身が意識して訓練をすることで高めることができます。
1.組織(チーム)の目的や方向性を示す
日々の仕事や新しいプロジェクトを始めるときは、目指すべきゴールが必要です。しかし、そこに行き着くまでには、数多くの整理しなければならない物事や対処しなければならない出来事が起きるでしょう。
そこでリーダーは、何かしらの仕事をする際には、その全体像を見渡して、この仕事の目的やゴールを、他のメンバーに冷静に示すことが必要です。
2.与えられた状況下で目標達成する
リーダーが仕事に対する目標やゴールをメンバーに示したら、このチーム内で目標達成するためには、どのような人員配置をし、どのような経過を辿っていくかというプロセスを整備しなくてはなりません。
そして、リーダーだけが中心となって仕事に関わるのではなく、メンバー各々の担当領域を整え、彼らが主体的に仕事を進めていくことができる方法を考える視点も必要です。
3.メンバーが、最高のパフォーマンスを発揮できるように「動機づけ」する
リーダーが目標を掲げ、そこに至るまでのプロセスを整備したとしても、メンバーは快くリーダーに付いてきてくれるでしょうか?どんなに立派な目標や仕事の方向性を整えたとしても、メンバーが不満を持っているようでは、仕事のパフォーマンスは低下してしまいます。
リーダーは言動そのものが、他のメンバーに対して大きな影響を与えます。そのため、リーダーは自らがメンバーにどう見られているのか、どう感じられているのかに気を配り、たとえ困難な仕事でも率先して行うという模範を示すことが必要です。
そのようなリーダーの姿を目の当たりにしたメンバーは、「リーダーが頑張っているのだから、自分もやってみよう」という意欲が生まれ、リーダーへの信頼も強くなります。
2.リーダーシップ能力を高めるために、今からできること
リーダーシップ能力は、訓練で高めることが可能です。リーダーになったけれど、メンバーに対して、適切なリーダーシップを取っていけるか自信がないという方は、リーダーシップ能力を高める訓練を始めましょう。
この章では、リーダーシップ能力を高める方法として、元アメリカ合衆国大統領のオバマさん、クリントンさんが、演説に取り入れている、実践心理学NLPの手法をご紹介します。
NLPは「人の心理の理解と洞察」「動機づけのスキル」として使えるため、リーダーシップに効果を発揮します。
2-1.メンバーとの関係構築能力を高める『ラポール』
ラポールとは、信頼関係のことです。部下との信頼関係が深まるほど、メンバーに対する影響力が高まります。
部下のパフォーマンスやモチベーションが上がるように働きかけることも大切です。しかしその前に、リーダーがメンバーとの信頼関係をどれだけ深く築けているかが、職場環境や仕事の進捗など、さまざまなことを大きく左右します。
そこでこの章ではラポールを築くための方法(スキル)をご紹介します。
2-1-1.傾聴
傾聴とは、相手の言葉と心に耳を傾けるコミュニケーション・スキルです。
聴くことで、相手に対して理解と共感を深めることができます。リーダーは、メンバーの価値観や考え方を尊重し、否定することなくよく聴き、受け入れる姿勢が重要です。
このとき、相手の言っていることを単に受け入れるだけではなく、相手が言いたい、伝えたいと思っていることを積極的に聴くという態度が重要です。人は「自分の話を聴いてくれている」「共感されている」「尊重されている」と感じる相手に対して、心を開きます。それにより心の距離が縮まり、信頼関係を深めることができます。
傾聴は、リーダーシップに不可欠なコミュニケーション・スキルです。
2-1-2.ペーシング
ペーシングとは、相手の話し方や態度に合わせることをいいます。具体的には、声のトーンや呼吸、感情の起伏などに合わせることです。このようなペーシングを行うことで、両者の間には不思議な一体感が生まれると言われています。この一体感が大きくなるにつれ、相手への信頼感も増していくのです。
2-1-3.バックトラッキング
バックトラッキングは、ペーシングの基盤となる技術です。ペーシングが、相手の話し方や態度などに合わせるのに対して、バックトラッキングは、相手の言ったこと(事実や感情など)をそのまま返す方法です。
これが繰り返されることにより、相手は「自分の話をきちんと聞き、理解してくれているんだ」という安心感を覚えるようになるのです。
ただ、注意しなくてはならないのは、相手の言葉をそのままオウム返しにすると、不信感を抱かれる場合もあるため、話を要約しながらペーシングを重ねていくなどの工夫も必要です。
2-1-4.ミラーリング
ミラーリングもペーシングの基盤となるもので、まるで鏡のように、相手の動作や表情、雰囲気などに合わせる技術です。
たとえば、相手がひざの上に手を置くという動作を見せたとすると、こちらもそれと同じ動作をしたり、相手が真剣な表情をすれば、こちらもその表情に合わせるなどしていきます。こうすることで、相手は自分と同じ状態で話を聞き、理解してくれているという信頼感を持つようになります。
2-2.3つの視点で的確なアドバイスやフォローを可能にする『ポジション・チェンジ』
たとえば同じ状況下にいても、その感じ方は人によって異なるものです。特にリーダーは、場の雰囲気や相手の立場を考えることが常に必要とされます。そういうときに使えるスキルがポジション・チェンジです。
ポジション・チェンジとは、ものごとを「効果的な3つのポジション」から捉えていくスキルであり、視点の持ち方です。
自分の視点である「第1のポジション(自分の位置)」、相手の視点である「第2のポジション(相手の位置)」、そして第三者の視点である「第3のポジション(第三者の位置)」の3つがあります。
例えば、「第2のポジション」で部下の立場に立ったり、「第3のポジション」で俯瞰した視点でものとを捉えます。それにより、部下に対する理解や共感を深めたり、コミュニケーションをより円滑にしたり、問題解決の糸口を見つけることもできるようになります。
2-3.理想とするリーダーの思考パターンと行動パターンを身につける手法『モデリング』
多くの成功したリーダーには、その成功過程で「自分がこうなりたい」というモデル(人物)がいることがよくあります。そのモデルの優れた一面や能力、立ち居振る舞いなどをあなたも身につけることができたら、どれだけパフォーマンスがアップするでしょうか。
心理学NLPには、そのための効果的なスキルがあります。それが「モデリング」です。
モデリングとは、理想とするリーダーの優れた「思考パターン」と「行動パターン」を身につける手法です。
具体的には、真似をしてなりきることから始めます。真似をしながら、モデルの持つ考え方や行動、価値観など、主な特徴に気づき、再現できるようにします。大切なのは、外見的なものだけではなく、モデルの考え方や行動なども参考にすることです。
モデリングを繰り返すことで、モデルと一体化しているという体験を味わうことができます。それにより、自然とモデルが行うであろう表情や態度、さらに信念さえも理解できるようになり、しだいに思考パターンや行動パターンも身につくようになっていきます。
3.まとめ
リーダーシップ能力は、努力や訓練次第で高めることができます。
最近、部下を持つ立場になり、
- メンバーをどのようにまとめていけば良いのか分からない方
- どのようにリーダーシップを発揮すればいいか迷っている方
- すぐにでもリーダーシップを発揮する必要に迫られている方
など
そのような方にとって役立つ、リーダーシップ能力を高めるスキルをご紹介しました。
行動するかどうかで違いを生み出しますので、一つずつ、試していきましょう。