
あなたにも今、嫌いだと思う人がいるかもしれませんね。
- 上から目線で否定的な人
- 自分の間違いを認めず保身に走る人
- 人によってコロコロ態度を変える人
- ネガティブな発言ばかりする人
私も過去に職場に「できる限り近づきたくない」という、
はっきり言うと嫌いな人がいました。
仕事上どうしても関わらざるを得ないので
コミュニケーションを最小限にし、
ともに行動することを避け続けていましたが、溝は深まるばかり。
トラブルは尽きず、結果的に私は職場を辞める選択をすることに。
その経験から私は、似たような人が現れても
対処できるようにならねば、という強い危機感を覚え、
コミュニケーションや自分の内面を変える方法について
真剣に学び始めました。
結論、嫌いな人とうまく付き合う方法は、
この3つではないかと思っています。
- コミュニケーション能力を高めて相手を攻略する
- 内面を変えてブレない自分軸を作る
- 人の心理を学んで対応力を上げる
学校、職場、プライベート…
場所が変わっても定期的に嫌いな人と出会ってしまう。
特にこのことが当てはまる方は、
そのパターンがこの先もずっと続く恐れがあるので、
心理を学び、自分の内面を見つめ直し、根本から変えていく必要があります。
あなたの人生が、嫌いなその人に振り回されていいはずがありません。
この記事に書かれている内容は、対人関係に非常に効果的と言われている心理学NLPの考え方をベースを元にご紹介しています。現状を良くするヒントを得ていただけたらと思います。
- コミュニケーション能力を高めて相手を攻略する方法
- 自分の内面を変えて嫌いな人を受け流せるようになるポイント
- 嫌いな人とうまく付き合うことに役立つ心理知識
![]() | 監修:日本コミュニケーション能力認定協会 |
コミュニケーションの専門機関として “満足度99.3%” の『コミュニケーション能力認定講座』を開催。日本教育推進財団が監修し、19万人の指導実績に基づくコミュニケーション・カリキュラムは、信頼の獲得・リーダーシップの発揮・営業や交渉での成功・人間関係の構築に効果的。メディアからも注目されている。 |
目次
1.嫌いな人とも自然に接するための付き合い方6つ
1-1.その人のどこが嫌いなのかを分析する
相手との付き合いをもっと楽にしていくためには、まずは嫌いな相手のことや、自分との関係を『客観的』に捉えることです。
多くの人が、嫌いな相手の成すことすべてが嫌だ、「存在」そのものが嫌いだと全否定しがちですが、嫌いになるきっかけは、実は相手の「言動」などの一部だったりします。
車が故障して動かなくなったとしましょう。
その原因は車そのものではなく、どこか小さな一部が故障しているだけなのに、車全体に影響してしまうこともあります。
嫌いな相手との関係は、どこか一部が故障してしまい、それが関係全体に影響してしまった、と考えることができます。
これを修復していくために、故障している箇所や原因を見つけることが先決です。
あなたはどうしてその人が嫌いなのか?
さっそく、分析していきましょう。
相手の嫌いなところ、理由を以下の3種類に分類します。
- 外見(服装、印象、表情など)
- 言動(立ち居振る舞い、自分への接し方、相手から言われたことなど)
- 考え方や価値観(仕事のスタンス、方向性、良し悪しの判断基準など)
分類してみると、
- 相手の「自慢話ばかりする」言動が嫌で、「あの人は高慢な人だ」と相手そのものを嫌いになった
- 相手の「チームワークを大切にしない」スタンスが嫌で、「あの人は冷たい人だ、仲間じゃない」と相手そのものを嫌いになった
こんな風に、嫌いなのは相手の一部なのに、だんだんとその人のやることなすことが嫌に思えてきてしまう。
最終的には相手の人格にラベルを貼ってしまっていることに気づくかもしれません。
1-2.視点を変える・捉え方を広げる
1-1.で故障した箇所や原因を突き止めたら、次はそれとは違う、相手の良いところを探すように意識を向けていきましょう。
相手に対して、例えば「高慢なところが嫌い」、「チームワークを大切にしない」という意識を持っていると、私たちはどうしても、そのことばかりが目につくようになります。
これは私たちの脳の機能が関係していて、特定のことを意識していると、そのことに無意識に(たとえ嫌いでも)フォーカスして情報を集めてしまうのです。
例えばあなたも、こんな経験ありませんか?
- 赤い鞄が欲しいなと思っていると、赤い鞄を持った人や、赤い鞄ばかり妙に目に入ってしまう。
- スポーツカーが欲しいなと思っていると、街中でスポーツカーを見かければ目で追ってしまう。スポーツカーの情報がやたらと耳に入ってくる。
これは心理学では「カラーバス効果」(※)と言われるものです。
私たちの脳は、自分がより強く意識していることを積極的に探してくれているだけなのですが、それが、自分にとって好きか嫌いかはまでは判別できません。
だからこそ、嫌いな人のことを避けよう、とか、嫌いな部分にフォーカスするほど、本当は遠ざけたいことを、引き寄せてしまうのです。
そうとわかれば、わざわざ自分で嫌な気分を増幅させてしまうのではなく、
脳の機能をもっとプラスに使って、相手との関係や相手への捉え方を良いものに変えてみてはどうでしょうか。
ぜひ、相手の良いところを見つけてみよう、と自分に指示を出してあげてください。
人の脳は特定のことを意識すると、その物事や関連した情報を積極的に認識する機能があります。例えばコーチングなどで、目標実現のために質問を投げかけるのは、その質問の答えに意識を向けて、必要な情報にフォーカスさせる目的があります。
1-3.気にしすぎはNG。自然にふるまう
嫌いな人がいると、それだけで落ち着かないものですよね。
だからこそ、自然にふるまうことを意識してください。
カラーバス効果(1-2.)のとおり、嫌いな人・嫌いなところを気にするほど、相手の嫌な部分を見つけようとします。
結果、自分の中で相手の存在はどんどん大きくなり、嫌いな感情も増幅させることになってしまいます。
自然にふるまうために、以下の2点を意識してみてください。
- 嫌いという感情を混ぜないこと
- 当たり前のことを当たり前にすること
嫌いという感情はあっても良いと私は思います。
ただし、それを相手の言動に対する判断基準に混ぜないようにしたいものです。
嫌いな感情を持ったままでは、「嫌いな人の言ったこと」というだけで、先入観が加わってしまい、相手の言葉や行動そのものを正しく見ることができなくなってしまいます。
挨拶や御礼をはじめ、あなたが普通に周囲の人たちと接するように関わる、ということです。
嫌いな相手に対しては、顔も見たくない!と避けてしまう人もいるかもしれません。
しかし、あなたが他の人とは違う不自然な態度を取っていると、それは相手にも必ず伝わりますし、周囲にもその空気は伝わります。
特別なことをする必要はなく、当たり前の関わり方をするだけだと、割り切ってみてはどうでしょうか。
1-4.接点を持たない、増やさない
嫌いな相手の前では、嫌な緊張感やストレスを感じるかもしれません。
そこで、無理に何とか好きになろう、嫌いな感情を解消しようとするよりも、割り切った付き合い方に徹することも1つの方法です。
どうしてもコミュニケーションを取らなければならない時以外、あなたがその嫌いな人とあえて関わらなくても良いのではないでしょうか。
コミュニケーションには、相手との信頼を築く方法もあれば、その逆もあります。敢えて嫌われる必要はありませんが、接する機会を最小限にする方法をいくつかご紹介します。
- 会話を引き延ばさない
- 共通点・共通の話題を持たない
- 自己開示をしない
会話を必要以上に伸ばさないためには、相手の話を促さないことです。
相づちを打ったり、うなずくことをしない
相手の話に共感を示さない(「わかる」「そうですよね」などの言葉を使わない)
上記の方法は相手が話を続けづらくなる状況を作ります。
相手の話にまったくの無反応、というのは当然ながら失礼にあたりますので、相手との関係性を十分踏まえてください。
できる限り、共通の話題に触れない、持ち出さないことです。
「共通点」が多ければ多いほど、相手と親近感を増すことにつながります。
(記事の2-3.も参考にしてください)
ですから、適度に距離を保ちたい場合には、共通点を極力持たないようにすることで、接点が増えることもありません。
自己開示をしあうことで、人と人は信頼関係を深めることができます。
例えばプライベートの悩みを打ち明ける相手は、あなたにとって信頼のおける人でしょう。一方気を許していない人にプライベートに踏み込まれると不快に感じることもあります。
個人的な話や踏み込んだ話はせずに、また相手にも尋ねないことで、自分にとって適度な距離感を保つことができます。
1-5.役割・役柄に徹する
お互いの関係上、どうしても嫌いな人と接点を持たなければならないことや、友好的な関係が望ましいこともあります。
そんな時も無理に好きになろうとするのではなく、相手とあなたにとって“ちょうどいい関係”でいるために、その「役割」「役柄」に徹したり、立ち回ることで割り切ることもできます。
例えば上司や親戚の中に嫌いな人がいるとしたら、その接点は簡単に避けることはできません。
職場では好き嫌いで仕事に悪影響が出てはそれこそ問題です。
目の敵にされたり毎日をナーバスに過ごすより、多少“調子のいい人”と見られたとしても『可愛がられる部下』になる方がストレスは少なくすむのではないでしょうか。
嫌いな相手をどう攻略していこうか?と、そこにフォーカスすれば、日々顔を合わせる相手であっても多少気が楽になるかもしれません。
うまく立ち回るための基本的なポイントをご紹介します。
- コミュニケーションは丁寧に心がける
- 相手の話に合わせる、相手をたてる、時にはおだてる
- 率先して行動する
人はたとえお世辞だとわかっていても、褒められると嬉しいと感じるものです。
自分のために率先して動いてくれる存在や、丁寧に接してくれる相手を心強くも感じます。
こうした積み重ねによって、嫌いな人がそれほど気にならなくなったり、相手との関係性が変化してくることもあります。
1-6.徹底して嫌いな人を攻略する
嫌いな人を避けていては、人間関係でもコミュニケーションでも苦労しつづけることになります。
そうであれば、いっそのこと、どんな人でもコミュニケーションできてしまう自分へと成長しよう。嫌いな人はその糧として、全部自分の器に取り込んでしまおう。
そんな風に、攻略して味方にしていくことはとても建設的な選択ではないでしょうか。
『対処法・攻略法=コミュニケーションスキル』を身につけておくことで、人間関係の許容の器は確実に広げていくことができます。
さて、人間関係がうまくいかないことのほとんどは、以下の2つの原因に絞られます。
- お互いのことを知らない
- 違いを認めることができない
単純に接触回数(コミュニケーション回数)が少なくて、相手のことをよく知らないだけです。
たまたま最初の印象が悪かった、第三者から耳にする相手の情報が良いものではなく、その先入観が増幅してしまったり・・・。
相手との接触回数が少ないために、こうしてごく限られた、相手の一面や情報で判断してしまいがちです。
ものすごく強面で怖いなと思っていた人が、大の猫好きだと知ったらちょっと好感が持てるようになった。
こんな経験ありませんか?
きっと苦手な相手は、自分の知らないことだらけです。
人が、人と接していて不快を感じるのは、考え方や価値観の違いがある時です。
『協力を惜しまない』という価値観のAさんは、自分を後回しにしても人を手伝う
『人に迷惑をかけない』という価値観のBさんは、自分の仕事を優先させる
「人の数だけ当たり前がある」
人が、人と接していて不快をものがあれば、Aさんの行動は好意的に映りますが、Bさんは協力的でないと映って「不快」に思うかもしれません。
一方で、Bさんの価値観に通じるものがあれば、Aさんが自分の仕事を後回しにすることや、人の手を借りることは「不快」に感じるかもしれません。
両者の価値観に良し悪しも優劣もなく、ただ「違う」だけ。
違って当たり前なのです。
それでも私たちは、自分の考えが正しいと信じて生きてきたのだから、
「こうあるべき」と反発したり押し付けあってしまう。
そもそも相手の言動が、どんな価値観から来ているのかを知ろうとしません。
「人の数だけ当たり前がある」「自分との違いがある」これを認めることです。
これら2つの原因を解消していく方法は簡単です。
コミュニケーションの量を増やし、質(スキル)を高めることです。
相手を知ろうと思ったら、相手とコミュニケーションするのが最善の方法です。
そして、互いに信頼を築いていくには、ただコミュニケーションするのでなく、中身のある(質の高い)コミュニケーションです。
人づきあいの幅を広げたり、自分の器をもっと大きくしていくには、「社交性」などの資質だと思われるかもしれませんが、必要なのは人間関係を築くスキルです。
2.嫌な気持ちも楽になる!人付き合いの幅が広がる考え方6つ
2-1.嫌いという感情はあってもいい
もしもあなたが、人に対して嫌いな感情を持っているとして、「そんな自分はダメな人間だ」「嫌いな人は克服しなければいけない」こんな風に自分を否定してしまっているならば、それは一番やってはいけないことです。
嫌いな人がいたって、決して悪いことではないと私は思います。
嫌いという感情は、喜びや悲しみなどと同様に、私たちにとって大切な感情です。
もしも過去に、人からひどい中傷を受けた、裏切られた、誤解された・・・
このような辛い経験があったとしたら、心が痛まない訳はありませんし、その相手を嫌いになることだってあるでしょう。
どうしても好きになれない人を、無理に好きになろうとしたり、あなたにとってネガティブな感情だからと抑え込んで我慢するのは、傷をいつまでも引きずってしまうだけです。
あなたのためにも、しっかりとそれの感情を認めて向き合いながら、癒していきましょう。
嫌いでもいいや、と思えると、自然と相手のことを冷静に見るようにもなります。
いつのまにか相手のことが気にならなくなっていた、そんな風に解決していくこともあるのです。
2-2.人は誰でもOKだということ
「私はOK、あなたもOK」
これは交流分析(TA※)という、精神分析をベースにした心理学における、理想的な人生の態度です。
この考え方を持つことで、お互いを理解するという姿勢につながり、人間関係をより良いものにする上でとても役立ちます。
このTAでの人生態度という考え方には、4つの立場(人と自分との関係性)があり、自分がどの立場にいるかで、人や自分への見方、関わり方に影響します。
- 私はOK、あなたもOK
- 私はOK、あなたはOKでない
- 私はOKでない、あなたはOK
- 私はOKでない、あなたもOKでない
あなたは、その嫌いな相手との関係を、上の4つのうちどの立場に置いているのでしょうか。
もしも、私はOK、あなたはOKでない、という立場にあるとしたら、あなたは、自分の考えが正しく、相手の考えは正しくない、というのが基本的な態度になっている可能性がある、ということです。
こうした基本的な考え方を知るだけでも、自分のことを理解し、人のことを理解し、人との関係構築がもっと違う形になっていくでしょう。
(※)交流(TA)分析とは、1950年代にアメリカの精神科医エリック・バーンによって提唱された、精神分析をベースとした心理療法の1つです。人間性心理学を取り入れて開発された、人の心と行動を快適にする心理学です。
(参考:日本交流分析協会)
2-3.好き嫌いは、「脳の機能」が生んでいる
人を好き・嫌いになるのは、私たちの脳の機能でもあります。
ほぼすべての動物は「味方」か「敵」かを、自分と「同じ」か「異なる」かで判別しています。
敵ならばすぐに逃げるか戦うかしなければ、自分の生死に関わるもっとも本能的なことですから、瞬時に無意識で判別が行われます。
私たち人間も動物。
こうした脳の機能はしっかり働いています。
過去の経験の中で学んだ「敵」か「味方」かの情報と照らし合わせ、目の前の相手が自分と同じか違うか(※)を判別しています。
※同じ=似ている、褒める、賛同する、味方する など
違う=似ていない、叱る、否定する、敵対する など
例えば以下のような経験はありませんか?
- 子どものころ学校の先生にひどく怒られて、先生が嫌いになった。
その先生と声が似ている上司に先生が重なり、苦手意識を持ってしまう。 - 自分のことを否定した上司を嫌いになった。
その上司に味方する先輩のことも、上司と同類だと思い嫌いになった。 - 自分は犬が好き。犬が好きな人はみんないい人だと思う。
つまり、好き嫌いの物差しは、私たちのこれまでの経験に大きく影響されている。
このような見方をすれば、今目の前にいる相手への感情も変わってくるかもしれません。
2-4.嫌われる態度の裏には理由がある
ひと言余計なことを言う、人を否定する、自慢話ばかりする・・・。
嫌われがちな言動を取る人には、「自己重要感」が満たされていないという、心の状態が影響しています。(※)
自己重要感とは、
人は、自分自身のことを「価値ある存在」だと思っていたい。
(そして)人は他人からも自分のことを「価値のある存在」と認めてほしいと思っている。
このような、自分を認めてもらい、自分の存在価値を確かめたいという、深層心理にある欲求だとされます。(引用・参考:日本コミュニケーション能力認定協会 2級認定講座テキスト)
自己重要感という欲求が満たされていないと、人は誰しも様々な言動でそれを満たそうとします。
例えば、
- 人を否定することで自分を上げて、より価値ある存在だと認められたい
- 自慢話ばかりするのは、それによって人から「すごい」と称賛や羨望を集めたい
- 頻繁に体調を崩すことで、周囲から大事に扱ってもらいたい
このようにして、自分の存在価値を確かめようとします。
歪んだ満たし方かもしれませんが、人はそこまでしても認められたいのです。
自己重要感が欠乏すると、究極は存在していることにさえ自信を失ってしまう。
時として命に関わるような重要なことです。
だから、自分の欲求を満たしてくれる人(存在価値を認めてくれる人)のことを、人は強く信頼するのです。
仮にあなたの嫌いな人が、あなたにとって嫌な言動をしている場合、あの人は今、自己重要感が満たされていない状態なのだ、そうでもしなければ自信が崩れてしまいそうな状態なのだと捉えることができるようになります。
相手を「嫌い」という感情から切り離しやすくもなるでしょう。
大切なのは、「誰にでも」認められたい、存在価値を確かめたい欲求があるということです。
これを知っておくと、自分の自己重要感が満たされていない時に気づくこともでき、さらに他人の自己重要感を満たしてあげるコミュニケーションができるようになります。
(※)人が嫌がるような言動だけが自己重要感を満たすことではありません。自分で自分を認めるための努力や、人から認められるために貢献する、これらも自己重要感を満たすことにつながり、誰しも日頃そのために努力をしています。
「自己重要感」は、人と人との信頼関係において肝となる要素です。
日々のコミュニケーションで、あなたが相手の自己重要感を積極的に満たしていくと、人間関係の変化を実感していくはずです。
2-5.相手の嫌いな一面から自分が学ぶこともある
良いも悪いも、自分の言動や態度が、相手の言動や態度を通じて映し出されるという考え方があります。(その逆で、自分が他者の言動・態度を映し出してしまう、ということもあります。)
心理学ではこれを「投影」といいます。
「鏡の法則」という書籍が以前話題になりましたので、ご存知の方もいるかもしれません。
嫌いな相手の態度が、自分の態度を反映している、と考えると納得いかないかもしれませんが、自分が他人からどう映っているかは、他人しかわからないのです。
良いことをしている人からは、それを見習い、悪いことをしている人からは、自分にも正すところがないかを見つめて改める。
「人の振り見て我がふり直せ」ということわざもあるように、他人を通して自分が磨かれます。
自分を成長させるためだと考えると、嫌な相手の存在は自分の悪いところをわざわざ見せてくれているのだ、と捉えることができるのではないでしょうか。
2-6.ストーリーの主人公は自分である
職場や身近に嫌いな人、苦手な人がいると、その相手が物ごとの中心になってしまうことがあります。
1−2章でご紹介した「カラーバス効果」のように、
相手を避けようとか、相手を意識すればするほど、その気持ちや心配は増幅し、余計にその嫌な部分が強くなってしまいます。
その状態になっているとき、あなたはあなたの人生の主役になれていますか?
例えば・・・
- どうしてあの人は、あんな言い方をするのだろう
- もっと協力的になってくれたらいいのに
- なんで高圧的な態度を取るのだろう
こんな風に、嫌な相手が出来事や関係性の『軸(中心)』になってしまっている時は、確実にあなたはその相手に振り回されているということです。
相手が変わることを望んでも、それも相手次第。
あなたのストーリーなのに、これでは相手が主人公です。
『他人と過去は変えられない。自分と未来は変えられる。』
有名な言葉です。
あなたが今、辛い思いをしているなら、
そして、相手との関係を変えたり、辛い思いから抜け出したいのでしたら、自分にもっと注目してあげてください。
相手との関係性を変えるには、
まず自分が動いて変化を起こすしかありません。
人間関係を良くする方法、うまく人と付き合う方法は、手を伸ばせば手に入ります。
嫌いな相手もどんどん攻略し、もっと晴れやかな気持ちで、本来のあなたの力を発揮してください。
3.嫌いな人の「態度が変わる」付き合い方4つ
3-1.嫌いな人の「話し方」に合わせる
嫌いな人の話し方に合わせて会話をする。この方法を徹底すると、おもしろいほどに相手の態度・反応が変わります。もちろん嫌いな人に話し方を合わせるというと、「何で私が・・・」と思うかもしれません。
ですがこの方法は、あなたが嫌いな人に対して下手に出たり、歩み寄ったりするものではありません。戦略的に相手の反応を変える作戦です。
具体的な話し方はこちらです。
- 話すスピードやテンポを合わせる
- 声の大きさや抑揚を合わせる
- 間を合わせる
- 姿勢や表情、身振り手振りを合わせる
- 相槌や頷きを合わせる
この方法を使うことで、理不尽な上司や暴力的な先輩、横柄な態度を取るお客さまが、ガラリと態度を変えることはよくあります。
実はこの話し方、「人は共通点をもつ人/自分に似たものに対して、親近感・安心感を抱く」という類似性の法則を使っています。
つまり嫌いな人の話し方に合わせることは、
- 「私はあなたの敵ではありませんよ」
- 「私はあなたと同類ですよ」
という無意識レベルのメッセージを送ることであり、相手も受け入れやすい状態になっています。徹底することで、相手は心を開きやすくなるため、気づいたら相手の言動は緩和し、好意的なものに変わることも。
まずは気持ちを込めなくても大丈夫です。話し方だけ合わせて、相手の態度・反応を変えましょう。驚くほど人間関係のストレスは緩和します。そして、あなたが望むなら、人間関係を良好にし、深めることも可能です。
※こうした話し方は『ペーシング』や『ミラーリング』と呼ばれるコミュニケーションスキルです。詳しくはこちらをご覧ください。
3-2.自己重要感を満たす
嫌いな人の自己重要感を満たす。この方法は積み重ねるほど効果を発揮します。だんだんと嫌いな人の態度は、あなたに対して好意的で、親和的になっていきます。
この方法も「3-1」と同じで、戦略的に相手の反応を変えるものです。「戦う、我慢する、避ける」ことなく、状況改善におもしろいほど効果を発揮します。
この方法が効果的な理由は、「2-4」でもご紹介した、以下の人間心理が関係しています。
人は、自分自身のことを「価値ある存在」だと思っていたい。そして人は、他人からも自分のことを「価値ある存在」と認めてほしいと思っている。
心理学者の『ウィリアム・ジェームズ』も、このように話します。
「人間の持つ性情のうちでもっとも強いものは、他人に認められることを渇望する気持ちである」
こうした承認欲求は本能的なもので、自己重要感を満たしてくれる人は、相手にとって「大切な存在」となるのです。
けれど社会に出れば、他者から自己重要感を満たされることは、ほとんどないのが実情です。ですから、戦略的に嫌いな人の自己重要感を満たすことができれば、相手の態度や言動は変わっていきます。
その結果、程よい距離感でコミュニケーションでき、人間関係のストレスが軽減。もしあなたが望むなら、良好な関係を築くことも可能です。
自己重要感の満たし方はこちらです。
- 褒める・称賛する
- 感謝する
- 認める
- ねぎらう
- 励ます
まずは形だけで大丈夫です。会話のたびに一言、プラスαで自己重要感を満たす言葉を加えてみましょう。
3-3.嫌いな人の話に耳を傾ける
「聴く」ことを主体にしたコミュニケーションをとりましょう。嫌いな人の話に耳を傾けることがポイントです。嫌いな人との付き合いでは、必要最小限のやりとりが多くなりがちです。その一方で、相手の話に耳を傾けることで、相手の態度・反応が変わります。
もちろん嫌いな人の話を聞くのは、不快だし、苦痛かもしれません。まずは形だけで大丈夫です。
聴き方のポイントはこちらです。
- とにかく聴く(結果的に7~8割、相手が話している状態)
- 相槌や頷きを入れる
- 反応を返す:「そうなんですね、良かったですね」など
- 相手の話を繰り返す:「◯◯なんですね」など
- 会話を掘り下げる:「具体的には?」など
- 話を遮ったり、否定したりはしない
- 自分の意見や価値観は脇におく
こうすることで、嫌いな人の中には、「しっかり話を聞いてくれている」「私を理解してくれている」など、あなたに対する肯定的な感情が生まれます。このとき、自己重要感も満たされるのです。
こうした聴き方を「傾聴」といいます。嫌いな人の話を聞くことに大きな抵抗がない方は、お試しください。
3-4.嫌いな人との付き合いに役立つ「コミュニケーション」を学び、実践する
嫌いな人との付き合いに役立つ「コミュニケーション」を学び、実践することも効果的です。
この章で紹介した「嫌いな人の態度が変わる付き合い方」は、嫌いな人との付き合いだけでなく、こうした場面でも意味を持ちます。
- より良好な人間関係を築く
- 初対面の方と信頼関係を築く
- 難しい人間関係を緩和する/解消する
- 相手をより深く理解、共感する
- 人間関係やコミュニケーションへの自信を高める
なぜなら、ご紹介したどの方法も、人間心理に基づく「心を動かす方法」だからです。
また、こうした方法を学ぶことで、コミュニケーションに自信を持てるようになります。そして自信が高まるほど、嫌いな人のちょっとした態度や言動は、気にならなくなるのです。
もしも嫌いな人との付き合い方を変えたい、コミュニケーションについて学びたいという方は、この記事の内容を実践したり、読書や講座へ参加するなどして、効果的なコミュニケーションについて学ぶこともおすすめです。
※この章でご紹介した内容は、当サイトの運営元『日本コミュニケーション能力認定協会』が主催するコミュニケーション講座を参考にしています。短時間でコミュニケーションについて学びたい方は、下記をご覧ください。
嫌いな人との付き合い方にも効果的
人を動かすコミュニケーション・対人関係の極意を身につける
↓ たった1日から学べる資格講座の詳細はこちら ↓
(主催・認定:日本コミュニケーション能力認定協会/監修:日本教育推進財団)
4.嫌いな人との付き合い方で「悩んでいる方」へのメッセージ
嫌いな人との付き合い方で悩み、真剣になんとかしたいと思っているのであれば、一番早い解決法は、「嫌いな人が気にならないレベルに自分を高める」ことです。
なぜなら、自分に自信を持つことができていない場合、こうした状態になりがちだからです。
- 嫌いな人との付き合いで、必要以上にダメージを受ける
- 人に対する、好き嫌いが激しくなり、ストレスが強くなる
- 相手のちょっとしたことが気になり、傷つく
その一方で、どのような相手に対しても感情が安定している人、器が大きいと言われる人ほど、心理学を学ぶなどして、自分を高め、内面を変えています。
大事なポイントはこちらです。
- セルフイメージを変える(自分に対する自己評価やイメージ)
- 自己肯定感を高める
- 自分のマイナス面を解消する(ネガティブな感情や思い込み)
嫌いな人に対して、あなたが「我慢し、避ける」ことを続けても、ストレスを感じ、やりたいことから目が逸れ、エネルギーを消耗するだけです。
だからこそ、嫌いな人との付き合い方に悩んでいる方は、相手のことを気にせず受け流せるレベルに「自分を高める」ことが重要です。
※「セルフイメージや自己肯定感、自分のマイナス面を解消する」ことに興味がある方は、心理学NLPが役立ちます。詳しく知りたいという方は、毎回たくさんの方がご参加になる体験講座への参加を検討してみてください。
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5.まとめ
嫌いな人を無理に好きになろうとするのは難しいことです。
その人との関係を解消したり、接点を避けられない場合も多々あって、あなたも今悩んでいるのかもしれません。
ただし、相手とのコミュニケーションの取り方や、考え方を少し変えていくことで、嫌だという気持ちや苦手意識が減ったり、相手とのその関係性自体が変化することもあります。
嫌な気持ちで日々を過ごすよりも、自分のためにも何か行動してみませんか?
あなたの大切な時間、あなたの人生は、嫌いな人に振り回されるのではなく、あなたが主人公になってもっと輝いていいはずです。
今回ご紹介した具体的な6つの接し方と、考え方の中に、少しでもあなたが気楽になるヒントが見つかるかもしれません。
- コミュニケーション能力を高めたい方はこちら
- ブレない自分軸を作ることに役立つ心理学NLPにご興味ある方はこちら
→ NLP体験講座