起業する女性は年々増えています。
株式会社帝国データバンクの調査によれば、2021年4月時点における女性社長の割合は8.1%。これは約20年前(2000年)の1.45倍で過去最高を更新しています。就任経緯としては「同族継承」が最も多く50.8%。次いで多いのが「創業者」で、その数35.3%です。つまり女性社長の3割以上が、自ら起業しているのです。
しかし、女性起業家の多くは不安を抱えています。
中小企業庁の調査によれば、女性起業家の半数以上が「起業時に感じる不安」として「収入の減少・生活の不安定化」「事業の成否」を挙げています。
実は私も、そんな女性起業家の一人でした。
こんにちは。Life&Mindのライター、樋口智香子と申します。
私は現在、コミュニケーションの講師として、人材育成の研修事業を営んでいます。
まだまだ成長過程ではありますが、経験を重ねた今は、かつて抱いていた「この仕事でやっていけるのだろうか」「家庭との両立はできるだろうか?」という不安から脱することができました。
そして、女性起業家が抱える不安を、解消するお手伝いができればと思っています。
この記事では、ビジネスを軌道に乗せるため、女性起業家が知っておくべき大切なことをお伝えします。あなたの思いがビジネスとして、社会で花を咲かせますよう、ぜひ、お役立てください。
目次
1.「今だからこそ思う」起業前に知っておきたい6つのこと
この章では、女性が起業を成功させるために知っておきたい6つのポイントをお伝えします。
振り返れば私自身が、これらを実践しながらビジネスを軌道に乗せてきた、と言える事柄ばかりです。ぜひ、参考にしてみてください。
1-1.自分の思いを明確にする
起業するときに最も大切なことは、自分の思いを明確にすることです。
- 「なぜ、起業したいのか」
- 「誰の、どんな問題を、解決したいのか」
- 「誰に、何を提供したいのか?」
- 「起業を通して何を成し遂げたいのか?」
ここがビジネスの軸になりますので、こうした思いを書き出してみましょう。
文字にして明確にすることで、自分に落とし込むことができます。
この思いが強ければ強いほど、起業を成功させることができます。
例えば、こういうことです。
- 自信を持てない女性に、美しくなってもらいたい → メイクアップアーティスト
- お金の知識がないばかりに、夢を諦める人を減らしたい → ファイナンシャルプランナー
- かつて拒食症で苦しんだ経験から、食べながら痩せる方法を伝えたい → ダイエットアドバイザー
こうした明確な思いがあれば、そこに向かって行動し続けることができます。
どんな仕事もそうですが、ビジネスはいつも順調なわけではありません。途中、試練や困難が訪れることもあります。でも、原点となる思いに立ち返れば、いつでも自分を奮い立たせることができるのです。
起業する動機として最も多いのが「好きなこと・得意なことを仕事にしたい」というものです。
これはもちろん自然なことで、好きなこと・得意なことで起業するのは何よりの喜びとなるでしょう。
ただ、ビジネスとして成り立たせるためには、もう一歩先も考えてください。「好き・得意」を超えたプロとして、お客様にどんな価値を提供できるのか。ここを明確にし、お客様のお役に立つことに最大限の喜びを感じるようになれば、ビジネスは飛躍的に伸びてゆくでしょう。
初めは、自信がなくとも構いません。私自身、初めから確固たる思いがあったわけではありません。ビジネスを学びながら「なぜ、やるか」「誰の、どんなお役に立てるのか」自分に問い続けることで、思いを明確にしていったのです。
まずは、世の中やお客様に対し、どんな思いがあるのか、自分に問いかけてみましょう。
1-2.ビジネスの基本を学ぶ
起業を成功させるためには、起業前もしくは起業初期に、ビジネスの基本をしっかりと学びましょう。
例えば、「コンテンツ作成」「WEBの活用方法」「集客方法」「ブランディング」などは、必ず押さえておきたいところです。
ビジネスには様々なやり方があり、どんな方法を選ぶかは、自分次第です。
自分に合うものを選んでいけば良いのですが、とはいえ、やはり「ビジネスの基本」というものは、存在します。ここを知らず闇雲に行動してしまうと、思うような結果に繋がらなかったり、遠回りをしてしまうことがあります。
では、ビジネスの基本として、具体的にどんなことを学べば良いかをお伝えします。
以下の項目をご参照ください。
- コンテンツ作成
- WEBの活用方法
- 集客の方法
- ブランディング
- その他
誰に、どんな価値を提供するのか
どんな商品、サービスにするのか(内容)
どのような商品ラインナップ、メニューにするか(種類)
提供する場(対面、オンラインなど)
ブログ
ホームページ
メールマガジン
各種SNS
動画配信
どんなツールで集客するか
文章(セールスレター)の書き方
広告の出し方
お申し込みまでの導線
対面での集客の方法
など
キャッチコピーと肩書
プロフィール文章
プロフィール写真
効果的な情報発信の方法
紹介の仕方、受け方
活動エリアについて
経理や事務作業
など
こうした項目には、基本の型があります。
基本を学んだ上で、自分に合うようにアレンジしたり、よりお客様のお役に立てるよう改善・工夫をしてゆくといいでしょう。
さらに「誰から教わるか」も重要です。
世の中には、たくさんの起業塾や起業コンサルタントを名乗る人物が存在していますが、その質は様々です。信頼できる人を探すには、既に起業している人から情報を集めたり、紹介をしてもらうと良いでしょう。
1-3.人との繋がりを強くする
女性が起業をするとき、人との繋がりが大きな力となってくれます。
仕事をする上で、良い繋がりを持つことは何よりの支えになってくれます。出会う人々と良い関係を築くことが、やがて自分に幸となって返ってくるのです。
特に大きな支えとなってくれるのが、メンター・仲間・応援してくれる人、この3つの存在です。
メンター | コンテンツの師となる人 | コーチングで起業するなら、コーチングを教えてくれる人 |
ビジネススキルを教えてくれる人 | ホームページの作り方を教えてくれるWEBデザイナー | |
マインドを育ててくれる人 | コーチ | |
仲間 | 共通点を持つ仲間 | 同じ志を持った仲間 |
応援してくれる人 | プライベートでの応援 | パートナー、夫、家族、友人 |
ビジネスの応援 | 志に共感してくれる人、友人、起業家仲間 |
こうした人たちの存在が、力強い支えとなってくれるのです。
メンターからは、仕事のスキルを教わることはもちろん、経営者としての強いマインドを教わります。コーチをつけて、常に心を整え、行動を促してもらうのも良いでしょう。
仲間とは、共に励まし合い、共に応援し合う関係を作ります。お互いのためになる情報交換をしたり、仕事を紹介し合ったり、時には飲み会やカラオケで一緒に楽しんで息抜きをしたりと、心強い味方になってくれるのが仲間です。
さらに応援してくれる人の存在は、強いパワーになってくれます。
人は、自分のためにだけ頑張ることはできないものです。喜んでくれるお客様の存在、大切な家族の存在、励ましてくれる友人の存在、こうした人たちがいてくれるからこそ「よし、がんばろう!」と熱く燃えられるのです。
また、既に先を行っている先輩起業家や経営者が、チャンスを授けてくれます。情報を教えてくれるのはもちろんのこと、仕事をする機会を与えてくれたり、良い人を紹介してくれることも、大いにあります。
良い心・良いスキルを持つ人と繋がること、そして、人に応援されるような人間になること。
起業にはこれが欠かせません。
1-4.効果的なブランディングをする
起業する上で一度は耳にするのが、ブランディングという言葉です。
ブランディングと言うと、ピンとこない人もいるかもしれませんが「自分の世界観を表現する」とイメージしてください。例えば、自分(自社)のWEBサイトを見たお客様が、「自分(自社)のことを信頼し、正しく認識してくださる」ように、言葉とイメージを使い世界観を表現します。
ここがうまくいくと、たくさんのお客様の共感を得ることができます。
具体的には、以下の方法でブランディングをしていきます。
- キャッチコピーと肩書
- プロフィール写真、イメージ写真
- 人柄・キャラクター・思いを伝える
仕事内容が明確にわかるキャッチコピーと肩書をつけます。
「誰の、どんな問題を解決できるのか」これが、明確に伝わる言葉にできればベストです。
3か月で-5キロを実現させる、ダイエットアドバイザー
60日で海外出張準備ができる、ビジネス英語トレーナー
40代からの美肌を作る、スキンケアアドバイザー
プロフィール写真は、プロのカメラマンに撮影してもらいます。
このとき、よく打ち合わせをして、人柄や仕事の内容がイメージできるようにお願いしましょう。できれば、撮影時のファッションも、個人スタイリストに相談すると良いでしょう。
イメージ写真は、ブログやSNSのカバー写真にしたり、WEBで情報発信するときにイメージ画像として使います。
例えば、ダイエットアドバイザーならスタジオでトレーニングしている様子や、結果を出せたお客様と一緒に喜んでいる写真など、サービス内容をイメージできるものが良いでしょう。これも、カメラマンを現場に招致して、打ち合わせしながら撮影すると良いでしょう。
女性起業家の場合、お客様はサービス内容よりも、人柄やキャラクターに惹かれてくることが多いです。同じサービスをしている人が2人いたら「あの人に会ってみたいから」という動機で片方を選択するのです。
なので、ブログやSNSで、どんどん情報発信すると良いでしょう。ただ、ここで気をつけたいのは、ただの知識提供にならないようにすること。ときには、日常の様子や過去の体験談などを交えながら、人間味を感じる投稿をするのです。そこに、他とは比べようのないオンリーワンの魅力が存在します。
伝える方法は、文章でも、写真でも、動画でも、音声でも構いません。あらゆるツールの中から、自分に合うものを選んだり組み合わせたりしながら、発信を続けていきましょう。
Webマーケティングの支援をしてくれる企業やサービスもございますので、状況に応じて利用の検討をしてみましょう。MASS DRIVERは売上げアップにこだわるWebマーケティング支援をされていますので、ご興味をお持ちでしたらご覧ください。
1-5.コミュニケーションスキルを磨く
起業家として活動していくためには、コミュニケーションスキルが欠かせません。
実際に人と会うリアルな場はもちろんのこと、WEB上のやりとりでもコミュニケーション上手になることが肝心です。逆に、ここでつまづいてしまうと、他をどんなにうまくやったとしても、次第にほころびが出てきてしまうでしょう。
コミュニケーションスキルと言っても、難しいことが求められるのではありません。
礼儀正しくする、誠実に対応する、人に不快な思いをさせないという、ごく当たり前のことばかりです。
ビジネスを発展させるためには、周囲の人から愛され応援されることが大事です。
そして周囲の人から愛され応援されるために、最も大事なことが礼儀正しい、誠実な対応、つまり、良いコミュニケーションを取れるかです。
良いコミュニケーションを取れれば周囲の人から好かれ、愛され応援されることとなるでしょう。当然、悪いコミュニケーションはその逆となります。
- 好かれる女性起業家のコミュニケーション
- 嫌われる女性起業家のコミュニケーション
レスポンスが早い
期日、時間を守る
誰にでも公平に接する
いつも笑顔でニコニコしている
自分から挨拶できる
表情や姿勢など、見た目の印象が良い
明るく前向きな話題が多い
相手に興味を持って接する
常に相手のために何かできないかと奉仕の気持ちを持つ
自分のビジネスの話より、相手の話を優先する
いつも誰かを応援している
レスポンスが遅い、またはメッセージをスルーする
期日、時間にだらしない
自分の利益になりそうな人にだけ愛想が良い
雰囲気が暗い、自信が無さそう
身なりを気にしない
噂話や愚痴が多い
お客様や仲間の陰口を言う
売り込みが強い
自分のビジネスの話ばかりする
人によって態度を変える
情報、集客、宣伝など、常に人から奪おうとする
いかがでしょうか。好かれる女性起業家、嫌われる女性起業家。それぞれ、あなたの周りにも、当てはまる人はいないでしょうか。
コミュニケーションスキルを磨くには、常に“相手思い”でいること。目の前の人に、自分がお役に立てることはないだろうか?という視点でいると、自然と好かれる行動に繋がっていくものです。
※コミュニケーションスキルを高めたい方は、以下に記事一覧を紹介しますので、お役立て下さい。
1-6.コミュニティを作る
起業するときには、ビジネスを軌道に乗せながら、いずれは自分のコミュニティを持つことをビジョンに入れておきましょう。「自分の思いに共感し、共に幸せになっていく仲間」そして、「一緒に世の中を良くしていく仲間」を作るのです。
コミュニティのメンバーは、初めは、自分のお客様と、活動をサポートしてくれるスタッフになるでしょう。コミュニティを作ると、ビジネスにコミュニティメンバーの声を反映することができます。
すると、新たな良いサービスを生み出し、お客様にもっと多くの喜びをもたらすことができます。コミュニティが拡大すれば、世の中への影響力も強くなり、より良い社会を作るための置き石にもなるでしょう。
具体的に、コミュニティをどう運営するのかと言えば、以下のようなイメージです。
- 商品・サービスを購入していただいたお客様と、その後も繋がりを保てる、WEB上の“場”を作る
- 「場」を作ったら、以下のように活用する
メーリングリストに登録してもらう
LINEグループを作る
Facebookグループに招待する
など
メンバーだけが閲覧できる情報発信をする
メンバーから質問を募集し、回答する
メンバーの成果を報告してもらい、シェアする
メンバーから要望を集め、反映する
メンバー同士が交流できる“場”として提供する
メンバーがリアルで会えるイベントを企画し、参加者を募る
など
例えば、こんなイメージです。
コミュニティ:紅茶教室の講師が主宰する、オンラインティーサロン
参加メンバー:講師の紅茶セミナーに参加したことがある人
提供したい価値:紅茶のある生活を楽しむことで、心にゆとりを生む。幸せを感じる心を育てる。
コミュニティの活動:
- 講師から定期的に、紅茶情報を発信する(今月オススメの紅茶、など)
- メンバーに、新たな紅茶の楽しみ方を提供してもらう
- メンバーお勧めの「茶葉」を紹介してもらう
- メンバーお勧めの「ティーサロン」を紹介してもらう
- 紅茶を楽しむことで、どんな心の変化が起きたかシェアしてもらう
- ホテルラウンジでのアフタヌーンティーを企画する
- メンバーだけのシークレットティーセミナーを企画する
- 本場、英国を訪ねるツアーを企画する
- お菓子教室とのコラボセミナーを企画する
など
いかがでしょうか。
コミュニティを作ると、これだけの価値を提供することができます。紅茶を楽しむことで、人々の心にゆとりを生むことができたら、世の中にも良い影響をもたらすのです。
ぜひ、こうしたビジョンも描きながら、ビジネスを展開させてください。
2.起業後にも試練はある!そんな苦しいときに私を支えてくれた、心理学の学び
実際に起業すると、様々な問題に直面することがあります。
この章では、そうした問題に直面した時にどう乗り越えたら良いか、心理学の視点からお伝えします。
なぜ心理学なのか?ということですが、私は“コミュニケーションスキルを伝える講師”という仕事柄、起業した後も、たくさんの心理学を学び続けました。問題に直面し苦しいと感じたとき、こうした心理学の学びが、私を支えてくれたのです。
中でも、心理学NLPはとても大きな力となってくれました。
ここで伝えることは、私自身が身をもって経験したことばかりです。ぜひ、参考にしてみてください。
2-1.失敗した!と感じたときのパワフルクエスチョン
どんな仕事でも、失敗はつきものです。
「失敗をしてしまった!」と思ったときには、そこで落ち込んでしまうのではなく、“問い”を持つことが肝心です。
例えば、こんな問いです。
- 「この経験から、何を学べただろうか」
- 「この経験から得た、教訓は何か」
- 「この経験が、これから先、どんなことに役立つだろうか」
こうした、気づきを得るための質問のことを「パワフルクエスチョン」と言います。
パワフルクエスチョンによって、失敗という一見ネガティブな出来事を「この経験のおかげで、良い学びを得た!」と、再定義することができます。すると、失敗は未来への原動力に変わるのです。
一例を上げると、私は大失敗して、お客様に迷惑をかけてしまったことがあります。
【私がした大失敗の例】
テーブルマナーの個人レッスンをしたときのこと。
会場で食器の用意をしていたら、前日に準備をして持ってきたはずのフォークとナイフが無いのです。どうやら準備の段階で、荷物の中に入れ忘れた模様。いちばん肝心のフォークとナイフが無ければ、レッスンはできません。
受講生であるお客様に「食器を忘れてしまったので、近くで買ってきます!」と伝え、慌てて買いにいきました。息を切らし戻ってくると、お客様は一言、こうおっしゃいました。
「もう、いいです。基本的なことができない人に、教わることなど何も無い。」
帰ろうとするお客様に、何とかレッスンを受けてくださるようお願いしましたが、お客様の気持ちが収まることはなく、レッスンを受けずに会場を後にされました。
とてもとてもショックで、しばらくその場でうなだれ、動くことができませんでした。
しばらく時間が過ぎ、ようやく顔を上げることができるようになった頃、改めて自分に問いかけてみたのです。
「この出来事は、私に何を教えてくれただろう?」
私は、この出来事から、多忙のあまり気が緩んでいたこと。そして、基本的な確認を忘れてはいけないことの大切さを学びました。その後は、どんなに多忙でも、持ち物や書類をしっかり確認するようになりました。
後から振り返ると、はっきりご意見を言って下さったお客様には、とても感謝しています。
このように、失敗だと思う経験から、たくさんの宝を得ることができます。
苦しいとき、落ちこんでしまったときこそ、前を向くための問いを持つことを心がけてみてください。
※パワフルクエスチョンに関しては、こちらの記事にまとめていますのでお役立て下さい。
2-2.自信を失くしたときのリフレーミング
起業後、何かのきっかけでネガティブな感情に支配されてしまったときには、「リフレーミング」が効果的です。リフレーミングとは、人や物事に対する見方(フレーム)を変えて、ポジティブな捉え方をするための思考法です。
例えば、「消極的な人」をリフレーミングすると「控えめで謙虚な人」と捉えることができます。
誰しも問題に直面すると、ネガティブな感情に染まってしまうことがあります。
例えば、何かに失敗すると「自分はダメだなぁ」と、自信を失ってしまうことがあります。
こうしたときに、リフレーミングで見方を変えるのです。
2-1で述べたように、失敗からは学びを得ることができます。
例えば、以下のように見方を変えるのが、リフレーミングです。
「失敗した」→「学びを得た」
また、失敗をすると、つい自分の欠点に意識が向いてしまいます。
例えば「人前でうまく話せなかった」という経験を失敗だと捉えると、同時に「私は、あがり症だからな」と欠点に意識が向いてしまうのです。
そんな時リフレーミングを使うと、自分で欠点だと思うことを再定義することができます。
「私は、あがり症だ」→「私は、繊細だ」と捉えれば、長所に変容します。
それでは代表的なリフレーミングを挙げてみます。
【代表的なリフレーミングの例】
- 飽きっぽい → 好奇心旺盛
- 人見知り → 繊細、人の気持ちに敏感
- 内向的 → 慎重、落ち着いている
- 怒りっぽい → 情熱的、自分の気持ちに正直
- 口下手 → 聴き上手
それでは私が、リフレーミングに救われた体験をお話します。
【私がリフレーミングを必要とした時の例】
ビジネスが軌道に乗ってきた頃、WEB上で批判をされたことがあります。
エゴサーチ(自分の名前をネット検索すること)をすると、関連ワードとして「樋口智香子 嫌い」と現れるのです。これはきっと、誰かが意図的に検索をかけているのだろうと思い、悲しくなりました。しかも、関連ワードに上がるくらいなので、私を嫌っている人物が多数存在するのだろうと、ショックでした。
そのことを憂えていると、ある尊敬する起業家が、こんなふうにおっしゃいました。
「アンチがいてこそ、本物の証」
この一言が、どれほど嬉しかったことか。最高のリフレーミングをしていただいたと、今でも深く感謝しています。
このように、自信を失くしてしまったときは、リフレーミングでポジティブな側面を探してください。必ずや、あなたに力を与えてくれるでしょう。
2-3.多忙で疲れきってしまったときの、クライテリア
起業後、あまりの忙しさに疲弊してしまったときには、NLP心理学のスキルである「クライテリア」を取り入れてください。
クライテリアとは「自分が本当に大切にしている価値観を確認する手段」です。
クライテリアを用いると、「人生で大切にしていること」「仕事で大切にしていること」「人間関係で大切にしていること」など、曖昧になっている自分の価値基準を明確にできます。
ビジネスが軌道に乗ると、とにかく忙しくなる時期というのが訪れます。忙しいことはありがたいことですが、注意をしないと、心身に大きな負担がかかりバランスが崩れてきます。
実際私も、この心身不調に陥りました。具体的には以下のようにです。
【多忙により、心身の不調に陥った例】
起業3年目くらいから、仕事の依頼が劇的に増えました。声がかかると嬉しくて、どんどんスケジュールを埋めていきました。どんなにハードでも、全国どこへでも飛んでいきました。
仕事はどんどん回り始めましたが、やがて、心身に不調が訪れはじめました。
耳鳴り、頭痛、立っていられないほどの疲労、原因不明の動悸、等々。気がつけば、セミナー会場に向かうタクシーの中、ぽろぽろと泣いている自分がいました。
また、心身だけでなく、家族にも負担がかかりました。食事の支度さえままならず、買ってきたものを食べてもらう日々。会話の時間もとれず、互いに何をしているかわからないような状況でした。
これではいけない!と危機を感じ、あらためて、自分に問うてみたのです。
「私が本当に大切にしたいものは、何だろう?」
答えは、明確でした。
「仕事も大事だけれど、まずは大切な人(家族)を大切にしたい。そして、健康を失ったら、何もできない。心身がボロボロになるほど仕事をするのは、やめよう。」
クライテリアと向き合うことで、大切なものを犠牲にして仕事をしていたことに気づいたのです。そこから私は、まず日常を大切にするようになりました。手料理を作り食べる、掃除をする、余計な交流会には行かない、疲弊してしまうほどのスケジュールを組まない。
こうした身辺整理をすることで、仕事のパフォーマンスが上がりました。一つひとつの仕事に、以前よりも丁寧に取り組めるようになったのです。
起業すると、まずは軌道に乗せることに一生懸命になってしまいます。確かにそれも大事なことですが、自分にとって最も大切なものは何か、原点に立ち返ることも忘れないでください。
【心理学NLPとは】
心理学NLPとは、もともと天才的なセラピストを研究し、「人の心の動き」について体系化し、目標達成や問題解決・人間関係で実用的に使えるようにしたものです。今では、アメリカの大統領がスピーチに取り入れたりなど、仕事やビジネス・人間関係で使える実践的なものに磨き上げられています。
詳しくは以下の記事や記事一覧にまとめていますので、心理学をビジネスや人生・人間関係に取り入れたい方は、お役立て下さい。
3.起業した女性が陥りやすい注意点
この章では、起業した女性が陥りやすい注意点についてお伝えします。
これを知っておくと、万が一、良からぬ状況に陥ったときに、本来あるべき姿に軸を戻しやすくなります。私自身が、「こういうことを起業前に知っておけばよかった」と思う内容でもありますので、ぜひ参考にしてください。
陥りやすいポイント | 状態 | 理想の姿に戻すには |
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ワークライフバランスが乱れる |
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ビジネスコンサルタントの選び方を見誤る |
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セミナージプシーになる |
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キラキラした自分を過剰に演出する |
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他の女性起業家を意識しすぎる |
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いかがでしょうか。
これらは私自身が、それに近い状況を経験したことばかりです。
誰しも陥りやすいポイントなので、理想の姿に戻す方法を心得ておいてください。理想の軸がしっかりとしていれば、余計なことにエネルギーを注がずに済みます。ぜひ、起業前から知っておいてください。
まとめ
時代の流れで、起業する女性が増えています。
女性が起業を成功させるには、準備段階から押さえておきたいポイントがあります。
ビジネスの基本を学び、繋がるべき人を知り、ビジネスを活性化する方法を知っておく。こうした知識が、起業後の力強い支えとなってくれます。
また、起業した後には、試練のような問題に直面したり、良くない状況に陥ることもあります。ここも予め頭に入れておけば、闇雲に悩み苦しむことを避けられます。
ぜひ、この記事で起業後の全体像をイメージしてください。そして、自信を持って起業し、あなたの夢を叶え、多くのお客様を幸せにしていただければと思います。