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エンパワーメントとは?実践で使える意味や使い方をわかりやすく解説!

エンパワーメントとは、
「一人ひとりが本来持っている能力を引き出すこと」を意味する言葉です。

ビジネスを始め、
実は全ての人間関係で活かすことができる
現状から成果を生み出すためのスタンスです。

もし今、あなたがこのようにお考えなら、
エンパワーメントがその鍵を握っているでしょう。

  • 「現在のチームでもっと成果を生み出したい」

  • 「チームメンバーの能力を引き出したい」

  • 「一人ひとりがチームのために働ける組織づくりがしたい」

メンバーは変えられないし、
資金投入にも限界があるからと
望ましい成果を生み出せずにお悩みの方はもちろん、

すでにエンパワーメントを導入していて、
さらに成果を出したい方にも。

基礎から深掘りまで、
人間心理を押さえた一生役立つ情報をお伝えしていきます。

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1.エンパワーメントとは?

「エンパワーメント」とは、一人ひとりが本来持っている潜在能力を引き出すことを意味する言葉です。

ここでは、エンパワーメントの言葉の意味と、本来の意味、どのように使われているかの事例をご紹介し、エンパワーメントとは何かをお伝えしていきます。

1-1.エンパワーメントは何を意味するのか?

エンパワーメントは、日本では「権限移譲」や「力づけ」といった表現で訳されています。

噛み砕いていうと、

「役割や権限を適切に与えることで、
その人が本来持っている能力や才能を引き出すこと」

を意味しています。

つまり、権限を渡すことだけが目的ではなく、一番のゴールは、権限を渡すことによって、「その人自身が持っている能力や才能を開花させること」です。

さらに深掘りしていきましょう。

エンパワーメントには、【成果を生み出すスタンス】といった根本的な意味があります。

エンパワーメントをより深く理解して実践するには、この根本的な意味合いを知ることが役立ちます。

もしすでに導入を始めているものの、思ったような成果に繋げられていない場合にも、こちらを知っておくとよいでしょう。

1-2.エンパワーメントが持つ、成果を生み出すスタンスについて

エンパワーメントが持つ、成果を生み出すスタンス。
それは【結果側ではなく、原因側に立つ】ということです。

どういうことかというと、一人ひとりが、結果を受け取るだけの意識を手放し、「自分が状況を作り出していくんだ」という原因としての立ち位置にいる意識を持つことです。

具体的な方法として、【原因側に立つ】というスタンスを持つには、下記の問いかけを自分自身へ行います。

「仮に、出来事が起きた原因が自分にあるとしたら?」

「【自分が】できることは何?」

こう問いかけることで、出来事の原因側に立ち、当事者意識を持って次の行動を考えていくことができるようになります。

そして、問いを与えられると脳は検索を始めます。すぐに問いの答えが出てこなくても大丈夫です。ふとしたときに、「これだ!」という答えを得られることでしょう。

1-3.どのように使われているのか

では、実際の現場ではどのように使われているのでしょう。

ビジネス、医療・介護、その他のコミュニケーションの、3つの分野別で見ていきましょう。

【ビジネスの場】

ビジネスの場では、生産性の向上や強い組織づくりのために活用されています。

仕事を進める上で、部下やチームメンバーへ権限を渡すことによって、責任感や自主性、主体的な思考を育てていくことができます。

具体的には、上司が全て決定・指示するのではなく部下に権限を与えて、上司はそのサポートを行うことによって、部下が自ら考え、行動する力を養えます。

そうすることで、現場レベルでの業務改善や次世代のリーダーの育成につながり、組織が強くなります。

この際に大切なことは、お互いの権限の範囲を明確にして、上司・部下双方が「自分に原因があるとすれば何ができる?」というスタンスを持つことです。

これにより、協力し合える関係づくりが実現します。

【医療・介護の場】

医療・介護の場では、患者の自主性を高め、状態を早く・より良くするために活用されています。

サービスを提供する側(医師・介護者)と受ける側(患者・要介護者)では、患者・要介護者が、受け身になってしまいがちですが、エンパワーメントを導入することで、自主性を促進し、「自分自身ができることは何か」という視点を強めることができます。

身体と心の状態は密接に関係していますので、患者・要介護者の自主性が高まることによって、状態改善が早く、より良くなる手助けになります。

この際に大切なことは、サービスを提供する側と受ける側が、ゴールを共有しておくことです。

このゴールは「症状を改善する」ということだけでなく、「改善した後に、こんな望ましい生活をする」など、さらにその後の目標や夢を具体的に持っておくことで、より強くなります。

【その他のコミュニケーション】

他にも、教育や子育ての場でもエンパワーメントは活用できます。

児童生徒やこどもの自主性を高め、信頼関係を強めることができます。

教える側、教えられる側という立ち位置ではなく、児童生徒やこどもを1人の人間として尊重することで、本来持っている能力の開花をサポートできます。

能力を発見し、認めてくれた相手には心を開きやすくなりますので、信頼関係も生まれます。

この際に大切なことは、自分も相手も1人の人間として扱い、原因側に立つという背中を見せて指導していくことです。

このように、エンパワーメントは幅広い分野で活用されています。

では、エンパワーメント導入の最先端について、もう1つ具体例をご紹介します。

いちはやくエンパワーメントを取り入れて成功している、ディズニーランドの事例です。

キャストが根底に持つ考え方「ハピネスの創造」

ゲスト(お客様)に幸せや幸福感を感じてもらうために、
キャスト(スタッフ)一人一人が何ができるか?

ディズニーランドでは、この考え方に基づき、キャスト一人ひとりが、目の前の状況の中で、どうすればゲストへ幸せをもたらせるのかを考えて行動しています。

その結果として、ゲストに感動を与えたエピソードが数多くあります。

具体的な事例をご紹介すると、3.11の東日本大震災の際に、キャストが通常時には厳禁とされる行動を取って、ゲストを守ったエピソードがあります。

このエピソードを、エンパワーメントの視点で状況と行動に分けて読み解いていきましょう。

エンパワーメントの視点:自分自身(キャスト)が何ができるか?

状況 行動
地震による落下物があり危険

売り物のぬいぐるみを無償で配布

春先のため屋外は気温が低い

段ボールを防寒用に配布

通常の園内ルートだと日没までに避難が間に合わない

バックヤード(舞台裏)へ誘導

ディズニーランドにおいて、段ボールやバックヤードは、「夢の国」というイメージ保護のために、通常時は絶対にゲストの目に触れさせてはいけないものです。

上記の行動は、上からの指示だけで行われたのではなく、キャスト一人一人が、自分の目の前の状況の中でできることを考えて取った行動でした。

その結果として、地震発生当時に約7万名もの来園者を抱えながら、「負傷者0名」という驚異的な偉業を達成しています。

さらにそれだけではなく、地震という現実的な恐怖に直面してなお、「夢の国」というイメージが崩れるどころか、よりいっそう強く人々の心に刻まれることとなりました。

このように、ディズニーランドでは、状況によっては通常時のルールを超えることでも、キャストが自ら判断して行動してよいと権限が与えられており、その結果、マニュアル通りでは生み出せない、目の前の一瞬一瞬で感動を創り出せるチームが存続できています。

こんな奇跡を起こせるのは、ディズニーランドが「夢の国」だからでしょうか。

もちろんその力は大きいですが、エンパワーメントを読み解けば、感動や奇跡といった成果を生み出す第一歩を手に入れることができます。

それでは、エンパワーメントをどのように私たちの現場で根づかせていけばいいのか、実践で使える活用方法について解説していきます。

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2.実践で使えるエンパワーメントの活用方法

エンパワーメント導入により成果を生み出すためには、次の4つのステップが重要です。

4つのステップ

  1. 作り出したい成果・価値を明確にし、目標を立てる
  2. 目標をチームメンバーへ共有し、同意を得る
  3. 【結果側ではなく、原因側に立つ】というスタンスを共有し
    一人ひとりが実施責任の意識を持つよう促す
  4. 実際の状況を把握し、権限の一部譲渡を行う

それでは、各ステップについて解説していきます。

①作り出したい成果・価値を明確にし、目標を立てる

エンパワーメントは、一人ひとりの能力を引き出すものですから、チームメンバーが自主的に叶えたいと思える【動機づけ】が必要です。

そのためには、まずはじめに、チームで作り出したい成果・価値を明確にします。

チームメンバーにとっての動機とするために、成果・価値は、関わる全員が達成したいと思えるような魅力的なものを設定しましょう。

また、メンバー自身が実現した場合のことを、リアルに想像できれば、より動機が強化されます。

そのため、必要に応じて、一人ひとりの状況に合わせた具体的な成果は何か認識しておくのも有効です。

【エンパワーメントの活用ステップ1】
作り出したい成果・価値を明確にし、目標を立てることの事例

■業種:IT企業

■提供しているもの:業務効率化向上システムを提供する

■基盤の概念:「未来を語らう余白の提供」

■目標:概念に基づいた売上や商談獲得数、顧客満足度などの数値目標を設定する

■確認事項:

  • 未来を語らう余白の提供が実現できるようになっている
  • ノー残業デーなど福利厚生の充実化を入れる
  • または、別の切り口である「豊かさを生む提案(=収入アップ)」
  • 他社様へ余白の提供ができても、自社のメンバーは残業が多く疲弊している
  • 現実と乖離がありイメージしづらい目標になっていないか?

目標をチームメンバーへ共有し、同意を得る

目標を立てられたら、チーム内で共通認識を持つためにメンバーへ共有します。
ここで必ず、チームメンバー全員の同意を得ておきましょう。

エンパワーメントには自らの意思で実行できる体制が大切です。

メンバーの同意が弱いと感じる場合には、具体的にメンバー自身がどう感じているのか傾聴を行って実情を確認します。

傾聴した結果、メンバーへの動機づけの強化が必要となる場合もあれば、目標自体の最適化が必要となる場合もあります。

【エンパワーメントの活用ステップ2】
目標をチームメンバーへ共有し、同意を得ることの事例

■確認事項:

  • 「未来を語らう余白の提供」という概念がメンバーの希望に合っている
  • すべてのメンバーから同意を得られている
  • 得られていない場合、収入アップにつながる研修参加や副業許可など
    そのメンバーにとって魅力的な方法を検討する

【結果側ではなく、原因側に立つ】というスタンスを共有し
 一人ひとりが実施責任の意識を持つよう促す

目標への同意を得られたら、エンパワーメントの導入方針を示してスタンスを共有します。

目標達成を実現させるにあたり、

【結果側ではなく原因側に立って物事を考え行動選択を行い、
一人ひとりが目標に向かうための実施責任の意識を持ってもらいたい】

という旨を伝えます。

チームメンバーからスタンスへの好意的な反応があれば、この段階で権限譲渡を進めることができます。

もし、メンバーの反発が強いようであれば、権限譲渡によって成果を生み出す段階ではない可能性が大きいので、先にスタンスの癖づけを行なっていきましょう。

癖づけを行うために最重要なことは、リーダー自身が率先して【原因側に立つスタンス】を持つことです。

【エンパワーメントの活用ステップ3】
【結果側ではなく、原因側に立つ】というスタンスを共有し、
 一人ひとりが実施責任の意識を持つよう促すことの事例

■確認事項:

  • 「未来を語らう余白の提供」のため、
    効率化につながる提案を促し、傾聴して評価する
  • 無駄な残業はしない・させない

実際の状況を把握する

目標とエンパワーメントのスタンスを共有したあとは、実際の状況を通して、メンバーの意識を確認します。

具体的には、プロジェクトの進捗確認や、問題が発生した場合の聞き取りなどを行いましょう。

もしすでに権限譲渡を開始しており、成果を実感している場合、さらにメンバーが動きやすくなるよう権限の幅や内容の調整を行います。

まだ権限譲渡に至っていない場合には、メンバーの実行責任への意識がどの程度か確認し、譲渡のタイミングを図りましょう。

変化が認められない場合には、①へ立ち返り、メンバー自身の自主性を高めるため、さらなる動機づけや状況把握が必要となります。

【エンパワーメントの活用ステップ4】
実際の状況を把握することの事例

■確認事項:

  • 基盤概念を「未来を語らう余白の提供」としたが、
    メンバー自身の生活でもその概念を実感できているか?
  • 概念が口先だけになっていないか?
    効率の悪い習慣をダラダラと続けていないか?
  • 司はメンバーが効率化したことを評価できているか?
    対価を提供できているか?
    ※対価は給与や福利厚生以外に、モチベーションアップの言葉がけも含まれます。

3.さらに知っておくべき深層構造

ここまでは、エンパワーメント導入の基本的な考え方や事例をお伝えしてきました。

ここからは、さらに大きな成果を作るためにエンパワーメントの深層構造について解説していきます。

【結果側ではなく、原因側に立つ】というスタンスは、NLPという実践心理学の考え方です。

NLPでは、原因側、結果側のそれぞれに立つことについて次のように解説しています。

結果側に立つ

原因側に立つ

  • 原因を自分以外のなにかに向けてしまう
  • 言い訳が生まれ、孤独が手に入る
  • 大きな成果、価値などの違いを生み出す

結果側に立つということは、自分以外のものに原因を向けることです。

具体的な状況に当てはめてみると、原因が自分ではないという考えでは、自主的に望ましい変化を起こすための行動は起こせません。

そうすると、たとえ本人は頑張っているつもりであったとしても、なかなか成果は出ないでしょう。

さらに、周囲の人や状況に原因を追求することになりますので、原因を向けられた人は疲弊してしまいます。

一方で、原因側に立つということは、自分自身の行動や考えに原因を見出し、「目標と現状との差を埋めるために、自分ができることは何か」ということに焦点を当てて行動を起こすことです。

もう1つ【原因側に立つ】というスタンスとして、

NLPでは、「相手の反応がコミュニケーションの成果である」
という考えを前提にしています。

これはたとえば、部下が自分の指示とは異なることをしたとしたら、「正しく伝えられなかった自分の責任」として考えることです。

この考えによって、相手の状況を傾聴するという行動に繋がります。

さらに効果を生み出すためには、

部下側にも「上司の指示を正しく汲み取れなかったのは自分の責任」
という考えを根づかせていけるとよいでしょう。

そのためには、まず上司が背中を見せ、上司・部下お互いが自分自身の要因と向き合う姿勢を持つことが大切です。

ここで時折陥る「落とし穴」についても触れておきましょう。

この落とし穴とは、
「原因側に立つことは、自分が “悪い” と思うことだ」という勘違いです。

原因側に立つということ ≠ 自分が “悪い”

エンパワーメントでは、一番のゴールを「その人自身が持っている能力や才能を開花させること」だと解説しました。

「◯◯が悪い」という考え方には、そのものの可能性を打ち消してしまう力があります。

これでは、むしろ能力を奪ってしまうことになります。

この状況を避けるため、原因を考えるときに「〜が悪い」と思考する癖のある方は、言葉を置き換えるよう意識しましょう。

「仮に、出来事が起きた原因が自分にあるとしたら」という言葉を使って、その後「【自分が】何ができる?」というように未来の行動についてもセットで考えていきます。

そうすることで、可能性を打ち消してしまう癖を手放し、本来の能力や才能に焦点を当てていく癖に置き換えていけます。

周囲の人へ原因側に立つことを促す際にも、「◯◯が悪い」という考え方からは離れ、フラットな視点を持つよう伝えていくと、自分を責めて疲弊してしまうだけの状況を打破し、成果に向けてエネルギーを使う環境づくりができます。

コラム

「私が悪いんです」
この言葉は、一瞬、とても責任感があるような言葉にも聞こえます。そして、心理学NLPの視点から見ると、その先に続く言葉次第では、とても大きな課題となります。

「私が悪い」という言葉は、自分を全否定して、思考が停止しているか、問題を詳しく紐解くことを放棄している危険があるからです。

「私が悪いんです。あのとき、こうこうこうで、こういう行動を取ってしまって、あれが駄目でした。次回からは、このような状況では、●●を優先して考えてご相談します!」

というように、すぐに行動レベルで話ができていれば安心できます。

ですが、自分を否定して、次に進むことを諦めているような状況であれば、相手にとって最適な質問をして、そこから抜け出るサポートをしていきましょう。

人間心理を知ることで、他者との付き合いは格段にスムーズに進みます。
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まとめ

エンパワーメントを導入して成果を生み出すために、必要なスタンスについてご紹介しました。

最初にお伝えした通り、エンパワーメントは、幅広い分野で活用することができます。

【原因側に立つ】というスタンスを、まずはビジネスに活かせるようになると、あなたは、家庭や交友関係など、あらゆる人間関係においても成果を生み出すことができる存在となります。

原因側に立てる人の周囲は心地よく感じられるため、人心掌握や新しい関係の構築へも役立っていくでしょう。

一人ひとりが自ら考えて行動できる強い集団を育てるため、エンパワーメントの成果を生み出すスタンスをご活用ください。

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