「コーチングとは、もっとも欲しい結果(ゴール)を明確にし、自分一人では絶対に行くことができないであろう速さで、ゴールに向かうことを助けること」
– コーチングの父的存在「トマス・レナード」-
この言葉は「コーチングとは、欲しい結果をより早く、より効果的に実現する」ためのスキルであり、ツールであることを教えてくれます。
そのためコーチングを学ぶことは、以下を実現したいコーチ、リーダー、管理職をはじめとした、すべての方にとって有益といえます。
- 対人援助のスキル・能力を高めたい
- プロのコーチとして活動したい
- 組織やチーム・部下のパフォーマンスを高めたい
- 目標達成や問題解決の能力を高めたい
- ビジネスで手にする結果を高めたい
- より良い人間関係を築きたい
など
しかし、こんな声も聞こえてきそうですね。
「コーチングって、具体的にはどういうものなの?」
「なぜコーチングを使うと、仕事やビジネスで結果を出せるようになるの?」
「いろいろな種類のコーチングがあって、違いがよく分からない」
など
おっしゃるとおりだと思います。
何となくイメージできても、具体的に説明するのが難しいかもしれませんね。
そこでこの記事は、以下について紹介しています。
- コーチングとは?(コーチングの定義)
- コーチングを実践するメリット(実現できること/解決できること)
- コーチングの「種類、内容、効果」について
- 基本のコーチング3種類
- 上級のコーチング4種類
- コーチングの学び方(本・講座で学ぶ/資格を取得する)
など
コーチングについて知りたい方・学びたい方・資格を取得したい方に、お役立ていただければと思います。
※出典・参照元:Thomas J. Leonard – Wikipedia
目次
1.コーチングとは?
「コーチングって何?」
「誰に、どのような成果をもたらすの?」
コーチを目指している方の中にも、このような疑問をお持ちの方は少なくありません。
言葉をどのように定義するかで、人の行動は変わります。
そのため、コーチングの定義を「何となく意識している状態」から「はっきりと意識できる状態」へと変えることが重要です。
なぜかというと、「コーチとして到達できるレベル」「クライアントが手にする成果」「仕事やビジネスで出せる結果」が、まったく違うものになるからなんです。
そこでこの章では、「コーチングとは」という問いにお答えする形で、詳しく紹介していきます。
1-1.コーチングとは?
「コーチングとは、企業やチーム、個人がより早く、より効果的に、より簡単に、現在の状態から、望む成功やゴールを達成する助けになること」
- ティム・ハルボム & クリス・ハルボム氏-
この言葉には、「自分一人では絶対に行くことができないであろう速さで、ゴールを達成する。あるいは、今のレベルでは、実現が困難であろうゴールに到達する」ことも含まれます。
またWikipediaでは、コーチングを以下のように解説しています。
コーチング(coaching)とは、人材開発の技法の一つ。対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術である。相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すコミュニケーション技法である。
【出典・引用元】:Wikipedia「コーチング」
このようなコーチングの由来は、「人を目的地まで運ぶ乗り物」である馬車を指していました。
この背景から、企業やチーム、個人が、「現在の状態(現在地)」から「欲しい成功やゴール(目的地)に向かう」ことを支援する人をコーチと呼ぶようになりました。
しかし企業やチーム、個人が、今の自分のレベルを超えた目標やゴールに向かうとき、必ずといってよいほど生まれるのが、課題や障害ですね。
そのためコーチングでは「課題や障害を乗り越えるための支援」も大事な要素になります。
つまりコーチングは「現在の状態(現在地)から、欲しい結果(目的地)へ向かう橋渡しを担うもの」と言うことができます。
1-2.コーチとクライアントの関係
コーチングとは、信頼関係をベースにした「クライアント」と「コーチ」の協同関係の上に成り立っています。
ここでいうクライアントとは、コーチングを受ける側を指しています。
「コーチングを受ける企業やチーム、個人」「経営者や管理職からコーチングを受ける部下や従業員」などです。
そして、コーチとクライアントの定義は以下になります。
- コーチ
:クライアントと協同関係を築き、「一緒にゴールの達成に向かう」「課題や障害を乗り越える」ことを支援する人 - クライアント
:「欲しい結果」に向けて、コーチングを受ける企業、チーム、個人
このような、コーチングをする際の基本的な前提は「1対1」です。
一流のアスリートとコーチの関係のように、信頼をベースに協同関係を結び、一緒に「欲しい結果」に集中し、歩んでいく。これがコーチとクライアントの基本的な関係といえます。
1-3.コーチングを実践するメリット「実現できること/解決できること」
コーチングを学び、実践することで、「実現できること」「解決できること」が増え、「実現できること、達成できることのレベル」が高まります。
それはコーチングを学ぶことで、
あなたが、以下を手にすることができるためです。
- 「現在の状態(現在地)」~「目的地(望んでいる状態)」に向かう効果的な脳の使い方
- 本当に欲しい結果、ビジョンを適切で明確な方法で描く
- 目標達成や問題解決に向けた、思考、発想、行動
- 質の高い行動戦略と行動計画
- 結果や出来事、数字から、次につながるフィードバックを受け取る
- 行動面、環境面、能力面の変化・向上
- ステートマネジメント/メンタルマネジメント
:成果を妨げる障害を取り除く(心理的なブレーキ、ネガティブな思考、感情、葛藤、思い込みなど) - モチベーションやパフォーマンスの向上
- 柔軟性と決断力の向上
- 思考や行動パターンの強化と改善
- 「創造的な思考やアイデア」「問題解決を可能にする視点」
- ブレイクスルーを生み出す「自己効力感」「自己肯定感」の向上
など
そのためにコーチは、「パワフルで適切な質問を通して、クライアントが自分一人では得ることのできない、“新しくて新鮮な視点” と “気づき” を提供」します。ここにコーチの存在意義と存在価値があります。
1-4.コーチングとティーチング、コンサルティングの共通点と違い
コーチングとティーチング、コンサルティングには、共通点と別々の特徴、役割があります。それを理解することで、あなたのコーチング力を高めやすくなります。
さらに、コーチングしているつもりが、ティーチングやコンサルティングになっていて、思うような成果を出せない。というケースは少なくありません。それを回避し、より効果的なコーチングを行えるようになります。
そこで以下に、共通点と違い(特徴、役割)を見ていきましょう。
【共通点】
企業やチーム、個人が、「本当に欲しい結果を手にする」ことを支援することが共通点です。
【役割の違い】
➀コーチングの特徴と役割
コーチの最大の特徴は、アドバイスではなく、適切な質問を通して、企業やチーム、個人が最大のパフォーマンスを発揮できるように、ベストな状態を引き出すことです。
「必要な答えやリソースは、クライアントが持っている」という考え方がベースにあります。
コミュニケーションのスタイルとしては、常にクライアント中心になり、7割から9割は、クライアントが話している状態になります。
➁ティーチングの特徴と役割
ティーチング最大の特徴は、アドバイスを通して、企業やチーム、個人が、最大のパフォーマンスを発揮できるように、思考と行動を方向づけ、導くことです。
そのため、ティーチャーは自分の知識や経験の引き出しの中から、「考え方、方法、スキル、戦略、手順」などをクライアントに提供します。
コミュニケーションのスタイルは、情報発信やフィードバックが多くなり、教える側が話の中心になることが多いのも特徴です。もちろん、優れたティーチャーほど、ヒアリングも大切にしています。
➂コンサルティングの特徴と役割
コンサルティング最大の特徴は、専門的なフレームやスキル、経験を元にした、適切な分析とアドバイスを通して、クライアント(企業など)の業績が高まるように、状況の分析、施策の促進、効果測定、仕組みづくり、フィードバック、改善などを行うことです。
そこには、「専門的なフレーム、視点、考え方、方法、スキル、戦略、手順」など伝えるティーチング、そしてクライアントの中から答えを引き出すコーチングも入ってきます。
コミュニケーションのスタイルは、シチュエーションにより大きく変わります。しかし話の焦点は、常にクライアントにあります。
2.コーチングの「種類、内容、効果」について
コーチングには、特に押さえておきたい種類、内容、効果があります。
この章では、それをご紹介していきます。
2-1.基本のコーチング3種類
基本となるコーチングは、大きく3種類あります。
- 行動面にアプローチするコーチング
- エグゼクティブコーチング
- メンタルコーチング(心理的な課題にアプローチする)
※コーチングスクールにより、使う表現が変わるため、この記事では上記のように表現しています。
コーチングは、もともと行動面にアプローチするものとして生まれました。
これが「行動面にアプローチするコーチング」です。
目標達成や問題解決を可能にする「効果的な行動、計画、戦略」を生み出します。さらに能力の向上、結果につながる環境(身を置く環境、状況、付き合う人、所属するチームやコミュニティなど)づくりも行っていきます。
そして経営者、管理職、マネージャーなど、組織の中で他者に影響を持つ立場の方に向けたコーチングが、「エグゼクティブコーチング」です。
企業や組織、プロジェクトの成長や業績向上のために、必要な視点、考え方、スキルを身につけます。
このようなコーチングが結果を出していく一方で、ある課題にも直面します。
その課題とは、コーチングを受ける側に生まれる、マイナス思考や感情、心理的な課題により生み出される、以下のような状態です。
- 最初の一歩を踏み出せない、継続的に行動できない
- 思うようなパフォーマンスを発揮できない
- 無意識に「損をする行動」「マイナスを生み出す行動」を取っている
- 無意識にうまく行かない習慣、方法を繰り返している
- 自己肯定感(精神的な健康度)が下がる
など
これでは、思うように結果を出すことができません。
実はこの状態の裏には、心の深い部分に紐づく、以下のような心理的な課題が作用しています。
- マイナスの思考パターン・行動パターン
- ネガティブな心理状態(ネガティブな思考と感情)
- ゴール達成や自分に対する「自己評価」「自己効力感」の低さ
(「自分には無理」「私は能力が低い」「どうせ失敗する」などの否定的な思い込み。「管理職になったのに、一般職時代の意識から抜け出せていない」など、役割に対する認識のズレ) - 過去の体験によるトラウマ(そこから生まれる心理的な反応)
- 葛藤、怒り、悲しみ、喪失感、罪悪感、欠乏感、後悔、苦手意識など
- 先延ばし、優柔不断、責任転嫁、被害者意識など
- 特定の場面における、ネガティブな反応
など
これらが、「成果を妨げる障害」「行動を妨げる障害」となり、ゴールの達成や問題解決を妨げてしまいます。
このような心理的な課題は、大なり小なり、誰もが持っています。そのため、心理的な課題に対応できるコーチングスキルは、コーチだけでなく経営者、管理職、マネージャーなど、他者に影響を与える役割の方に、役立つスキルと言えます。
このような、心理的な課題に対応できるように、心理学を取り入れ、進化したコーチングが、この記事で言う「メンタルコーチング(心理的な課題にもアプローチできるコーチング)」です。
※補足:コーチングとメンタルコーチングについては以下を参考にしています。あわせてご覧ください。
2-2.上級のコーチング4種類
基本を学んだら、もう一歩踏み込んで身につけたい「上級コーチング4種類」があります。
具体的には、人生の最重要課題ともいえる4種類のテーマに対して、より専門的なアプローチを可能にします。
そのため、コーチとしてのレベルを2段階、3段階上に引き上げることを可能にします。
➀リレーションシップ・コーチング(人間関係)
:コミュニケーションや人間関係を専門に扱うコーチングです。
「仕事やビジネスでの人間関係」「夫婦関係」「恋愛関係」「親子関係」「友人関係」など、すべての人間関係に役立つ視点、考え方、スキルを身につけます。
深い信頼を築き、より良質な人間関係を築くこともできます。さらに難しい人間関係、こじれた人間関係へも対応できるようになります。
➁ウエルス・コーチング(経済的な豊さ、精神的な豊かさ)
:経済的な豊かさ、精神的な豊かさを専門に扱うコーチングです。
「経済的な豊かさ、精神的な豊かさを手にすること」「豊かさを妨げる(制限する)障害を取り除くこと」に必要な視点、考え方、スキルを身につけます。
クライアントのゴール設定、価値観、生活習慣、思い込み、過去の体験など、様々な要因が関係します。そのため、インパクトの大きい成長と結果を得ることができます。
➂ヘルス&ウェルネス・コーチング(健康や生活習慣)
:健康や生活習慣を専門に扱い、身体的な健康、精神的な健康を実現するためのコーチングです。
健康問題の多くはストレスから来ています。それは環境(身を置く環境、生活習慣)、人間関係、ものの見方・考え方、思い込み、過去の体験や経験が大きく影響しています。
症状の改善や緩和、病気の予防に対してコーチングを行います。健康問題に向き合うには、他のテーマ以上に専門的な視点、考え方、手順、スキルが必要になるため、その点に関しても、具体的に学んでいきます。
➃ライフ・コーチング(人生や生き方)
「人生」と「生き方」を専門に扱うコーチングです。
「充実感や満足度の高い幸せな人生」「本当に欲しい理想的な人生」「ビジョンやミッションを生きる」「人生に制限をもたらす障害を取り除く」など、人生や生き方にアプローチする専門的な視点、考え方、スキルを身につけます。
下記の図1にあるように、基本のコーチングを中心に、エグゼクティブ、人間関係、豊かさ、健康などをすべて含んでいます。
そのため、他のテーマすべてに対して、ポジティブな変化と影響を生み出します。
これらのコーチングは、仕事や人生全般に密接に関係し、影響し合っています。そのため、基本(基礎)を学んだ後に押さえておきたいコーチングといえます。
【出典・参照元】:NLP上級プロフェッショナルコーチング認定トレーニング
3.コーチングの学び方(本・講座で学ぶ/資格を取得する)
あなたにとってベストな方法で、コーチングを学びましょう。
コーチングの学び方は、主に下記2つに分けることができます。
- 書籍を読む
- 講座に参加する
それぞれに、特徴がありますので以下にご紹介します。
1.コーチングの書籍を読む
書籍の特徴は、いつでも、どこでも、学べる点です。
さらに書籍の種類も豊富なため、コーチングの知識を広く学ぶことに長けています。多くの書籍は、コーチングを体系的に、深く学ぶというよりも、コーチングの部分的な要素を学べる価値の高いものとなっています。
コーチング初心者の方が、実践しやすい書籍から、上級者向けの書籍まで多数あります。
コーチングの書籍に関しては、以下の記事にもまとめていますので、併せてご覧ください。
2.コーチング講座(セミナー)に参加する
講座の特徴は、コーチングを体系的に、深く学べる点です。
コーチングの未経験者でも、コーチとして活動できる状態に成長できるように、カリキュラムが体系化されています。
そのため、コーチを目指す方、ビジネスや仕事で実践的にコーチングを活用したい方は、コーチング講座で学ぶのがベストです。
講座は基本を学ぶコーチング講座から、応用編や上級編を学ぶものまで、様々な種類があります。
コーチング講座や資格については、スクールにより、名称やカリキュラム、金額に違いがあります。以下の記事でも詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。
4.まとめ
「コーチングとは、もっとも欲しい結果(ゴール)に向けて、今までの方法や状態では、絶対に行くことができないであろう速さで、ゴールに向かうことを助ける。あるいは到達できないレベルの結果を手にすることを支援する」
このようなコーチングを取り入れることで、企業やチーム、個人が、高いパフォーマンスを発揮し、「欲しい結果」「望んでいる状態」を手にすることに効果を発揮します。
そのために、知っておきたい情報として、以下をご紹介しました。
ぜひお役立てください。
- コーチングとは?(コーチングの定義)
- コーチングを実践するメリット(実現できること/解決できること)
- コーチングの「種類、内容、効果」について
- 基本のコーチング3種類
- 上級のコーチング4種類
- コーチングの学び方(本・講座で学ぶ/資格を取得する)
※コーチングにご興味をお持ちの方はこちらの動画(40秒)もおすすめです。
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