「コミュニケーションの資格」って自分にどう役立つのだろう。
評価や就職・転職に有利になるのは本当?
そんな風に思って、今コミュニケーション資格を調べているあなたのために、
- どのようなメリットがあるのか
- どのような資格があって、どれを選べばいいのか
これらを簡潔にまとめました。
「コミュニケーション」とは、人間関係の基盤をつくるもの。
そしてその能力は、私たちの人生全般を左右していく大事な能力です。
経団連によると、8割もの企業が、人材に対して求める能力の1位が「コミュニケーション能力」だという調査結果が出ています。
組織はチーム・集団で動いていますから、対人関係がうまくできるか、人を動かすことができるか、などの能力が必要とされて評価されるのは当然のことです。
より良い人間関係を築くため、スキルや能力の証明のために、コミュニケーション資格を取得する方は増えています。
コミュニケーションスキルは、一度身につけてしまえば、一生使えるとても大切な力です。
あなたもぜひ、資格をご自身に役立ててください。
監修:日本コミュニケーション能力認定協会 | |
コミュニケーションの専門機関として “満足度99.3%” の『コミュニケーション能力認定講座』を開催。日本教育推進財団が監修し、19万人の指導実績に基づくコミュニケーション・カリキュラムは、信頼の獲得・リーダーシップの発揮・営業や交渉での成功・人間関係の構築に効果的。メディアからも注目されている。 |
目次
1.コミュニケーション資格とは
コミュニケーション資格とは、人と良好な関係を築くことや、ものごとを円滑に進めるためのコミュニケーション能力を認定する資格です。
資格を取得するには、自分で勉強して試験を受ける「筆記」形式と、資格認定講座でトレーナーからスキルを学ぶ「実習」形式のものがあります。
後者にあたる「コミュニケーション能力認定講座」では、人に影響を与えるために欠かせない、コミュニケーションの原理原則とスキルを、実践しながら最短1日で身につけていきます。
2.コミュニケーション資格を取得するメリット5選
コミュニケーション資格を取得するメリットは5つあります。
この章では、それぞれ詳しくみていきましょう。
- 能力レベル(知識・技術レベル)の証明になる
- 効率よく能力アップできる
- キャリアアップや評価・転職の後押しになる
- リーダーシップ能力や影響力が身につく
- コミュニケーションを教えることができる
2-1.能力レベル(知識・技術レベル)の証明になる
コミュニケーションとは「これが正解」というものはなく、その能力を数値で計るのは難しいことです。そこに、一定のレベル(基準)を設けたのが「資格」です。
資格が設けられてきた背景の1つには、以下のようなコミュニケーションに関する調査結果も影響していると言えるでしょう。
経団連の2018年度・新卒採用者に関する調査では、人材の選考時に、もっとも重視する要素の1位に「コミュニケーション能力」が挙げられています。これは16年連続でダントツ1位の結果になっています。
私たち日本人の多くは、義務教育でコミュニケーションや人との信頼関係の築き方を教わることはほぼありませんが、社会に出るとコミュニケーション能力の高さを求められていきます。
コミュニケーション資格取得のための学びは、社会で必要とされる能力を身につけるためのものがほとんどです。得た知識やスキルは、日常ですぐに役立たせることができるでしょう。
そして資格が、あなたのコミュニケーション能力を示すための、1つの目安になることは間違いありません。
2-2.効率よく能力アップできる
コミュニケーション能力のレベルを示すのが資格ですから、その資格取得のための学習プランは「体系化」されています。
それを取り入れれば、効率よくコミュニケーション能力を高めていくことができるでしょう。
「コミュニケーション」とひとことで言っても、下の図のようにたくさんの要素で構成されていて、さらに細かく枝分かれした要素があり、それぞれの要素を磨くためのスキルもあります。
独学でコミュニケーション能力を高めていくことはもちろんできます。
ただし、こうした膨大な要素の中から、基礎を学び、応用を学び・・・と適切な順番で身につけていくなら、やはり体系化されたものを活用するのが効率的でしょう。
車の運転免許に代表されるように、何かを身につけるには、たいていこの3つの要素が必要です。
- 理論を学ぶ
- スキル(やり方)を学ぶ
- 実践(スキルの練習)をする
この3つをくり返しながら、より高いレベルへとスキルアップしていくことが理想的です。
コミュニケーション能力に関しても同じで、知識やスキルアップを目指すのであれば、
資格取得を目指すための、体系立った学び方を取り入れるのが効率良い方法になるのです。
2-3.キャリアアップや評価・転職の後押しになる
就・転職、キャリアアップ、年収アップにも、コミュニケーション能力が直結するものだということは、データにも現れています。
エン・ジャパン株式会社が行った、転職後に「出世する人、しない人」の調査によると、
管理職候補として転職した後に、「出世した人」に共通している人柄について、最も多かったのが『周囲を巻き込むコミュニケーション能力』の74%。
一方で、出世できなかった人に共通するのが、『コミュニケーション能力が低い』が最も多く、59%になったそうです。
もしあなたが、今よりももっとキャリアアップしたいなと考えていたり、転職も視野に入れているのでしたら、コミュニケーション資格はあなたにとってプラスになるでしょう。
例えば転職をするなら、新しい環境でいち早く結果を出すことや、上司、チームメンバーからの信頼を得る必要があります。
それには人間関係を構築するコミュニケーション能力は欠かせない武器です。
キャリアアップのためには、多くの企業では、人を育てることが求められます。
マネジメントやチームビルディングに欠かせない、人を束ねたり、人を動かすような、高度なコミュニケーションスキルは必須です。
2-4.リーダーシップ能力や影響力が身につく
リーダーシップの発揮に必要な要素は、コミュニケーション能力です。
企業で人事に対して行われたアンケート調査の結果を見てみましょう。
「リーダーシップとコミュニケーション能力」に関するこのような調査結果があります。
リーダーシップの要素として期待するものは、1位がコミュニケーション能力。
2位が行動力、3位が決断力。
リーダーシップとコミュニケーション能力に関する調査(ジェイック調べ)
より重要な役割や、責任ある立場を任されるようになると、必然的に重要な立場や役割の方とのコミュニケーションを取ることが増えます。
コミュニケーションのシーンも、より高度に複雑になっていくため、リーダーシップの発揮には高いコミュニケーション能力が必要とされているのです。
資格講座などで、上級のコミュニケーションスキルを学んでいくことで、人を動かす力や目標達成力、問題解決力など、リーダーに必須の能力を身につけていくことができるでしょう。
2-5.コミュニケーションを教えることができる
コミュニケーション資格の中には、コミュニケーションを教えることができる、トレーナー(講師)資格もあります。
コミュニケーションのトレーナー資格認定を受けると、講座を自分で主催して資格を発行したり、企業内外で講師としてコミュニケーション研修を行うことなどが可能になります。
講師やコンサルタントの方であれば、自分がクライアントに提供できるコンテンツの幅を広げることができます。
将来講師として独立すること、リーダーやマネージャーとしてコミュニケーション能力をさらに磨くことなど、ご自分のキャリアと未来を見据えて資格取得をする方が増えています。
3.コミュニケーション資格の選び方
コミュニケーションに関する資格は、様々な団体が検定・認定を行っています。
その評価方法や基準は、主催する団体独自に考えられています。
どのように取得するのか、資格取得のために学んで身につけたことが、あなたにとってどんな風に役立つのかを見極めて資格を選びましょう。
もちろん、知識面を徹底強化したいとか、すぐに実践で活かせるスキルを学びたい、などのように目的が明確でしたら、それに応じて学ぶ内容や資格を選ぶと良いでしょう。
4.コミュニケーション資格のおすすめ2選
「コミュニケーション資格」の種類は、大きくわけて2つです。
- 1つは、筆記試験タイプ。身につけた知識を証明する資格
- 1つは、実習講座タイプ。習得したスキル(技術)を証明する資格
あなたが、前者のように知識を重点的に身につけたいのであれば、自分で勉強して試験を受ける形式の「検定試験」。
後者のように実践力を中心に身につけたいのであれば、講座に参加してスキルを体験学習する「講座受講」。
こうした選択肢があります。
コミュニケーション資格とは、公認会計士のような国家資格ではありません。
「資格=権限」ではなくて、そのことをどのレベルまで知っているか(できるか)を証明するものです。
ですから、なぜあなたがコミュニケーションの資格を取得しよう、学ぼうと思ったのか、その目的をはっきりさせて資格取得を目指すことをオススメします。
次にご紹介するコミュニケーション資格の概要やポイントもぜひ参考にしてみてください。
4-1.【筆記試験】コミュニケーション検定
コミュニケーション検定とは、コミュニケーションやマナーに関する知識を問う資格試験です。
初級と上級の2段階があります。
コミュニケーション検定 初級 概要 | |
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試験方法 | 筆記試験50分 |
合格基準 | 知識試験65%以上の得点率 |
学習時間の目安 | 16時間 |
受験料 | 2,750円(税込) |
受験対象者 |
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コミュニケーション検定 上級 概要 | |
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試験方法 | 筆記試験60分+面接3分 |
合格基準 | 知識試験65%以上の得点率+面接試験で5段階評価中、3以上 |
学習時間の目安 | 20時間 |
受験料 | 4,685円(税込) |
受験対象者 |
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出題範囲 (初級・上級) | ■Pare1コミュニケーションセオリー(理論)科目
→コミュニケーションを考える →目的に即して聴く、傾聴・質問する →目的を意識する、話を組み立てる、ことばを選び抜く、表現・伝達する ■Part2コミュニケーション・プラクティス(実践)科目
→来客応対、電話応対、アポイント・訪問・挨拶、情報共有の重要性、チーム・コミュニケーション →接客・営業、クレーム対応、会議・取材・ヒアリング、面接、プレゼンテーション |
コミュニケーション検定の特徴・メリットは?
①正しい知識を身につけることができる
ビジネスシーンでの正しい受け答え、言葉遣い、シーンに応じた対応など、
ビジネスマンとして、正しいマナーや一般的な対処法などの知識を学ぶことができます。
これから企業に就職する方や、マナー講師の方、今さらマナーを人に聞けない・・・という方は一度押さえておいて損はありません。
②マイペースで学習できる
自分で学習して筆記試験に臨みますので、資格取得を目指してコツコツ勉強できる方、
ビジネスマナーをしっかりと知識としてインプットしたい方にオススメの内容です。
サンプル問題(上級)
設問1
コミュニケーションをとるにあたって、
意識すべきことについて述べた文として、不適切なものを選びなさい。
- コミュニケーションとは、情報、意思、感情などを、
送り手と受け手の双方で分かち合うことである。- 送り手が伝える情報には、送り手が意識していようといまいと、
必ず送り手の意思や感情が混じるものである。- コミュニケーションはよくキャッチボールにたとえられるが、
送り手が暴投したり受け手がうまく捕れなかったりすると、
コミュニケーションもそこで中断してしまう。- 送り手と受け手の間でもっている知識・経験量に差があろうとも、
それはコミュニケーションには影響しない。
ポイントは?
上級試験では、面接試験があります。
(面接内容と時間は、自己紹介30秒間、面接官からの質問への回答60秒間)
公の場での正式な面接(就職試験や昇格面接など)を設定場面としています。
そのため、質問に対して、60秒間で「話し方」「態度」「話の内容」の3項目を評価されるため、短い時間で要点をまとめて伝える力が問われます。
特に初めて就職活動をする学生の方などは、実際の面接シーンがどのようなものかに触れることができるでしょう。
あくまで試験ですから、それぞれの項目に磨きをかけたい、スキルを身につけたい場合には、
自分でトレーニングするか、実践形式の講座で学ぶなどが必要です。
その他に特筆することは、検定合格のための指導を行うことができる講師認定の制度があります。
認定講師は、各自でコミュニケーション検定の合格のための対策講座などを指導する場を設けているようです。
4-2.【実践型】コミュニケーション能力認定講座
コミュニケーション能力認定講座とは、対人コミュニケーションの実践力(知識とスキル)を身につける、参加形式の資格講座です。
基礎の要素とスキルを学ぶ2級講座から、教える「トレーナー」資格までの4段階があります。
■監修:日本教育推進財団
コミュニケーション能力 2級認定講座 概要 | |
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試験方法 | 7.5時間(1日)の講座受講 |
合格基準 | すべての講義・実習への参加(参加姿勢の評価) |
学習時間の目安 | 7.5時間 |
受験料 | 29,000円(税込31,900円 テキスト代・資格認定料を含む) |
受験対象者 |
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講座のトピック |
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コミュニケーション能力 準1級認定講座 概要 | |
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試験方法 | 14.5時間(2日)の講座受講 |
合格基準 | すべての講義・実習への参加(参加姿勢の評価) |
学習時間の目安 | 14.5時間 |
受験料 | 50,000円(税込55,000円 テキスト代・資格認定料を含む) |
受験対象者 |
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講座のトピック |
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コミュニケーション能力 1級認定講座 概要 | |
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試験方法 | 14.5時間(2日)の講座受講と学習レポート記述 |
合格基準 | すべての講義・実習への参加(参加姿勢の評価)+学習レポート提出 |
学習時間の目安 | 14.5時間 |
受験料 | 57,500円(税込63,250円 テキスト代・資格認定料を含む) |
受験対象者 |
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講座のトピック |
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認定コミュニケーション・トレーナー育成コース 概要 | |
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試験方法 | 約52時間(7日)の講座受講、プレゼンテーション実習、トレーナー審査 |
合格基準 | 講座修了・講座を指導するトレーナーとしての理解度が十分にある |
学習時間の目安 | 52時間~ |
受験料 | 450,000円(税込495,000円・テキスト代を含む) |
受験対象者 |
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コミュニケーション能力認定の特徴・メリットは?
①日常での実践に特化して学ぶことができる
信頼関係を築くための「対人コミュニケーション」の実践力に特化しています。
心理学を取り入れた「理論」と「実践」のカリキュラム構成で、「なぜ効果的なのか」を納得しながら、コミュニケーションスキルを身につけていくことができます。
事前の知識や学習の必要がなく、必要なことに厳選して最短1日から学べることが魅力です。
リアルなコミュニケーションで使うことを想定した構成は、
「もっと早く知っておけばよかった」といえる内容です。
②あらゆるシーンに応用できる
人間関係の根本である「信頼構築」に必要なコミュニケーションがベースにあるため、ビジネスシーン、職場、家庭など、あらゆる人間関係やシーンで応用がききます。
上級の講座に進むほど、チームビルディングやリーダーシップといった、特に部下やチームをまとめる立場にある方にとって、重要な要素を学びます。
2級は1対1のコミュニケーションや、信頼構築の基本がメイン。
準1級や1級になると、1対多のコミュニケーションもテーマとして扱います。
ポイントは?
各級認定講座で重きをおくのが、実践すること(できること)と。
コミュニケーションスキルが自然に使えるようになるには、くり返しの実践が欠かせません。
そこで、短時間でいかに効率よくスキルを身につけるかに特化した内容です。
書籍や動画などでも、コミュニケーションの情報・知識を学ぶことができますが、特に高度な実践力を身につけていくためには、ケーススタディなどの実習が役立つでしょう。
『2級』→『準1級』→『1級』→『トレーナー』
上記の4段階に分けて学びますが、一貫して骨子にあるテーマは同じく、
『信頼関係』をベースにしたコミュニケーションです。
これを軸に、段階を登りながら高いスキル習得を目指していきます。
コツコツ学習して、スキルを独力で身につけるのではなく、
短期間で集中して学びたい方や、やり方を教わりながら身につけたい方にオススメです。
特筆する点は、「コミュニケーション」を教える人としての学びや資格があること。
認定コミュニケーション・トレーナーは、「コミュニケーション能力各級講座」を開催できる資格です。講師業の方や、社内研修講師の方などにとって、ご自身のコンテンツ(商品)の充実になります。
5.まとめ
「コミュニケーション資格」には、大きくわけて2種類あります。
- 1つは、筆記試験タイプ。身につけた知識を証明する資格
- 1つは、実習講座タイプ。習得したスキル(技術)を証明する資格
あなたが、知識を重点的に身につけたいのであれば、
自分で勉強して試験を受ける形式の「検定試験」。
実践力を中心に身につけたいのであれば、
講座に参加してスキルを体験学習する「講座受講」。
目的に応じて、資格を選ぶと良いでしょう。
コミュニケーションとは、社会で生きる上で切っても切り離せないもの。
そのスキルは、一度身につけてしまえば、生涯に渡ってあなたの強力な武器になります。
豊かな人間関係を築くための鍵がコミュニケーションです。
ぜひあなたも資格取得を1つのモチベーションとして、コミュニケーションを学んでくださいね。