メタ認知を身につければ、
さらに頭の使い方が上手になります。
メタ認知とは、自分の行動や思考を
1つ上のステージから見ることです。
仕事ができる人、トップアスリート、
世界的な芸術家など、一流と言われる人の多くが
身につけているメタ認知。
先にお伝えしておくと、
メタ認知は、一流だけに許された能力ではなく、
誰でも身につけることができます。
本記事では、メタ認知の基本から
メタ認知の力がある人の特徴やメリットをはじめ、
すぐに実践できるメタ認知の鍛え方を
わかりやすく解説します。
メタ認知を身につけることで
今まで気づかなかった視点に気づけたり、
事前に問題を回避しスムーズに物事を運べたりと、
市場価値の高い人になれること間違いありません。
目次
1.メタ認知とは?
メタ認知とは、自分の行動や思考を一つ上の視点から認知することです。
自分の認知、例えば「読む、話す、考える、理解する」などを、上位の視点から客観的に捉えることで、自分の行動や思考の改善点を見つけやすくなります。
起源は、古代ギリシャの哲学者ソクラテスが生み出した「無知の知」という概念とされています。
メタ認知のメタとは、「高次元」「超越した」という意味です。
つまり、メタ認知とは一般的な認知を超越した認知ということです。
ちなみに、FacebookやInstagramを運営するMeta社の社名は、メタバース(仮想空間)が由来とされており、このメタも同じく、高次元を表す言葉です。
高次元や超越という言葉を見ると、身近ではないと感じ、小難しく思うかもしれません。
しかし、後の章でご紹介します通り、実は私たちも普段の生活でメタ認知を働かせているのです。
「メタ認知」という言葉はどこからきたのか?
アメリカの心理学者ジョン・H・フラベル氏によって定義。
1970年代に行われた彼の研究によると、メタ認知は、年齢とともに発達していくと示されています。もともと心理学や脳科学の分野で使われていましたが、その効果や応用範囲の広さから、近年ではビジネスやスポーツの世界でも注目を集めるようになりました。
2.メタ認知は「知識」と「技能」に分けられる
メタ認知には、「メタ認知的知識」と「メタ認知的活動」の2つのタイプがあります。
この2つの関係性を押さえておくことで、メタ認知の理解が深まり、あなたが私生活で行っているメタ認知や、この先でご紹介するメタ認知の鍛え方にも、ご納得いただけるはずです。
それでは、簡単にそれぞれの解説と関係性についてご紹介します。
2-1.メタ認知的知識
メタ認知的知識とは、「人間について知っている知識」です。
例えば「人は完璧ではない」「人気なところに人が集まる」「人によって記憶力に差がある」など、自分も含めた人に関する一般的な認知の知識のことを指します。
ここで大切なことは、持っているメタ認知的知識をどう活用するかです。
例えば「自分は忘れっぽい人」とわかっているなら、メモを取る、リマインドをかけるなどによって忘れることを防ぐことができれば、メタ認知的知識を活かしたといえるでしょう。
2-2.メタ認知的活動
メタ認知的活動とは、メタ認知的知識を押さえた状態で、自分自身の思考やパターンを観察し、自分をコントロールするスキルです。
そしてメタ認知的活動は、「メタ認知的モニタリング」「メタ認知的コントロール」の2つに分類されます。
- メタ認知的モニタリング:認知の状態を観察(モニター)すること、認知についての気づきや予想、確認をすること
- メタ認知的コントロール:認知状態をコントロールすること モニタリングで得たことを踏まえて、計画を立てたり、修正をしたりすること
例えば、メタ認知的モニタリングで自己分析をして、自分の話に説得力がないことに気づいたとします。
そしてメタ認知的コントロールを使って、結論ファーストで話すといった軌道修正を行うイメージです。
メタ認知的活動は、メタ認知的知識にもとづきます。
そのため、元となるメタ認知的知識がズレていると、メタ認知的活動も不適切なものとなりますので、まずは正確なメタ認知的知識が重要です。
正確なメタ認知的知識を鍛えるには、後ほどご紹介するメタ認知を鍛えるトレーニングが役に立ちます。
3.メタ認知の能力が高い人と低い人の違い
世の中には、メタ認知の能力が高い人と低い人がいます。メタ認知の能力が高い人と低い人の大きな違いは、自分と周りを客観的にみることができるかどうかです。
■メタ認知の能力が高い人の特徴
メタ認知の能力が高い人は、「自分が何をどの程度できるか」や「自分は何ができないか」を冷静に分析ができる人です。
自己理解や自己分析ができている人と言い換えることもできます。
自分のことも他人のことも客観的に見る視点を持ち合わせているため、
あの人はよく気がつく、全体が見れていると評価されやすくなります。
また、メタ認知の能力が高い人は、自分も相手も含めて全体を見ることができるため、コミュニケーション能力が高い人が多いです。
■メタ認知能力が低い人の特徴
一方でメタ認知能力が低い人は視野が狭く、今の自分にフォーカスしているため、自分の行動を振り返ったり、周りからどう見られているかに気づけていません。
そのためマイナスな部分に気づけなかったり、自分のことで精一杯で、周りに気を配ることが難しくなります。
他にも「なぜ」を考えなかったり、相手の発言の真意までを理解できないこともあるため、コミュニケーションに齟齬が生じやすい傾向があります。
なお、トップアスリートはメタ認知の能力が非常に高いと言われています。それがわかるエピソードを記事の後半でご紹介しています。
4.メタ認知を鍛えるメリット
メタ認知を鍛えるメリットは様々ありますが、ここでは特に重要な3つのメリットをご紹介します。
4-1.自分をコントロールできる
人間が最も苦手なこと、それは自分をコントロールすることです。自分を律し続けて、日々やると決めたことをやり遂げられる人はそう多くはありません。
例えばメタ認知ができるようになると、この記事を読むにしても、
「今自分はメタ認知の記事を読んでいる」
「メタ認知を鍛えたいと思っている」
「集中力が途切れてきたかもしれない」
などの自分の状況や感情に気づくことができます。(最後の章まで残り半分です)
このように自分の状況や感情を把握することができれば、仮に課題があった場合、すぐに改善することができます。
また、自分や状況を客観的に見ることができるので、感情もコントロールしやすくなります。
4-2.頭がよくなる
頭のよさの一つに「気づく力」があります。
気づくことで得られるものは、「物事の本質を見抜ける」「思考力が高まる」「自分の長所や短所を正確につかめる」など様々です。
ソクラテスが唱えた「無知の知」すなわち、無知であることを知ることは意外にも難しく、頭が良くない人は「無知の無知」である場合が多いのです。
メタ認知をすることで、気づく力が身について「気づいていないことに気づいていない」状態から脱することができます。
4-3.市場価値の高い人になれる
将来、多くの職業がAIに置き換えられると言われ続けています。
決められたルールの中では、もはや人間よりもAIのほうが優秀です。
そんな時代において、市場価値が高い人とは、AIを作る側の人か、AIに代替されない力を持っている人のどちらかです。
決められたルールがない状況で、自身を客観的に捉え、状況に応じて柔軟に行動することができるという意味で、後者のAIに代替されない力こそ、メタ認知の力と言えるでしょう。
5.メタ認知をトレーニングする3つの方法
頭が良くなるメタ認知のトレーニングについて、すぐに取り組める3つの方法を厳選してご紹介します。
5-1.紙に思考を書き出す
紙に思考を書き出すことで、あなたが捉えている視点が見えてきます。
同時に、その思考に至った過程や原因まで書けると、それは自分をメタ認知で客観視できている証拠です。
慣れてくれば、紙に書かなくても、頭の中でできるようになっていきます。
5-2.「なぜ?」を考える
メタ認知を鍛えるためには、「なぜ?」を考えることも有効です。
例えば、上司からあるデータを出すように依頼を受けたとしましょう。
このときに「なぜ、上司はこのデータが必要なのだろうか」と背景や前提を考えることで、
例えばデータの出し方に、季節別、支店別、年齢別などの視点が加わるかもしれません。
5-3.上空から自分を見る
まるで幽体離脱をしているかのように、あなたがいる空間、そのフロア、その建物を上空から俯瞰するイメージをしてみます。
あくまでイメージですので、自分は上から見るとこんな感じかなという具合です。こうすることで、客観的に自分が他人からどう見られているかに気づきやすくなります。
6.メタ認知を鍛えるおすすめ本3選
年間100冊以上読む筆者の独断と偏見で選んだ、メタ認知を鍛えるためのおすすめ本3選をご紹介します。
メタ認知-あなたの頭はもっとよくなる
三宮 真智子 (著)
ビジネス書と専門書の中間的な内容で、メタ認知の成り立ちから知りたい方におすすめです。
メタ思考トレーニング発想力が飛躍的にアップする34問
細谷 功 (著)
メタ認知のトレーニングとして、日常を題材とした複数の問題があるため、自頭力が鍛えられます。
個人的には、全社会人が読んだほうがいいと思っています。
「超」メタ思考頭がよくなる最強トレーニング57連発
ハック大学 ぺそ (著)
仕事でメタ認知を使うための具体的な方法が書かれています。仕事に特化したメタ認知をお探しなら、おすすめします。
7.超一流のメタ認知エピソード
超一流のメタ認知がわかる、あるエピソードをご紹介します。
今から何年も前、ヤワラちゃんの愛称で知られる、柔道家の谷亮子選手が、世界一を決める試合後のインタビューで、次のようなことを語っていました。
「試合中、試合をしている自分以外に、複数の自分があらゆる角度から試合を見ている感覚があった」
全くそのままではありませんが、このようなことを仰っていました。まさにメタ認知の力です。
おそらく、相手選手の視点、審判の視点、コーチや観客の視点など様々なところから、自分をリアルタイムで俯瞰して見ることができていたのでしょう。
きっとこのメタ認知の力が、偉大な結果を引き寄せた一つの要因だったはずです。
一流の人は、メタ認知能力が異常に高いことがお分かりいただけたかと思います。
8.仕事と人生のステージを高める学び
一つ上の視点から考えるメタ認知、いかがでしたでしょうか。
ここまで読んでくださったあなたは、仕事で成果を出すこと、自分を成長させることに努力を惜しまない熱心な方だと思います。
そこで、さらにあなたの実力と市場価値を高めるための学びのご提案です。
「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれる心理学NLPは、仕事や人間関係など日々の生活で使える実践的なスキルが豊富にあります。
例えば、
- 仕事の目標達成、問題解決
- 人間関係の改善
- セルフイメージの向上
- マイナスな思い込みの書き換え
- 高いコミュニケーション能力の習得 など
他にもあなたの実力を高める様々な学びがあります。
NLPは世界のビジネスパーソン、トップアスリート、アメリカ大統領などの一流も学ぶ心理学です。
日本でも経営者をはじめ、医師、弁護士、コーチ、カウンセラー、主婦など幅広い方々が心理学NLPを学んでいます。
ここだけでは、心理学NLPの威力をお伝えしきれませんので、続きは「NLPのスキルを無料公開!人生とビジネスでステージを高める心理学NLPの秘密」をご覧ください。
10万名以上がダウンロードされているため、内容は自信を持ってご紹介できると思っています。
ぜひ、一度ご覧になってNLPの威力をお確かめください。
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あなたが仕事で成果を出して、人生をより良くしていきたいとお考えであれば、きっとお役に立てるはずです。
(参考)