モチベーションを上げる６つの方法と維持するポイント

モチベーションさえ上がれば、すぐに終わらせられるのに！と思っても・・・

• 出張続きで溜まった経理書類
• 終わりの見えない報告業務
• 新人と二人でやることになった棚卸し
• 現実味のない営業目標
• 緊急性のない英会話学習
• 危機感が持てないダイエット
• すぐに散らかる子供部屋の片付けなどなど

サクッとモチベーションを上げて、取り組みたい！終わらせたい！と思っても、なかなか気が進まないこともありますよね。

• 『モチベーションを上げて、全力で取り組んで、目標達成したいのに』
• 『どうせ期日が来て焦ってやるのだから、さっさと完了させて飲みに行きたいのに』

こんな悩みを解決できるよう、効果的な方法を裏付けと共に紹介します。

そして誰でも、モチベーションは上がったり下がったりするものです。
上げる方法と下げない秘訣、その源泉を知ることができたら最強ですね。

では早速、モチベーションを上げて！終わらせたいことはさっさと終わらせ、時間を有効利用しましょう。達成したい目標が達成できるよう、取り組んでみましょう。

１．モチベーションをサクッと上げる方法

以下の方法を試して、自分の中での成功戦略を作っておくと良いでしょう。

1-1．動画を見る

なんとか自分を奮い立たせて『やってやる！』という気持ちになりたいのに、そうなれないとき。動画を見る方法を提案します。

私のお勧めは下記の、小学生が大縄を飛ぶ動画です。小学生がものすごい速さで大縄を飛ぶ姿は、何度見ても『すごい！』という高揚感と共に、熱い気持ちがこみ上げてきます。その他に、30－40代に聞いた例を紹介します。

動画は視覚と聴覚に働きかけることができ、一緒に体を動かすことで、体感覚にも働きかけることができます。
大縄飛びの動画であれば、この場面の一員のつもりになって、拳を握りしめて応援してみてはどうでしょう？きっと、ドキドキした気持ちや達成感を味わうことができると思います。

脳は、現実に起きていることと、ありありと想像した空想を区別できません。その仕組みを利用して、自分を奮い立たせるために、あなたにピッタリの動画を探して利用してみましょう。

1-2．曲を聞く

モチベーションが上がる曲を聞くというのは、手っ取り早く行えるのでお勧めです。

私のチームメンバーに聞いたところ、『僕らは、ゲーム世代なんで、あの頃ハマっていたゲームの音楽を聞くと、あがりますね。FFとか聞くと、思わずあがっちゃいますよね～。』だそうです。その他に聞いた例を紹介します。

過去に、ものすごく高いモチベーションを持って取り組んでいた際に、聞こえていた音楽というのは、その時の感情を呼び起こしてくれます。ゲーム音楽の例だと、ゲームに夢中で、戦闘モードになって気持ちが高ぶっている感情が呼び起こされるのです。

これは、実践心理学NLPでいう、アンカリングという状態です。アンカリングとは、ある刺激で、特定の状態が引き起こされることを言います。

自分の過去を思い出し、幾つかモチベーションが上がりそうな曲を聞いてみましょう。

1-3．匂いをかぐ

『特定の匂いをかぐと、なんかやる気が湧いてくる』これは誰しも経験があるのではないでしょうか。
そこで強く勧めたいのが、お気に入りの匂いをかいで、モチベーションを上げる方法です。例えばこのような例があります。

なぜ匂いをかぐ方法を強く勧めたいかというと、人間には「視覚」「聴覚」「味覚」「触覚」「嗅覚」の5つの感覚があります。聴覚意外の感覚器は、圧倒的に多様な情報量を、かなり少ない要素にまで一気に落とし込んで感受しています。
ところが、嗅覚だけは例外です。400種類ほど、嗅ぎ分けるための受容体を用意しています。

また「視覚」「聴覚」「味覚」「触覚」は、視床を通って、大脳皮質に届きます。「嗅覚」のみが視床を通らずに、大脳皮質に届きます。
それほど、嗅覚とは原始的であり、重要な感覚であり、脳にダイレクトに働きかけられるのです。

【出展・参照元】単純な脳、複雑な「私」 池谷 裕二(著) 出版社：朝日出版社

これらの理由から、脳にダイレクトに働きかけることが出来るため、匂いをかぐ方法をお勧めします。なお、この匂いをかぐと、特定の状態になることも、1-2でご紹介したアンカリングの一種です。

1-4．役を演じる

これは知らずしらず、やっている方も多いのではないでしょうか？
気に入ったドラマやアニメの役になりきって、モチベーションを上げる方法です。

例）

• 『じっちゃんの名にかけて！』

  金田一少年の事件簿より

• 『実に面白い』

  ガリレオより

• 『私、失敗しないんで』

  ドクターXより

このように、アニメやドラマの有名なセリフを言ってみたことはありませんか。あるいは、感銘を受けた人物の真似をしたことが、一度くらいはあるでしょう。
なんとなく楽しくなってきたり、気合が入ったり、ワクワクしたり、気持ちが引き締まったりすることがあると思います。

これは、なってみたいモデルの着ぐるみを来ているような状態です。役になりきってみると、いつもの自分とは違うような、新鮮な感覚を得ることができます。

ぜひ、自身の置かれている状況に合わせ、自分が気に入っている人を演じてみてはいかがでしょうか。身近な人でも良いですし、映画やドラマの登場人物（24、ミッションインポッシブルなど）なりきって振る舞ってみましょう。

役のはずなのに、自分の気持ちが乗ってくることを感じられるでしょう。
これは、実践心理学NLPでいうと、モデリングという技術に相当します。

1-5．ご褒美を決める

よくある方法ですね。これ終わったら、映画見に行く！とかそういう方法です。
『そんな安直な・・・』と思う方法ではありますが、脳科学的には有効だという根拠があります。

例）

ご褒美のことを心理学では、【外発的動機】と言います。こういったご褒美は、モノやお金などの目に見えるものでなくても良いです。

何かをやり遂げたという「達成感」もまた外発的動機となります。たとえば、目標を達成したときに感じる喜びは、十分に報酬に値します。

達成できる小刻みな目標を、達成できるような低いレベルで設定します。すると、ささやかな報酬が得られ、最終目標に向かって進んでいくことができるのです。

【出典・参照元】受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 池谷 裕二(著) 出版社：新潮社

自分の取り組みたいことに合わせ、何らかのご褒美を受け取れるよう仕組みを作りましょう。

1-6．とにかく始める／作業興奮を利用する

『とにかく始めるのが大変なんだ！』と言われそうですが、作業興奮の存在を知ると、モチベーションを上げるには、とても強力な方法だと言えます。

始め方の例）

【出典・参照元】

The 5 Second Rule(English Edition) Mel Robbins(著) 出版社：Savio Republic

「F」で始まるあの言葉― 自分をだますのを止める方法(TED動画) Mel Robbins、Emi Kamiya(訳)

なぜこれでモチベーションが上がるかというと、脳の仕組みによる作用だからです。

「ヤル気」は、脳の「側坐核」という場所で作られます。側坐核を活動させるためには、ある程度の刺激が必要なのです。刺激が来ないと十分な活動をしてくれません。
よって、何もしなければ、「ヤル気が出ない」のは当たり前なのです。

例えば大掃除。嫌々始めたのに、気分が乗って、すっかり片付けたような経験があるでしょう。こうした現象は精神医学者クレペリンによって「作業興奮」と名付けられました。

始めると、だんだん調子が出て、集中できるようになる。コレが作業興奮です。

側坐核が目を覚ますのには、時間がかかります。始めたら10分は中断しない。この姿勢が肝心です。

【出典・参照元】受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 池谷 裕二(著) 出版社：新潮社

この様に、モチベーションを上げるためには、まずはとにかく始めて、10分ほど取り組んでみましょう。

２．モチベーションを下げないために、普段しておきたいこと

誰でも日によって、置かれた状況によって、モチベーションは多少の上がり下がりがあります。
日々の習慣や考え方など、自分を管理することがモチベーション維持のポイントです。

2-1．健康を保つ

風邪をひいて、熱があって、頭が痛かったら、、、ほとんどの人はモチベーションが下がるでしょう。実践心理学NLPの前提に、【心と身体は、一つのシステムである】というものがあります。
モチベーションを下げないためには、大前提として、健康な状態を保つことが必要です。

具体的に１番大事なのは、胃腸の健康です。すべての基本と言えます。
進化の過程でも、胃腸が先に誕生し、そこから脳ができた経緯があります。胃腸はそれほどに重要な器官であり、影響力が大きい存在です。

胃腸の健康のためにすべきこと

そこそこ健康でいると、胃腸の大切さは忘れがちかと思います。特に、飲み会での食事や、子供の食べ残しなど、自分の適量を越えて食べそうなタイミングは要注意です。

一番大切にしたいこと（自分の健康）を思い出し、適切な判断をしましょう。そうやって危機を乗り切り、モチベーションを維持する基本である、健康を保って行きましょう。

2-2．強力なアンカリングを作っておく

１章で触れたアンカリングは、計画的に作っておくと、パチっと指を鳴らすくらいの速さで、精神状態を切り替えることができます。
トップアスリートが、競技や試合の前に独自のポージングなどを行っているのを、見たことがある人もいるかと思います。これらも、アンカリングの一種と言えます。

さて１章では、過去に出来上がっているアンカリングを利用する方法を紹介しました。
ここでは、モチベーションを上げるための、専用のアンカリングを作ることについてご紹介します。

アンカリングとは、一言でいうと「条件付け」のことです。これをやったら（行動）、こうなる（精神状態）というものです。
この「条件付け」を意図的に行い、どんな状況においてもベストな状態を生み出していくスキルです。

リアルタイムで起きている情動と、行動を紐づけたアンカリングが、最も効果を発揮します。
１章の、過去の音楽や香りが効果を出すのは、過去のある日のリアルタイムにおいて、それが強い情動を引き起こした体験だったからです。

モチベーションを上げるために意図的に想像して、アンカリングを作るよりも、モチベーションが上がっているときに、決まって同じ曲を聞くなどして、自分に働きかけることお勧めします。

こうやって、自分でモチベーションを上げる方法を幾つかもっておくと、モチベーションがちょっと下がった時、効果的に作用します。

2-3．言葉を利用して、下げない仕組みをつくる

思考が現実化するという表現を、聞いたことがあると思います。
なぜかというと、人間は、言葉をコード（記号・暗号）として、神経にプログラミングしているからです。
この、人間が言葉から、自分の行動を作っている現象を利用してみましょう。

まずは、以下の2つを見比べてみます。
例）

読み比べると、自分の中にできる感覚の違いに気付くかと思います。GOALリストだと、鮮明に終わった状態をイメージ出来る人もいるでしょう。
TODOではなく、GOALで書き、既に終わっていて、達成感が持てるように書くのがコツです。

これをやったらどうなるか？と自分に問いかけて、GOALリストを用意して、モチベーションが下がらない仕組みを作っていきましょう。

このように、モチベーションが上がるような言葉を使っていると、それがありありとイメージされて、自分にプログラミングされます。

2-4．下がったときに助けてくれる、書籍を用意しておく

下げないように努力していても、、、下げるつもりはなかったんだけど、、、突然それはやってきます。

そこで、ここでは自分を助けてくれるような書籍を紹介します。ちょっとモチベーションが下がりがちに見える部下や後輩に、そっと手を差し伸べたい時にも勧めやすい方法です。

部下や後輩に伝える際は、1章のような方法は、自分で取り組んでもらえるように促します。加えて、長い目で成長を見守る立場の場合、下記のような書籍があると、励みになることも多いです。

2-4-1．「福」に憑かれた男

働くことについて、自分の在り方や取り組む姿勢について、少し客観的に捉えることが出来るようになるかと思います。
若者たちが悩んでいたら、それに意味があることを、例え話で伝えてくれる内容です。押し付けがましくないので、お勧めしやすいと思います。

2-4-2．仕事は輝く

初心に返ろうと思った時や、若い部下が鬱々としているように思ったときなど、文庫で手軽に買えて、さらに短時間で読めるのでお勧めできるでしょう。物語になっているので読みやすい点も良いです。

2-4-3．アルケミスト 夢を旅した少年

世界22カ国で読まれているベストセラー。
とても読みやすい物語なので、若い世代にも気軽にお勧めできます。毎日の仕事と言うよりは、人生全般に疑問を感じた際など、勇気をもらうことが出来ると思います。

2-4-4．人生の意味

世界15カ国で話題を呼んだベストセラー、言わずとしれた名著ですね。
読むときの、自分が立っているステージ、自分が置かれた状況によって、得られる内容は違うでしょう。いつ読んでも、学びがあります。

2-4-5．生かされて。

この本を読むと、もはや【モチベーションがどうだとか言っていられない世界】に触れることとなります。何の変哲もない日々が、奇跡と感謝で溢れていることに気づくかもしれません。
よくある自己啓発とは違う方向から、モチベーションを見つめるきっかけになると思います。

モチベーションは、誰でも下がるときがあります。
大きなプロジェクトが、軌道に乗る前など、もどかしい時もあるでしょう。プライベートで行事が多く、睡眠不足などの状況もあるでしょう。他にも、付き合いでの外食が多すぎて、朝から胃が重たいようなこともあるかもしれません。

そんなときのために、モチベーションが下がった自分を助けてくれる書籍を用意しておきます。すると、自身の状況を俯瞰してみたり、他の視点を得て、持ち直すことができたりします。

これまで、他の人の言葉で視野が広がったり、明るい展望を描けたりした経験があるかと思います。それを、自分で用意しておくということです。

３．モチベーションの源泉を知る（自己探求）

『時間がないのに』『疲れているのに』『他にやるべきことがあるのに』、、、
『どうしても、これをやりたい！』と感じてしまうような、モチベーションがついつい上がってしまう現象について触れておきましょう。

例えば、知的好奇心が満たされたとき、『面白い！』と思って興奮します。この面白いと思って興奮した状態こそが、モチベーションが高い行動を促してくれます。これこそが、モチベーションの源泉と言えるでしょう。

モチベーションは、先に記した報酬や達成感のような『外発的動機』でも上げられますが、そのさらに深いところには、このようなモチベーションの源泉があります。
お小遣いのような単なるご褒美ではない、自分が突き動かされるような、そういったものを指します。

つまりモチベーションの源泉は、内発的な動機です。
知的好奇心であれば『わかりたい！（わかると面白くて興奮する状態が引き起こされる）』と沸き起こる気持ちが、わかるまでのモチベーションを維持させてくれます。
結果として『わかった』という達成感（外的報酬）を受け取ることができます。

この流れができていると、モチベーションが上がらない時も、以下の質問で、モチベーションを上げるための自分の扱い方がわかります。

• 何が自分を突き動かすのか？
• 子供の頃、夢中になっていたことは何だろうか？
• 寝る間を惜しんで、取り組んだことは何だろうか？

例）

このように、どういったことがあれば、自分がモチベーション高く取り組めるのかを探り、それを業務に入れてみましょう。または、業務の中で、モチベーションの源泉に近いことに、意識的に焦点を当てて取り組むこともお勧めです。

そして、なんとなく源泉がわかると良さそうだと思っても、源泉を掘り当てるのが難しいくらい、忙殺される日々を過ごしているかもしれません。

その場合は、とにかく急がず、自分へ問いかけ続けましょう。すると、自己探求の扉が開き、ある時ふいに答えが得られることと思います。

３章の源泉は、答えがすぐに見つからない人も多いです。皆がすぐに取り組めるわけではないので、安心してください。今年の目標などに入れ、じっくり【自分】を探求してみましょう。

ある日、今後の人生に役立つような、何らかの答えを思いつくタイミングが来ることでしょう。

まとめ

モチベーションをサクッと上げるために、事例と共に以下の方法を紹介しました。

• 動画を見る
• 曲を聞く
• 匂いを嗅ぐ
• 役を演じる
• ご褒美を決める
• とにかく始める／作業興奮を利用する

そして、どうしても上がったり下がったりするモチベーションを維持するために、以下のポイントを紹介しました。

• 健康を保つ
• 強力なアンカリングを作っておく
• モチベーションを下げない仕組みをつくる
• 下がったときに助けてくれる、書籍を用意しておく

最後に、自分を突き動かしている仕組みについて紹介しました。

• モチベーションの源泉を知る（自己探求）

この自己探求の答えが得られると、『そうか！自分はこれがあるから、全力投球できるのか！』と、自分のモチベーションが上がってしまう仕組み・構造がわかってくると思います。

さぁ、あの手この手でモチベーションを上げて、維持していきましょう。