コーチング

エグゼクティブコーチとは?目的や効果、選び方を徹底解説

エグゼクティブコーチとは、
主に経営者層を対象にコーチングを行う職業で、

企業の目標達成や
経営課題の解決をサポートします。

経営者は企業を存続させ、
成長させていくために、
様々な経営判断を行っていきますが、

VUCAの時代と呼ばれる現代では、
1つ1つの判断が重要かつ、
難しいものとなっています。

エグゼクティブコーチは、
こうした厳しい状況のなかでも、

ビジネスや経営に関する
豊富な知識・経験に基づいて、
経営層に対して相談に乗ることがき、

また、目標達成に向けて
適切なプロセスを示すことができるため、
需要が年々高まっているといえます。

この記事では、
コーチ資格を持つNLPトレーナー監修のもと
エグゼクティブコーチについて、

目的や効果どの基本から、
実際にエグゼクティブコーチを選ぶ際に
失敗しないための情報も、
わかりやすく解説していきます。

監修者:田頭 樹(たがしら いつき)

  • 全米NLP協会公認 NLPトレーナー
  • LABプロファイル® プラクティショナー
  • 米国NLP&コーチング研究所認定 NLPプロフェッショナルコーチ

大学卒業後、NLP-JAPANラーニング・センターにて、「NLPプロフェッショナルコーチ」の資格を取得し、社内で最年少のコーチとなる。現在は、NLPトレーナーとして、NLPの学びや、気づきを広げるため、Life&Mindにてコンテンツの作成を手がける

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1.エグゼクティブコーチについて

1-1.エグゼクティブコーチとは

エグゼクティブコーチとは、経営者や取締役、幹部といった組織をうごかす(エグゼクティブ)メンバーを対象にコーチングを行う職業で、アメリカでスタートしました。

Fortune500という、全米で収入が上位500社にランクインする企業では、ほとんどの企業がエグゼクティブコーチングを取り入れていて、AppleやGoogleにもコーチがいらっしゃったというのも有名なお話です。

経営者は、会社経営に関するあらゆる決断を、一人で行わなくてはなりません。
そのため社内外を問わず、相談できる人は限られており、常に孤独を感じています。

特に今は先の見えない不確実な時代ですから、何が最適な判断か、迷うことも少なくありません。

こうした状況のなかで、経営者の相談に乗り、目標達成のサポートができるエグゼクティブコーチの需要は、年々高まっていると言えます。

1-2.経営コンサルティングとの違い

経営コンサルタントは、エグゼクティブコーチと同様に経営者をサポートする職業ですが、考え方やスタンスは全く異なります。

コンサルタントは、課題の見極めと分析を行い、解決策を提示してくれる職業で、一言でいうと「課題を解決してくれる人」です。今抱えている問題に対して解決策を示してくれますので、解決を急ぎたい場合に適しています。

一方でコーチは、スポーツのコーチのイメージからも分かるように、目標を達成するための伴走者のようなイメージで、一言でいうと目標を達成するための「方法を教えてくれる人」になります。

そのためコーチングは、具体的な解決策を提示したり、アドバイスを行うのではなく、クライアント自身が答えを導き出せるようにサポートをしていくのが特徴です。

1-3.一般的なコーチングとの違い

一般的なコーチングでは、クライアントが目指す、理想の状態になるために必要なサポートを行っていくため、仕事・プライベートを問わず、様々なテーマ・課題を扱います。

一方エグゼクティブコーチングでは、主な対象が経営者ですから、ビジネスや経営に関する目標達成、課題解決を中心のテーマとして扱う点が、最も一般的なコーチングと異なる点です。

そのためエグゼクティブコーチには、ビジネス・経営に関する深い知識と豊富な経験が求められます。
また、企業の目標を達成していくために、経営者自身のプライベートな目標・課題が関係している場合もありますので、状況によっては、経営者の内面・プライベート面のサポートも行います。

このようにエグゼクティブコーチは、専門性と対応の幅広さが特徴です。

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2.エグゼクティブコーチングの目的

エグゼクティブコーチングの目的は、主に次の5つがあります。

  1. 企業の目標達成をサポートする
  2. 経営者の相談相手となる
  3. 経営者の目標達成・課題解決の能力を高める
  4. 経営者自身を成長させる
  5. 経営層や幹部の人材を育成する

それぞれご紹介していきます。

2-1.企業の目標達成をサポートする

これは、エグゼクティブコーチングの一番の目的と言っても良いかもしれません。

企業の目標達成は、経営者一人だけの力では、難しい場合が多く、企業が持っているリソース(人材やお金、情報などの資源)を上手に使っていく必要があります。

エグゼクティブコーチは、具体的にどのようなプロセスで、どのようにリソースを用いていけば良いのか、目標の達成に向けて、ロードマップを策定して、経営者をサポートをしていきます。

2-2.経営者の相談相手となる

経営者は、孤独な存在だと言われています。
「家族との時間が取れない」というようなプライベートな悩みであっても、「優秀な人材を採用できない」「売上が増えない」など経営の悩みでも、経営者が相談できる相手は限られています。

さらに、相談したとしても最終的な判断や責任を一人で背負うことになりますし、どれだけ優秀な部下を持っていたとしても、絶対に裏切られないという保証はありません。

また、企業に関する情報は慎重に扱う必要がありますから、たとえ家族や親友のような存在であっても、共有することにはリスクが伴います。

ちょっとした相談でさえ、気軽にできないというのが経営者という立場ですが、エグゼクティブコーチを取り入れることで、相談したり、悩みを打ち明ける事が可能になります。

2-3.経営者の目標達成・課題解決の能力を高める

エグゼクティブコーチングのセッションを通して、経営者自身が目標達成・課題解決に必要な考え方やスキル、視点を身につけることもできます。

コーチングの基本的な考え方として、「答えはクライアント本人の中にある」というものがあります。

このことからもエグゼクティブコーチは、具体的な解決策を提示したり、アドバイスを行うのではなく、クライアント自身が答えを導き出せるようにサポートをしていきます。

この点は経営コンサルティングとの大きな違いでもあります。

コーチングは、一見遠回りに見えるかもしれませんが、クライアント本人が目標達成や問題解決の能力を高めることに繋がるため、長期的な視点から考えて、コーチングを選ぶ方も増えています。

2-4.経営者自身を成長させる

エグゼクティブコーチングでは、経営者の内面のサポートも行うことができます。
万が一、経営者が不安定な状況に陥ってしまっては、会社は立ち行かなくなってしまいます。

エグゼクティブコーチを取り入れることで、そうした危機的な状況を防ぎ、目標達成に集中できる状態を整えていくことが可能です。

また、経営者自身のミッションやビジョン、志などを明確にし、進むべき方向性をより強固にしていくことにも繋がります。

2-5.経営層や幹部の人材を育成する

経営層や幹部、後継者の育成も、経営者にとって大切な課題です。

競争社会で生き抜くためには、経営者だけではなく、業務に関するスキルや知識に加え、好印象で効果的なコミュニケーションを築けるマネージャー達が必要不可欠であると言われています。

そのため経営者自身だけでなく、取締役や部長など経営層・幹部に対してもエグゼクティブコーチングを行うことで、企業の成長のサポートができます。

また、日本の会社の会社では、取締役や部長など経営層・幹部の育成を行っているところは少なく、有能な人材の流出ということが度々起こります。

このような背景からも、エグゼクティブコーチングを行うことは、人材の育成だけではなく、流出を防ぐこともつながります。

3.エグゼクティブコーチングの3つの効果

エグゼクティブコーチングを取り入れることで、主に3つの効果があります。

まず1つ目は、企業の目標達成に繋がることがエグゼクティブコーチに最も期待される効果です。

そして2つ目は、目標の実現に向けて、効率よく行動することができるのも大きなメリットです。

自分たちで試行錯誤を繰り返していくことで、目標の達成は可能ですが、エグゼクティブコーチングでは、達成までのプロセスを明確にすることができますから、無駄な行動・コストを減らすことが可能です。

そして3つ目は、経営者や経営層の意識や考え方、行動が変わることで、社内の変革が促進される点です。

どれだけ社員に向けて、意識を変えよう、行動を変えよう、改革しようと伝えても、経営層や上司にその姿勢が見られなければ、社員はついてきてくれません。

ですから、エグゼクティブコーチングを取り入れ、経営層が変わっていることを示すことで、社内の変革も加速していきます。

4.エグゼクティブコーチ導入のポイント

エグゼクティブコーチの導入には主に、次の2つの方法があります。

  • エグゼクティブコーチを抱えている企業に依頼する
  • フリーランスのコーチに依頼する

ここで留意したい点は、自社の経営情報をオープンに扱うことになる、ということです。

企業、フリーランスのどちらに依頼するにしても、

  • 企業や担当者が信頼できるか
  • ビジネス・経営に関する知識・経験が豊富か

こうしたポイントを押さえておくことは、非常に大切です。下記ではコーチの選び方から、実際のコーチングの流れを詳しくお伝えしていきます。

4-1.エグゼクティブコーチの選び方

知識や経験が豊富かどうかを見極めるポイントとして、主に以下の3つが大切です。

  1. これまでの実績はどうか
  2. 資格を保有しているかどうか
  3. 信用できるかどうか

それぞれご紹介していきます。

1.これまでの実績はどうか

まずは過去のコーチングの実績を確認します。どのような企業へコーチングを行い、その結果はどうだったのか、しっかり確認していきます。

実績と言っても、売上や利益が◯倍になったといった数字でわかりやすく、目に見えやすい部分もあれば、社内の体制や意識の変化など、定量的に表しにくい部分まで様々です。

特に今、自社で課題となっている内容について、成長に繋げた実績があるかどうかという視点でもチェックしていきましょう。

また、コーチとしてだけでなく、ビジネスパーソンとしても実績を出している方なのか、あわせて確認しましょう。

2.資格を保有しているかどうか

そもそもコーチングには国家資格はなく、エグゼクティブコーチも含めて、資格は全て民間資格となります。ですから、資格の有無に関わらず、仕事はできるというのが現状です。

とはいえ、そうした状況の中でも資格を保有しているというのは、一定の学び・経験があることの証明にはなります。

コーチングの民間資格として最も有名なのがICF(国際コーチング連盟)の資格です。

ICFは、アメリカで設立されたコーチング業界最大級の非営利団体で、世界標準のコーチングを広げていくために活動しており、I認定資格や認定プログラムを定めています。

そのため、ICFの資格を保有していることは、信頼に繋がる、一つの情報となります。

また、エグゼクティブコーチには、ビジネスや経営に関する広い知識が求められるため、コーチングだけでなく、中小企業診断士やファイナンシャル・プランナー(FP)、簿記、公認会計士、社会保険労務士など、経営に関連する資格を保有しているかどうかも、一つの判断基準とすることができます。

3.信用・信頼できるかどうか

1、2のような情報も参考にしつつ、その企業や担当者が本当に信頼できるかどうかを見極めます。

一般的には、無料または低額で、お試しのセッションや導入前の面談・相談の機会があります。そこで担当者と対面し、違和感が無いか、コミュニケーションが円滑にとれるかどうかなども確認します。

コーチングセッションは、最短でも半年~1年程度は行うことになりますので、メールやチャット、対面でのやり取りの中で、少しでも違和感がある場合には、避けておいたほうが無難でしょう。

4-2.エグゼクティブコーチングの流れ

基本的には、一般的なコーチングの流れと同様です。

  1. 無料(導入)セッション・初回面談
  2. コーチングセッション(複数回)
  3. 振り返り

まず、1の無料セッションやインテークでは、コーチとクライアントの相性を確認したり、コーチが提供できるものと、クライアントが望んでいるものがマッチしているかを確認しながら、

お互いが本格的なコーチングセッションに進みたいかどうかを判断します。

そして2の本格的なセッションでは、各回ごとにセッションのテーマを決め、現状と理想・ゴールの差を確認しながら、次の具体的な行動を明確にしていきます。

月1、2回で、半年~1年くらいかけてコーチングセッションを実施していきます。

経営者と1対1(1on1)の形式が多いですが、時には経営者層や幹部候補の人材も交えて、グループセッションを行う場合もございます。目標の達成や課題の解決にむけて、最適な方法でセッションを実施・継続していきます。

一定期間セッションを実施したあとに、3の振り返りを行い、コーチングを継続するかどうか、総合的な判断をしていきます。

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5.経営層がコーチングを学ぶのもおすすめ

5-1.エグゼクティブがコーチングを学ぶメリット

エグゼクティブコーチングを受ける中で、経営層の目標達成・問題解決の能力を高めることも出来ますが、自分でコーチングを学び、考え方やスキルを身につけることもおすすめです。

コーチングは、一度身につけることができれば、企業全体や特定の部署など、あらゆる場面での目標達成にも使えますし、自分自身に対して、セルフコーチングをすることで、目標に向かって、立ち止まらずに進めるようになります。

また、コーチングのスキルは、ビジネス・経営から、プライベートまで幅広く、そして一生使えるものですから身につけておいて損はありません。

5-2.コーチングを学ぶ時の注意点

とはいえ、日本のコーチングは成熟化が進み、学ぶコーチングの種類が増えてきているのが実情です。

そして傾向の一つとして、一般的なコーチングだけでは、うまく先に進めないケースが増えてきていると言われています。

この背景として、コーチングはそもそも、ポジティブな状態の方を対象に行うことが前提のものです。しかし、人は誰しも、大小は別として、マイナスな面を抱えています。

コーチングがうまくいかないと感じるときには、こうしたマイナス面が影響している可能性がありますが、そのことを知らなかったり、解消する方法を持っていないと、行き詰まりや壁を感じてしまうのです。

ですから、コーチングのスキルに加えて、心理的な構造や、脳と心の仕組みも知っていると、さらに効果が期待できます。

なかでもNLPコーチングは、一般的なコーチングに加え、心理学NLPの要素を取り入れたもの。

ポジティブな部分を伸ばすことと、マイナス面を解消していくことの2つを、バランスよく行えるため、年々、学ばれる方が増加しています。

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