仕事の生産性、成果に直結するモチベーション。
せっかくなら高く保ったまま
仕事をしていきたいですよね。
しかし、
- いい仕事をしたいと思っていても集中できない
- 評価に影響が出るとわかっていてもやる気が出ない
- なんで自分だけがこんな目に合うんだろう、とへこんでしまう
このようなことは程度の差こそあれ、誰もが経験することです。
もし、自分で
自分のモチベーションをコントロールし、
さらなる成果を生み出せるようになれたら、いかがでしょうか。
この記事では、モチベーションが
下がる理由を科学的背景とともに説明し、
カウンセリングやコーチングを
26年間行ってきた筆者が、
現場で聞いた声を参考に、
モチベーションを上げるための方法をご紹介しています。
すぐに活用できるものもありますし、
徐々に効果を表すものもありますので、
仕事のモチベーションが下がる要因を見つけ、
具体的な方法で対処してください。
目次
1.モチベーションを理解する
ここではモチベーションとは何かを知り、やる気が出ない理由を把握し、何をすればいいのか、そのポイントをお伝えしています。
1-1.モチベーションとは
モチベーションとは、簡単にお伝えすると「人が行動する理由」や「人が行動する原動力」のことです。
「やる気」と近いイメージですが、モチベーションは、やる気が出てくる「理由・原動力」を指し、専門的には「動機づけ」と呼ばれます。
モチベーションは、その人の年齢や人生のステージによって変わるものですが、心理学では、大きく分けて次の2種類があると考えられています。
- 外発的動機
- 内発的動機
外発的動機は、褒められる、報酬が増えるなどの
外部の影響によってモチベーションがあがることで、
内発的動機は、興味や探究心といったような
個人の内部の欲求によってモチベーションがあがることです。
仕事で例えるのであれば、
外発的動機にあたるのは、給与アップや待遇が良くなる、上司から褒められるなど、文字通り外側からの刺激が原動力になることを指します。
内発的動機にあたるのは、仕事の意味や意義を自分で見出したり、仕事そのものにある好奇心や楽しさを感じることが原動力になります。
このようにモチベーションには大きくわけて2種類あることを把握することが、あなたが自分のモチベーションを管理することに役立ちます。
1-2.モチベーションが下がる要因
私たちの成果さえも左右するモチベーションを下げる要因は、一体何なのでしょうか。
それは、期待してはいけない領域に「過剰な期待」をすることです。
私たちがモチベーションを下げてしまう場合の多くが、自分が期待してはいけない領域に期待しすぎていることが要因として挙げられます。
この期待してはいけない領域というのが自分が関与できない要素が絡む、自分では直接的に何かを起こすことが困難な領域です。
仕事で例えるのであれば、給与アップや待遇などがこれに当てはまります。
いくら自分が期待しても仕事での給与アップや待遇というのは、そのときの会社の経営計画や経済状況によって変わってきますよね。
また、先ほど紹介した2つの動機でいえば、外発的動機が私たちの関与できない領域にあたります。
外発的動機は、一時的にあがっても、持続しないという特徴もあり、期待し過ぎてしまうと、裏切られた感覚や無力感といった、あなたのやる気に影響を与えてしまうことがあるのです。
しかしここでお伝えしたいことは、外発的動機が悪いということではなく、
自分のモチベーションを下げないために重要なことは「期待していいことと、期待してはいけないこと」をしっかり分けるということです。
1-3.仕事のモチベーションを上げる秘訣
仕事のモチベーションを上げる秘訣、それは 自分がコントロール可能なこと、できることにフォーカスし、対処することです。
先ほどご説明した外発的、内発的動機の2つで考えるのならば、
- 自分が今すぐにできることは何か
- どのように自分が考えれば、現状に対処できるのか
- 仕事の意義や意味をどう見つけていくか
といったように外部の領域ではなく、自分のコントロール可能な領域、内発的動機にフォーカスすることです。
私が研修やコーチングの現場で、やる気を出す方法をお伝えしていますが、具体的な方法をお伝えする大前提として自分ができることにフォーカスするということをご紹介しております。
モチベーションを高め、維持している方は、この大前提を理解しています。
人間関係を例に出すと「あの人は自分のことをどう思っているんだろうか?」こういった悩みがあったとします。
この答えは本人しか知らないことで、あなたがどんなに考えても答えは見つかりません。
そんなときにあなたが「自分ができることにフォーカスする」と、以下のような選択肢が出てきます。
例えば、
- 実際に本人に聞いてみる
- 人に相談してみる
- 考えても無駄なので、他のことに取り組む
こういったことが「自分ができること」です。
モチベーションが下がっているときというのは、自分がどんなに考えてもコントロールできない、外部の領域に思考やエネルギーを使ってしまっている場合が多く、無力感や無気力といった状態が蓄積されてしまいます。
もしあなたの仕事のモチベーションが下がっているのであれば、
- 自分ができることにフォーカスしているか。
- 自分のコントロールできる範囲に絞って、思考を巡らせているか。
- 自分が今すぐにできることは何か。
こういった自分が影響を与えられる領域に、フォーカスすることを大切にしてください。
モチベーションを上げる方法はいくつもありますが、これまでお伝えしてきた「自分にできること」という大前提を踏まえて、次の章で心理学や脳科学、またNLP(神経言語プログラミング)をベースにした具体的な方法7つをご紹介していきます。
NLPとは、Neuro Linguistic Programmingの略で、卓越した成果を生み出す人のパターンの研究で生まれたコミュニケーションや自己変革のスキル。
仕事や人生のパフォーマンスを加速的に手に入れるための技法です。
2.仕事のモチベーションが下がった時の具体的な7つの対処法
ここでは「自分ができることにフォーカス」し、「自分で影響を与えられる」思考や行動に絞った対処法や、モチベーションを上げる方法を7つご紹介します。
2-1.マズローの五段階欲求に現状を照らし合わせる
人間の欲求の階層を理解しておくことは、あなたのモチベーションの管理において極めて重要です。なぜなら、ここでご紹介する生理的欲求が満たされない、つまり不健康な状態で、モチベーションを上げようとしても徒労に終わってしまう可能性があるからです。
動機づけで有名な理論の一つに、「マズローの五段階欲求」といわれる考え方があります。
これは人の欲求は階層化されていて、下位の階層が満たされていないと、上位の欲求が満たされないという考え方です。
先にお見せした図のように私たちの欲求をピラミッド型で表したとき、土台となるのは、生きていくために必要な睡眠や食欲、排泄や性欲などの本能的な生理的欲求です。
その上が、寝る場所が確保されて安心して生活できるという安全欲求、そして仲間や友達、また家族といった他者とのつながりを持ちたいという社会的欲求、そして認められたい、尊敬されたいといった承認欲求です。
そして最後が、自分の能力や才能を存分に発揮したいという自己実現欲求と呼ばれるものです。
繰り返しになりますが、この理論の大切なポイントは、低層の欲求が満たされて、はじめて上の層を目指す様になるということです。
ですから、今のあなたの現状を照らし合わせてみることで、「自分は今、何をすべきか」、
その指標になると思います。
なぜこの理論を最初にお伝えしたかというと、もっとも下位にある生理的欲求、つまり健康状態の問題が理由でモチベーションが上がらない状況になっているかもしれないからです。
そうすると、いくら思考を積極的にしようとしても、なかなか前に進めません。
ぜひ、あなたの状況をまずは生理的欲求、つまり健康状態から見直してみてください。
ポイント
- 睡眠や運動、食事など、健康面の見直しをする
- 生活のリズムを整えてみる
2-2.物事の認知を変えるリフレーミングを活用する
リフレーミングとは、心理的枠組み(フレーム)によって、人や物事への印象や意味を変化させ、理想に向かえる有効な状態にしていくことを言います。
このリフレーミングを学ぶことによって、行きづまっている状態から、新たな選択肢を見出すことができます。
新たな選択肢を見出せれば、人は不必要なストレスから解放され、「何をやっていこうか」という余裕が生まれます。つまりモチベーションが上がると言えます。
まずはこちらの写真をご覧ください。何の写真に見えるでしょうか。
少し引いてみるとこうなります。
もともとの図はこれです。
かわいい赤ちゃんです。
また、次の絵を見てください。これは、魚の絵です。
次のように枠(フレーム)が変わると、
追いかけている魚のように見えます。
さらに枠(フレーム)を広げると…
逃げている魚という意味も表れてきます。
※参考文献 Encyclopedia of Systemic Neuro-Linguistic Programming and NLP New Coding By Robert Dilts and Judith DeLozier.
つまり枠組み(フレーム)は、私たちの認識に影響を与え、ひいては感情や気分、また意味づけや思考、行動に影響を与えます。
これはライターである私が社会人一年目に経験した話ですが、当時の上司に貯金についてのアドバイスをもらいました。
- 上司「今のうちに貯金を始めたほうがいいぞ。給料の2割はやったほうがいいな」
- 私「それはキツイですね」
という会話でした。そのあと少し間をおいて上司が次のようにアドバイスしてくれました。
- 上司「じゃ給料の8割で生活を目指すとしたら、できそうか?」
- 私「それならできそうです!」
今思うとなんて単純な新人なんだと思いますが、引いてみるとわかります。
実はどちらも同じことです。
このように難しく感じることも、
枠組み次第で「できそうなこと」に変化させることができます。
またあなたが病気で手術を受けなければならなかったとき、
次のように医師に説明されたらどちらの手術に同意しますか?
- A:この手術は死亡率が10%の手術です
- B:この手術は生存率が90%の手術です
これも引いてみればわかりますが、どちらも同じ確率の手術です。
このようにフレームは、私たちの判断にも影響を与えていきます。
物事は中立で、その物事に意味づけをするのが、その人の心理的枠組み、つまりフレームです。今の自分のフレームで、意味や判断を生み出して、モチベーションが下がったり、上がったりするわけです。
リフレーミングは以下の図のように、これまでお伝えしてきたことを悩みや落ち込み、問題や停滞といった行きづまった状態から、あらたな選択肢に気づき、理想に向かって有効な状態にしていくことを目的としています。
このリフレーミングにはいくつかの方法がありますが、
ここでは以下の質問を活用して、仕事の現状の意味づけや解釈に変化を与えてください。
- これから学べるものは何か?
- これをどのように見ると、成長の糧になるか?
- このことは、自分にとってどんなプラスの意味が隠れているだろうか?
- 未来につながる学びの機会だとしたら、学べるものは何か?
- このことはより成長するための、何を始めていく機会だろうか?
- 将来のために何かをやめる、何かを手放す機会だとしたら、それは何か?
- 自分のキャリアに活かすために「もしやり直せるとしたら」何をするか?
- 10年先から見ると、このことはどんなふうに見えるだろうか?
じっくり問いかけてみてください。
ポイント
- 現状を異なるフレームで観察する
- 紹介した質問を活用して、異なる見方をみつける
2-3.価値観を洗い出す
価値観とは、あなたが「大切にしたいこと」、
またあなたにとって「意味や意義があること」です。
人は「意味や意義がない」と感じられることには、モチベーションは上がりません。
また、「大切にしたい」と感じられることには、時間を惜しんでも、そのことに取り組もうとするやる気が生まれます。
例えば、1千万の腕時計を買うためにその金額をつくるやる気と
大切な人が誘拐されて、1千万の身代金を準備するやる気とでは、
次元が違うのが想像できると思います。
つまり、あなたが大切にしたい価値観を明確にすることによって、
そこに意味やモチベーションが生まれ、やる気に変化が起きてきます。
このタイミングでおすすめしたいことが、
あなたが「仕事で大切にしたいことは何か」を書き出すことです。
- ある人にとっては、「スピード」「結果」「成長」
- ある人にとっては、「創造性」「自由」「挑戦」
- ある人にとっては、「一体感」「協調」「思いやり」
こんなふうに名詞化された単語で表し、
出し尽くしたら優先順位をつけていきます。
※価値観は好き嫌いでなく、「大切なこと、必要であること」が重要です。
- ステップ1
- ステップ2
まずは名詞化された言葉で、とにかく書き出します。
次に書き出されたリストをみて、
直感的に大切にしたい項目順に並び替えます。
そして上位の3つから5つを意識して、
徹底的にそのキーワードを体験できるような活動を増やしていきます。
もし、「自立」「探求」「可能性」といった価値観があるのであれば、
転職や独立も一つの選択肢になる方もいると思います。
そのときは、やはり「自分ができることにフォーカスする」ことを前提に
その準備を始めるということも選択肢の一つです。
すると、先のリフレーミングではありませんが、今の会社から給料を頂きながら、次の準備を進められる機会になっている、そんな意味合いも生まれてきます。
また自己を探求し、仕事において、人生において大切な価値観を深堀りすることで、
自分の軸をつくることもできます。
ポイント
- 仕事で大切にしたいことを優先順位をつけて書き出す
- 上位3つから5つを体験できる活動を増やしていく
2-4.人間関係、コミュニケーションの技法を学ぶ
研修やコーチングの現場でわかっていることがあります。
それは会社や仕事がツライ、モチベーションが上がらないという理由の上位が、実は人間関係だということです。
つまり人間関係が良好であれば、それだけでモチベーションが上がるとも言えます。
そのためにはコミュニケーションの技法を習得することが必須となってきます。
ここでは効果的なコミュニケーションの技法を、NLPのスキルの中から紹介していきます。
今回背景としてお伝えしているNLPは、もともとコミュニケーションの分野から発展したスキルで、コミュニケーションの天才たちがどのように会話をしているのか、その基本となるのが、以下の3つのステップでした。
ここではそのカギとなる「ペーシング」についてご紹介します。
ペーシングとは一言でいえば、相手の言語、非言語情報に合わせていくことで、コミュニケーションの3つのステップの最初の段階のことを言います。
- 【ペーシング】
- 【ラポール】
- 【リーディング】
ラポール形成のために相手の言語、非言語に合わせていくこと。
相手との親近感や安心感、また無意識の深いレベルでの信頼関係です。相互の影響力が肯定的に反映しあうつながり。
あなたのコミュニケーションの目的に向かって話をリードすること。
信頼を勝ち取るコミュニケーションの天才たちは、まず相手の状態に合わせて、会話をリードしていく流れを作ります。
ペーシングの具体的な方法は、例えば、相手の仕草に合わせていくことや相手が無意識に発している声の調子(高低やテンポなど)を合わせていくこと。また相手が使っている言葉を盛り込みながら、会話を進めていくことです。
相手との話し方や身振り手振りを合わせていくと、「類似性の法則」と呼ばれる心理学の法則によって、相手の心がオープンになり、相手があなたに対して親しみを感じやすくなります。
あなたが相手に合わせていくことは、「自分ができること」になります。
以下にご紹介する「ミラーリング」「マッチング」「バックトラッキング」の3つのスキルで、人間関係の改善を図ってください。
2-4-1.相手の仕草や表情を合わせる「ミラーリング」
鏡のように相手の仕草や表情といった、相手の視覚情報を合わせていきます。
具体的には以下の項目です。
- 顔(頭や表情)
- 上半身
- 下半身
- 呼吸
口角があがっている、首をかしげている、顎の位置などです。
背筋が伸びている、前後左右の傾きにミラーリングします。
手をそろえている、手を握っている、腕を組んでいる、またジェスチャーもそうです。
足を開いている、閉じている。また組んでいるなどです。
※決して猿マネではありません。なんとなく同じ姿勢でいることを大切にしてください。また、相手と同時ではなく少し遅れてやること、相手に気づかれずにやることがポイントです。
2-4-2.相手の声の情報に合わせる「マッチング」
これも非言語情報です。ミラーリングは視覚情報ですが、マッチングは主に聴覚情報に合わせていきます。つまり、声の情報です。電話によるお客様対応のお仕事をされている方は、ここが重要なポイントになります。
- トーン(高い、低い)
- テンポ(早口、ゆっくり)
- ボリューム(大きい、小さい)
- リズム
2-4-3.相手の言葉を合わせる「バックトラッキング」
これは言語情報をペーシングしていきます。相手が使った言葉をそのまま活用して会話を進めるやり方です。
例えば、
- 相 手「仕事は数字が大事だからね」
- あなた「確かに売上は大事ですね」
これはダメな例です。
相手が「数字」と言ったら、「数字」という言葉を使います。
- 相 手「人生で大切なものは、家族ですね」
- あなた「そうですね。やっぱり家庭は大切ですね」
これもおわかりだと思いますが、ダメな例で、相手が使った言葉をそのまま使うのが正しいやり方です。
実際には相手の言葉だけでなく、事実や感情、また相手の話が長いときには、ときどき要約を入れて会話をすすめます。
相手が使う言葉には、その人の世界観があります。
異なる言葉で会話を進めていくと、
- ちょっと言いたいことと違うんだよな・・・
- この人、私の話をちゃんと聴いてくれてるのかなぁ・・・
- なんか微妙にこの人と合わないなぁ・・・
といった気持ちを引き出しやすくなります。
逆に相手の言葉を活用することによって、
- 「あなたのことを知ろうとしています」
- 「あなたのことを理解しようとしています」
- 「あなたのことを知りたいと私は思っています」
といった相手の無意識へのメッセージとして、
「しっかり聞いてくれている」「大切に思ってくれている」といった安心感や好感をもたらすことが可能です。
※バックトラッキングに関する記事はこちらです。
ポイント
- 人間関係を良好にするために
- 自分でできるペーシングスキルを身につける
2-5.NLPのVAKモデルでモチベーションを高める
ここでは脳科学の見地から、仕事のモチベーションを上げる方法をご紹介します。
当然のことですが、モチベーションが上がっているときには、
モチベーションが上がるための情報が「脳」には必要です。
逆に言うと、モチベーションが上がらない状態になるには、
そのための情報を脳に生み出しているということになります。
ここを逆手に活用し、その情報を意図的に「脳」に送り込むことによって、
モチベーションを上げることができるようになってきます。
そこでご紹介するのがNLPのVAKモデルの活用です。
VAK(ヴイ・エイ・ケイ)とは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感のことです。
NLPでは、この五感を「視覚」「聴覚」、そして触覚、味覚、嗅覚を含む「身体感覚」の3つに区分しています。
- 視覚(Visual)
- 聴覚(Auditory)
- 身体感覚(Kinesthetic)
これら3つの感覚の頭文字をとって、VAK(ヴイ・エイ・ケイ)と呼んでいます。
NLPでは、私たちはこの五感、つまりVAKをとおして、脳にやる気の状態、または停滞状態を生み出していると考えられていて、
モチベーションが上がるための情報を意図的にVAKをとおして、
脳に「見せて」「聞かせて」「感じさせて」、モチベーションを生み出すという方法になります。
人によっては優位な感覚がありますので、それぞれのアプローチを試してください。
2-5-1.V:見るものでモチベーションを上げる
以下の方法を参考にしてください。
- 素敵な景色をみる
- やる気になる、家族や恋人の写真をみる
- 絵画や映画、YouTubeをみる
- 達成した状態をイメージで描く
こういったことで、あなたの脳にやる気を生み出します。
2-5-2.A:聞くものでモチベーションを上げる
以下の方法を参考にしてください。
- 好きな音楽を聴く、歌う
- 大好きな人と話をする
- やる気になる講義や話をきく、また本を読む
- やる気になるアファーメーションを活用する
アファーメーションとは、
「私はできる」といった肯定的な言葉を読んだり、言ったりすることです。
2-5-3.K:体感するものでモチベーションを上げる
以下の方法を参考にしてください。
- アロマといった匂いからのアプローチを活用する
- マインドフルネス瞑想などの呼吸法でモチベーションを高める
- マッサージやお風呂など、リラックスできる体験を増やす
※マインドフルネスに関する参考記事はこちらです。
ポイント
- 見るもの、聞くもの、体感するもので、
- 脳内情報を快適なものにしていく
VAKを通したやり方の詳細については無数にあります。
やり方そのものを増やしたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。
2-6.NLPのアンカリングを活用する
ここでは先にご紹介したVAKモデルの応用的な技法をご紹介します。
先にご紹介したアプローチは、仕事以外の時間を使って行うこともありますが、
ここでご紹介するアンカリングという技法は、会議中や交渉、プレゼン、また集中力が欲しい業務など、仕事中に活用していくことができます。
アンカリングとは、刺激と反応をリンクさせ、必要なときにスイッチのように心の状態を適切な状態にしていく技法です。
このアンカリングという技法は、
インパクトと繰り返し次第で、一瞬で心の状態を変化させることができます。
つまり、モチベーションの高い状態をアンカリングすることによって、一瞬でモチベーションの高い状態をつくり出すことが可能になります。
「パブロフの犬」の話は、すでにご存知の方も多いと思います。餌を与える前にベルを鳴らし、このことを何度も繰り返していくと、ベルの音を聞いただけでよだれが出る、というもので、条件づけの代名詞的な話です。
つまりこの条件づけは、【ベル】がスイッチになり、【よだれ】がその反応になります。
アンカリングとは、この条件づけを意図的に引き起こすために、刺激となるポーズを決め、やる気、自信、勇気、確信、調和といった欲しい感情を特定してリンクさせることです。
具体的には、以下の手順で行います。
- 欲しい感情とスイッチ(ポーズ)を決める。
- 欲しい感情が「やる気」の場合、過去の体験の中で、強烈にやる気が出ていた体験を特定します。(例:転職先の初出社時の状態)
- そのときの状態を思い出し、あたかも今体験しているかのような状態をつくります。
- そのときに何が見えていたのか、何が聞こえていたのか、体の感覚はどんなものだったか、五感で十分に体験します。
- その感覚に入ったら、トリガーとなるスイッチ(ポーズ)を取ります。そしてそのまましばらく体験し、ピーク時にそのスイッチを外します。(ポーズを解きます)
- 気分転換のため、少し他のことを考えます。「例:朝食は何を食べたか思い出す」
- 先ほどのスイッチ(ポーズ)をとり、やる気の状態が出てくるかテストします。
※うまく出てくるようであれば、成功です。その状態が感じられなければ、3から6を繰り返し行います。
このアンカリングは、やる気やモチベーションを高めたいときだけでなく、以下のような状況でも活用できます。
- 失敗への恐れや不安を解消したい時
- 集中力が必要な時
- ストレスや緊張状態を緩和したい時
- パワフルな自信が必要な時
- 物事への冷静で柔軟な対処が必要な時
今回はポーズをトリガー(引き金)にご紹介しましたが、この他に写真といった物や音楽などもトリガーになります。
ポイント
- 過去モチベーションが上がり、やる気に満ちていたときの体験をリストアップする。
- そしてトリガー(引き金)となるスイッチとリンクさせる
2-7.他者との関係でモチベーションを高める
モチベーションが上がらず、停滞しているときというのは、
多くの場合、一人で考えているときです。
一人でモチベーションが上がらないのであれば、
他の人の力を借りて、モチベーションを上げることも大切なポイントです。
ここでは他の人に協力してもらいながら、やる気やモチベーションを高め、維持する方法を4つご紹介します。
2-7-1.【オートクライン】を活用する
オートクラインとは、自分の気持ちや取り組むことを人に話したり、書き出したりとアウトプットして、自分の中を浄化していくことです。
ご経験があるかと思いますが、解決方法が見つからなくて停滞し、やる気が出ないときやモヤモヤしているときに、今の状況を人にただ聞いてもらうだけで、情報が整理されて、やることが明確になったり、やる決意が生まれたりすることがあります。
こういったことを意図的にやることで、前進する力がわいてきます。
2-7-2.人から長所や強みを聞く
自分への自信が失われたり、モチベーションが上がらないときには、自分に対するネガティブな偏見や思い込みが生まれていたりします。
ここでご紹介するのは、そんなときに友人にお願いして、あなたの強みを聞いてみる、というやり方です。例えば、「私が気づいていない長所や強み、魅力を教えて」と聞いてみるのです。
そうすることで、意外な答えやこうでありたいという自分の認識と同じ答えがきたとしたら、自分への自信を取り戻す大切な情報になります。
心が許せる人なら、「5つ教えて」とか「なくてもいいから10個教えて」と少し図々しく聞いてみるのもいいと思います。
その答えの内容より、あなたのことをきちんと見てくれている相手の態度が、もっとも励みになるスイッチになる方も多いです。
ぜひ試してみてください。
2-7-3.他の人と一緒に取り組む
何かをやることにめげているのであれば、他の人と一緒に取り組んでみることをおすすめします。
例えば資格取得の勉強であれば、一緒にカフェや図書館に通う、といったことです。
一人で何かに取り組むと、そこであきらめても誰にも迷惑がかからないと考える方もいます。ところが、他の人と一緒に取り組むことで、いい意味での責任感や連帯感が生まれ、チームとして、そのことを成し遂げる可能性が高くなります。
一人でやって難しいのであれば、他の人の力を借りながら、共に進めていくのもあなたの選択肢の一つにしてみてください。
2-7-4.誰かの相談にのり、励ます
これは意外かもしれませんが、誰かの相談や悩みを解決する手助けをすることで、あなた自身のモチベーションを高めることが可能です。
これは勉強に関するモチベーションについての実験の話です。
学生を2つのグループに分けて、一つのグループには、先生からやる気を上げるにはどうすればいいのかというアドバイスを手紙でもらい、もう一つのグループはやる気のない後輩に助言する手紙を書いてもらいます。
つまり、アドバイスをもらったグループとアドバイスしたグループの比較実験です。
結果は、アドバイスをしたグループの学生側にモチベーションが生まれ、実際の勉強量が38%多かったということでした。
この実験は学生の勉強に関するものですが、仕事においても誰かの相談に乗ったり、悩みを解決しようと思うことで、あらゆる視点から物事を見ようとする視野が広がり、自分のことも解消できるということを示唆するものになると思います。
ポイント
- 人との会話をとおし、自分の思考をクリアにすること
- (過剰な期待をかけないこと)
3.まとめ
仕事のモチベーションは、あなたの仕事だけでなく、人生そのものに大きな影響を与えます。
やり方は無数にあっても、大切なポイントは、
「自分でできることにフォーカスする」ということです。
自分の領域、他者の領域を区別して、
自分ができることに取り組んで、仕事や人生の主導権を取り戻してください。
具体的には、再現性が効く心理学、脳科学、そしてNLP(神経言語プログラミング)をベースにした即実践できる方法をご紹介していますので、ぜひあなたの仕事に活用してください。
参考文献:
- 【新版】動機づける力―モチベーションの理論と実践 (Harvard Business Review Anthology) DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー編集部 (著) ダイヤモンド社
- モティベーションをまなぶ12の理論 鹿毛雅治 (編) 金剛出版
- 心理学 新版(New Liberal Arts Selection) 無藤 隆(著)、森 敏昭(著)、遠藤 由美(著)、玉瀬 耕治(著) 有斐閣
仕事のモチベーションを高めたいとお考えでしたら、以下で発信されている情報もご参考になるかもしれません。