法人向けの営業をしていて、このように考えたことはありませんか?
- 「思うように契約ができない」
- 「頑張っているのになぜかうまく行かない」
- 「お客様との関係は悪くない、でもなかなか数字には結びつかない」
こういうときは、法人営業とはそもそもどのようなものか、法人営業で成果が出るやり方は何か、改めて見直してみませんか。
この記事では、法人営業で結果を出すために、「法人営業と個人営業との違い」「結果を出せる人の特徴」「効果的な営業手順」をご紹介します。
これらを明確に知ることで、「どのように法人営業に取り組んだら良いか」が具体的になり、日ごろのモヤモヤした思いが晴れ、お客様を訪問するのが楽しみになっていくことでしょう。
ということで、こんにちは。
筆者は、かつて金融機関で営業担当をしており、現在はセールス技術向上のためのコンサルタント活動をしています。営業担当の方向けの研修・セミナーで長年にわたり講師を勤め、法人営業に関する著書をこれまでに16冊執筆し、法人営業に臨む心構えや効果的な商談技術について知見を述べてきました。
成果が出る営業手順として、営業活動の約80%を占める「商談の展開」を中心に解説しました。
工夫できそうな項目は、今日からどんどん取り入れてみてください。
目次
1.法人営業とは
営業には、その営業対象によって法人向けと個人向けがあります。両者の違いは理解していますか?
この章では、個人営業との違いをふまえ、「法人営業とはどういうものか」についてお話しします。ここを知っていただくことで、お客様を訪問する際の心構えが変わります。法人営業について、深く理解していきましょう。
1-1.法人営業とは?
法人営業は、いわゆる「B to B」取引、つまり企業などの組織向けに商品・サービスを販売・提供することです。
一言でいうと組織対組織の取引を行うことです。大企業から中堅・中小企業まで、あらゆる規模の法人が対象です。地方公共団体や社団法人なども含まれます。広義には、企業取引全般の窓口になることも意味します。
その一方で個人営業の対象は、個人事業主や消費者個人です。
法人営業と個人営業の違いを、次のように表にまとめました。
例外はもちろんありますが、総じてこのような違いが挙げられます。
※業界・業種・商材により違いがあり、これに当てはまらないケースもあります。
項目 | 法人営業 | 個人営業 |
---|---|---|
対象 | 法人格を持った企業 | 個人事業主、消費者 |
取引ボリューム | 大きい(商品価格は様々だが、取引量や金額がまとまっている) | 小さい |
契約方法 | 契約書 | 申込書、契約書 |
意思決定者 | 複数(経営者などの決裁権限者や、管理職などの意思決定者) | お客様本人 |
契約成立までの期間 | 長期 | 比較的短期 |
これらの違いにより、営業プロセスで押さえるポイントにも違いが出てきます。
法人が対象ということは、契約が成立するまでに、お客様の組織の中で意思決定のプロセスがあります。取引案件の最終決裁者が誰か、また、その人に影響力のある、実質的な意思決定者は誰かということをよく見極める必要があります。
その上で、折衝窓口となる担当者から最終決裁者までの、ラインに対する適切なアプローチを行うのがポイントです。
1-2.法人営業で結果を出す人の特徴
法人営業とはどのようなものかを踏まえると、結果を出せる人には、4つの特徴があります。
(1)論理的に考え、話せる |
お客様を動かすには、感情とともに理由や根拠が必要なので、先方の社内で稟議が通りやすいように、論理的に話を持って行ける人は強いです。 |
(2)メンタルが整っている |
法人との金額が大きい取引は、そうそう毎月出てくるわけではありません。そんな中で、すぐに数字が上がらなくても落ち込むことなく、コツコツとお客様をたずね、新しいきっかけを探していく努力ができる人が法人営業でよい成績を出しています。 |
(3)長期的に物事を考えられる |
法人取引は、組織の中で取引に関わる人数が多いため、決定に時間がかかります。長期的な視野を持てることと、早め早めのスケジュール管理ができることも、資質として求められます。 |
(4)取引先のさきにいる「消費者」のことを忘れない |
法人は、いわば「生産者」です。法人対法人の取引をしていると、生産者どうしのやりとりとなり、取引先のさきにいる「消費者」のことをつい忘れがちになります。「消費者の幸せが真のゴール」だと心に留めている人は、視野の広い営業活動ができています。 |
※営業力・営業成績を伸ばしたい方は、こちらの記事もおすすめです。
2.法人営業の成果が出る流れ「5ステップとポイント」
次に、法人営業活動の流れに沿って、どう行動すると成果に結びつくのかを詳しく説明していきます。特に、商談での流れに重点を置いて説明していますので、今日からの商談にすぐ役立ちます。
読みながら、ご自身のやり方と照らし合わせてみてください。
2-1.事前準備
法人営業の第1ステップは、「訪問のための事前準備」です。
訪問準備とは、商談する際に必要な情報やモノの準備のことです。準備をしておくことで、お客様のニーズを想定し、第一弾の提案をスムーズに行うことができます。
例え、準備したものや提案内容が今回の商談ではお客様のニーズに合わなかったとしても、次回の訪問のために準備すべき情報を得ることができる、というメリットもあります。
また、準備をすることで、「こういう情報も必要かもしれない」など、より良い準備を可能にし、提案内容や思考を練り上げやすくなります。
【具体的な行動】
- 事前調査と準備
:先方の社内事情や業界動向
:質問されそうなこと
:アプローチトークに必要な情報 など - 資料を揃える(提案内容に関して)
:提案書やパンフレット
:サンプルなどのデモグッズ など - 提供できるものを準備する
:挨拶の品や販促品
:お客様に役立つ情報 など
【準備なしの場合】
- 面談の焦点が絞られず、お互いが手探りとなる
- 「その商品はいいですね、どんなものですか」と興味を示していただいても説明資料や商品実物がない
- 結果的にせっかくお客様と面談できる時間が無駄になる
成果を上げているトップセールスの人は、常に仮説を立て、結果を検証することで、営業活動の精度を上げています。仮説を立て、つまり想定して準備をすることが成約につながります。
2-2.訪問・アプローチ
法人営業の第2ステップは、「訪問・アプローチ」です。
訪問・アプローチとは、実際に取引先のオフィスに出向き、先方の折衝担当者との面談を開始するまでのことです。具体的には、受付での訪問目的の告げ方や担当者との挨拶です。
【具体的な行動】
- 担当者にスムーズに会えるよう、受付で訪問目的を告げる
- 担当者に好印象を与える挨拶をする
【アポイントがない場合】
- まず受付に訪問目的を伝え、的確な部署につないでもらう
- 名乗った後に名刺を取り出し、自分が何者か提示する
- 訪問目的を告げる
例)「○○のご案内で、初めてお伺いしました。ご担当の方にお目にかかりたいのですが・・・」
アポイントがある場合は、「お約束をいただいております」と伝えると、スムーズにつないでもらうことができます。
アプローチが良いと、先方の担当者に好印象を与え、悩みや課題などを話してもらいやすい雰囲気を作ることができます。
逆にアプローチがうまくいっていないと、先方に警戒心が残り、スムーズな商談をしにくくなります。また、「お約束がないとお会いできません」「ただいま担当者は外出しております」と、受付で門前払いに出くわすこともあります。
効果的なアプローチを行うことで、リラックスした商談の雰囲気を作ることができます。これは先方の状況のヒアリングや商品・サービスの提案に入っていくために不可欠なプロセスです。
2-3.商談
法人営業の第3ステップは「商談」です。
商談で行うことは6つあり、次のような流れになっています。
- (1)アイスブレイク
- (2)クラッチ合わせ
- (3)ヒアリング
- (4)プレゼンテーション
- (5)不安や買わない理由の解消
- (6)クロージング
それでは、それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。
2-3-1.アイスブレイク
商談で行うことの1つ目は、「アイスブレイク」です。
アイスブレイクとは、「氷を割る」という意味です。
法人営業の商談における意味合いとしては、「商談の最初に行うことで、お互いの間にある心理的な壁を取り去り、場の空気をほぐして、商談内容に具体的に踏み込みやすくすること」を指します。
先方の折衝担当者と面識があるかないかで、アイスブレイクの内容が違ってきます。
【面識がない相手の場合】
「自分や自社に興味を持ってもらえる、もしくは関心を引きつける内容を切り出す」
例)担当者に会うことができたら、最初に「本日は○○についてご案内に参りました」と、訪問目的を伝えます。続いて、「先日、御社の工場のある△△に行く折があったのですが」というように、訪問先の企業と、自社・自分との接点を織り込んだ話を始めます。
【面識がある相手の場合】
「お客様が商談を自分ごとになるように導く」
例)「打ち解けた話をする」「商談の目的に踏み込んだ話をする」
【その他の例】
- 相手にとっての圧倒的なメリットや情報を伝える
- 抗いがたいほど魅力的な提案の頭出しをする
- とっておきのセールス成功事例を紹介する
アイスブレイクにより共通点が見つかると、心理的な距離がぐっと近くなり、その後の話が展開しやすくなります。その一方でアイスブレイクをせず、まだ場の空気が温まっていないままいきなり本題に入ると、会話があなたからの一方通行になりがちです。
アイスブレイクのおかげで、お客様が身を乗り出して話し、「セールスされる人・する人の構図」から「二人で作る商談空間の形成」に変化します。お客様の本音が出やすくなるゆえんです。
2-3-2.クラッチ合わせ
商談で行うことの2つ目は、「クラッチ合わせ」です。
クラッチ合わせとは、商談をスタートするにあたり、相手と気分のレベルを合わせることを言います。
マニュアル車を運転する際の、車を発進させるときにエンジンと変速機をつなぐクラッチペダルを踏むときの動きをイメージしてみてください。
クラッチ合わせをすることで、同意や共感を示すことができます。するとお客様は警戒心をといてこちらに親近感を得てくれるようになり、信頼関係を築きやすくなります。
このように信頼関係を築くことで、本音やニーズ、価値基準、深い話を聞くことができます。そして、それらを聞くことができるからこそ相手の心に刺さるプレゼンテーションができ、成約につながっていきます。
【具体的な行動】
※具体的には、ペーシング、ミラーリング、バックトラッキングという方法を使います。
(1)ペーシング |
相手の言葉や声の調子、しぐさに合わせる技法です。例えば、ゆっくり話す方にはゆっくり答え、相手が身を乗り出してきたらこちらも身を乗り出すという具合です。 |
(2)ミラーリング |
特に視覚的なこと、例えば相手の表情や体の向きなどを合わせていく技法です。まったく鏡のようでなくてもよく、例えば、「何となく同じ方向を向いている」「相手が笑ったらこちらも笑う」などがあります。 |
(3)バックトラッキング |
オウム返し法とも言い、相手の言葉すべてや言葉の最後の部分を繰り返す技法です。例えば「〇〇が悩みどころです」という言葉には、「そうですね、〇〇は悩みどころですよね」と返答します。 |
クラッチ合わせをしていない場合、先方の担当者との気持ちがずれたまま商談を進めてしまい、「こちらのことを分かってもらえない」と反発を買う可能性があります。
営業担当が一方的に話す商談は、成約しにくい傾向にあります。営業する人・される人が一緒になって一つの課題について話し合い、二人で課題の解決策を練り上げる構図が、成約につながりやすい商談です。
2-3-3.ヒアリング
商談で行うことの3つ目は、「ヒアリング」です。
ヒアリングとは、取引先の課題や悩み、希望や理想の姿について徹底的に聞いていくことです。
ヒアリングを行うことで、先方の真のニーズをつかんだうえでの、受け入れられやすいプレゼンテーションができます。また、ヒアリングをしっかり行うと、お客様が「こちらの言うことを理解してくれている」と感じて、信頼を深めてくれる効果もあります。
【ヒアリングで聞く内容】
- 抱える問題点や悩み、課題など
- 経営や取引方針がこうありたいというニーズ
- 取引や商品に求める、成果や価値基準
- 上記のものに対する感情、想い
【具体的な行動】
(1)相手の第一声をとらえ、具体的に掘り下げる |
例えば、「今のお取引で、ご不便なことはありますか」とたずねた際「満足していますよ」と言われたら、その言葉をとらえ、こんなふうに聞いていくと、話が深まります。
|
(2)話す分量は「先方8割、当方2割」を意識する |
自分がしゃべりすぎないようにします。相槌を打ったり短い質問を挟んだりして、相手に気持ちよくたくさん話してもらうよう心がけましょう。 |
(3)オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンを活用する |
質問するときは、これらを使い分けると、「尋問調になったり」「一問一答で会話が途切れてしまう」といったことがなくなります。 |
ヒアリングが中途半端なまま次のプレゼンテーションを展開すると、先方の真のニーズに対して、ずれたことを一方的に訴える商談になりかねません。
商談の成功は、自社の商品やサービスをただ売ることではありません。
自社の商品やサービスが、お客様の抱える問題を解決する、理想の実現をサポートするかを見極めたうえで売ることが成功です。そのために、ヒアリングを十二分に行いましょう。
2-3-4.プレゼンテーション
商談で行うことの4つ目は、「プレゼンテーション」です。
プレゼンテーションは、こちらからの提案の説明の場面であり、デモンストレーションとも言います。
具体的には、提案書やパンフレットを差し上げながら、こちらが提案したい商品やサービスの内容を説明します。商品によっては、サンプルや見本を活用しながら話します。
【具体的なポイント】
- Webなどで、自社の課題についてしっかり情報収集しているお客様もいることを想定し、その上をいく提案をする。
- メリットだけでなく、デメリットやリスクも分かりやすく伝える。
- 他社の導入事例を紹介する。
- 商品の使い方や契約の流れについて、現物を見せて説明する。見せるだけでなく、実際に手に取ってもらう。
- 価格交渉の際は、電卓やタブレットを使って一緒に計算する。
- 提案書類にどんどんメモをとってもらう。社内稟議用に、提案書類をもう一部渡す。
用意してきたトークをそのまま展開するのではなく、ヒアリングでつかんだ、お客様側のニーズや価値基準と紐づけながら話すことが大切です。
お客様側のニーズや価値基準へ紐づけるからこそ、お客様にとって「自分事」の内容になり、あなたのプレゼンテーションが気持ちに届くものになります。
また、「手に取ったり、触れる」など、体験できるものは、ご体験いただくことも「自分事化」につながります。
自らのニーズに紐づかない、一般的なメリットをただ耳で話を聞いて、パンフレットを眺めているだけのプレゼンテーションを受けても、お客様は「自分事」にならず、感情が動かされません。
プレゼンテーションは、こちらが伝えたいことを展開する、商談の一番の山場です。訪問準備で用意したものや情報を最大限に活かし、魅力を伝えきりましょう。
2-3-5.不安や買わない理由の解消
商談で行うことの5つ目は、「取引への不安」や「買わない理由」の解消です。
それは、「自分や自社との取引に対する不安」や、「購入条件」「商品への疑問」といった、取引成立を阻む壁を取り除くことです。
下記のような質問を投げかけ、お客様の考えを聞きます。
- 「導入するにあたって不安な点やご質問はありませんか?」
- 「購入が難しいのは、どういった理由かお聞かせいただけませんか?」
【具体的な行動】
- 決断できない、真の理由を確認する
- 不安に対する解決策を一緒に考える
- 買わない理由に対し、別の角度・視点からの考え方や解決策を提案する
例えば、
「今は、新しい設備を入れる余裕はないんです」と言われたら、「余裕とおっしゃいますと」と質問をしてみます。するとお客様は、「うーん、やっぱり予算と、環境ですかね」という具合に話が進んできます。
このような会話を進めることで、本当は導入したいけれど、それを許さない事情(新設備のランニングコスト、技能者の育成状況、設置スペース不足など)を聞くことができます。そこを明らかにしていきましょう。
不安や買わない理由が解消されれば、担当者自身が決裁ルートに乗せやすくなります。また、不安についてやり取りすることが、成約後の信頼をより深めたり後悔を軽減したりする効果もあります。
買わない理由がある限り、決裁ルートに乗せづらく、決裁者のゴーサインにつながりません。その一方で、一つ一つ丁寧に質問に答え対応していくことで、商品への信頼感を高め、誠実な取引姿勢を見せることができます。
社内の次のステップに進むために、目の前の担当者に、取引への真の理解者になってもらいましょう。
2-3-6.クロージング
商談で行うことの6つ目は、「クロージング」です。
クロージングとは、商談の詰めを行う手段です。お客様の決断を促す方法として使います。法人営業の場合は、先方の担当者が契約を決断する、もしくは社内で検討することを決断するよう促します。
【具体的な行動】
※ここでは3種類のクロージングについて紹介します。有効に使いましょう。
①サイレントクロージング |
サイレントクロージングとは、「いかがですか」とクロージングの言葉をかけた後、先方の沈黙に対し、じっと黙って待つことを言います。 ここ一番、お客様がじっくり考える時間を作り、当方は焦らずにゆったり構える。そうすることで、お客様想いのセールスである、という印象を与えることができます。 |
②ダイレクトクロージング |
ダイレクトクロージングとは、商品説明や契約内容の説明をした後の、「それではこちらにご印鑑をお願いいたします」といった声かけと動作です。商談の締結段階だということをはっきり示すことができます。 |
③二者択一 |
二者択一とは、「期間は3年にされますか、それとも5年にされますか」というように、契約内容の選択肢を示して迫るクロージングです。「自分自身が決断した」という気持ちを相手に持ってもらうことができます。 |
「成果が出ない」と悩む人は、クロージングがうまくできていないといっても過言ではありません。クロージングをしないと、お客様はいつまでも自分からは決断しませんので、「やった方がいい」ものではなく、お客様が決断するための背中を押す「必要不可欠なステップ」です。
2-4.契約
法人営業の第4ステップは、「契約」です。
これまでの営業活動が実を結び、お客様との新しい取引関係がスタートします。
【具体的なチェックポイント】
- 契約書の条件はお客様によって異なるので、合意した条件が間違いなく入っているか確認が必要。また、こちらで用意した契約書に対し、条項の追加や削除を求められる場合がある。
- 契約内容について法的なチェックを行ったり、調印のプロセスが会社によって異なったりするため、契約手続きに時間がかかることがある。
最後の最後で契約手続きがスムーズに運ばなかった場合、タイミングがずれ、「やはり今回はご縁がなかったということに…」と契約の中止につながりかねません。
契約手続き中は、実際には「契約前」の状態ですから、慎重かつ冷静に取り組みましょう。
2-5.アフターフォロー
法人営業の第5ステップは、「アフターフォロー」です。
アフターフォローとは、契約後の対応のことを言います。具体的には、契約直後の対応と、その後の定期的な対応とがあります。
【具体的な行動】
(1)契約直後の対応 |
まず、契約直後にコンタクトを取り、「ご不明な点、お困りの時はいつでも窓口の私にご連絡ください」と伝えます。そして以下の対応を実施しましょう。
お客様は、契約直後に「この決断は良かったのか?」と不安になることがあります。特に、多くの人が関わり、取引ボリュームが大きい法人取引では、意思決定した人がふとそんな思いにかられるケースがあります。 自分の判断は正しかった、と気持ちを静められるよう、取引タイミングの良さによるベネフィットを改めて示すなどのフォローをすると喜ばれます。 |
(2)定期的な対応 |
その後も「ご不便やお困りのことはないですか。また、お使いになった感想をお聞かせください」と、定期的にコンタクトを取りましょう。必要であれば以下の対応を行います。
このように、きめ細かなアフターフォローを行うと、お取引先となったお客様に大変良い印象を与え、今後も良好な取引関係を維持することができます。次の取引につながるチャンスも生まれます。 もしアフターフォローを行わず、案件が自分の手から離れたら終わり、といわんばかりに顔を見せなくなってしまった営業担当者には、次の案件の声がかかることは少ないでしょう。 |
お客様にとっては、契約してからが取引です。営業担当としては商談での成約をゴールと思いがちですが、「売ってからが取引」と肝に銘じましょう。
まとめ
いかがでしたか。今回は、法人営業で結果を出すために、知っておきたい「法人営業とは何か」「成果につながる営業活動の手順は何か」についてお伝えしました。
法人取引は、金額が大きく、取引決定に一定のプロセスを要する取引です。それゆえ、訪問前の準備を十分行い、商談ではお客様の課題やニーズをヒアリングした上でデモンストレーションしないと、成約につながりにくくなります。数字や情報の取り扱いにも注意が必要です。
また、法人は経営の継続が大前提であり、取引が長期間続くケースが多くなります。そのために、企業の窓口である担当者どうしが良好な人間関係を築き、維持していく必要があります。
今回ご紹介したポイントを一つ一つ実践すると「この人が当社を担当してくれてよかった」と言ってもらえるような、固い信頼関係ができます。そして、その努力は営業の成果として出てくるようになります。いま、成果が思うように上がっていない人は、ぜひ今日からチャレンジしてみてください。
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