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栗山英樹氏はなぜ名将になれたのか|ノートの秘密と名言をご紹介

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2023年3月21日。栗山英樹監督率いる侍ジャパンは
WBCの頂点に立ちました。

野球観戦好きの私は春のセンバツ高校野球を
甲子園球場で観戦しつつ、優勝が決まる瞬間は
コンコースでWBCの中継を見ていました。

周りにいる見ず知らずの方々と
喜びを分かち合ったことは今でも忘れられません。

数々の困難や不測の事態を乗り越え
見事優勝を勝ち取った要因は様々ありますが、
栗山監督の働きかけもその一つです。

栗山英樹氏は現役時代こそ
大きく目立った実績はありませんが、

北海道日本ハムファイターズの監督と
今回の侍ジャパン監督という立場で
どちらもチームを頂点へ導いています。

栗山英樹氏はなぜ名将となれたのか、
その秘密が実は栗山氏の「ノート」にあります。

この記事では、栗山氏の著書や
インタビューを参考に

栗山氏の半生を振り返った上で
そのノートの秘密と名言をご紹介いたします。

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1.栗山英樹氏の半生

侍ジャパン胴上げ監督となった栗山氏は、これまでどんな人生を歩んできたのでしょうか。

この章では、栗山氏の半生、そしてどのような功績を残してきたのかを簡単にご紹介いたします。

1-1.幼少期からプロ入りまで

栗山氏は、幼少期から厳格な家庭に育った影響で、野球で進路を決めようとする度に両親の反対に遭い、高校・大学は全て一般受験で進学します。

中学生以降は怪我に苦しみながらも、チームの勝利に貢献しています。

プロ入り前主なできごと

幼少期

  • 東京都小平市で生まれ育つ。父が少年野球の監督だったことで、3歳上の兄とともに野球へ親しみを持つ。

小学生時代

  • 地元の常勝チームで投手で4番を打つような野球の上手い少年として活躍。
    5年生のときにあとわずかのところで優勝を逃し、勝つことの難しさを痛感するも、6年生のときに、念願の夏の大会初優勝を果たす。

中学生時代

  • 高校で甲子園に出場することを見据え、運動量が豊富で足腰が鍛えられそうなバレーボール部に入部。
  • 中学2年生の夏、膝の故障をきっかけにバレー部を退部。
    その後、地域の野球チームで監督をしている方へ声をかけられ、野球を再開。
    弱小チームだったものの、エースで4番として活躍。
  • 東海大相模高校のセレクションに参加し、憧れの大スター・原辰徳さんと言葉を交わす。

高校生時代

  • 東海大相模高校へ野球だけで進学することに両親が反対。
    校風、野球部の強化方針共に魅力を感じた創価高校へ、両親も納得のもと進学。
  • 監督の元、厳しい練習で鍛えるも、高校3年生の夏の西東京大会ではベスト16で敗れる。

大学時代

  • 引き続き、両親からは野球での進学を反対され、学校の先生という職業へ魅力を感じていたことから、一般受験で東京学芸大学へ入学。
  • 2年の春の大会で、見事優勝。エースとしてチームに貢献する。
  • 2年の春、オープン戦の登板時に肘を負傷。
    復帰後はストレートのスピードが極端に落ちたため、野手へ転向する。
  • 3年の春休み、佐々木信也氏にアドバイスをもらったことをきっかけに、進路を野球一本へ絞ることを決意する。
    2球団のプロテストを受験し、再テストを経てヤクルトスワローズに見事合格。

1-2.東京ヤクルトスワローズの選手時代

有望選手がプロ野球ドラフト会議で指名されて入団を決める中、プロテストを経ていわゆる「ドラフト外」入団をした栗山氏。

いきなりプロのレベルに圧倒されますが、努力し、ベストを尽くすことで食らいつきます。

2年目の後半からは怪我やメニエール病に苦しめられ、わずか7年と、比較的短い選手生命でしたが、ゴールデングラブ賞を受賞という栄光も経験されています。

選手時代主なできごと

1年目

  • 二軍のレベルについていくことに必死な中、シーズン終わりには一軍のベンチ入りも経験する。

2年目

  • セカンドから外野手への転向に加えて、足の速さを活かすためにスイッチヒッター※に挑戦。手がグローブのように腫れ上がる中でもバットに手を包帯で縛り付け、何百回もスイングの練習を行う。
  • ジュニアオールスターゲーム※に選出される。
  • メニエール病を発症する。その後現役引退までめまいや吐き気などの症状に苦しめられる。

3年目

  • 代走要員として開幕一軍スタートを果たす。
  • 1番レフトとして初めてのスタメン出場を果たし、規定打席に未達も打率3割という好成績を残す。

4年目

  • 合同自主トレ4日後にメニエール病の症状を発症し、3度目の入院。
    整体治療を通して快方に向かう。

5年目

  • 春のキャンプから何度も肉離れを繰り返し、3ヶ月出遅れる。

6年目

  • プロ入り後初めて怪我なくプレーし、規定打席へ到達。
  • 打率は下がったものの、外野手部門でゴールデングラブ賞※を受賞する。

7年目

  • メニエール病の症状が好転せず、怪我の影響もあり「人以上に努力できなくなったら、ユニフォームを脱ぐ時」と考えていたため、この年限りで引退を決意する。

※スイッチヒッター:左右両方の打席でバッティングを行う選手のこと。

※ジュニアオールスターゲーム:プロ野球二軍のオールスターゲームのこと。現在の「フレッシュオールスターゲーム」。

※ゴールデングラブ賞:毎年、優れた守備のプレーを行った選手をリーグごとに各ポジション1人ずつ選出し表彰するもの。

1-3.北海道日本ハムファイターズの監督時代

選手を引退してからはメディアの世界に入り、野球解説者やスポーツキャスターとして活躍します。また、大学で教鞭もとっており、2008年には白鷗大学の教授として、スポーツメディア論を教えていました。

そして、現役を退いてから20年が経った2011年に栗山氏の北海道日本ハムファイターズ監督就任が決定しました。監督在任10年間の中では、大谷翔平の二刀流実現や日本シリーズ優勝などの功績を残しています。

日本ハム
監督時代
主なできごと

1年目

  • ダルビッシュ有投手がメジャー移籍をした直後のシーズンで、斎藤佑樹投手を開幕投手へ指名する。
  • 新人監督ながらチームをリーグ優勝へ導く。
  • 当時メジャー挑戦を公言していた大谷翔平選手をドラフト1位で指名し、30ページにも及ぶ資料を提示し、日本ハム入りを説得する。

2年目

  • 大谷選手を二刀流で起用し、話題を集める。
  • 12年ぶりのリーグ最下位に終わる。

5年目

  • 球団新記録の15勝を達成する。
  • リーグ優勝を果たし、日本シリーズを4勝2敗で制覇する。

8年目

  • 開幕当初にオープナー※を採用する。

10年目

  • 選手やコーチの新型コロナウイルス感染の影響により、開幕から苦戦。
  • 5位でシーズンを終え、監督を退任。

※オープナー:本来中継ぎ投手として登板する選手が先発登板し、1~2イニングを投げてから本来の先発投手へ継投する起用法のこと。

1-4.侍ジャパンの監督時代

栗山氏は北海道日本ハムファイターズの監督を退任直後、2021年の12月に野球日本代表(以下、侍ジャパン)の監督に就任します。多くの方がご存じのとおり、2023年3月に開催されたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では数々の強豪国を破り、日本代表を悲願の世界一へ導きました。

栗山英樹氏の功績の中でも印象深いポイントをいくつかご紹介します。

■初の日系人メンバー選出

過去の大会では、日本人メジャーリーガーを代表として選出することはありませんでしたが、日系人の招集は例がありませんでした。

栗山氏は今回の日本代表で初めて、メジャーリーグで活躍する日系人選手ラーズ・ヌートバー選手を選出します。

栗山氏はヌートバー選手の招集についてテレビのインタビューで、メンバー選出時にセンターが一つの課題だったとした上で、「ヌートバー選手と話をした瞬間に、めっちゃいいやつだし、絶対大好きになると思えたので、僕は行けると思いました。」と語っています。

結果的に、来日時には「たっちゃん」Tシャツでナインから歓迎を受け、WBCが開幕すると1番バッターとして大活躍。気迫のプレーに加えて、ヒットを打ったときに披露する「ペッパーミルパフォーマンス」は日本中で大流行しました。

■大谷翔平との信頼関係

栗山氏はメジャーリーグのシーズン中にアメリカに渡ってダルビッシュ選手や大谷選手とWBC出場について直接交渉しています。

大谷選手は日本代表としての出場を決め、チームへ貢献することとなるのですが、日本ハム時代から監督・選手の関係があった栗山氏と大谷選手の信頼関係だからこそ実現できる「暗黙の了解」が決勝戦のドラマを作りました。

栗山氏は大会中、大谷選手に決勝戦に登板してほしいという趣旨のことは何も言わず、ただ待っていたと言います。そして、決勝の3日前に「いけますよ」というメッセージを出してきたとのこと。

そして決勝戦はみなさんご存じの通り、メジャーリーグでチームメイトのアメリカ代表・マイク・トラウト選手との直接対決、そして見事トラウト選手を打ち取って優勝を果たすこととなります。ドラマよりもドラマティックなシーンでした。

大谷選手自身も栗山氏の「最後に投げてほしい」という思いを感じ取っていたことからこのドラマは実現していたのです。

■村上宗隆選手の起用

WBCでの栗山氏を象徴する言葉は「信じ抜く」でしょう。

前年2022年に首位打者・本塁打王・打点王の三冠を獲得し、ホームランの日本人記録を更新したスターですが、WBC開幕前から調子が上がらない状況でした。

最初は4番を打っていたものの、途中から4番の座をメジャーリーガーの吉田正尚へ譲り、5番へ打順を下げて戦うこととなりました。

村上選手の最も印象深い試合はメキシコとの準決勝でしょう。一打サヨナラの場面で、栗山監督は村上選手を代えずそのまま打席に立たせます。その采配は見事的中。サヨナラタイムリーを放ち、侍ジャパンは決勝へ駒を進めました。

ここまで、栗山氏の半生をご紹介いたしました。数々の苦労や大変な経験が、侍ジャパンの監督としての振る舞い・采配を生み出していったのです。

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2.栗山氏の成功の秘訣「栗山ノート」

栗山氏は習慣として「ノートを書く」という行動を続けているそうです。この章では、このノートがいかに栗山氏の深い考え方や監督としての成功に影響しているのかをご紹介いたします。

栗山氏は少年時代からその日の練習メニューやその日のプレーの整理をして記録していたそうです。そして、北海道日本ハムファイターズの監督に就任してからは、その日の振り返りに加えて、先人の教えを書き写すようになったと言います。

具体的には、『四書五経』といった古典の教えや経営者の著書から抜き出した言葉を記しているようです。しかも、1回限りではなく、何度も。

栗山氏は著書『栗山ノート』で自身のノートについてこのように述べています。

その日起こった出来事を
どのように受け止めるのかを考えると、
古今東西の先人や偉人が残した言葉が
浮かび上がってくるのです。

もはや野球ノートというより、
人生ノートと言ったほうが
いいかもしれません。

日々野球から得たこと・感じたことを先人の言葉に絡めながら日頃から読書し、学びを吸収しているからこそ、頭の中で先人の言葉を思い浮かべることができるのでしょう。

学生時代から読書に親しんできて、教鞭をとった経験もある栗山氏は、これまで多岐にわたる本を読んできたといいます。

「四書五経」、「論語」、「易経」、「韓非子」など…。

経営者や企業家の本を読んでいるうちに、成功者は古典にあたっている、という共通点を見出したそうです。

特に、渋沢栄一氏の『論語と算盤』は「擦り切れるほど読んだ」と栗山氏はいいます。

そしてその栗山氏も、古典の教えを血肉としながら、チームを優勝に導く経験を2度も経験するという成功をおさめたのです。

3.リーダー必見の名言集

この章では、世界一を達成した一流の監督・栗山英樹氏のリーダーシップを象徴する名言を著書『育てる力』からいくつかご紹介いたします。

古典の素養と過去の苦労や経験に裏打ちされた言葉の数々は、スポーツ指導者に限らず全てのリーダーの方々にグッとくること間違いなしです。

3-1.「押し付けないで、選択肢を提示するのがコーチングだ」

武士道の真髄とは、以下の5つを組み合わせたものである。

すなわち
正義:世の中で共通の正しさ
廉直:心が正直なこと
義侠(ぎきょう):弱い者を助けること
敢為(かんい):困難に屈せずやり通すこと
礼譲:礼儀正しさ
の5つである。

書籍では、大谷翔平選手をドラフト会議で指名したときの裏話が添えられています。

栗山氏は大谷選手の関係者へ直接説明する機会を得たときに、下記の2つを決めていたといいます。「一つは、ファイターズに来てくれとは言わない、ということ。もう一つは、メジャーに行かないでくれとは言わない、ということ。」

武士道の真髄5つを守り、客観的なデータを用いて説明を行い、複数回の交渉を経た結果として、大谷選手は日本ハムファイターズ入りを決めます。

その後も大谷選手へ独自ルールを設定し、『論語と算盤』の書籍を手渡すなどの関わり方を行うも、自らの考えを押し付けずに選手を尊重するコミュニケーションを取り続けた結果、大谷選手は日本球界で活躍し、メジャーリーグへ飛び立ってからも数々の記録を打ち立てます。

答えを押し付けず、相手に委ねる関わり方を実践したくなる項目です。

3-2.「意志をもって部下が決めたことを、上の人間は信じるべきだ」

揺れやすい感情を制御するには、その人が持つ強い意志以外にはなにもないのだ。

だから「意」というものは精神の活動において最も中心にある。

選手を信じ抜く栗山英樹氏の姿勢を象徴する一言だと思います。

ポイントは、部下の言うことを全て信じるのではなく、「意志を持って」決めたこと、という点です。部下の立場に立って考えてみると、自分なりに考えて、強い意志を持って決めた行動計画や目標を上司に一蹴されたらモチベーションが下がってしまうでしょう。

しっかり傾聴して、意志があることを確認したら信じる姿勢を持ち続けることの重要性、それから人間最後は自分の意志で行動を選択してくことを再認識させられる言葉です。

3-3.「絶対的な危機は、時にチャンスとなる」

とにかく人間は、誠実に努力することに精を出して、自分の運命を切り開くことが大切だ。

しかし、もしそれで失敗したら、自分の知的な能力が足りなかったと諦めることだ。

逆にもし成功したら知恵が活かされたと思い、成功や失敗にかかわらず天命に身を委ねればいい。

こうやって失敗しても勉強を続けていれば、いつかいいチャンスに出会える時がくる。

日本一を成し遂げた年に「1番・投手大谷」という当時画期的な采配を振るったときのエピソードと共に語られています。その時北海道日本ハムファイターズは、首位福岡ソフトバンクホークスと最大11.5ゲーム差もあり、そのソフトバンクとの3連戦の際、披露されたものです。

普通なら諦めかねない差に対し、栗山氏は「絶対的な危機をチャンスに変える」と繰り返し考えていたといいます。

異例の采配は当たり、チームは首位ソフトバンク相手に3連勝。最終的にはこの年チームは大逆転優勝、そして日本一を達成します。

危機を迎えても努力し、考え続ける重要性を実感しました。

3-4.「苦しい時しか、知恵は生まれない」

名声を得られるのは、壁にぶつかって日々苦闘している時である。

その逆に失敗は調子に乗り得意になっている時に生まれるものだ。

北海道日本ハムファイターズ監督時、不動のレギュラーであった中田翔選手の苦悩と栄光とともに語られた言葉です。

栗山氏は監督就任時から中田翔選手を中心に据えたチームづくりをし、4番で起用し続けます。最初は不調でしたが、後半戦から調子を上げ、リーグ優勝の立役者として活躍します。

渋沢栄一も困難がもたらす効用を繰り返し説いている、という栗山氏の話からも、苦しい中で地道な努力を重ねることが成功や名声を得るために必要なことであるとわかります。

3-5.「野球人としての成功より、人としての成功を目指す」

人間一般に共通して見られる弊害として、人は結果を焦って大きな目標を忘れ、勢いで起きていることにこだわり、ちょっとした成功に満足するかと思うと大したことがない失敗に落ち込む人間が多い。

プロ野球選手の中には結果を残してスター街道を駆け上がる選手もいれば、人柄やリーダーシップを評価されても数字がなかなか残せない選手もいます。

アスリートの世界ではそれが残酷なまでに目に見えてしまいますが、いかなる職業・立場でも同じ現象が起こるでしょう。

このとき、栗山氏は「誰よりも努力できたとか、最後まで野球が好きだったという思いこそ、大切にして欲しい」と言います。なぜなら、栗山氏自身を奮い立たせるものが、そのような思いや経験だから。

仕事や、自分の熱中していることで上手くいかないときに思い出したいひとことです。

3-6.「監督に必要なのは、思考の『素振り』だ」

大切なのは普段の心がけなのだ。
これは医者と病人の関係のようなものである。

普段健康に気を付けないで、いざ病気になったら医者に駆け込む。
医者は病気を治すのが仕事だから、いつでも治してくれる、そんな考えは大間違いだ。

医者は多分、「普段から健康に気を付けてくださいね」と助言するに違いない。

栗山氏自身は、選手が日々バットを持って素振りをするように、監督は人に会い、本を読み、歴史を追想することで人としての学びを吸収しています。

もちろんどんな方でも学び続けることは近年の情報社会では重要なことですが、人の上に立つ立場の方こそ、メンバーの悩みや問いかけに応えたり自分を高めていくために学び続ける必要があると再認識させられます。

3-7.「簡単に匙(さじ)を投げるな」

人生の過程においては色々なことがある。

時には善人が悪人に負けたように見えることもある。
しかし長い目で見れば、善悪の区別は明確になるものだ。

だから成功や失敗に関する良し悪しや善悪を議論するよりも、まず誠実に努力することだ。

そうすれば公平で無私な「天」はその努力している人に微笑み、運命を切り開けるように仕向けてくれる。

斎藤佑樹選手のエピソードと共に語られています。斎藤選手は「ハンカチ王子」として甲子園のスターになり、早稲田大学進学後もエースとして活躍し、鳴り物入りで北海道日本ハムファイターズに入団。入団後は活躍しながらも、肩の怪我の影響で成績が低迷し、2021年に現役を退きました。

怪我する前の2012年、斎藤選手に開幕投手を言い渡したときの反応から、栗山氏は斎藤選手が活躍すると信じ、期待し続けていました。

結果として斎藤選手は怪我で苦しみ、引退することとなりますが、その努力や思いを見ている人がかならずいること、そしてリーダーはメンバーに対して諦めず信じ続ける姿勢が大切であると、この言葉が教えてくれます。

3-8.「見えない未来を信じろ」

「人は棺を蓋(おお)って後、論定まる」

(人間の評価は、
その人が死んでから決まるものだ)

という古い格言から見ると、
人をどういう基準で判断するか、
標準を定めることが必要だと思われる。

栗山氏の指揮官としての姿勢「信じ抜く」へもつながる言葉です。

大谷翔平選手の二刀流実現も、最初は見えない未来の一つでした。

当時、無理だと言われていた中、栗山氏をはじめチームの首脳陣は「実現するかどうか」ではなく「どうやったら実現するのか」を考え続けたために、二刀流は成立し、日本球界のみならずメジャーリーグでも実現することとなります。

前例のないことへ挑戦するリーダーのみなさまへ特に刺さるおすすめの名言です。

3-9.「『正しい非常識』はいつか『常識』になる」

『論語』の教えは広く世間に効能があり、もともとは理解しやすいものである。

だが学者が難しく解釈してしまい、農民や商人や職人には関係のないものだという風にしてしまった。

商人や農民は『論語』を手にすべきではないということになってしまった。

これは大きな間違いである。

栗山氏はチームの監督として、数々の「非常識」を実行しています。
大谷翔平選手の二刀流、日本では珍しいオープナーの導入、日系人メンバーの侍ジャパン招集など…。

そのどれもが、日本球界に受け入れられていることは栗山氏の大きな功績と言えるでしょう。

3-8の内容とも共通し、「非常識だ」と言われることを実行しようとすると、周囲からの反対や前途多難な道のりに苦悩するかもしれません。

今、そのような状況の方々へ勇気を与えるような言葉ではないでしょうか。

3-10.「組織は全員、『プロであること』を意識する」

私がいつも望んでいることは、物事を進展させたい、増やしたいと思うなら、まずそれを心に抱くべきだ。

そしてその欲望を道理に沿って行動して叶えることが大切だ。

この道理というのは、人が社会において道徳上守るべき理念であり、欲望と道理は並行して抱き続けなければならない。

この言葉に添えられたエピソードとして、入団1年目の清宮幸太郎選手の発言「北海道から世界に羽ばたこうと思っています」から、清宮選手のプロ意識や高い志を感じた体験が綴られています。

なにか目的を持って進むのであれば、自分の思いを強く心に抱くこと、そしてその気持ちに従って行動することは、リーダーであっても、組織の一員としても大切なことです。

今一度、自分がなぜ目標に向かって進んでいるのか、何を達成したいのかを見つめ直すきっかけとなる言葉です。

論語に興味をお持ちの方は、こちらもご覧ください。

論語とは?基本をわかりやすく解説!孔子の教えと名言7選

4.栗山英樹氏のおすすめ本3選

4-1.『栗山英樹29歳 夢を追いかけて』

栗山氏の少年時代から現役時代までを知るならこの書籍。

決してエリートコースと言えないような野球人生から、どのようにプロを目指していったのか、病気や怪我との闘いの毎日などを垣間見ることで監督としての栗山氏の思いをさらに深く知ることができます。

4-2.『栗山ノート』

栗山氏がつけているノートの中身と、そこに添えられた古典の名言を知ることで、過去の話題になった出来事の裏側を知ることができる一冊です。

本記事執筆にあたって私も一読しているのですが、改めて栗山氏の古典の素養と学びに対する姿勢には舌を巻いてしまいます。

4-3.『育てる力』

渋沢栄一の著書『論語と算盤』から栗山氏が何を学んだのか、どのように行動へ移したのか、そしてどのように監督という立場から選手へ教えを伝えたのかが、リーダー必見の名言とともに語られています。

あの大谷翔平にも渡したとのことで、最後まで読み終えた頃には『論語と算盤』が読みたくなります。

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5.人を動かす心理を学ぶ

本記事では、栗山氏がどうして名将となれたのかをその苦労の半生や栗山ノートに記された古典の教えや名言から紐解いていきました。

リーダーとしてのあなたが、栗山氏の考え方や部下やチームメンバーに対する姿勢を真似できたら、きっとあなたも名将となれるでしょう。

その名将となるヒントが、もしかしたら心理学にあるかもしれません。

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