コミュニケーション

部下が成長し、結果を出す「部下とのコミュニケーション」8つの方法

組織で仕事の成果を挙げるためには、上司と部下とのコミュニケーションを円滑にすることが何より大切です。全員共通の目標に向けて、一人ひとりの役割をまっとうすることで、欲しい成果を得るのが組織での仕事です。

ここに「部下が指示どおりに動かない」「部下のやる気を感じない」「ミスばかりを繰り返す」などの不満が生まれると、マイナスな感情が相手に伝わり、お互いの歯車が噛み合わなくなり、チームとしての機能がうまく働かなくなるのです。

もし、今あなたが部下との関係に悩んでいるのなら、「部下がよくない」という他責ではなく、自ら接し方を変えることに意識を向けてください。なぜならば、実は上司のコミュニケーションの取り方一つで、部下の思考、感情、行動を「成長」と「結果」に向けて方向づけることができるからです。

そこでこの記事では、部下とのコミュニケーションを向上させる、具体的な方法をお伝えします。

監修:日本コミュニケーション能力認定協会

コミュニケーションの専門機関として “満足度99.3%” の『コミュニケーション能力認定講座』を開催。日本教育推進財団が監修し、19万人の指導実績に基づくコミュニケーション・カリキュラムは、信頼の獲得・リーダーシップの発揮・営業や交渉での成功・人間関係の構築に効果的。メディアからも注目されている。

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1.部下とのコミュニケーションを変えると得られる効果

部下とのコミュニケーションを向上させることで、お互いの仕事の効率が上がり、チームとしての生産性が上がり、仕事の成果へとつながります。そして部下の成長と自信にもつながるため、好循環を生み出します。

なぜそれが可能かというと、部下とのコミュニケーションを変えることで、以下のような状態をつくることができるからです。

  • 信頼関係が高まる
  • 部下をより深く理解でき、サポートしやすくなる
  • 結果に向けて、思考、感情、行動を方向づけることができる
  • 気持ちを切り替えることができる
  • 指示を正しく伝えられる
  • 部下のミスが少なくなる
  • 部下のモチベーションが上がる
  • 部下が責任感を持って仕事をする
  • 部下がきちんと報連相を入れるようになる
  • 叱ることが少なくなる
  • 部下との人間関係が良好になる

さらに役職を超えて、人としての付き合いも心地よいものになるので、職場の雰囲気が良くなり、仕事をすることが楽しくなります。離職率も下がり、盤石な信頼関係のもと、組織の目標に集中して、仕事ができるようになります。

2.部下とのコミュニケーションを変える8つの方法

部下とのコミュニケーションをより良くするために、押さえておきたいポイントをご紹介します。忙しいとき、余裕が無いときほど、できていないケースがあるため、ぜひチェックしていきましょう。

■1.聞く(傾聴する)

「部下との関係がうまくいかない」と感じたら、まずは徹底的に、部下の話を聞くことから始めましょう。自分の頭の中だけで、「きっと相手はこう思っているに違いない」と憶測をしたり、あるいは「何を考えているのかわからない」と困り果てているだけでは、何の解決にもなりません。じっくりと話を聞くことで、誤解が解けたり、部下の真意を知れたりするため、こちらが対応をとることができます。

そして話を聞くときには、聞き方が重要です。聞き手の態度は、相手の話しやすさに影響します。
部下が「この上司なら、自分の考えを聞いてもらえる」と感じるような聞き方をすることが重要です。

ここで役に立つのが「傾聴」という、聞き方のスキルです。
傾聴とは、相手に意識を向け、共感的・受容的に話を聞くことです。

具体的には、以下のポイントを心がけましょう。

【傾聴のポイント】

  • 作業の手をとめ、話を聞くことに集中する
  • 相手に顔と体を向け、やや前のめりの姿勢をとる
  • アイコンタクトをとる
  • 相手と表情を合わせる(相手が笑顔なら笑顔、悲しそうなら自分も悲しい表情を)
  • 「そうなんですね」「分かります」「興味深いですね」など、受容的な相づちをうつ
  • 話の内容をジャッジせず、そのまま受けとめる

など

部下が話すことを「そういう事実があったのですね」または、「あなたはそう思うのですね」と、共感的に受けとめる。これだけで部下は、大きな満足感・安心感を得ることができます。
すると、普段は聞き出せないような本音まで話してくれるようになるのです。

傾聴について、より詳しくお知りになりたい方は、以下の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。

■2.ほめる、ねぎらう、承認する

日頃から、部下の言動を認めてねぎらう「承認」をベースに接しましょう。
人は、相手に認められているとわかると、自己重要感が高まり、自ら能動的に動きだします。
意欲的に仕事に取り組んだり、周囲への心配りにまで意識が向くようになり、その人を中心とした、プラスのエネルギーの循環が生まれるのです。

「承認メッセージ」は、より具体的な言葉で伝えると効果的です。

【ほめる、ねぎらう、承認するの例】

  • ほめる
    ・「〇〇さんの発想力はすごいな、って感心するんだ」
    ・「企画書作成といえば、〇〇さんだよね」
    ・「どうしたら〇〇さんみたいに、データ整理がうまくなるのかな?」
    など
  • ねぎらう
    ・「いつも、デスクをきれいにしてくれてありがとう」
    ・「〇〇さんのがんばりに、みんな勇気づけられているよ。ありがとう」
    ・「〇〇さんの気配りにはいつも感謝しているよ、ありがとう」
    など
  • 提案を承認する
    ・「その方法、いいね」
    ・「その視点、おもしろいね」
    ・「興味深いから、もっと聞かせてくれる?」
    など

どんな部下でも、長所や肯定的な面があります。
ほめる、ねぎらう、承認するためには、肯定的な面に目を向ける必要があります。そのため、目の前の相手を「この人の素敵なところはどこだろう?」という視点で見ることが大切です。

■3.ネガティブな言葉を使わない

言葉には、人間の行動に大きな影響力をもたらします。脳は、耳で聞いた言葉をそのまま理解し、そこに向けての行動をプログラミングするという性質があります。

例えば、「言うことを聞かない部下ばかりだ」と言葉を発すれば、脳は「部下が言うことを聞かない現実」をつくり上げようとするので、無意識に、部下がついてこないような言動をしてしまうのです。

リーダーのように、組織で立場がある人間の一言の影響力は、特に大きいもの。部下に対し、以下のようなネガティブな言葉を使わないようにしましょう。

【部下へのNGワード】

  • 否定の言葉:「でも」「だって」「どうせ」
  • 不可能の言葉:「できない」「無理」
  • 嫌悪の言葉:「嫌い」「悪い」「ダメだ」
  • 横柄な言葉:「ていうか」「だからぁ」「何度もいうけど」

など

■4.笑顔と明るい声で話す

部下に心をひらいてもらうためには、自分が「相談しやすい上司」「話をしやすい上司」であることが大切です。

「話をしやすい人」の特徴としてあげられるのは、何といっても笑顔であること。買い物に行ったとき、声をかけてみようと思う店員は、笑顔の明るい人ではないでしょうか。

いつも穏やかで、明るい雰囲気でいることが、部下の心を解きほぐすのです。

具体的には、以下のポイントを意識しましょう。

【明るい雰囲気でいるポイント】

  • 常に口角を上げておく
    :作業中は真顔になりがち。意識して、口角を1ミリ引き上げておきましょう
  • 挨拶は、満面の笑顔で
    :「おはようございます」という言葉とともに、満面の笑顔を向けましょう
  • 良いことがあったら、大げさに喜ぶ
    :ハイタッチをする、「やったね!」と言うなど、プラスの感情表現を豊かにしましょう
  • 明るい声で話す
    :話をするときには、「ミ・ファ・ソ」くらいの音域の声で話しましょう。音には周波数があり、人の耳に心地よく響くのは、「ミ・ファ・ソ」の音域だと言われています。
  • など

■5.誰の悪口も言わない

職場での悪口は、言語道断です。
部下の悪口はもちろんのこと、自分の上司や取引先の人を悪く言うのもやめましょう。

悪口を聞かされた部下が、上司に持つ感情は、以下のとおりです。

【部下の反応例】

  • 「自分のいないところでは、自分の悪口を言っているかもしれない」
    :上司への信頼感が薄れます
  • 「自分は〇〇さんが嫌いではないけど、同調しないといけないだろうか・・・」
    :部下にプレッシャーを与えます
  • 「〇〇さんは、そんな悪い人だったんだ。警戒しておこう」
    :部下に余計な先入観を与えます
  • 「部下の自分に、他人の悪口を言うなんて、器の小さい人だ」
    :部下から見下されます
  • 「〇〇さんのことを悪く言ってたよ、と、誰かに話してしまおうか」
    :自分が言った悪口が、巡り巡って本人に伝わることがあります

上司も人間なので、時には人に不満を持つこともあるでしょう。
そんなときには、家族や友人に聞いてもらったり、あるいはかかりつけの美容師さんに雑談のように話すなど、まったく職場と関係のないところでガス抜きをすることをお勧めします。

■6.前向きな話に持っていく

どこの職場にも、困った部下はいるものです。

不平・不満の多い部下、なかなか成長しない部下、反論ばかりで行動しない部下など。共通したポイントとして、意識が否定的な方へ向いている傾向があります。つまり望んでいる結果を出せるような心理状態ではありません。「部下の意識」をプラスに転じることができます。

しかし上司の接し方、働きかけ方によって、部下が結果を出せるように、「肯定的な心理状態」になるようにサポートすることができます。そのために使える働きかけの例は、ものの捉え方や視点を変化させることです。

例えば以下のように、「失敗や問題の裏にあるチャンスや学び」「行動することで得られる結果や可能性」などに気づける問いかけをするなどです。

【ものの捉え方や視点を変化させる働きかけの例】

  1. 起きた出来事や結果に対する意味づけを変える例
    ・「その物事には他にどんな意味があると思う?」
    ・「もしもあるとしたら、どんなプラスの価値があると思う?」
  2. 失敗や悔やんで落ち込んでいるときに使う例
    ・失敗した(ということは)、何か行動を起こしたという証だね。最悪の失敗は何もしなかったことだからね。あなたが何かにチャレンジした証拠だね。
  3. 言葉の意味づけを広げる例
    ・「私はおっとりしすぎているんです」という部下に対して
     ⇒ 物事をじっくり進められるという長所があるように見えるよ
     ⇒ みんなに安心感を与え、癒しを与えてくれる存在だよ

    ・「私は自主性、自発性がないんです」という部下に対して
     ⇒ 人の意見に耳を傾け、良い仕事をしてくれているよ
     ⇒ 名サポーターとして頑張ってくれているよ

  4. その他、さまざまな場面において
    ・不平、不満の多い部下に対して
    部下:「〇〇社の担当さんは気分屋で、言うことがころころ変わるんですよ」
    上司:「そうか、臨機応変な対応が鍛えられるね」

    ・なかなか成長できない部下に対して
    部下:「また、資料作成に3日もかかっちゃいました」
    上司:「前回よりも、丁寧にできてるね。内容はよくなってるから、次回は2日で仕上げよう」

    ・反論ばかりで、行動しない部下に対して
    部下:「お言葉を返すようですけど、その方法ではうまくいかないと思います」
    上司:「では、〇〇さんは、どんな方法ならうまくいくと思う?」

など

このような言葉のかけ方1つで、ものの捉え方や視点が変化します。それはさらに、結果を出すためのきっかけになり、あなたとの関係性をより良好にすることへもつながります。

このような言葉の働きかけを、心理学NLPでは「リフレーミング」と言います。詳しくお知りになりたい方は、以下の記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。

■7.目的とゴールを共有する

目的とゴールは常に明確に共有しましょう。これも部下とのコミュニケーションで重要なポイントです。

「部下がなかなか行動しない」「部下のやる気を感じない」、こうした悩みに直面したときには、部下に「仕事の目的とゴール」が伝わっているかを振り返ってください。人は「なぜやるのか」「なんのためにやるのか」が腹に落ちていないと、全力で前に進みにくく、能力を発揮しにくくなります。

さらに、「やらされている」という感覚に陥ってしまいます。やらされている、という意識下では、仕事を単なる作業としか思えず、意欲的に取り組むことはできないのです。

そこで、部下に指示をするときには、目的とゴールをあわせて共有しましょう。
目的とゴールを共有するときには、「どんなメリットがあるか」を、具体的にイメージしやすい言葉を添えると、尚よいです。

【目的とゴールを共有する例】

× 「この顧客データを、明日までに整理しておいて」

〇 「この顧客データを来週の企画会議で使うから、明日までに整理しておいてくれるかな?企画が通れば、〇〇さんの案も話が通しやすくなるから、協力してね。」

× 「お客さんは、出口まで見送って」

〇 「お客様を見送るときは、出口まで行くといいよ。お客様が振り返ったときに、スタッフの姿があれば、余韻が残るよね。また来たいって思ってもらえて、リピートにつながるよ」

このように、目的とゴールの共有をすることが部下の心を動かし、より良い思考、感情、行動を生み、良い仕事と結果につながっていきます。

■8.悩みや問題の解決、ゴールや目標の達成について一緒に考える

一緒に考える姿勢とコミュニケーションが、「悩みや問題の解決」と「ゴールや目標の達成」に向け、部下の思考、感情、行動を変えていきます。

例えば、「ミスを繰り返してしまう部下」「同僚とうまく付き合えない部下」など。早急に改善をしなければならないケースもあります。こうした部下は、被害者意識を持ったり、悩みや問題の中に閉じこもり、視野が狭くなる傾向があります。そのため上司が介入して一緒に考えることは、部下の成長や結果に対して、非常に役立ちます。

そのようなときに使える、効果的な問いかけの例を以下にご紹介します。

【部下と一緒に考えるときに使える問いかけの例】

  • あなたにとって、最高の結果、理想的な状態はどんなイメージ?
  • 最高の状態が10点だとしたら、今は何点だろう?
    また、10点に近づくために何が必要だろう?
  • あなたの結果を止めているものは何?
  • もしも、できるとしたら(可能性があるとしたら)、解決のために何をする?
  • 尊敬する人から、アドバイスをもらえるとしたら、今のあなたに何を伝えるかな?
  • まったく知らない第三者が今のあなたと問題の状況を見たら、何というかな?
  • 今からできるはじめの一歩は何かな?

など

このような問いかけを使ったコミュニケーションは、部下の「悩みや問題の解決」「ゴールや目標の達成」に非常に役立ちます。そして、このような関わり方をすることで、自然に心の距離が縮まり、より良い人間関係を築くことができるようになります。

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まとめ

昇格し部下を持つと、これまで経験しなかった、上司の立場での悩みがあるはずです。

経験のない業務を任されることに加え、部下とのコミュニケーションにおいても、頭をつかうことでしょう。

もし、問題に直面したときは、自分の仕事効率ではなく「部下がスムーズに仕事をするには」という視点を持ってみてください。

  • どんな話の聞き方をすればよいか
  • どんな自分なら、部下が相談しやすいか
  • どんな指示の仕方なら、部下が動こうと思えるか

前述の8つの方法をフル活用していただき、あなたが変われば、必ず部下も変わります。
お互いに気持ちのよいコミュニケーションがとれれば、ストレスが無くなり、仕事が楽しくなること間違いなしです。

あなたの職場が、笑顔のたえない場所になるよう、応援しています。

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