記事のタイトルは、私が今回ご紹介する本を読んでの感想です。
私は転職後に、今回取り上げる本にある『心理学NLP』を詳しく知ることとなり、
10年以上携わる中で、特に仕事や人間関係で使える!と思うことや、
学ばれた方が、もっと早く知りたかった・・・ということがあるので、
それらを取り上げて、ご紹介していきます。
さて、今から20年以上前の学生時代、森林の勉強をしていた頃、
ダムや林道の設計や測量のほか、木を切る実習もありました。
木を切る際にノコギリで切るなら、
刃を整えておくことで、木を簡単に切ることができます。
さらに効率を上げるためにチェーンソーを使うと、簡単に切ることができますが、
きれいに切るためには、チェーンソーを使いこなせるように腕を磨く必要があります。
人が生きて行くのもこれと似ていて、自分の心を整えておくことで、
良好な人間関係を築くことができ、
さらに専門スキルとして人間心理を学ぶことで、より一層良好な人間関係を築くのがうまくなり、
人生は生きやすくなっていくでしょう。
ただし、人間心理を知ったからといって、
ガチガチに専門スキルで武装しただけでは、良好な人間関係にはつながりません。
そして、仕事でうまくいっている人や、
家族や職場の人間関係を豊かに築いている人々は、
経験も通して人間心理を知り、それを実生活に生かしています。
そこで、人間心理を知ってどのように使うのかを、
心理学の書籍の引用と、私の経験談を交えてご紹介していきます。
今回ご紹介する書籍はこちらです。
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成功心理学 プロが教えるNLP入門 芝 健太(著),居山 真希子(著),桶谷 和子 (著),出版社: GENIUS PUBLISHING
1.このような皆さんにおすすめします
この本は、このような皆さんにおすすめします。
- らくに結果を出したい
- 良い習慣を身につけたい
- 人間関係をうまく築きたい
- もっと心地よく暮らしたい
- 自信を持ちたい
- 人間関係の悩みを無くしたい
- 感情に振り回されずに生きたい
- 苦手な人ともうまく付き合いたい
- 自分を責めるのをやめたい
本の中では、NLPを学ぶと可能になる3つのこととして、以下が挙げられています。
- 目標の明確化
- 感情のコントロール
- 思考や行動のパターンを変化させる
① 目標の明確化については、例えば、『幸せになりたい』という目標があるとします。
これに対して、心理学NLPでは、幸せになるとはどういうことなのか、
行動レベルで認識できるように明確化していきます。
もしも、幸せを明確化して、「幸せとは健康に暮らすことである」と気づくと、
既に、幸せであるとわかることもあったりするのです。
漠然とした目標を抱いていると、それが達成できないと悩んだり、
どうすればいいのかわからないと苦しんだりします。
目標を明確化することで、それは悩みや苦しみではなく、
前向きな行動計画となっていくでしょう。
それにより、難しいと考えていたことが具体化、明確化して、
らくに結果を出せるようになったり、結果を出せて自信が持てるようになったりすると期待できます。
② 感情のコントロールについては、例えば、『怒りが湧いても爆発させないでいたい』と思っているとします。
怒りが湧いたとき、『なぜ、こんなに腹がたつのか?』と質問を投げかけるとします。
すると、『私はこのことがとても大事なので、それが損なわれるのが嫌なんだ。ではどうすればいいのか?』
と思考を切り替えて、感情のコントロールができるでしょう。
他にも、よい精神状態を引き起こすためのアンカリングと言った、専門的なスキルもあり、役に立つでしょう。
③ 思考や行動のパターンを変化させることについては、例えば、『人から指摘を受けると、存在を否定されているような気がして、深く落ち込んでしまう』とします。
実際のところ人からの指摘は、むしろ成長への期待があってのことだったりします。諦められてしまえば、指摘はする側も大変ですから、指摘は受けられないでしょう。
そして、ここには、自分が独自に作ってきた自分に対するイメージ(セルフイメージ)や思い込みといった、特殊なフィルターが存在しています。
このフィルターを通して思考や行動を起こしているので、その構造を知り、書き換えることで、思考や行動のパターンを変化させることが可能になるとされています。
NLPを学ぶと、目標の明確化、感情のコントロール、思考や行動のパターンを変化させることができるようになって、あなたの理想とする姿に近づくことを助けてくれるでしょう。
2.なぜ心理学なのか
たくさんの学びがある中、心理学を学ぶことを勧めるのは、それが役立つ範囲が広いからです。
心理学というと、気持ちの面の話かな?と思われるかもしれませんが、私が最も役立ったのは、人との認知の違いです。
過去の私の口癖として、
『言ってたじゃん、聞いてなかったの?』
『書いてあるじゃん!なんでしっかり読んでないの?』という言葉がありました。
この『言う、読む』というのは、情報収集の一つのクセで、
人によって違いがあります。
私はそれを理解していなかったので、
情報のやり取りで納得できないことが多々ありました。
ですが心理学の中で、VAK(視覚・聴覚・体感覚)という知覚の違いや、それらをどう使うかクセが違うことを知って、認知が違うことを徐々に理解していきました。
そうして、いろんな疑問が解消していったのです。
更には、そこに各自のフィルターが存在していて、情報の省略・歪曲・一般化や、過去の体験からの心の揺れなど、いろんなことが関連して、人の心理というのが複雑に構成されていることを知りました。
わかればわかるほど、『なんで?』ではなく、『そっか、そう捉えるんだ。』という反応に変わっていきました。
前職で勤めていた頃、心理学を全くわかっていませんでしたが、
もっと早く知っていれば・・・と思うことがたくさんあるので、
ぜひ、早めにこの本を手に取っていただきたいと思い、心からおすすめします。
3.NLPのなかで私が選んだ2つの実践的なスキル
たくさんの実践的なスキルがある中で、メタモデルとミルトンモデルの2つを、詳しくご紹介したいと思います。
本の中では4章に、『メタモデルで聞き、ミルトンモデルで話す』として取り上げられています。
この2つは、仕事でもプライベートでも役に立つと言えます。
- メタモデル
- ミルトンモデル
それぞれ、事例を交えてご紹介しておきます。
① メタモデル
メタモデルとは、欠落された情報を明確にし、言葉によるコミュニケーションを完全にしようと試みる「質問のスキル」のことです。
人は、各自の得意な感覚で情報を収集し、さらに各自の経験や体験から、様々な思い込みで作ったフィルターを通して、自分の解釈を交えて情報を処理しています。
その結果、伝えたとおりに伝わることも難しく、また思ったことを正しく伝えるのも難しいのです。
例えばこんなことです。
【皆んなとは、本当に全員なのか?】
(1) | 『皆んな新しい携帯を持っているから、私もほしい。自分だけ仲間じゃないみたい。』 |
(2) | 『クラスでは20人中5人だけど、仲良し4人の内3人が新しい携帯を持っているから、私もほしい。一緒の話題で話せないからつまらない。』 |
(1)を聞いて、「それは具体的に何人なの?」「どうして仲間じゃないみたいな気がするのかな?」と聞くことが、メタモデルで聞くことです。そして(2)を引き出していきます。
20人中5人なら、皆んなではありません。
ですが、仲良し4人組の内、自分以外3人であれば、自分以外の皆んなです。
一つには、「仲良し4人組」という情報が省略されています。
その仲良し3人のことを一般化して「皆んな」として情報を伝えています。
また「仲間じゃないみたい」なのは、「一緒の話題で話せない」という事実を歪曲して、表現しているということがわかります。
このように『メタモデルで聞く』ことで状況を明確にして、相手がどのような世界を見ているのかを知ることに役立ちます。
人は話すときも、聞くときも、情報の省略、歪曲、一般化を行います。
これらを具体的には?と確認するのがメタモデルで聞くことを意味しています。
省略 | 前提となる情報を省略して伝えます |
歪曲 | 事実を自分の感覚で曲げて捉えて伝えます |
一般化 | 一部のことであっても、皆んなそうだ、普通はこうだというように一般的なこととして伝えます |
本の中には、省略、歪曲、一般化について、詳しい内容があり、会話の行き違いを防ぐなど、即実生活に役立てていただけることと思います。
ここで一つ、気をつけたいのは練習せずに使うことです。
専門的なスキルは、冒頭で書きましたチェーンソーに相当します。
具体的にすることを覚え、ひたすらそれを使うと、相手は尋問を受けたように感じて、嫌な気がしてしまうと思います。
ご自身も経験あるかもしれません。
- 誰と?
- いつ?
- どこで?
- いつまでに?
- 何を使って?
などと、こまごまと聞かれると、『なんだその聞き方は!』とか『そんな聞き方はないだろう』『ほっといてよ!』という反発の気持ちがわく危険があります。
チェーンソーを慣れない人が使うと危険なように、専門的なスキルは、練習しながら使うことで効果的に使えるようになっていくでしょう。
②ミルトンモデル
ミルトンモデルとは、催眠療法家ミルトン・エリクソンが活用していた言語・非言語パターンのことで、相手の意識の抵抗をなくし、無意識に影響を与えながら伝えるスキルとされています。
ミルトンモデルでは、意図的に曖昧に伝えます。メタモデルの逆ですね。
曖昧な言葉を選んで伝えることで、話し手は自分の意見を押し付けるのではなく、聞き手が自分にとって最適な方向を選び取る手助けをするわけです。
ミルトンモデルにも、たくさんの種類がありますが、『前提』について見てみましょう。
例えばこんなことです。
【新しい仕事の説明をするとき】
(1) | また新しいことができるようにならなきゃいけないし、 すぐにできるようになってほしいから、早速やってみようね! |
(2) | この前やったのと同じやり方だから、 すぐにできるようになると思うので、早速やってみようね! |
ほぼ、同じことを言っていますが、音声にして言われてみると、若干の違いがあると思います。そして、言い方によっては、(1)は聞き手が焦燥感を生む可能性がありますが、(2)は「きっとできる」という思いを持てる事が多いです。
(1)が悪いという意味ではなく、『相手に、簡単だと伝えたい。早くできるようになって欲しい』のであれば(2)のほうが、その意味が伝わりやすいということです。
あなたが相手に、どういう意味合いで伝えたいのかによって、意図的に曖昧な言い回しを選んで使えることができるようになっていきます。
本には具体的なメッセージがあり、何かを伝える際に役立つことでしょう。
ここでご紹介した、省略・歪曲・一般化について、詳しいことはこちらをご覧ください。
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大人の学びでオススメしたい!意外に知らない複雑の極み、コミュニケーションモデルとは
4.林業従事者のメタファー
メタファーは比喩や例え話、あるいは体験談などを使って、本当に伝えたいことを、より相手に伝えられるようにするスキルで、ミルトンモデルの応用でもあります。
林業従事者(森林の育成や保全、木材の切り出しや加工などの業務)のメタファーは、冒頭のノコギリの話と同様で、
本の中には、著者が前職で営業部門を統括されていた頃の、詳しいお話が載っています。
「仕事で自分のスキルを磨くように」と直接的に伝えるよりも、
「ノコギリを磨いたほうがらくに良い結果が出せる」というメタファーの方が聞き手は受け入れやすく、
また動機づけにも役立つでしょう。
他にも、相手が苦しんでいるとわかったとき、それを楽にしてあげたいとしましょう。
直接的に、苦しいよね。わかるよ。という言葉が響くときもあるかもしれませんが、ひどく苦しんでいる場合、『なにがわかるっていうんだ?』と思われてしまうこともあります。
そこで、自分がとても苦しんだ体験を話し、それがどのように解決して、いまではこんなふうに役立っていると話すこともメタファーです。
人の話であれば、少し距離をおいて聞くことができます。
そして、聞きながら想像することで、自然と疑似体験をして、自分もその苦しみを解決できるとイメージしてもらえる可能性があるのです。
ですので、あなたの体験談をきっかけに、苦しみから徐々に抜け出してくれることが期待できるのです。
これが、メタファーです。
書籍には、自分とのコミュニケーションを取ることについても、詳しく載っています。中には、自分一人でできるエクササイズもありますので、試してみると良いでしょう。
この下に、本の目次を挙げておきます。気になる項目がある方は、ぜひ手にとってみてくださいね。
第1章 | NLPで解決できること実現できること 「ダメなやつ」だった私を変貌させたNLP |
第2章 | NLP(神経言語プログラミング)のしくみ 脳の構造とNLPの関係 |
第3章 | ラポール(信頼関係)形成のテクニック なぜ認めてもらえない?なぜ伝わらない? |
第4章 | メタモデルで「聞き」ミルトンモデルで「話す」 相手から最善の反応を引き出すコミュニケーション |
第5章 | NLPで自分自身とコミュニケーションする 自分とのコミュニケーション |
第6章 | NLPで「なりたい自分」になる 他者の卓越性を自分のものにするモデリング |
EXTRA | LABプロファイルで「言葉」を使いこなす 相手に伝わらないメッセージ |
※LABプロファイルとは、Language And Behavior の頭文字をとったもので、言葉と行動の関係を体系化したスキルの一つです。
ではこの後、著者についてご紹介していきます。
5.著者について
3人のプロフィールや人柄についても触れてご紹介します。
芝 健太氏
「NLP総合スクール」NLP-JAPANラーニング・センターの代表。 NLPに関しては、日本・海外における主要なNLP団体の5つのプラクティショナー認定コース、そして、5つのマスタープラクティショナー認定コース、更には5つのトレーナーコースを修了されています。
また、NLP-JAPAN ラーニング・センターの代表として、各国の複数有名NLPトレーナーと包括的な業務提携を行い、セミナーの開催や書籍の出版を行なっています。
まだNLPを知らなかった20代のころ、私は人生を十二分に楽しんでいる人やビジネスの世界で高い結果を残している人達は、共通して人間の感情や心理メカニズムをよく理解している、ということに気が付きました。
つまり彼らは人の心の動き(心理)を手に取るように理解していたのです。
そして、自分が発信するもの、時間をかけたものが自分の未来を作っています。
心理的なことから、物事の習得まで、“今の自分”は、これまで自分が何に時間をかけ
てきたかで決まっています。心理学NLPを学ぶことで、私の人生は切り拓かれていったと言えますので、ぜひこのNLPの恩恵が、多くの方に届き、より良い未来に役立てて行かれることを願っています。
居山 真希子氏
「世界最高峰4つのマスタートレーナー資格」を有するトレーナー。
先述の芝氏とブログのアクセスから偶然出会い、惚れ込まれて講座を担当することになりました。心と身体の両方にアプローチできるトレーナーでありセラピストです。
彼女自身、NLPに出会い、自分を癒し、本当の自分を知る素晴らしさを知ることとなり、それと同時にどんどん好転していく人生を経験されました。
そして、NLPを学んでいく過程で、本当に自分が大切にしているものを知り、自分自身を認めていくことができるようになる。そしてありのままの自分でいる素晴らしさを知り、それを広める活動に全力を注いでいます。
居山氏を師事し、生まれ変わりのような体験をされた方からは、第二の母と慕われてもいます。
桶谷 和子氏
オフィス プレゼント代表、(株)ジーニアス・ブレイングループ事業開発本部COO(最高執行責任者)。
広告コピーライターとして日本企業・外資系広告代理店等に勤務し、25年超のキャリアをお持ちです。幅広い業種に渡る多数のクライアントの広告に企画段階から関わり、TV・ラジオCM、新聞・雑誌広告、ポスター、マルチメディア複合キャンペーン等を提供されています。
TCC新人賞、読売広告賞銀賞、ロンドン国際広告賞ファイナリスト、AME(アジア・マーケティング・エフェクティブネス賞)グランプリなど、国内外広告賞の受賞など多数。(コピーライターとしては、"もりやかずこ"の名でフリーランスで活動中です。)
そしてNLPを学ばれ、「心に届く言葉」が見つかる瞬間は、いつも、無意識とつながる過程から生まれていたことに気づきNLPのトレーナーになられました。情熱的な『人を応援したい』という在り方や講義は多くの方に愛されています。
心理学に興味があって、NLP体験講座ってどんなものだろうか?と思われる方は、こちらの詳しい体験談をどうぞ。
↓
NLP-JAPANラーニング・センターの「NLP体験講座」に参加してきました
※体験談は2019年の内容で、現在は東京・名古屋・大阪・福岡の会場に加え、オンライン視聴も可能です。2時間半で2,200円のNLP体験講座から始めてみてはいかがでしょうか。
↓
NLP体験講座
まとめ
今回、【NLP入門】の本をもとに、実際に役立つスキルなどをいくつかピックアップして、事例や体験談を交えてご紹介しました。
近年、人の脳や心、身体の仕組みは、徐々に解明されてきましたが、まだまだわからないことはたくさんあります。
NLPという実践心理学も、徐々に現在も進化しながら新しいスキルが見つけ出されています。
新しい学びだからこそ、知っておくことが人生をより生きやすくしてくれることと思いますので、ぜひ、手にとっていただきたい一冊です。