コミュニケーション

【図解】で解るコミュニケーション能力!効果的に高める8つの厳選スキル

あなたは今、仕事での結果や評価、そして人間関係に満足していますか?

もしもあなたが、今身を置いている環境や人間関係に満足しておらず、今よりもっと満足いく状況を得たいと考えているのでしたら、きっとこの記事を役立てていただけることと思います。

仕事では結果や評価、収入を左右し、
人間関係では、人とどのような関係性を築くかに影響する。

そこには「コミュニケーション能力」が大きく関係しています。

経団連の調査では、選考時に重視する要素として12年連続で「コミュニケーション能力」が第1位になっていることは多くの方が知るところです。
(参考:https://www.keidanren.or.jp/policy/2016/012_gaiyo.pdf

その背景には、世代間のギャップ、価値観の違いはもちろんのこと、コミュニケーションツールの発達によって、対面でのコミュニケーションが希薄になりつつあるのではないでしょうか。

ビジネスの現場や世間で、私たちには「コミュニケーション能力」が最も求められていながらも、

  • 人と人とのコミュニケーションがどのように成り立つのか?
  • そもそもコミュニケーション能力って何?どうして必要なのか?
  • どうすればコミュニケーション能力が鍛えられるのか?

一方では、こうしたことを自ら知ろうとしない限り、学ぶ機会はほとんどありません。

記事の中では、コミュニケーション能力を理解し、効率よく高めていくための、対人コミュニケーションの要素を厳選し、レベルアップしていくための段階を明確にしました。

あなたが今、どのレベルにいてもまったく問題ありません。
自分の現状と次の段階が明確になっていれば、ご自身のペースで上を目指すだけです。

あなたがもっと人間関係を楽にしたり、仕事でもっといい結果や充実感を得ていくために、もっと自由に自己表現するために、この記事を役立ててください!

監修:日本コミュニケーション能力認定協会

コミュニケーションの専門機関として “満足度99.3%” の『コミュニケーション能力認定講座』を開催。日本教育推進財団が監修し、19万人の指導実績に基づくコミュニケーション・カリキュラムは、信頼の獲得・リーダーシップの発揮・営業や交渉での成功・人間関係の構築に効果的。メディアからも注目されている。

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1.コミュニケーション能力とは?

コミュニケーションイメージ

「コミュニケーション」という言葉を辞書で引くと、「意思の疎通:人と人が双方向で考えを伝え、理解をしあうこと」とあります。

つまり私たちが日々行う、人と人とのコミュニケーションとは、突き詰めると「人を理解すること」「人に(自分を)理解してもらうこと」なのです。

すると、その能力=コミュニケーション能力とは、人を理解し、人に自分を理解してもらう能力のことだと言えます。

あなたが言いたいこと、考え方、あなたがどんな人物かを誰かにわかってもらうために、そして周囲の人が何を言いたいのか、どんな考えを持っているのか、どのような人物かを理解するためにコミュニケーションがあります。

コミュニケーション能力の重要性がうたわれるのは、社会の中で人と関わる以上、お互いがその中でより生きやすく、あらゆる活動をスムーズにするために欠かせない能力だからなのです。

1-1.【図解】コミュニケーション能力の2つの構成要素

コミュニケーション能力とは、意思疎通によって人を理解し、人に理解してもらう能力だとお伝えしました。具体的には、以下の2つの能力で構成されています。

  1. 「伝える(話す)能力」
  2. 「受け取る(聴く)能力」

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図のように、コミュニケーションは、情報を「伝える側」と「受け取る側」の2者に分かれ、そのどちらかまたは一方に目的があって行われます。
そして情報を伝えることも、受け取ることも、様々な要素によって成り立っていることがわかります。

さらに、各要素の能力や精度を高めるために様々なスキルが枝葉のように広がっており、それらを総合して「コミュニケーションスキル」と捉えることができます。

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さあ、コミュニケーション能力を高めよう!と思ったものの、膨大なコミュニケーションスキルがあって、何をどこから取り組めばいいのかわからない・・・
そうして、小さな枝葉の部分ばかりに集中してしまうこともあります。

どのスキルも大事なものですが、すべてを極めようとすれば何十年とかかるかもしれません。

あらゆる学びと同じように、コミュニケーション能力を高めていくにも、理にかなった順番があります。

いかに効率よく学び、能力を高めていくか。
その優先度合いが高い、根幹の部分にまずは厳選してスキルアップをしていきましょう。

コミュニケーションに磨きをかければかけるほど、その結果、今とは比較にならない大きなメリットをあなたは手にすることができるのです。

1-2.コミュニケーション能力を高める究極のメリットとは?

成功の鍵

私たちの人生において、

  • 人間関係を左右するもの
  • 影響力を決定づけるもの
  • 人生の選択肢や可能性を広げるもの

その決定的な要素が「コミュニケーション能力」です。

コミュニケーション能力を高めていくことで手にするメリットはあなたの人生の質を高めることに他なりません。

私たちが社会で生きていく上で、人との関わりは必須です。
仕事はもちろん、組織に属していなくても、家族や親戚、友人知人など、私たちはあらゆる場面で人と関わりながら生きています。

そして、その関係性の良し悪しを左右するのはコミュニケーションです

例えば仕事においては、
私たちは、職業や職種に関係なく、常に人との関わりで仕事が生まれ、進んでいきます。

それは、メールや電話といったツールを介していたとしても、その先には必ず人がいますし、何かを作り出す仕事であっても、それを作るのも使うのも人です。

ですから、あなたが今、ご自分のビジネスの結果や成し遂げてきたこと、あるいは周囲からの評価、収入面の評価。
そして、人に与えるあなたの影響力。

こうしたことの結果には、信頼関係を築くコミュニケーションがベースにあります。

プライベートの人間関係では、

共に人生を歩むパートナーや家族、そして友人知人や地域の人たちとの交流、協力関係。
こうした関係性は、人生の充実度に大きく影響していきます。

多くの時間を一緒に過ごす家族やパートナーとの関係が、ぎくしゃくしていたり、不安・不満を抱えているとすれば、あなた自身のストレスでもありますし、周囲へもそれが影響します。

あなたが今、人間関係にストレスを感じていたり、または強い信頼関係があるにしても
やはりその状況は、コミュニケーションによって生まれているのです。

あなたはどちらの人生を望むでしょうか。

一方は、周囲に信頼できる人がおらず、新しい出会いに期待することを恐れてしまう。
常に心にあるのは他人に対する恐怖、不安や拒絶、あるいは自分に対する自信のなさ。
こうしたものに支配される人生を選んでいくのか、

もう一方は、仕事では人望や影響力のもとに人が集まり、友人知人、家族や恋人との間にも信頼しあえる人間関係が築かれている。自分の美しい面も醜い面も含めて認めてくれる人がいる、という安心感や充実感のある人生を選んでいくのか。

おそらく多くの方が、後者を望むのではないかと思います。

あなたがどのような人間関係を築き、どのような結果や環境を作っていくのかは、あなたのコミュニケーション次第で選択可能なのです。

1-3.コミュニケーションの真実

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ただし、あなたがコミュニケーションを学び、能力を高めていく上で、まず先に知っておくべきことがあります。

私たちが100%(=完全に)意思疎通できることはない。
これがコミュニケーションの真実です。

私たちは誰もが異なる遺伝子を持って生まれ、異なる環境に暮らし、異なる人と接してきました。
ですから、同じ体験をしたとしても、得る学びや経験、感情・・・
そしてそれらに対して意味づけすることも異なるのです。

例えば、子どものころから犬を飼い、可愛がって育ててきた経験がある人にとって、犬とは可愛い存在でしょう。
一方で、子どものころに犬に追いかけられて怖い経験をしたことがある人にすれば、犬とは怖い存在だと捉えているかもしれません。

こうした1つ1つの体験、そこから得た感情、捉え方もすべてが違う以上、自分が得た経験、見たもの聞いたことを、そのまま同じように人に理解してもらう、ということは完全にはできません。その逆、相手を同じように理解することに関してもです。

しかしコミュニケーションによって、
初めてどうして犬が怖いのか?その理由を知ることができ、そして相手の気持ちも知ることができるようになります。

人はそもそも違うのだ、コミュニケーションとは伝わりづらいものだ
改めてこのことを大前提として理解しておきましょう。

だからこそ私たちはコミュニケーション能力を高め、スキルを磨き、限りなく意思疎通を100%へ近づけていく努力をするのです。

少しずつでも、その能力を磨いていきましょう。

2.コミュニケーション能力を極める!レベルアップの4段階

効率よくコミュニケーション能力を高めるために、まずはレベルアップの段階(ステップ)を知っておきましょう。根幹になるのは、この4つです。

  1. 信頼の段階
  2. 傾聴の段階
  3. 伝える段階
  4. 相互理解の段階

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スムーズなコミュニケーションとは「信頼関係」という土台があって初めて成り立ちます

例えば初対面の人に対して、自分のことを何でもかんでも話す人はそういません。
同じように、もしあなたが初対面の人から仕事での悩みや人間関係のことを聞かれたとしたら、不躾な人だなと警戒心を抱くかもしれませんよね。

苦手だなと感じている人に対して何でも相談できるかと聞かれれば、できる限り距離を置きたい、自分のことには関わらないで欲しいとさえ感じるかもしれません。

すべては、この人になら安心して話せる。この人は理解してくれる、という信頼関係ありきです。

ですから、コミュニケーションのスタートラインは、レベル1「信頼の段階」からです。

「信頼関係」という土台が築かれていないこの段階では、お互い相手の話を聴こう、理解しようという気持ちよりも先行し、自分の言いたいことを話し、相手の話を自分の解釈だけで受け取る。
あるいは当たり障りのない話にとどめる。この状態では意思疎通するのはとても困難です。

まず初めに、樹木を支える根を張るように、相手との信頼を築くことが大前提です。

レベル2では、信頼関係の土台が築かれたものの、「コミュニケーションの真実」に阻まれ、決してスムーズなコミュニケーションではありません。
この段階では、相手の言いたいことを理解しようとしても理解できず、また伝えたいことが思うように伝わらないフラストレーションがたまります。

このステップは、「コミュニケーション上手は聞き上手」の言葉どおり、
聴く能力を身につけて、相手の意思をより正確に受け取っていく「傾聴の段階」になります。

レベル3「伝える段階」では、信頼を築く力、そして相手の言葉を聴き取る能力が身についた状態です。この段階では、相手の理解に合わせて伝える能力を身につけていきます。
自分主体ではなく、相手に合わせてコミュニケーションを行うことがこのレベルでのポイントです。

レベル4「相互理解の段階(心をくみ取る段階)」では、互いの意思疎通をさらにスムーズにして、相互理解を深めていきます。例えば相手からの言葉以外のメッセージもくみ取るスキルを身につけること。そして俯瞰的な視点を持ってコミュニケーションを行う能力を身につけていきます。

この段階になると、コミュニケーションへのストレスもほぼなく、さらに信頼関係も強固になっていきます。
コミュニケーション能力を高めることでの多くのメリットも実感しているかもしれません。

それでは次に、4つの段階ごとに様々なスキルがある中で、効果が高く、かつ実践的なスキルを8つに厳選して紹介していきます。

日常のコミュニケーションで実践してレベルアップしていきましょう。

※コミュニケーションに関しては、こちらの記事もおすすめです。

3.コミュニケーション能力を効果的に高める8つの厳選スキル

3-1.レベル1「信頼の段階」:信頼関係を築く

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3-1-1.ミラーリング

ミラーリングとは、心理学、コーチング、カウンセリングなどで用いられる信頼構築のための「ラポール・スキル」の1つです。言葉のとおり「鏡合わせ」のように、相手の動作や姿勢、表情などの目に見える部分に合わせるスキルです。

例えば、相手があなたの正面で右足を組んで椅子に座っているのであれば、あなたも足を組んで、鏡に映っているように左足を組みます。また手を組んで考え始めたら、あなたもさりげなく手を組んで相手に合わせます。

表情も大切なポイントで、真剣な表情になったら、あなたもその表情で対応し、相手が笑顔で話しているなら、あなたも笑顔で話しを聴きましょう。

ミラーリングする上でのポイントは、さりげなく、自然に行うことです。

例えば、初対面の相手と信頼関係を築くぞと、相手が腕を組んだらすかさず腕を組む。
コーヒーカップを手にしたら、自分もカップを手に取る。
こんな風に相手が不自然だと思うような猿まねでは、かえって不信感を持たせてしまいます。

さりげなく、その場の雰囲気や会話の中で自然に行うようにしましょう。

3-1-2.ペーシング

ペーシングとは、ミラーリングが目に見える部分を合わせることに対して、目に見えない部分、話しのスピード、声の大きさ、声のトーン、口調、そして相手の呼吸などに合わせていくことです。

例えば、小さい声で話す相手に対して、あなたが大きな声で話す、ゆっくりした口調の相手に、あなたが早口で話す。

こうしたミスマッチが起きていると、相手はあなたに対して威圧感や急かされる感じを受けるなどし、コミュニケーションが取りづらくなってしまいます。

よく、仲の良い関係のことを「テンポが合う」「息が合う」などのように表現しますが、信頼関係が築かれている間柄では、まさにペースが合っていることがわかります。

気分よく、安心して話してもらうためには、相手のペースに合わせることが大切です。

これらミラーリングやペーシングを含む「ラポール・スキル」がなぜ効果的なのかというと、人は、似たもの・同じものに好感や安心感を持つという「類似性の法則」が働くからだとされます。

仲の良い恋人同士が同じものを持っていたり(ペアルックなどもありましたよね)、長年一緒にいる夫婦が似てくるというのは知られたことです。
このように信頼が築かれている間柄では、仕草や趣向なども似てくる傾向にあります。

初めて会った人とであっても、相手が同じ出身地の人だとわかった時。あるいは共通の趣味があったりすると、途端に会話が弾み、安心感や好感を覚えたことがあるかもしれません。

つまり、ラポール・スキルは、相手に合わせ、信頼関係がすでに築かれている状態を意識的に作り出すことを可能にします。

※ラポール・スキルをもっと詳しく学ぶには、こちらの記事もおススメします。

  • ラポール形成の決定版!プロが教える信頼関係を生み出す秘訣
  • 3-2.レベル2「傾聴の段階」:聴き上手になる

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    3-2-1.傾聴

    「聴き(聞き)上手は話し上手」という言葉があるように、話を聴くことで相手が心を開いて話をしてくれたり、相手の話からポイントを拾ってどんどん広げていくことができます。

    カウンセリングやコーチング、心理学の世界では話を聴くことを「傾聴」と言います。

    クライアントのことをよく知るために、相手に本音を話してもらうために、聴くことはコミュニケーションにおいてとても重要だとされています。
    ですから、傾聴することは人と関わる基本姿勢でもあります。

    「会話が続かない」「何を話せばいいかわからない」こう悩む人によく見られるのが、「コミュニケーション」=「話す」ことに偏って捉えてしまいがちです。

    コミュニケーションも会話も、相手とのキャッチボールです。
    投げてばかり、自分の話ばかりでは成立しませんし、自分が何を話せばいいかに気持ちが向いていては、相手に意識が向いていないということが相手にも伝わってしまうものです。

    意思疎通するためには、相手の話をしっかりキャッチすることを心がけましょう。

    傾聴のポイントは以下の3つです。

    • 相手の話を最後まで聴くこと(途中で遮らない)
    • 相手の話を否定しない。仮に考えが違っても、違いを受け入れること
    • うなずき、相槌で「あなたの話を聴いています。わかっています。」と示すこと

    どれも、相手に関心を持っていれば、思った以上に簡単なことです。
    キャッチボールを続けるために、目の前の相手に興味や関心を持って、丁寧に話を聴いてみてください。

    3-2-2.バックトラッキング

    バックトラッキングとは、信頼関係を築く話の聴き方のことです。

    相手が発した言葉をくり返して、会話をすすめていく方法で、日本のカウンセリングの世界では「オウム返し」とも言われていたりします。

    日常会話でも、ビジネスシーンでも、コミュニケーションを円滑にし、会話を促し、そしてコミュニケーションミスを防ぐことにもつながります。

    相手 :「昨日○○部長から急に呼び出しがあってさ。」
    あなた:「急に呼び出しがあったの?」
    相手 :「そうそう、もう何かと思ってびっくりしたんだけど・・・」

    このように、相手が言った言葉を返していくことで、会話がスムーズに進みやすくなります。

    バックトラッキングがなぜ効果的かというと、話しをしている相手にとってみれば、自分の言った言葉が正しく返ってくるので、この人(聴き手であるあなた)は、私の話をわかってくれている、という安心感・信頼感を与えることになるからです。

    相手 :「昨日○○部長から急に呼び出しがあってさ。」
    あなた:「怒られたの?」
    相手 :「いやいや、そうじゃなくて・・・。」

    このように、バックトラッキングをせずに会話を進めていくと、相手はいちいち話を戻したり、伝え直したりしながら会話を進めることになるので、ストレスになります。
    特にビジネスシーンであれば、話の伝わらない人は、指示や依頼もしづらくなるでしょう。

    活用するときのポイント以下の3つです。

    • 相手が使った言葉をそのまま返す(言葉を変えない)
    • 感情や気持ちを返す
    • 話の要点、要約を返す

    相手の伝えたいこと、要点を押さえるためにも、傾聴してしっかりと返していきましょう。

    3-3.レベル3「伝える段階」:わかりやすく伝える

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    3-3-1.結論・目的・5W1Hを明確にする

    わかりやすく人に伝えるためには、「伝えたいことは何か」「この話を聞いてどうなってほしいのか」・・・つまり結論や目的を明確にします。

    話がわかりづらくなってしまう人にありがちなのが、話のポイントや、コミュニケーションの目的があいまいになってしまうことです。
    つい思いつきで話して、「結論は何が言いたいの?」と言われてしまった経験があるならば、改善の余地ありかもしれません。相手にとってわかりやすく話すために、会話も計画が大切です。

    結論から先に述べるという、ビジネスコミュニケーションのマナーがあるのは、そもそも何の目的でこの話をしているのか、何が言いたいのかを先に相手にわかってもらうためです。
    それによって、忙しい相手でも素早く状況を理解し、判断ができるというメリットがあるからです。

    特にビジネスシーン、ビジネスメールでは以下の2点を意識しましょう。

    • 結論、目的を明確にして初めに伝えること
    • 主語、5W1Hを明確にする

    この2点をまったく意識せずに話す場合と、意識して話す場合ではコミュニケーションが大きく変わります。

    例えば上司へ、クライアントから納期を早めて欲しいという依頼があったことを相談する場合、

    一から話し始める人は・・・

    「今日〜〜様のところへ訪問したら、○○専務がいらっしゃいました。専務がおっしゃるには、A商品の在庫が切れそうだとのことです。最初の納期は○月○日だったのですが・・・。」

    このように起こった出来事をそのまま話していくため、上司は長々と聴き続け、どこに肝心の相談内容があるのかを、聴き取ることに頭を使わなければなりません。

    2点を意識して話す人は・・・

    「A商品の納期のご相談です。〜〜様からA商品の納期を○月○日に早めたいとご相談がありました。」

    このように、聴く側の上司は、まずコミュニケーションの目的を知らされるので、何の話なのかがわかり、その話を聴く準備をすることができます。
    また、結論や要点は何かが明確にわかるため、話を聴き取ることではなく、話の内容(相談内容)に頭を使うことができます。

    特にビジネスシーンでは、報告・連絡・相談といった基本ほど正確さが求められます。
    この2つのポイントをしっかりと押さえて、コミュニケーションをもっとスムーズにしていきましょう。

    3-3-2.喩え話(メタファー)を活用する

    いかに相手にわかりやすく伝えることができるか?
    そのヒントは、多くの人が小さいころから慣れ親しんだ日常の中にヒントがあります。

    それが、喩え話です。

    TVアニメの「まんが日本昔ばなし」や「アンデルセン童話」などを読み聞かされたり、くり返し観た記憶がありませんか?
    そして小さな頃の記憶なのに、なぜかストーリーは鮮明に覚えている。

    悪いことをすれば必ず罰を受け、正しいことをし、正直であれば最後には幸せな結末が待っている。
    例えばこうした多くのストーリーに感情移入をしたり、登場人物と自分を重ねたりしながら、私たちは物語の本当に伝えたいメッセージを受け取ってきました。

    これが、「喩え話」「比喩」を効果的に用いることの効果。
    専門的には「メタファー(注1)」とも言われ、催眠療法などにも用いられます。

    メタファーを使うことのメリットは、自分の考えや意見をそのまま直接的に伝えるよりも、人の経験談やことわざ、寓話、他人の話を借りてきて伝える方が、相手に対しての説得力が格段に上がるのです。

    例えば、将来はプロ野球選手になりたいという子どもに対して、「地道に練習すればうまくなれるよ。」と、ただ言うだけでは、子どものモチベーションにはつながらないでしょう。

    そこで、野球界で偉業を成し遂げたイチロー選手のエピソードを借りて、

    「イチロー選手も小学生のころからプロ野球選手を目指して、365日休まずにキャッチボールとバッティングの練習をしていたそうだよ。毎日少しずつでも練習を続けよう。」

    このように伝える方が遥かに説得力があり、自分もイチローのように頑張ろうと、モチベーションが湧くのではないでしょうか。

    わかりやすいメタファーを使うことのポイントは以下の2つです。

    • シンプルな言葉を使う
    • 数より精度の高さを重視する

    プレゼンテーションなど不特定多数に対して話す時は特に、誰もがわかる言葉や表現を使うことです。

    また、伝えようとするあまり、様々なメタファーに置き換えて説明をしてしまいがちですが、これでは、かえって伝えたいことがぼやけてしまいます。

    たった1つのメタファーですべてが伝わるくらい、研ぎ澄まされた言葉を使うために、

    「言葉の置き換え・言い換え」
    「まったく別のものに喩える」
    「言葉のストックを増やす」

    これらを日頃から行っていくと役立つでしょう。

    注1:催眠療法で用いるメタファーとは、セラピーの現場でクライアントの潜在意識にメッセージを効果的に伝えることを手法として体系化したもの。天才催眠療法家ミルトン・エリクソンの用いた様々なメタファーの手法が、心理学NLP(注2参照)ではミルトン・モデルとして体系化されている。

    3-4.レベル4「相互理解の段階」:多角的なコミュニケーション能力を身につける

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    3-4-1.ポジション・チェンジ

    コミュニケーションの上級者、優秀なコミュニケーターの特徴は、多角的に物ごとを捉え、考えることができることです。

    「自分の視点」「相手から見た視点」「第三者から見た視点」
    この3つです。

    誰しも、自分の立場や視点、価値観を中心に物ごとを見ています。
    すると、人のそれと、自分との違いに気づかず、相手の気持ちを理解できなかったり、すれ違い、ぶつかりあったり、自分の考えを押しつけることになってしまいます。

    相互理解の段階では、相手から発信されるメッセージからだけでなく、相手の立場や気持ちになって相手への理解を深める領域です。

    子どもを持って、初めて親の気持ちがわかった。
    後輩や部下を持って、先輩や上司の気持ちや言っていたことがわかった。
    あなたにもこんな経験はありませんか?

    この3つの視点を持つことで、どのような状況でも、どのような相手に対しても、常に客観的に物ごとを見ることを可能にします。
    例えばビジネスの交渉の場では、相手との関係をwin-winに導くことや、お互いの譲歩案を引き出すこともできるのです。

    実際に相手の立場を体験するための、セラピーから生まれた手法を紹介します。

    フリッツ・パールズらによって編み出されたゲシュタルト療法というセラピーでは、相手の役割を演じることで、相手の視点、考えや気持ちになってみること、あるいは相手へ伝えたいこと(または相手から自分へ伝えたいこと)を探り、気づきを得る「エンプティ・チェア」という手法があります。

    そして心理学NLPには、この手法をセラピーの現場でなくとも、より日常的に実践できる「ポジション・チェンジ」というスキルがあります。NLPでは第三者の視点を加えることで、より多角的に物ごとを捉えること、視点を持つことを可能にしました。

    ここで、あなたが「ある相手との人間関係で問題を抱えている」という状況を想定して、ポジション・チェンジの大まかなステップをご紹介します。

    実際に体を動かし、自分が「相手」「第三者」の位置に入る(立場に立つ)、という体験をすることで、相手と第三者の視点を手に入れることができる、というエクササイズです。

    まずは3つの視点の位置を特定することからスタートします。

    (1)位置の特定

    1. 「自分」「相手」「第三者」の位置を、上記の図のように特定します。
      「自分」と「相手」の位置にはイスを準備し、向き合うように置きます。
      「第三者」は、その2人を客観的に見る位置に特定します。

    (2)自分の位置

    1. 「自分」のイス(位置)に座り、目の前の「相手」の位置に、相手が座っているものとして相手の姿をよりリアルにイメージします。
    2. 「自分」の位置で、その問題に対しての自分の考え、意見などをめぐらせ、「相手」の位置向かって、相手がいるものとして伝えます。

    (3)第三者の位置

    1. 「自分」の位置に自分の感情や体を置いてきた(切り離した)ものとして、「第三者」のポジションに立ちます。
    2. 「第三者」のポジションから2人を客観的に見て、その関係や状況を観察します。2人がどのような状況なのか、どうすれば2人にとって良い方向に向かうのかといった視点を持って客観的に見ていきます。

    (4)相手の位置

    1. 「相手」の位置に自分が座ります。この時、相手への感情は一度ゼロにして、完全に相手の体の中に入り込むようなイメージで座り、「自分」の位置を向きます。
    2. 「相手」の感情や考えになり切って、正面に座っている(イメージとして)「自分」を観察します。
    3. 「自分」の位置から「相手」に伝えた言葉を受け止めます。相手の気持ちや感情で、それをどう感じるかを十分めぐらせて、正面の「自分」に向けて伝えます。

    (5)第三者の位置

    1. 「相手」の位置に自分の感情や体を置いてきた(切り離した)ものとして、再び「第三者」の位置に立ちます。
    2. (2)のbと同様に、客観的に2人を見て、その関係性や状況を観察します。

    (6)自分の位置

    1. 「自分」の位置に座り、(4)のcで「相手」から自分に向けられた言葉を受け取ります。
    2. 相手の言葉や(2)〜(5)までの体験を踏まえて、改めて自分の気持ちや、問題の捉え方がどのように変化しているかに気づきを向け、どのようにすれば関係が改善されるのか、具体的にできることは何かを考えていきます。

    (7)第三者の位置

    1. もう一度「第三者」の位置に移動し、2人の関係を客観的に見て観察します。
    2. ポジション・チェンジを始めた一番最初に「第三者」が見た2人の関係と、現在の関係との変化や、これからの2人の関係にどのような可能性があるかを確認します。

    以上がポジション・チェンジのステップです。

    実際に視点を移動させることが理想で、より大きな気づきや体験がありますが、時間や場所が限られている場合、頭の中でイメージして行うことも可能です。

    この3つの視点で物ごとを捉えたり、相手の気持ちを察することができると、あなたの判断や人間関係の選択肢が大きく変わります。
    あらゆるシーンでこの3つの視点を持つことができるよう、日頃から習慣づけしてはどうでしょうか。

    3-4-2.メタモデル

    私たちには、相手の持っている情報をより具体的に理解するために、ある決まった質問のパターンがあります。そしてそれを体系化したものをメタモデルと言います。

    日頃から、私たちは自分の気持ちや考え伝える時に、その情報を無意識のうちに「省略」「歪曲」「一般化」しています。

    例えば、このようなケース。

    「彼から無視されているの。」
    と友人が言ったとしたら、多くの人は「それは辛いね。」とか、「何があったの?」と言葉を切り返すことと思います。無視されていることが事実になり、そんな彼女に対して言葉をかけるのです。

    あるいは、「みんなあの映画はつまらなかったって言っているよ。」
    と同僚が言ったとしたら、「そうなんだー。」「見るのやめようかな。」と反応するかもしれません。

    しかし、これらの言葉にも「省略」「歪曲」「一般化」が行われています。

    • 省略:人と話す時に、自分が持っている情報のすべてを言葉にしているわけではない。必要だと思うこと、伝えたいことに情報を絞っている
    • 歪曲:事実をありのまま伝えるのではなく、自分の解釈を加えて理解した情報を言葉にしている
    • 一般化:一部の出来事を全体にあてはめて、自分が決めつけた思い込みを話している場合もある

    この言葉での「歪曲」とは、無視されているという「本人の思い込み」のことです。
    友人は、どのような態度から無視されていると感じたのでしょうか

    連絡がないのでしょうか。会っても話しを聴いてくれないのでしょうか。
    この言葉の中には、そうした根拠になる事実が「省略」されています。

    彼から連絡がないのだとして、もしかするとただ単に彼が忙しくて連絡ができないのかもしれません。
    その事実が思い込みによって「歪曲」された情報となるのです。

    そして、「みんながそう言っている」という言葉も、相手に自分の意見を聞き入れて欲しい時、説得したい時などによく使われます。
    たまたま友人2人から、立て続けに「あの映画がつまらなかった」と聞いただけかもしれません。

    自分にとって影響の大きい人や、自分が接した数名のうちの複数が言っていた、という小さな枠の中で、それを「みんな」という全体の声として「一般化」してしまいます。

    こうして、私たちの発する言葉からは多くの情報が欠落していきます

    この欠落した詳細な情報、あいまいな情報を明確にする質問のパターンがNLPの「メタモデル」です。

    メタモデルの13の質問パターンは以下の通りです。

     パターン質問
    省略指示指標
    (何を示しているのかが削除されている)
    例)このメモを渡しておいて。
    誰が?いつ?何が?どこで?
    どのように?
    例)誰に渡しますか?
    不特定動詞
    (特定の行動がどのように行われているのかがあいまいである)
    例)この仕事、やってもらえるかな。
    具体的にどのように?
    どうして?
    例)どのようにやればいい?
    比較
    (比較対象が省略されている)
    例)私、プレゼンが下手なの。
    何と比べて?
    例)誰と比べて下手なの?
    判断
    (評価・判断基準が省略されている)
    例)これは素晴らしいアイディアだ。
    誰が決めた?何を基準に?
    例)それはどのような基準ですか?
    名詞化
    (プロセスが抽象化した名詞になる)
    例)努力しています。
    誰が、どのように?
    どのような?
    例)どんな努力をしているの?
    歪曲前提
    (何かの前提が隠されている)例)彼にはまだ無理だ。
    何がそう思わせたの?どうしてそう信じたの?
    例)なぜ無理だと思いますか?
    因果関係
    (X=Yの原因が隠されている)例)雨が降ると売上が悪い。
    どうしてXがYの原因?
    Xが原因でないとすると、Yはどうならなければいけない?
    例)雨が降ると、具体的にはどんな理由で売上が悪くなるの?
    憶測・マインドリーディング
    (他人の気持ち、考え方がわかると決めつけている)
    例)きっと彼は傷つくよ。
    いったいどうしてそれがわかるの?
    例)どうして彼が傷つくとわかるのですか?
    一般化可能性の叙法助動詞
    (できない・無意識のうちに限界を持つ)
    例)私にはできませんよ。
    もしできたとしたら?止めているものは何?
    例)どうしてできないと思うの?
    必要性の叙法助動詞
    (べきだ、べきでない)
    例)従来のやり方を変えるべきではない。
    もし、そうしないとどうなる?
    もし、そうしたらどうなる?
    例)もし変えると、どんなことが起こるのですか?
    普遍的数量詞
    (例外を排除してしまう)
    例)部長はいつも認めてくれない。
    すべて、あらゆる、いつも、誰でも、ひとつも…ない、決して…ない
    例)ただの1度も認めてくれていないのですか?

    私たちには、そもそも言葉に対して持っている意味や感情、捉え方が異なるというコミュニケーションの真実があります。

    相手とのコミュニケーションの中で、お互いの「省略」「歪曲」「一般化」を明確にして、情報の理解を100%に近づけることを可能にしていきます。

    つまり、相手の言葉以外にある相手の本意や考えを理解すること、さらには相手が思い込みによって、自らを制限してしまっている可能性から解放することにもつながります。

    準1級A
    準1級B

    4.まとめ

    私たちが日々行う、人と人とのコミュニケーションとは、突き詰めると、
    「人を理解すること」「人に(自分を)理解してもらうこと」です。

    すると、その能力=コミュニケーション能力とは、人を理解し、人に自分を理解してもらう能力のことだと言えます。

    コミュニケーション能力の重要性がうたわれるのは、
    社会の中で人と関わる以上、お互いがその中でより生きやすく、あらゆる活動においてそれをスムーズにするために欠かせない能力だからなのです。

    例えば仕事での結果、周囲からの信頼や、収入面での評価では、人を動かす影響力や人望が不可欠です。
    そして家族やパートナー、友人知人などとの認め合える関係。
    こうした結果・関係すべてにおいて、そのベースにはコミュニケーションがあります。

    この記事では、コミュニケーション能力を高める4つの段階を元に、必要最小限に厳選した8つのスキルをご紹介します。

    あらゆる学びと同じように、コミュニケーション能力を高めていくにも、理にかなった順番があります。

    いかに効率よく学び、能力を高めていくか
    その優先度合いが高い、根幹の部分にまずは厳選してスキルアップをしていきましょう。

    コミュニケーションに磨きをかければかけるほど、その結果、
    今とは比較にならない大きなメリットをあなたは手にすることができるのです。

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