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ヘルマン・ヘッセの苦渋に満ちた人生と、今こそ読みたいヘッセの7冊

ヘルマン・ヘッセはドイツに生まれ、
スイスに帰化した作家で、

数々の名著を世に送り出し、
ノーベル文学賞も受賞されています。

日本では、
「車輪の下」が推薦図書に選ばれたり、
「少年の日の思い出」が70年以上も教科書に載り、
うっすら記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、これらの本の個人的な感想としては、
後味の悪さが記憶に残っているのは否めませんでした。

子供時代に読むには、
理解し難い部分も多いように思っていたのです。

ですが、大人になってヘッセの著書、
シッダールタを読み、クヌルプを読み、、、
徐々に印象が変わってきており、

大人になって、
改めて注目したい作家の一人だと思います。

そこで、
まずは書籍からヘッセの言葉をご紹介しましょう。

「人生の義務はただひとつしかない。
それは幸福になることだ。」

「地獄をめがけて突進しなさい。
地獄は克服できるのです。」

「愛されることは幸福ではない。
愛することこそ幸福だ。」

これらの言葉は、
ヘッセ自身が大変な境遇を乗り越えてきたことで
発せられており、重みや深みが溢れています。

そこで、
ヘルマン・ヘッセの知られざる生涯を元に
おすすめ本など、人生のどこかで見つめたい人間の内面に迫ります。

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1.ヘルマン・ヘッセの生涯

没後60年以上経っても、いまだに読み続けられている作家ヘルマン・ヘッセ。
まずはその生涯を見ていきましょう。

名前

Hermann Hesse
(ヘルマン・ヘッセ)

生年月日

1877年7月2日

没年月日

1962年8月9日 85歳

出生地

ドイツ南部、ヴュルテンベルク王国※のカルフで誕生

家族

父はスイスの宣教師

母はインド生まれのマリー・グンデルト。

(ドイツ系スイス人の宣教師の娘)

ヘルマンは4人兄弟の2人目。

※ヴュルテンベルク王国は、19世紀から20世紀初めにかけてドイツ南部を統治していた。

ヘッセはこの後で記します通り、
どんな学校にも馴染めず退学するのですが、

小さな頃から癇癪
(かんしゃく:感情の爆発を伴う行動)を起こし、
夜ごとに悲鳴を上げるなど難しい子供であったようです。

そしてこの性質は、
母親マリーの幼少期と同じであったと言われています。

13歳

「詩人以外の者にはなるまい」と固く決心し、周囲との衝突が始まる。

両親にも、学校にも、宗教や道徳にも、外部からの強制にはことごとく反抗した。

14歳

難関とされる試験に合格し、マウルブロン神学校に入学。

半年で学校から脱走し、23時間さまよい続けるもマウルブロンに戻される。
そして中退。

以後どこの学校にも落ち着くことができなかった。
また悪魔払いを受けるが効果はなかった。

そして、恋に破れ自殺未遂を図ったため、神経科病院に入院した。

退院後は中等教育機関のギムナジウムに入学するも
退学を2回繰り返しました。

そして、本屋の見習い店員となりましたが、
これも3日で脱走してしまうのです。

その後、いくつもの仕事に就いたり、
アスコーナ(スイス南部)の菜食主義者の集団に
入ってみるなど、自らの生きる道を模索します。

このように気難しく繊細とも言える
ヘルマン・ヘッセの苦難は、
この先、50歳頃まで続くことになります。

ではこの後、最初の結婚から、
スイスに帰化するまでを見ていきましょう。

1904年
27歳

1回目の結婚。この妻との間に3人の子どもをもうける。

1906年
29歳

「車輪の下」を出版し、大きな反響を呼ぶ。

1911年
34歳

インドへ旅立つ。

ここでの体験は、後の「シッダールタ」に生かされる。
病気にかかったのをきっかけに帰国する。

1912年
35歳

スイスのベルンに移る。

1914年
37歳

第一次世界大戦が始まる。ヘッセは戦争反対。

1914年
37歳

ドイツの捕虜救援機関やベルンにあるドイツ人捕虜救援局で働く。

フランスに居るドイツ人捕虜のために、雑誌の出版などもした。
激務で過労。

ドイツのジャーナリズムから非難・弾劾され、友人たちからも見放された。

そのような中、父親の死、息子の病気、妻の精神病の悪化等相次ぐ不幸に見舞われる。

ヘッセ自身も酷い精神障害にかかり、1916年ユング派の精神分析の治療を受ける。

この後ヘッセは祖国を捨て、
家族も半ば捨てた状態で、
単身スイスのモンタニョーラという小さな村に移ります。

家庭やお金のことに頓着せず、
文学に集中することを決意したのです。

1919年
42歳

『デミアン』を出版。
この頃、ヘッセは第一次世界大戦の影響などで精神的危機を経験。

ヘッセの深い精神世界を描いた作品が『デミアン』であった。

この頃、執筆中だった『シッダールタ』の執筆が進まなくなる。
ユング本人から精神分析の治療を受ける。

1922年
45歳

力作『シッダールタ』の執筆を完成した後、別居中の妻と離婚。

1924年
47歳

ヘッセより20歳年下の、スイスの女性と2回目の結婚をした。
(⇒その後、3年で離婚した。)

同年、スイスに帰化。

その後、再び精神的にも肉体的にも危機に陥った。

1927年
50歳

「荒野の狼」を出版。

ここに登場する、2つの魂の分裂に悩む男は、ヘッセそのものと言われている。

この後ようやく、
安定した時期に入っていきます。

1931年
54歳

アパートから新居に移り、3回目の結婚。
妻のニノンは14歳の頃からヘッセを作品で知り、ヘッセと文通しており、知的で教養の高いニノンは、良き伴侶となった。

この後、ヘッセは安定した晩年を迎える。

1946年
69歳

ノーベル文学賞とゲーテ賞を受賞。

1962年
8月9日
85歳

スイス・モンタニョーラの自宅で他界。

モンタニョーラのヘルマン・ヘッセのもとには、毎日100~500通の手紙が届き、長男のブルーノ・ヘッセによると、自分で、できるだけたくさん返事を書いていたとのことです。

その中で、ある18歳の青年への返事について、編集者とのやりとりをご紹介しましょう。

ヘルマン・ヘッセ

「人生でいちばん大事なことはなにか?
という手紙に君ならどう答える?」

ジークフリート・ウンゼルト

「・・・わからない」

ヘルマン・ヘッセ

「私たちがわからないなら、孔子に聞いてみよう。
~自分には誠実に、他人には寛大に~」

ジークフリート・ウンゼルト
(編集者でヘッセ研究家)

ヘルマンはこのように、箴言(しんげん)で
答えを示してくれた。素晴らしい人生訓だ。

箴言:教訓、戒め

このように、ヘッセが青年に対して誠実に応えようとされている様子や、苦しみながらも、常に学び続けた叡智により発せられる言葉には、心を揺さぶられる方も多いのではないでしょうか。

(参照元)
Hermann Hesse ヘルマン・ヘッセ 再生を果たした夏1   YouTube動画
評伝 ヘルマン・ヘッセ 上  ラルフ・フリードマン(著),藤川 芳朗(翻訳)

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2.人生を変えるヘルマン・ヘッセの本

先にご紹介のとおり、ヘルマン・ヘッセは1946年に、ノーベル文学賞(1895年に設立された)と、ゲーテ賞(1926年に設立されたドイツの文化賞)を受賞しています。

そしてたくさんの著書の中から、ここでは7冊をご紹介していきます。

なお、その中の1冊「シッダールタ」の帯には、女優の中谷美紀さんが「この本には、正しくあれ、と言わない優しさがあります」とメッセージを寄せられています。

また私は「車輪の下」が推薦図書になっていて読んだ記憶がありますが、そのストーリーは、主人公の子どもが親や学校で勉強を強要されて、苦しみながらも大人になり、最期は非業の死を遂げるといった、子どもには衝撃的なものでした。

ですがヘッセのストーリーや言葉の一つ一つは、大人になって社会経験を積んだ後に触れると、また違った奥行きを感じられると思いますので、

子ども時代に読んだ記憶があり、なんとなく抵抗感をお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ、改めて手に取ってみてはいかがでしょうか。

シッダールタ

シッダールタとは、釈尊(ブッダのこと)の出家以前の名前。

生に苦しみ出離を求めたシッダールタは、苦行に苦行を重ねたあげく、川の流れから時間を超越することによってのみ幸福が得られることを学び、ついに一切をあるがままに愛する悟りの境地に達する。

成道後の仏陀を讃美するのではなく、悟りに至るまでの求道者の体験の奥義を探ろうとしたこの作品は、ヘッセ芸術のひとつの頂点である。

シッダールタ ヘッセ(著),高橋 健二(翻訳)

ガラス玉演戯

ヘッセが考えた架空の芸術:ガラス玉演戯の名人ヨーゼフ・クネヒトの、芸術的香気の高い理想郷カスターリエンにおける活躍と、現実世界でのさまざまな苦悩のストーリー。

ノーベル文学賞を受賞する決定打となったと言われている、ヘッセの芸術と知恵との最高の結晶。

ガラス玉演戯(上) (下) ヘッセ(著),高橋 健二(翻訳)

車輪の下

家族、学校、地域など周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。

しかし厳しい学校生活になじめず、学業からも落ちこぼれ、故郷で機械工として新たな人生を始め、あと少しで彼なりの幸せが得られるかと想像される矢先、その人生は終わりを迎える。

地方出身の一人の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。

車輪の下 ヘッセ(著),松永 美穂(翻訳)

※小中学校の推薦図書になっていた時期もあります。

少年の日の思い出

『車輪の下』と同時代の初期短編集。

青春の心の動きを類い稀な描写で描いた独自の世界。

蝶の標本を見に行き、衝動的な行動を起こしてしまった少年と、彼に対して冷ややかな態度を示す優等生の少年とのやり取り。唯一、母親とのやり取りに救われる。

少年の日の思い出 ヘッセ(著),岡田 朝雄(翻訳)

※1947年以降、中学校の教科書に繰り返し収載されています

荒野のおおかみ

物質の過剰に陶酔している現代社会で、それと同調して市民的に生きることのできない放浪者ハリー・ハラーを“荒野のおおかみ”に擬し、自己の内部と、自己と世界との間の二重の分裂に苦悩するアウトサイダーの魂の苦しみを描く。

この2つの魂の分裂に悩む男は、ヘッセそのものと言われている。

本書は、同時代に対する痛烈な文明批判を試みた、ヘッセ50歳の記念的作品である。

荒野のおおかみ ヘッセ(著),高橋 健二(翻訳)

人は成熟するにつれて若くなる

年をとることにも美しさ楽しさがあると説く
文豪ヘッセの「老い」と「死」をめぐるエッセイと詩。

老境に至ってはじめて人は美しいものが稀であることを知り、工場と大砲の間にも花が咲いたり、新聞と相場表の間にもまだ詩が生きていたりすれば、それがどんな奇跡であるかを知るようになる。

人は成熟するにつれて若くなる  (草思社文庫)  ヘルマン・ヘッセ(著),フォルカー・ミヒェルス(編集),岡田 朝雄(翻訳),出版社:草思社

庭仕事の愉しみ

庭仕事を通して学んだ「自然と人生」の叡知を詩とエッセイに綴る一冊。

――庭仕事は瞑想である――

ヘッセは後半生、モンタニョーラにて執筆以外の時間をほとんど自分の庭で過ごした。

庭仕事の中に尽きぬ愉しみを見出し、のちに彼の文学へと結実するさまざまな秘密を発見した。
自筆水彩画と在りし日のヘッセの写真を多数掲載。

庭仕事の愉しみ (草思社文庫)  ヘルマン・ヘッセ(著),フォルカー・ミヒェルス(編集),岡田 朝雄(翻訳),出版社:草思社

ここまで私がオススメしたい7冊をご紹介しました。

その中の1冊、「人は成熟するにつれて若くなる」の編集をされた、フォルカー・ミヒェルス氏はあとがきで、以下のように記しています。

ヘルマン・ヘッセのように 複雑で傷つきやすい気質を持った人が、あれほどの激烈さと創造性に富んだ生活を送りながら85歳という高齢に達することができたのは、決して当たり前のことではなかった。

確かに1章でご紹介のとおり、ヘッセは子ども時代から苦難に満ち、2回の自殺未遂もしており、ユングの心理分析など含め紆余曲折の末、安定した晩年を迎えることができましたが、どこでその人生が終わっていても不思議はなかったと思われます。

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