NLP・心理学

ラポール形成の決定版!プロが教える信頼関係を生み出す秘訣

ビジネスや恋愛、人生の豊かさを手に入れるには、
質の良いコミュニケーションが必要不可欠です。

その鍵となるのが、ラポール形成です。

ラポール形成ができていないと、
どんなにあなたの提案が役に立つことでも、
相手はあなたの話を聞いてくれません。

また、どんなにあなたが魅力的な人でも、
異性の恋愛対象に入ることも、
より良い関係を築くこともできません。

ラポール形成ができると、
初対面から始まる人間関係でも
あなたは安心感や信頼感を獲得でき、
円滑にコミュニケーションを進められます。

ラポール形成とは
元々、心理療法から生まれたものですが、
今やビジネスや政治、教育などの幅広い世界で常識になりつつあります。

今回は、カウンセリングの祖と称される「来談者中心療法」から、最新の「実践コミュニケーションスキルのNLP(神経言語プログラミング)」までを背景に、ラポール形成のための「3つの基本的スキル」とさらに相手の無意識に影響を与える「上級スキル」をご紹介しています。

実践的な手順と活用のヒントもお伝えしていますので、すぐにでもできる技術を見つけ、あなたのビジネスや恋愛、その他の人間関係の向上に役立ててください。

著者:足達 大和
全米NLP協会公認・NLPトレーナー

当サイト「Life&Mind」の運営元である「NLP-JAPAN ラーニング・センター」の専属トレーナー。5,600回以上という圧倒的な回数の研修実績を持つ。

NLP-JAPANラーニング・センターとは、日本最大手の「NLP総合スクール」で、NLP業界の世界5大組織と連携。日本で唯一、NLPの基礎から大学院レベルまでの学びを提供している日本最高峰のNLPトレーニング機関。

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1.ラポール形成の重要性

ラポール形成とはカウンセリングやセラピーといった心理療法の世界で、基本とされるクライアントとの関係構築のことです。

ラポールを一言でいえば信頼関係のことで、フランス語で「架け橋」を意味する言葉です。

架け橋ができていないと人の動きや物流などに支障が出るように、このラポール形成ができていないと、カウンセリングやセラピー、またコーチングなどのどんなテクニックも機能しないと言われます。

このことは心理療法の世界だけでなく、セールスや交渉、プレゼンといったビジネスの世界はもちろん、家庭やプライベート、また教育の分野でもラポールという言葉は使われるようになりました。

ラポールとは、相手との良好な関係性のことですが、安心感、好感、そして信頼性といったいろいろな意味合いを持つ言葉です。大切なことは、あなたのコミュニケーションの目的を成し遂げるためにふさわしい関係であることを理解してください。

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2.ラポール形成に必要な考え方

ここでは、ラポール形成のテクニックを活用する前に大切にしていただきたい考え方を3つご紹介します。スキルをより効果的に活かすための土台となる考え方です。

2-1.相手を尊重すること

相手には、相手の生きてきた経験の中で、見聞きし、体験して形成された世界観があります。その世界観を尊重することが大切です。

「相手を意のままにコントロールする」「自分の影響力を示す」といったエゴを持ったままでは、真のラポールは築けません。つくれたとしても一過性のもので、次のコミュニケーションは成立しません。

まず、相手と信頼関係を作りたい、というあなたの誠実な気持ちが大切になります。
そのことを具体的な行動で示したのが、傾聴です。傾聴とはあなたが聞きたいことを聞くのではなく、相手が言いたいことを聴いていく姿勢です。

傾聴は、ただ単に話の聞き方ではなく、相手の世界を尊重し、共感し、大切な人だと思って接していく話の聴き方であり、人と向き合う基本的な姿勢そのものです。

2-2.類似性の法則を理解すること

類似性の法則とは、簡単にお伝えすると、人は自分と似たものに安心感や好感を持つ、
というものです。

例えば、たとえば初めて会った人との会話で、相手が同じ出身地の人だとわかった時に安心感や好感を覚えた経験がある方も多いと思います。想像すると見えてきますが、さらに出身の学校が同じだとわかれば、その方への距離感がぐっと縮まりますね。

このように似た境遇や環境、また趣味、好きなスポーツやアーティスト、さらに容姿といったことが似ていると、それだけで安心感、好感、親和性が高まります。

防衛本能と言われる機能が、私たちにはすでにあります。これは動物や恐竜といった世界を想像するとわかりますが、似た者同士が群れを作ります。異質な容姿をした動物や恐竜は群れをつくりません。

これは私たち人間も生物として捉えると理解が深まります。自分に似ている状態、つまり類似性があると、防衛本能のスイッチが解除され、近づきやすくなるという見解も考えられます。

この類似性の法則をもとにラポール形成が行われます。つまり相手に合わせていくことが重要になるということです。

2-3.ペーシングとリーディングのフレームを持つこと

ペーシングとは、類似性のところでお話したように相手との距離感を縮め、安心感や好感や親しみやすさを生むために相手に合わせていくことを意味します。

具体的には相手の言語、非言語に合わせていくことです。

そしてリーディングは、ラポール形成が生じた後、質問や提案などを含め、自分のコミュニケーションの目的に向けて会話をリードすることです。

卓越したセラピストやカウンセラーだけでなく、セールスや交渉などのビジネス、また教育といった様々な場面でのコミュニケーションの達人たちは、このペーシングすること、そしてリーディングすることをセットで考えています。

相手に合わせることは、自分のやり方や考え方を曲げたり、我慢することではありません。
下の図を参考にし、相手を尊重し、より良い解決策や目的に向かってリードしていくためにペーシングがあるという観点を持ってください。

3.ペーシングの基盤となる3つのスキル

ここではラポール形成に必要なペーシングの基盤となる3つのスキル「ミラーリング」「マッチング」「バックトラッキング」をご紹介します。

いずれも心理学NLPのスキルで、ラポールを築くことに効果的です。実際に活用する時のポイントについては、「5. ラポール形成の具体的な手順とヒント」で確認してください。

3-1.ミラーリング:鏡のように動作や姿勢をペーシングする

ミラーリングとは、相手の動作や姿勢、また表情も含む相手のボディーランゲージに合わせていくことです。

例えば相手が足を組んで椅子に座っているのであれば、あなたも足を組んで鏡に映っているように合わせていきます。また手を組んで考え始めたら、あなたもさりげなく手を組んで相手に合わせます。この他、相手の背筋や首の傾きなどの動作を合わせていきます。

表情も大切なポイントで、真剣な表情になったら、あなたもその表情で対応し、明るい表情になったら明るい表情で対応していきます。ラポール形成の達人たちは、相手への観察が細やかなのが特徴で、相手の口角やまばたきの速さといったことも観察し、ペーシングしていきます。

以下の項目がミラーリングの対象です。

  • 姿勢
  • 動作やジェスチャー
  • 表情
  • まばたきの速度

3-2.マッチング:視覚情報以外の非言語をペーシングする

マッチングとは、目に見えてこない非言語へのペーシングです。

例えば、話すスピードや声の大きさなどがその対象になります。

あなたにも経験があると思いますが、自分と話すスピードが極端に異なる人と話していると、自分の理解を無視して勝手に話を進められた感覚がでてきたり、自分のペースが崩れて、もどかしさや不快を感じてしまうといった会話のケースです。

話の内容ではなく、こういった非言語の情報が私たち人間を不快にしてラポール形成ができない要因になってしまいます。コミュニケーションの達人は、こういったことを熟知しています。まずは声についてのポイントです。

  • 話すスピード(速さ遅さ)
  • 声の大きさ(大きい小さい)
  • 声のトーン(高い低い)
  • 声の音色(音質:かすれた音、甲高さなど)

電話対応など視覚情報でミラーリングできない時は、特に意識を向けてペーシングしていきます。また、相手の明るさや静けさといった雰囲気やエネルギー、そして感情に合わせていくこともマッチングの対象です。ミラーリング同様、生理的で本人が無自覚な無意識にペーシングしていきます。

3-3.バックトラッキング:言葉そのものをペーシングする

バックトラッキングとは、相手の言ったことを活用し、相手が使った言葉をそのまま繰り返して会話を進める手法です。

相手の言葉を活用しながら、会話を進めていきますが、相手が言いたいことや意味ではなく、相手が使った言葉そのままを使うのがポイントです。

相手「家族は大事だよね」
→ あなた「家庭は大事ですよね」

相手「仲間は大事だよね」
→ あなた「友達は大事ですよね」

相手「ビジネスでは結果が大事だからね」
→ あなた「仕事は結果が大事ですからね」

このような活用の仕方では損をします。
相手が「家族」という言葉を使ったら「家族」、「仲間」と言ったら「仲間」、「ビジネス」といったら「ビジネス」というように、相手が使った言葉をそのまま活かしていきます。

また、相手が話した「事実」を繰り返したり、話の中に出てきた「感情」を繰り返したり、相手の話が少し長くなったら、話を要約してバックトラッキングしていくのも効果的です。

バックトラッキングを活用することで、
「自分の話を聞いてもらえている」という安心感
「自分のことを理解してくれている」という信頼感
「大事にしてもらえている」という充実感
といった感覚が、相手が話すごとにどんどん広がり深くなっていきます。

バックトラッキングをすることで、相手の問題や課題を理解することにも役に立ちますし、相手も自分の思考や感情を整理することにも役立ちます。

地味なスキルだと思われる方も多いのですが、ミラーリング、マッチング同様に相手とラポールを築く際に大変有効なテクニックの一つです。

※バックトラッキングをさらに知りたい方はこちらもあわせてご覧ください。

4.深いラポール形成のための上級ペーシングスキル

これまでご紹介した3つのペーシングスキルを土台にして、さらに深いラポール形成のための3つのポイントをお伝えします。

4-1.相手の五感タイプを理解する

私たちは五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)を通して、外的な情報や内的な情報を処理しています。実践的な心理学NLPでは、さらにこの五感を「視覚タイプ」「聴覚タイプ」「身体感覚タイプ(触覚、味覚、嗅覚を含む)」の3つに区分しています。

もちろん人は全ての情報を活用していますが、人にはその情報処理を行う際のクセがあることがわかっています。つまり、以下の3つのタイプです。

  • 視覚情報を優位に処理しやすい視覚タイプ
  • 聴覚的に情報を処理しやすい聴覚タイプ
  • 身体感覚的に情報を処理しやすい身体感覚タイプ

例えば、「視覚タイプ」「聴覚タイプ」「身体感覚タイプ」の3人が、会話で話がわからない状態を表現しようとすると以下のように表現する傾向があります。

  • 視覚タイプの人は、「話が見えない」「話の焦点がぼやけている」
  • 聴覚タイプの人は、「話がガチャガチャしてうるさい」「何を『言っているか』わからない」
  • 身体感覚タイプの人は、「話がつかめない」といった表現です。

このように、同じことを表現しているのですが、情報を処理しようとする際に、その人がよく使っている脳のタイプが、自覚することなく動き始めます。

旅行で行った同じハワイを説明するときは、
視覚タイプの人は、「海の色と夕日がとってもキレイだったよ」と表現し、聴覚タイプの人は、「静かな波の音」「ハワイアンの音楽」「すれ違う人たちと交わすアロハの挨拶」といった音に関する情報を脳で処理し始め表現します。
身体感覚タイプの人は、「のんびりできたよ。ゆったりとして、気温も暖かく、開放的な海だったね」といった表現をします。

この相手が無自覚に、優位に動き出す五感のタイプを見分け、自然に使っている言葉を聴きとってペーシングしていきます。

この五感タイプが見分けられることができると、ラポール形成がうまくできます。
逆に、このタイプをわからずに話を進めていくと、あなたの想いがうまく伝わりません。

以下は職場での経営者と社員の会話ですが、使う言葉が違っているのと、ペーシングした時の事例です。

社員が視覚タイプ、社長が身体感覚タイプでペーシングできていない会話の場合

部下: 社長、私には当社のビジョン見えないのですが?

社長: どうしてそう感じるんだ?

部下: ・・・・・。

部下: 会社がどこに行こうとしているのかが描けないんです。

社長: 心配するな。そのうち順調にいくことを実感できるさ。

部下: そのうちとかではなく、わかりやすく明確見える形で示してほしいのです。

このケースを社長が相手のタイプを読み取り、視覚タイプにペーシングすると以下のような会話になってきます。

部下: 社長、私には当社のビジョン見えないのですが?

社長: そうか。どう説明すれば、具体的に見えてくるだろうね。

部下: 今後の見通しや、将来の構想を具体的にイメージしやすくしてほしいんです。

社長: わかった。じゃあ、資料を作成してスライドで見せよう

社長: この先当社は、この市場に狙いを定めている。そして・・・・・。

※NLP-JAPANラーニングセンター「NLPプラクティショナーテキスト」より抜粋

といった会話です。

違いが、見えてきますか? 聞きとれてますか? 実感できていますか?

わかりやすい文章や面白い小説は、「視覚表現」「聴覚表現」「身体感覚表現」が散りばめられ、読者の脳をフルに刺激していると言われます。しかし、私たちが何かを伝えようとすると、無意識に自分のタイプを優先的に使って、情報を処理してしまいます。

ラポール形成したい相手がどの感覚を優位的に使い、情報を処理しているかを知るには、「目の動き」「言葉」「手の動き」などを観察することで見分けることができますので、以下のタイプごとの相手の言語、非言語の特徴を理解してください。

【視覚タイプ】の特徴

  • 視線が上方に向く傾向があります。
  • 早口の傾向があります。
  • 頭の中にあるイメージを手で表そうとする傾向があります。
  • 「見通しがよい」「ビジョン」「イメージ」など視覚に関連する言葉を用います。
  • リーディングする際は、図や絵を活用していくと効果的です。

【聴覚タイプ】の特徴

  • 目を左右によく動かす傾向があります。
  • 言葉を大切にし、自問自答したり、独り言を言う傾向があります。
  • 声の調子や言葉に反応しやすく、記憶を思い出す時、「あの時、確かにこう言った」と聴覚的な情報を引き金にしています。
  • 「えぇ~」「あぁ~」という非言語や「バタバタと忙しい」といった擬音語を使う傾向があります。
  • リーディングする際は、話の内容が論理的になっているのが大切なポイントです。

【身体感覚タイプ】の特徴

  • 目を下方に動かす傾向があります。
  • 動きや話すスピードはゆっくりしています。
  • 「心が熱くなる」「一体感を固く感じる」など、身体感覚にまつわる表現を用います。
  • 手を胸に当てたりするといった体の感覚を手で表現しようとする傾向があります。
  • 一つのことをじっくり味わうことを好むので、リーディングの際には、一つ一つゆっくりと進めていくのがポイントです。

これらの特徴を理解し、相手の言語、非言語にペーシングしていきます。

※さらに詳しく相手のタイプを見分け、ラポール形成をしていきたい方はこちらの記事もあわせてご覧ください。

4-2.無意識の思考フィルターを理解する

相手の無意識に影響を起こすペーシングの切り口になるのが、NLPのLAB(ラブ)プロファイリングという考え方です。

LABプロファイリングとは、その人が自覚することなく、「どのように物事を認識し、考え進めるのか」「どう処理するか」を決めていく、情報処理のパターンのことです。

これらのカテゴリーやタイプを見え分けてペーシングすることで、相手の無意識に影響を与え、ラポールを形成することが容易になります。

例えば、カテゴリーの一つに「方向性」というものがあります。その方向性とは、2つのタイプで区分けされます、一つは「目的に向かう」タイプの【目的志向型】、もう一つが「問題を避けたい」タイプの【問題回避型】です。

例を挙げると化粧水を使用している女性に、「どうして化粧水を使っているのですか」と聞いた時、【目的志向型】の人は、「肌をみずみずしくするため」「キレイにするため」といった答えをします。

逆に【問題回避型】の人は、「肌荒れを防ぐため」「ガサガサになりたくないから」といった答えをします。同じ化粧水を使うにしても、意識の方向性が違っているのがわかると思います。歯磨きについても同じことが言えます。

【目的志向型】の人は「キレイにしたいから」「白くしたいから」「笑顔が素敵に見えるように」といった答えをします。【問題回避型】の人の答えは「虫歯になりたくないから」「口臭予防」「治療で余計なお金を使いたくないから」といった答えが出てきます。

ですから、少しリーディングの話をすると化粧水の販売の場面でしたら、【目的志向型】の人には「この化粧水は、お肌をみずみずしくして、ツヤツヤにキレイにしてくれます」といった言葉でアプローチしていきます。

このタイプに「肌荒れを回避し、肌のガサガサを防ぐことできます」と言っても、相手の世界の言葉ではないのでピンときません。逆に【問題回避型】の人に「キレイになりますよ」「お肌プルプルになりますよ」といった【目的志向型】のアプローチをしても、その人にとってはベネフィットを感じることはできません。

実は、人が気づかずに使っている言葉には、その人の無意識の情報処理の傾向が表れていて、ラポール形成の達人たちは、このことを熟知しています。

NLPのLABプロファイリングには、いくつかのパターンがありますが、ここでは、方向性のカテゴリー以外に極めて重要な3つのカテゴリーをご紹介します。

※他のカテゴリーについても言えることですが、どちらが「良い」「悪い」というものではありません。そして、「仕事」と「プライベート」といった場面ごとでタイプは異なります。あくまでもその人のその場面の傾向として観察していくことが大切なポイントです。

4-2-1.カテゴリーその1 主体性

この主体性というカテゴリーは、その人がすぐに行動する人なのか、まずは考えることから始めていくのか、その傾向をみるカテゴリーです。すぐ率先して動くタイプの【主体行動型】と、まず考え、分析したり検討する「反映分析型」の2つのタイプがあります。

【主体行動型】は、ほとんどあるいは全く考えることなく行動を起こす傾向があります。
【反映分析型】は、他の人が行動を起こすまで、また機が熟すまで行動するのを待ちます。

ですから、例えばあなたが【主体行動型】上司で、【反映分析型】の部下に対してペーシングやリーディングする時「まずやろう!」「すぐやろう!」「今やろう!」と言ってもうるさく感じるばかりでラポール形成できず、リードすることはできません。

また逆にあなたが【反映分析型】の上司で、【主体行動型】の部下に対して、「よく理解するんだ!」「少し様子をみよう!」「分析して検討していこう!」と伝えても、頭でっかちな上司のレッテルをはられ、ラポール形成が崩れかねません。

ラポールを形成し、リーディングしたい相手の言葉に耳を傾けてください。以下にご紹介する言葉を参考にしてください。

【主体行動型】がよく使う言葉、または影響を受ける言葉は、「動く」「すぐに」「とにかくやる」という言葉です。
【反映分析型】がよく使う言葉であり、影響を受ける言葉は、「検討する」「分析する」「調べる」「~かもしれない」という言葉です。

これらの言葉を聴き分け、ペーシングしてください。

4-2-2.カテゴリーその2 選択理由(異なるやり方を好むか、正しい手順を好むか)

これは今までと違ったやり方や選択肢、機会や可能性が増えることでやる気が出るタイプの【オプション型】と、確立された手順を好み正しいプロセスの遂行を重要視する【プロセス型】の2つのタイプがあります。

【オプション型】は、物事には常により良いやり方があると考えて、他のやり方、さらに他のやり方と可能性を探求します。一つのやり方で進めていくのが苦手です。

【プロセス型】は逆に物事には正しいやり方があると考え、手順通りに進めていくのが得意なタイプです。手順がないと戸惑いを覚えることがあります。

ですからカウンセリングやコーチングの場面で説明すると、【オプション型】のクライアントに対して、「このやり方で、正しく、順番通りにやっていきましょう!」と伝えても、相手は「他にも良いやり方があるかもしれない」と他の選択肢や可能性を見つけ出そうとします。

逆に【プロセス型】のタイプのクライアントに「いろんなやり方を試しながら進めていきましょう」と言っても、戸惑ってしまい、継続的なセッションができず頓挫することになります。

以下のタイプ別の言葉を参考にしてラポールを形成し、リーディングに活用してください。

【オプション型】がよく使う言葉、または影響を受ける言葉は、「選択肢」「チャンス」「機会」「多様性」という言葉です。

【プロセス型】がよく使う言葉、また影響を受ける言葉は、「確実に」「正しい方法」「はじめに・・・次に・・・その後・・・」と、いう手順を説明するという言葉の並びです。

4-2-3.カテゴリーその3 情報サイズ(全体型か、詳細型か)

このカテゴリーは、相手が情報を「どういったサイズで処理しやすいか」の傾向を知るカテゴリーです。一つは、【全体型】ともう一つは【詳細型】と呼ばれる2つのタイプです。

【全体型】の特徴は、全体像や概念、また物事を抽象的に捉えようとします。話し言葉や文章が簡潔で短い傾向があり、脈絡なく情報を提示しようとすることがしばしばあります。

【詳細型】の特徴は、文字通り細かく細部にわたって理解しようとし、修飾語や副詞、形容詞、また人、場所、物の固有名詞をよく使い話が長い傾向があります。

例えば、【全体型】の上司に対して、【詳細型】のあなたが事細かに業務の報告をしようとすると、「要領を得ない部下」「上司の私を無視している」「時間の大切さをわかっていない」と、ラポール形成どころか、あなたの評判を下げることにつながります。

逆に【詳細型】の上司に対して、【全体型】のあなたが「ざっくり」あるいは、「おおまかに」報告しようとすると、「状況を理解してるのか?」「ちゃんと仕事をしてるのか?」「細やかさや配慮が足りない」といったマイナスの印象を与えてしまいます。

こういったことを知らないでいると、あなたの努力は水の泡になります。

以下の言葉を聴き分け、相手の情報サイズにあった話の進め方を心がけてください。

【全体型】のタイプがよく使う言葉、または影響を受ける言葉は、「本質的に」「全体的に」「一般的に言って」「大切なことは」「要は・・・」という言葉です。

【詳細型】のタイプがよく使う言葉、または影響を受ける言葉は、「厳密に」「正確に」「具体的に」という言葉です。また道筋通りに、時系列で、たくさんの情報を提供する傾向があります。

以上、方向性を含め4つのカテゴリーをご紹介しました。言葉だけでなく、会話の流れからも、相手の無意識の情報処理の仕方にペーシングしてください。

4-3.相手の価値観を引き出し理解する

価値観とは、仕事や家庭、人間関係、お金といった人生のさまざまな分野や状況、場面で大切にしているもののことで、好き嫌いの基準とは異なります。

例えば、仕事では、「挑戦」「結果」「成長」といったものが挙げられます。また、家庭といった分野では、「笑顔」「対話」「元気」といったものが挙げられます。

価値観は、このようにシンプルな名詞形で表されたものです。そしてそのキーワードは、細胞レベルで反応してしまう、その人のスイッチでもあります。

以下のような質問でその人の価値観を手に入れてください。

  • ◯◯において、あなたにとって大切なことって何ですか?
  • ◯◯はどうなると満足しますか?
  • ◯◯のことを考えた場合、そこに無くてはならないものは何ですか?
  • ◯◯では、何を避けたいですか?

上記の質問で、相手の価値観のキーワードが手に入ったら、キーワードを盛り込みながら会話をリードしていきます。例えば、車のセールスでしたら、「今回車の購入の際に大切にされたいことは何ですか」といった質問です。

すると見込みのお客様は、「家族が増えたんで、6人乗りがいいですね」といった答えが出ます。つまり、キーワードは「6人乗り」です。このようなコミュニケーションを続けていきます。さらに以下のように続けていきます。

あなた:「6人乗りですね。その他に大事にされたいことはなんですか」

相手 :「家族で出かけるのが多いので、安全性ですね」

あなた:「安全性ですね。大事ですよね。その他に大切にされたいことは何ですか」

相手 :「燃費ですね、それからエコロジーにも関心があるので・・・」

といった会話を続けながら相手の価値観となるキーワードを手に入れていきます。そして、リーディングの段階になりますが、紹介していく時に相手の価値観、キーワードを用いて会話を進めます。

あなた:「6人乗りの車でしたら、こちらの6台ですね。そのうちの安全性を考えると、こちらの4台です。そして燃費を考えるなら、こちらの2台がおすすめです」

という流れでセールストークを相手の価値観となるキーワードを用いて進めていきます。

売るあなたが、どんなにデザインを気に入っていても、そこを語っても相手はメリットを感じません。頑張っていても売れないセールスの方は自分がいいなぁと思うところを伝え、相手の価値観を無視したトークをしがちです。

価値観となるキーワードを入手するときに大切なことは、基本となるペーシングスキル「ミラーリング」「マッチング」「バックトラッキング」でラポール形成できていないと、相手は心を開かず、本音の部分や深い価値観を語ってくれません。

「価値観を引き出す質問をすればいいんだな」という理解だけでなく、以下の図のように土台ができて、手に入るものだと考えてください。

コミュニケーションは状況や場面によって柔軟性が必要となります。

また、ラポール形成を適切に行えるかどうかで、ビジネスや人生で得られる成果に非常に大きな差が生まれます。

特に上記で紹介した、ミラーリングやバックトラッキングなどのスキルは成果を上げるためにとても効果的です。

次の章では、これまでご紹介してきたペーシングスキルを実際の現場でどういった手順で始めていくのか、そのヒントをご紹介していきます。参考にしてください。

5.ラポール形成の実践的な手順と活用のヒント

ここでは各項目を理解したうえで、参考となる手順とヒントをご紹介しています。各項目の復習とともに実践的な手順を確認してください。

5-1.コミュニケーションのゴールを設定する

コミュニケーションを始める前に、その会話の目的は何か、意図や狙いを決めます。
ラポール形成のための挨拶にするのか、セールスの世界でしたら、お客様の課題や問題を聞き出すことなのか、また商品説明なのか、決められた時間の中で、どこまで進むのかを決めます。

5-2.事前にマインドをチェックする

「2-1相手を尊重する」のところでお伝えしたように相手のことを自発的に興味を持って丁寧に聴いていく傾聴を心がけます。

繰り返しになりますが傾聴は、あなたが聞きたいことではなく、相手が言いたいこと、話したいこと、伝えたい気持ちにポイントを置いたコミュニケーションです。

「いいえ」「でも」「しかし」など、相手を否定するように聞こえてしまう言葉もここでは注意してください。

5-3.ペーシング、その活用と実際

ゴールとマインドの設定をして、基盤となる3つのスキル「ミラーリング」、「マッチング」、「バックトラッキング」を活用してコミュニケーションを始めていきます。それぞれの実践的なポイントをお伝えしておきます。

・ミラーリング

実際には、相手との立場というのも考慮してください。相手があなたよりも役職が上だったり、お客様であれば、相手が足を組んだからといってあなたも組んでしまっては失礼になります。こういう場合には手を組むというやり方で相手に合わせていきます。

またミラーリングは相手より少し遅れて合わせていく自然な流れで行うのが現実的です。すぐに合わせようとすると相手が違和感を持ちます。ミラーリングしようと思うより、相手と「ラポールを築こう」「安心感をもって信頼してもらおう」という意図を持って取り組んでください。

・マッチング

「沈黙」も大切なペーシングの対象です。場が持たず、つい何かを言いたくなる時が私たちにはあります。この時は相手なりに何かを考えたり、想いを巡らせたりしていますので、その世界観を尊重していく「沈黙」にペーシングしてください。

またクレームなどで、相手が感情的に話し始めたなら、冷静な声で対応するとますます悪化してしまう場合があります。お客様のその感情や発しているエネルギーにペーシングして、会話を進めていきます。

なんでもないことを当たり前にするのではなく、感謝の出来事にしていき、その物事や人に対して温和に対応できるあなたの視点を習慣にしてください。

・バックトラッキング

基本的には、相手の言葉を使って会話を進めていくのが基本です。例えば仕事の場面で、あなたが上司の場合です。部下が「部長、〇〇社から受注がありました!」と、嬉しそうに報告してきたら、「やったな!」という言葉を言う前に、「受注があったか、やったな!」と、相手の言葉を使って、会話を進めていきます。

「良かったな!」「やったな!」とその喜びを表現せず、まずは相手が使った言葉「受注があった」をそのまま繰り返して会話を進めていくのがコツです。ちょっとした瞬間ですが、相手には話を「聴いてもらえている」という感覚を生み出すことができます。

・五感タイプを意識しながらペーシングする場合

3つの基本のスキルを活用しながら、「相手の視角タイプの言葉」「聴覚タイプの言葉」「身体感覚の言葉」を認識し、バックトラッキングしながら、抵抗のないスムーズな会話を進めていきます。

ここでは3つのタイプの特徴を活かしたペーシングを、これまでの内容を統合してお伝えします。

主なペーシングのポイントとしては、視覚タイプの人には、特にミラーリングが重要になります。聴覚タイプの人には、言葉、そして声の調子です。身体感覚の人には、特に呼吸や感情的な雰囲気やエネルギーを意識してペーシングしてください。

あなたが何かを説明したり、提案したりするリーディングの段階に入った時も、相手のタイプの言語を用いながら話を進めていくことは非常に効果的です。

5-4.リーディングして目的につなげる

ラポールが形成できたとわかる一つのシグナルが相手の動作や姿勢です。

ラポールが形成できたら、あなたが動くと相手も同じように動き始めます。
この相手の無意識のサインを確認してください。

そして状況によりますが、そこからリーディングです。以下の質問を参考にして、そのコンテクスト(状況や場面)における価値観を聴いてください。

「今回ご購入にあたって大事にされたいことは何でしょうか?」
「この問題解決で大事にしたい優先させたいことは何でしょうか?」
「今回のプロジェクトに関して重要視したいことは何でしょうか?」

そして、あなたの提案なり、説明したいことを相手の価値観、つまりキーワードを入れながら話を進めていきます。

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6.まとめ

ラポール形成は練習が大事です。技術やテクニックを数多く持っていても、人とつながれなかったり、一方的なコミュニケーションで損をしている人も少なくありません。

まずは人を観察し、「3つの基本スキル」を徹底的に練習してください。自転車や車の運転のように最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、気づけば「上級スキル」も含め、自然と活用できるようになります。

それはあなたの仕事やビジネスで、素敵なお客様とより良い関係を築き、売上を上げ、仲間との信頼関係やチームワークを向上させるなど、大きな力になります。

心理学NLPは、ラポール形成だけでなく、コミュニケーション能力を飛躍的に高めたり、目標達成・問題解決の能力を高めるといったことにも使えます。

もしご興味をお持ちになりましたら、次の記事にて詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

※「心理学NLP」について詳しくはこちらの記事へ

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