ビジネス・仕事

営業研修歴28年の私が教える「飛び込み営業」の極意

飛び込み営業とは、アポイントなくお客さまを初めて訪問し、セールスすることです。
お客さまはアポイントなく訪問されると、まず「忙しいので時間がありません」と言いたくなります。それゆえ、セールスを行うどころか、挨拶もさせてもらえないケースが多くなりがちです。

こんなことが続くと「飛び込み営業は難しい」と心が落ち込んでしまいます。お客さまを訪問するのも恐くなり、自分は営業の仕事に向いていないのでは…と思い悩む人を、私はこれまで何人も見てきました。

私はセールス技術向上のためのコンサルタント活動をしており、営業担当の方向けの研修・セミナーで、28年間、講師を勤めています。「職場の上司」という設定で、営業担当者の飛び込み営業に同行し、実際の現場を見て指導することもあります。

これらの経験の中で、「飛び込み営業で成果を出すために、真に重要なことは3つある」ということをつかみました。それを研修の場で伝え、約2,000人の受講生にロールプレイングをしてもらい、スキルアップの仕上がりを確認しました。

私自身も、42年間、会社経営者としてこの3つを営業活動で活用していますが、特別なものではなく、非常にシンプルなものです。

この記事では、その3つの極意を紹介し、それぞれを体現していく具体的な行動についてお話しします。極意を体現できるようになれば、飛び込み営業に対する心のハードルが下がり、営業成績に成果が表れてきます。ぜひご一読ください。

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1.飛び込み営業「3つの極意」

飛び込み営業で重要となる極意は3つあります。「信頼を得るコミュニケーション」「マインドセット(営業理念)」「訪問前の準備」の3つです。この1つが揃うと自信を持ってお客さまを訪問できるようになり、成果が出てきます。
それでは、それぞれについてお話ししていきましょう。

1-1.信頼を得るコミュニケーション

1番目の極意は、「信頼を得るコミュニケーション」です。「アポイントなしで」「初対面のお客さまに接する」飛び込み営業では、できるだけ短時間でお客さまからの信頼を獲得する、コミュニケーションスキルを重点的に身につける必要があります。

なぜなら信頼を得ることで、お客さまは突然の訪問者である「飛び込み営業の話」へ耳を傾け、その後の成約に繋がりやすくなるためです。

そして飛び込み営業において、初対面のお客さまから信頼を得るには、下記ステップを経ることが重要です。

「警戒→理解→興味・関心→信頼」

なぜならお客さまは、突然の訪問者に対して「警戒心」「違和感」「面倒くささ」を感じがちです。つまり多くの場合、歓迎されない、どちらかというとマイナスな存在であると言えるためです。

そのため「警戒→理解→興味・関心→信頼」というステップを一つずつ、短時間でクリアしていくことがポイントです。少し詳しく見てみましょう。

【警戒→理解→興味・関心→信頼について】

  1. 警戒
  2. :お客さまは最初、予期せぬ訪問者である営業に対して警戒心を持ちます。これが飛び込み営業におけるハードルの一つになります。まずは「警戒する必要がない」ことを伝えましょう。

  3. 理解
  4. :「訪問の目的」「自分が何者か」「営業が提供できるベネフィット」「強引な売り込みではないこと」を伝え、「警戒する必要がない」ことを理解してもらいます。これにより一方的に拒絶される可能性を下げ、関心を持ってもらいやすくします。

  5. 興味・関心
  6. :「お客さまが手にするメリット」を伝え、関心を向けてもらいます。ここで初めて、飛び込み営業が、商談に向けたスタートラインに立てると言えます。

    関心を向けてもらいながら、お客さまから「関心があるかどうか」のYESを取りましょう。その瞬間、お客さまにとって、飛び込み営業がもたらす言動が、自分ごとになり始めます。そして自分ごとになることで、関心は興味に変わります。

    もしも興味度を強めたい場合は、YESを取った後、「どうしてですか?」「具体的には?」と質問し、もっと自分ごとにします。さらに頂いた答えに対して、「それであればお役に立てます。なぜならば・・・」と、伝えましょう。お客さまの興味と営業のもたらすベネフィットが結びつき、興味度は強くなります。

  7. 信頼
  8. :上記までのステップを通して、「拒絶する理由を無くし」「興味を惹きつけ常に相手にペースを合わせながら、信頼を得るためのコミュニケーションを行いましょう。「この飛び込み営業、他の営業とは違う」「この営業の話なら、少しは話を聞いても良いかな」「話しやすい営業だな」と、信頼を得やすくなります。

上記4つ目にある「信頼」を得るためのコミュニケーションについて、下記に一例を挙げます。

  • 好印象を与える(マイナス印象を与えない)マナー・表情・服装・話し方
  • お客さまのペースに合わせた「声や話し方」(ペーシング)
  • お客さまが使う言葉を使って話す(バックトラッキング))
  • お客さまの話す「重要な部分」を繰り返す(バックトラッキング)
  • お客さまの姿勢や身体の動かし方に合わせる(ミラーリング)
  • 一方的に話すことなく、お客さまの話を聞く(傾聴)
  • 頷きや相槌を使って、お客さまの反応を受け取る(傾聴)

など

このようなコミュニケーションの取り方は、営業の基本と言えますが、飛び込み営業のアプローチにおいては、特に重要です。短時間で勝負が決まるためです。

そして飛び込み営業で結果を出しているトップセールスほど、上記に紹介した「ペーシング」「バックトラッキング」「ミラーリング」を使い、短時間でお客さまから信頼を得ています。これを「ラポールスキル」と呼び、心理学NLPで体系化されたスキルです。

「ラポールスキル」や「傾聴」を詳しく知りたい場合は、下記記事をご覧ください。

1-2.マインドセット(営業理念)

2番目の極意は、「マインドセット(営業理念)」です。飛び込み営業の訪問では、訪問予約をしないことでお客さまから門前払いされるケースが多くなり、営業担当者の気持ちのハードルがより高くなります。そのようなハードルを乗り越え、果敢に商談を展開していくための、マインドセットやメンタルの整え方が重要です。

まずは、次のようなセールスマインドが念頭にあるか、訪問前に自問自答してみましょう。

【お客さまを訪問する前のマインドセット】

  • 「これからお客さまを訪問するのは、お客さまの課題を解決しお役に立つためである」
  • 「1日でも早くお客さまの理想を叶えるために、1日でも早い契約を目指す。そのため、原則としては即刻契約を目指す」

そして、訪問が思うようにいかなかった場合は、こんな風に考えてみましょう。

【うまく行かなかったときのメンタルの整え方】

  • 「今日はお互いのタイミングが合わなかった」と思い「面識ができてよかった」「取扱い商品の告知やPRができた」と考える
  • 「相手の属性情報を得ることができ、断わる理由も聞けた。明日以降のためのセールス材料ができた」と考える
  • 「再訪問できる見込み客ができた」と考える

筆者の経験では、一般的には話を聞いてくれるのは訪問数の約30%、売上につながるのは約3%です。つまり、思うようにいかない方が圧倒的に多いのです。

ですから、この「訪問前のマインドセット」と「うまくいかなかったときのメンタルの整え方」は2つセットで心得ておくべきものと言えます。

※どんな考え方(マインドセット)を持っているかで、飛び込み営業としての行動が変わります。営業に使えるマインドセットについて、他にも知りたい方は、下記記事をご覧ください。

1-3.訪問前の準備

3番目の極意は、「訪問前の準備」です。訪問前に準備しておきたいのは、「お客さま情報/企業情報」と「提供できるサービス・情報」です。

お客さまは、突然の訪問者である飛び込み営業とのやり取りが、自分にとってメリットが有ると思えば、「話を聞いてみよう」「少しだけ時間をとっても良さそうだ」と考えます。

そのために、お客さまを知り、興味・関心を惹くアプローチをする。提供できるサービス・情報を用意して、お客さまへメリットを提供することが有効です。

1.お客さま情報/企業情報

飛び込み営業では、お客さまに関する情報を可能な限り入手することが必要です。なぜなら、相手を知った上で訪問するのと、何も知らずに訪問するのとでは、「アプローチで使う言葉」や「その後の会話内容」が大きく違ってくるからです。

そこで下記情報を確認しておきましょう

  • 基本的な項目(業種、業態など)
  • 時間に関する項目(創業年、事業年数、定休日など)
  • 場所に関する項目(本社、営業所数など)
  • ヒトに関する項目(経営者、社員、評判など)
  • モノに関する項目(商品、サービス、CMや広告など)
  • カネに関する項目(年商、経営・財務状態、経営資源など)

2.提供できるサービス・情報

「サービスの準備」とは、差し上げるモノやサービス情報の準備のことを指しています。販促品やご挨拶の品、情報のサービス(知識、ノウハウ、役立つ業界情報など)を準備します。

提供できる商材に関係なく、お客さまに役立つ情報や、喜ばれるものは有効です。飛び込み営業におけるアプローチで、興味・関心を得る際に、効果的に使いましょう。これにより、話のきっかけができ、お客さまの気持ちが和らぎます。もちろん、アプローチ後の営業でも有効に使えます。

※営業力・営業成績を伸ばしたい方は、こちらの記事もおすすめです。

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2.飛び込み営業「3つの極意」を体現する9つの行動

次に3つの極意を会得し、体現するための、具体的な行動についてご説明します。「飛び込み営業は難しい」と感じている方には特に、今後のセールス活動のヒントになります。実践できそうなものは、さっそく今日の訪問から活用してみてください。

2-1.招かれざる客だと思って訪問する

飛び込み営業をしている自分は「招かれざる客と思われている」と自覚し、その上で、自分が受け入れてもらいやすくなる工夫をしましょう。これにより、飛び込み営業最初の壁となる「アプローチ」の成功率を高めることができます。

なぜなら、突然の訪問を受けたお客さまは、必ずしも歓迎の気持ちとはならないことを認識していれば、自分が拒否されてつらくなる気持ちが軽減され、お客さまの気持ちに添ったアプローチができるようになるからです。

このように「招かれざる客」と自覚することで、以下のように考えやすくなります。

  • 受け入れられてもらいやすくなるには、どうしたらよいか?
  • 「あなたの話を聞きたい/聞かせて欲しい」」と言われるには、どうしたら良いか?
  • 自分がお客さまの立場なら、どのようなアプローチや話し方をすると、興味・関心・信頼を得られるか?
  • 自分がお客さまなら、どんな営業から話を聞きたいか?/商品を買いたいか?
  • どうしてトップセールスは、お客さまに受け入れられているのか?

など

こうした思考から生まれる行動は、飛び込み営業において、アプローチの成功率を高め、商談数、成約数の向上につながります。日常的にこうしたことを考え、実践で使い、工夫を繰り返しましょう。

ですから、「この商品は、お客さまへのお役に立つ商品だ」と気持ちがやる気に燃えていたとしても、頭は冷静に、目の前のお客さまが自分をどう受け止めているかを考え、イメージしましょう。この繰り返しにより、お客さまの立場に立った話し方ができるようになります。

他にも受け入れてもらいやすくなる工夫としては、「時間帯を選んで訪問する」「お客さまの興味を引くアプローチを考える」などがあります。

2-2. 「営業 = お客さまの課題を解決する存在」だと意識して飛び込む

お客さまを訪問するとき、「お客さまの課題を一緒に考え、解決し、理想をかなえるお手伝いをするために来た」という営業理念を意識しましょう。こうした意識と、それに伴う思考や行動が、お客さま視点のアプローチや営業を可能にし、アプローチにおける自信を高めてくれます。

トップセールスの人ほど、この理念が建前ではなく本音となっています。まずお客さまの課題を解決し、お客さまにとってのメリットを生み出すことに、徹底して貢献します。その結果、興味や関心の惹きつけ・アプローチの成功・商談数の増加・成約数の増加につながり、目標達成に直結していくのです。

それが飛び込み営業に対する自信や誇りを高め、お客さまに接する態度や言葉の表現が、違うものになってきます。

その結果、焦ってくるとつい言ってしまいがちな、「何とかお取引願えませんか」「いいお返事をいただけませんか」といった、嘆願型や高圧型の表現は全くなくなります。そして、よりお客さまの気持ちに添うことができ、上手にお客さまの気持ちや本音が聞き出せるようになっていきます。

2-3.お客さまの反応に合わせた、アプローチや営業トークを使う

お客さまの反応・反論に合わせた、アプローチや営業トークを使いましょう。どんな業種でも、お客さまの反応や反論にはパターンがあります。そのパターンに合わせることで、スムーズなアプローチにつながり、お客さまからの断わりに対して、対処・克服しやすくなります。

この時に意識したいのは、以下になります。

  • お客さまにとってストレスのないアプローチ
  • お客さまの警戒を解く、基本的なトーク
  • お客さまの反論や拒絶を「興味・関心」に結びつけるトーク
  • 慌てずに、堂々とやり取りできる応酬話法
  • お客さまの好反応を引き出す切り返し

など

こうすることで、お客さまの様々な反応に対して対応できるようになるため、断わりを恐れずに、飛び込めるようになっていきます。さらにはお客さまの好反応を引き出せるようになり、飛び込み営業が楽しくなるケースが多々発生してきます。

日常的に行う飛び込み営業の中で、こうしたことを意識して、パターン認識に努めてゆくとよいでしょう。

  • どんな反応・反論が多いか?
  • どんな言葉やトークを使うと断られやすいか?
  • どんな言葉やトークに良い反応が返ってくるか?

など

そしてお客さまの反応・反論のパターンに対してトークを組み立てる時、役立つのが応酬話法です。応酬話法とは、肯定法、否定法、例話法といった、断わりを克服する応酬トークの技術です。話法にはさまざまな種類があるので、お客さまの反応ごとに話法を用意しておくと便利です。

  • お客さまから「間に合っている」と断わられたら→「ですからこそ」の肯定法を使って一歩踏み込む
  • お客さまが迷っている様子なら→例話法を使って背中を押す

このように、適切な話法の用意があると迷いがなくなり、お客さまの前で落ち着いて話せるようになることで、成果が出やすくなります。ここでは応酬話法の一例として、「肯定法」の会話例を見てみましょう。

【肯定法を断わり文句への対応パターンとする会話例】

※(肯定法とは…、「お客さまの発言に対して、その発言を肯定し、理解を示した上でこちらからの提案をする応酬話法のことです。)

お客さま:
「そういう商品は、うちの会社では使ったことがないので必要ないと思います」

営業担当者:
「そうですか、今まではこういった商品はご利用なさっていらっしゃらないということですね(肯定する)」
「現状のままでご不便はないというのはよくわかります(理解を示す)」
「お使いになっていないお客さまだからこそ、お使いいただいてこんな意外なメリットがあった、と喜ばれた実例をお伝えしたいのです(提案する)」
その実例をご紹介させていただけますか?」

応酬話法についての詳しい情報は、こちらをご覧ください。

※補足:アプローチを柔軟に工夫しましょう。

相手の反応・反論のパターンに合わせて、言葉やトークを用意したら、常に工夫しながら、仮説と検証を繰り返しましょう。

訪問する部署や相手を、時には変えてみるなど、アプローチは柔軟に考えましょう。思いがけない突破口が見いだせる場合があるからです。

  • 「この商品の場合はこの部署を訪問するべき」
  • 「代表者や実権を持つ人に会うべき」

といった思い込みをいったん脇に置きましょう。
今対応してくれている目の前の人や、自社の商品を実際に使う人に先に試してもらう、といった訪問の仕方を考えてみてください。

トップセールスは、常に「こうしてみたらどうなるか」という仮説と検証を繰り返すことで、セールス活動の精度を上げています。

2-4.適切な質問と傾聴で、お客さまのニーズや欲求をヒアリングする

適切な質問と傾聴を使い、お客さまのニーズや欲求をヒアリングしましょう。お客さまの元に訪問し、強い興味を引き出すには、お客さまが何を求め、解決したいかなどを知ることが大事です。それによりお客さまの求めているものと商品のメリットを結びつけたトークをしやすくなります。

結びつけることで、お客さまは商品を理解し、営業の話の内容が他人事から自分ごとに変わり、興味が高まります。こうすることでアプローチが成功し、その後の営業をスムーズに進めやすくなります。

そういうわけで、飛び込み営業での訪問後、さまざまな角度から質問を行い、お客さまのニーズを深く把握しましょう。適切な質問をすることで、以下を知ることができます。

  • 叶えたい/実現したい願望や目標
  • 解決したい課題や問題

早く本題に入りたいというはやる気持ちを抑え、ヒアリングを徹底しましょう。効果的なヒアリングのポイントとしては、お客さまの話を掘り下げるように、質問を繰り返すことです。次の例で見てみましょう。

【ヒアリングの会話例】

お客さま:
「うちはA銀行さんから資金を借りているので、今のところ借入は必要ないですね」

営業担当者:
「A銀行さんのお借入れとおっしゃいますと、運転資金の方ですか」
※(ポイント①→「A銀行さん」「資金を借りている」というお客さまの言葉を掘り下げます)

お客さま:
「いや、まあ、いろいろありますけどね。けっこう金利も勉強してくれているので、助かっています」

営業担当者:
「それはよかったですね。では、例えば新しい設備のための資金計画などもA銀行さんとご相談していらっしゃるんですか」
※(ポイント②→最初の会話の「今のところ借入は必要ない」を掘り下げます)

お客さま:
「うーん、それはまだ話していないんですけどね」

営業で使える適切な質問トークを知りたい方は、下記記事をご覧ください。

2-5.お客さまの心に響く言葉を使う

一瞬で相手をひきつけ、商談に集中してもらうために、お客さまの心に響く言葉を選ぶことが大切です。例えば、「心の動きの原則に合う言葉」「自社のお客さまの多くに、共通して響く言葉」です。

もう少し詳しくお伝えすると、こういうものです。

  • 心の動きの原則に合う言葉
  • :例えば、「人は自分の存在を肯定してもらいたい/肯定したい」という普遍の原則があります。この原則に合わせた言葉を使うなら、「相手を肯定する/受け止める」言葉や言動を使うことで、相手の心に響きやすくなります。

  • 自社のお客さまの多くに、共通して響く言葉
  • :自社のお客さまを分析すると、「ニーズや欲求」「叶えたい願望や解決したい問題」など、ある程度パターン化できることがわかります。そして、それらに合わせて、「どのような傾向の言葉や言動が響くか」も見えてきます。

心に響く言葉をたくさん持つには、「人間心理を理解すること」「自社のお客さまを知ろうとすること」などがポイントです。こうした心に響く言葉をたくさんストックしておくほど、アプローチを成功させ、成約率を高めることができます。

※人間心理を取り入れた営業の進め方やテクニックを知りたい方は、下記記事をご覧ください。

2-6.飛び込み営業として、具体的に目標を描く

飛び込み営業として、具体的な目標を設定しましょう。

例えば目標が「新商品を紹介する」であれば、これまで訪問していないエリアの企業に行くなど、目標を設定することで、自然にそれを達成するための行動を取るようになります。

目標を立てるときは、このような点に留意してみましょう。

  • 「何を」「いつまでに」「どのくらい」と具体的な内容にする
  • 数値は、達成可能より少し高めの、自分の成長を見込んだレベルに設定する

それでは、どんな目標を設定するのが良いかを見てみましょう。

【目標設定の例】

  • どんな結果がほしいのか?/月に何件の見込み客を獲得し、成約したいか?
  • :月間の新規成約〇〇件
    :A商品の売上〇〇万円増/〇年〇月まで
    :自社や新商品を紹介しアピールする(〇〇社目標)/2週間

  • どのような営業になりたいか?
  • お客さまに何を提供したいのか?

など

そして効果的な目標設定の方法として、8つのステップを紹介します。

【効果的な目標設定8つのステップ】

1.肯定的な表現でほしい結果を描く
  • どんな結果が欲しいですか?
  • 現状の結果に変えて、どのような結果を手にしたいですか?
2.何をもってゴール達成を判断するか、基準を明確にする
  • ゴールを達成したことは、どのようにして分かりますか?
  • ゴールを達成したときに、何が見えますか?
  • ゴールを達成したときに、何が聞こえますか?
  • ゴールを達成したときに、身体で何を感じますか?どんな感覚がありますか?

※ゴールを達成した自分を思い浮かべ、行うのがポイントです。

3.5W1Hを使い、ゴールをより具体的にする
  • そのゴールはいつまでに、誰と、どこで、どのように創り出しますか?
  • いつ?
  • どこで?
  • 誰と?
  • 何を?
  • なぜ?
  • どのように?
4.ゴールを達成することの影響を確認する
  • このゴールを達成することで、どのような影響がありますか?
  • ゴールに向けて行動するで、どのような影響がありますか?
  • 自分や周囲の人に、どのような影響がありますか?
  • 短期的、中期的、長期的に、どのような影響がありますか?

※プラスの影響、マイナスの影響を明確にしましょう。これにより、プラスの影響を大きくし、マイナスの影響を回避できるように、ゴール設定を調整できます。

5.ゴールの達成に役立つリソースを確認する
  • すでに持っているリソースは何ですか?
  • さらに必要なリソースは何ですか?

※リソースとは、ゴールの達成に役立つ、有形無形のものです。知識、経験、お金、人、情報、スキル、能力など、使えるものはすべてリソースです。さらに現代であれば、多くの人に情報発信できる媒体、多くの人からの支持・共感・協力を得られる「信用の高さ」もリソースになりえます。

6.成果や行動を妨げる要因を明確にする
  • ゴールの達成や、成果や行動を止めているものは何ですか?
  • マイナスを生み出す要素があるとしたら、何ですか?

※成果や行動を妨げるものを明確にすることで、対処するための計画を組み込めるようになります。

7.ゴール達成の意味・意義を明確にする
  • ゴールの達成は、あなたにとってどのような意味がありますか?
  • ゴールを達成することで、何を得られますか?

※人は意味・意義を明確にすることで、気持ちのスイッチが入り、より効果的な行動を起こせるようになります。

8.具体的な行動計画をつくる
  • 中間地点のゴール設定として、いつまでに、どのような成果を出しますか?
  • ゴールや中間のゴールのために、どのような行動を取りますか?
  • 必要なリソースをどのように手にしますか?
  • 成果を妨げる要因をいつまでに、どのように解消しますか?
  • 今からできる最初の一歩は何ですか?

※8つのステップや目標設定に関しては、下記の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。

2-7.成功の先取り(上手く行っているイメージ)をした上で飛び込む

訪問先に飛び込む前に、「成功の先取り(上手く行っているイメージ)」をしましょう。具体的には、「アプローチが成功しているイメージ」「成約成立のイメージ」などを行います。これにより、脳のRAS(膨大にインプットされている情報の中から、意識を向けたことに対して、必要な情報を、意識上に挙げてくる機能)を活用し、目標達成に向けて、パフォーマンスを高めることができます。

以上のことから、目標を設定するかどうかで、飛び込み営業のパフォーマンスが変わります。さらに飛び込み営業の成功に向けた、シミュレーションも大事です。
例えば、「こんなアプローチをして、そうするとこんな反応がくるだろうから、こう話を展開したらうまくいく」などと、商談が成功している状況をイメージした上で、お客さまを訪問しましょう。

それにより、そのイメージを具現化するための相応しい行動を、臨機応変にとれるようになるからです。

また、飛び込み営業が成功(契約成立、目標達成など)するイメージを意識して、お客さまとの商談に臨むと、成功のために必要なお客さまの情報やデータを、聞き逃さず把握できるようになります。

具体的には、このようなステップを踏みます。

  1. どんな結果を手にしたいかを明確にする
  2. 達成している姿をイメージする(結果やプロセスをイメージします)

こうしたことが、飛び込み営業での成果に影響を与えます。

2-8.気持ちを高め/整えた上で、お客さまを訪問する

お客さまを訪問する前に、気持ちを高め、心を整えましょう。

自分がお客さまの立場に立って、「どんな営業から、話を聞きたいか?」「どんな営業だったら、信頼できるか?」と考えると、イメージしやすいと思います。

おそらくほぼ全員が、「気持ちが下がり、自信や余裕がないように見える営業」より、「気持ちが高まり、落ち着きがあって自信や余裕があるように見える営業」から、話を聞きたいと思うのではないでしょうか?

さらに気持ちのありよう次第で、営業パフォーマンスも変わります。こうしたことから、お客さまへの訪問前に、気持ちを高め/整えることが、飛び込み営業の成功に影響を与えます。

こういう時に役立つのが、五感(視覚や聴覚などの、身体感覚)を刺激して感情をコントロールすることです。五感の活用は、自分の気持ちがふさぎこむのを防ぎ、心をおだやかに整えてくれます。

心が整わないまま次の訪問先へ行っても、うつむき加減の姿勢であったり声が沈んで暗くなっていたりして、お客さまに良い第一印象を与えません。次の訪問先ではまた新たな気持ちで臨めるように、気持ちが落ち込んだなと思ったら、以下を実践してみてください。

【五感を刺激して感情をコントロールする例】

  • 自分の心が落ち着く本を読んだり、写真を眺めたりする(視覚)
  • 次の訪問ではうまくいっているイメージをする(視覚)
  • 音楽を聴く(聴覚)
  • 森林や公園などリラックスできる香りのある空間に行く(嗅覚)
  • アファメーションを行う(※)

※アファメーションとは?

アファメーションとは、肯定的な言葉を使い、深層心理に影響を与える方法です。肯定的な言葉を使い、自分に語りかけることで、言葉の影響を自分に与えられます。

例えば「私はできる」「私はトップセールスになれる」といったことを声に出しながら、自分に語りかけ、イメージします。

飛び込み営業を始めたばかりの方は特に、訪問前に緊張したり不安になったりすることがあるかもしれません。そういうときは、アファメーションが役立ちます。

アファメーションは、次のような効果が期待できます。

  • 今の状況に集中することになり、いいタイミングでアイデアがひらめいたり、行動できたりする
  • 自分の良さを再認識することで、自信を取り戻し、気持ちを奮い立たせることができる

この結果、自分のパフォーマンスが向上していきます。

アファメーションのポイントは、「肯定的な表現にする」「現在形、または現在進行形にする」など、いくつかあります。非常に効果的な方法となっています。

※アファメーションについての詳しい説明は、こちらをご覧ください。

2-9. 「飛び込み営業」への不安を払拭してから訪問する

飛び込み営業に対する「不安や怖れ」「マイナスイメージ」を払拭してから、訪問しましょう。こうしたマイナス感情や思い込みが、飛び込み営業の成果を妨げてしまいます。これらを取り除くことで、パフォーマンスを高めることができます。

そのために行いたいことは、「起きた出来事」や「過去の体験・経験に対する意味付け」を変えることです。そこに役立つスキルが、「リフレーミング」です。リフレーミングは心理学NLPのスキルになり、出来事に対するネガティブな意味付け・捉え方を変え、前向きな心理状態にしていくことができます。

自分なりに工夫して、飛び込み営業に臨んだのに、お客さまから門前払いされるとやりきれない気持ちになります。しかしそこで見方を変えることで、お客さまからの「NO」の意味付けを変えられると、必要以上に気持ちが落ち込むのを防ぐことができます。

それでは以下に、飛び込み営業をしている方に使える、リフレーミングの方法を紹介します。質問を使いながら行います。

【リフレーミングの質問例】

  • 拒絶や失敗から、何を学べるだろうか?
  • お客さまの反応から、何を学べるだろうか?
  • この出来事から、何を学べるだろうか?

など

※リフレーミングの詳しい説明については、こちらをご覧ください。

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まとめ

飛び込み営業で最も重要な3つの極意と、またその極意を具現化するための「9つの行動」をご紹介しました。

飛び込み営業は、アポイントなくお客さまのもとを訪問するものです。お客さまの警戒心をほどくステップが加わるので、心理的なハードルが高いセールスの手法です。そういったハードルを、ご紹介した内容を活用して、乗り越えていきましょう。

その上で、お客さま本位の気持ちを片時も忘れず、十分に事前準備して臨むと、お客さまに受け入れてもらえるようになっていきます。

あなたが日々磨いているスキルが、お客さまにとっての魅力や価値になっています。自信を持って、前向きに取り組んでみてください。

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