
あなたはご存知でしょうか?
傾聴力を高めることで、仕事、ビジネス、あらゆる人間関係で、手にする結果が変わることを。さらに相手をより深く理解し、共感でき、心を通わせることができるようになります。
それにより以下のような効果を手にすることができます。
- 誰とでも、どんな話のテーマでも、効果的に傾聴できる
- より短時間で、深く心を通わせ、質の高いコミュニケーションを取れる
- より良好な人間関係を築ける
- 人間関係のもつれなど、難しい問題に対処しやすくなる
- 販売、営業、接客で高い結果を出せるようになる
- マネジメントに効果を発揮し、強いチームを作ることに役立つ
- 他者が必要としている変化や行動に対し、より効果的にサポートできるようになる
- 悩みや問題の解決、目標達成に必要な答えとアイデアを見いだせるようになる
など
しかし、もしも傾聴力が低い場合、以下のように損をしている可能性があります。
- 築けたはずの信頼関係(人間関係)を築けない
- 解決できたはずの人間関係の問題がこじれる
- 仕事上で手にしたはずの売上や結果がでない
- フォローやケアできたはずのスタッフが退職する
- 相手への理解と共感不足により、人間関係の問題を生み出す
など
このように傾聴力の有無は、あなたの人生に大きく影響を与えています。
ところで、もしもあなたが自分の傾聴力に「自信がない、満足していない」とお考えでしたら、傾聴力を高める考え方と方法をご紹介するこの記事は、お役に立ちます。
それは、仕事、ビジネス、人間関係だけでなく、コーチング、カウンセリング、セラピー、コンサルなど、人と関わる仕事で効果を発揮します。ぜひお役立て下さい。
![]() | 監修:日本コミュニケーション能力認定協会 |
コミュニケーションの専門機関として “満足度99.3%” の『コミュニケーション能力認定講座』を開催。日本教育推進財団が監修し、19万人の指導実績に基づくコミュニケーション・カリキュラムは、信頼の獲得・リーダーシップの発揮・営業や交渉での成功・人間関係の構築に効果的。メディアからも注目されている。 |
目次
1.傾聴力とは
傾聴力とは、相手の心と話に気持ちを向け、「心から聴く」力になります。傾聴力があるかないかで、人生で手にする人間関係や結果が変わるほど、人間関係やコミュニケーションにおいて大切な力になります。そこでこの章では、傾聴力の効果や高め方についてご紹介します。
1-1.傾聴力とは
傾聴力を高めるほど、あなたの「人生の質」「生活の質」「人間関係やコミュニケーションの質」が高まっていきます。この記事の冒頭でも触れたように、仕事、ビジネス、人間関係、あるいはコーチングやカウンセリングなど、人と接する仕事において効果を発揮します。
特に継続的に業績を伸ばしている経営者、優秀なビジネスパーソン、コミュニケーション能力の高い人、他者の信頼を集める人、人の気持ちを掴み、動かすことが上手い人ほど、傾聴力が高い傾向があります。
さらに傾聴力を高めることで、他者だけでなく自分の内側へ耳を傾けることも上手になっていきます。それは下記のように必要な変化、行動を生み出せるようになります。
- 思考や感情の整理
- 悩みや問題の解決、目標達成に向けたアイデアを見出す
など
1-2.傾聴力のレベルと高め方
傾聴力を高めやすくするために、この記事では傾聴力について、以下のようにレベルを分けました。それぞれのレベルで高め方をご紹介していますので、ぜひご覧下さい。
- レベル1(基本)
(ポイント)
・基本をマスターしているかどうか
⇒ 傾聴の基本を実践でき、相手のために、話を聴けるかどうか
(高め方)
・この段階で重要なことは、基本的な傾聴を身につけることになります。以下の記事に基本的な傾聴についてポイントをまとめています。合わせてご覧ください。
- レベル2(実践)
(ポイント)
・誰とでも、どんな話のテーマでも、効果的に傾聴できるかどうか。
⇒ 相手のタイプや話の内容に左右されず、どのようなタイプの人、どんな話のテーマでも、傾聴できるかどうか。
(高め方)
・この段階では実践の量が大事になります。いろいろなタイプの人、様々な話に対して傾聴しましょう。経験を積むほど、誰とでも、どんな話のテーマにも傾聴できるようになっていきます。
その時に大事なもう一つのポイントは、フィードバックになります。傾聴した時のことを後から振り返り、上手くできた点、改善点を明確にして、次に傾聴する際に活かすことです。
- レベル3(柔軟性)
(ポイント)
・傾聴を妨げる要素に対して、柔軟な対応ができるかどうか。
⇒ 傾聴すると起きてくる、「コミュニケーションの目的から話がそれる、話が長引く」などへ柔軟に対応し、傾聴することができるかどうか。
(高め方)
・この段階では具体的な「予防策」と「対処法」を学ぶことが大事になります。予防策に関しては、当記事の「2-1」「2-2」、対応策に関しては以下の記事でご紹介しています。練習し、経験を積むほど、柔軟に対応できるようになっていきます。
- レベル4(応用)
(ポイント)
・質問を使い、より効果的に傾聴をできるかどうか。
⇒ 質問を使うことで、より短時間に、より深い理解や共感を可能にし、相手が思考や感情を整理できているかどうか。さらに悩みや問題の解決、目標達成に向けて、より効果的な答えやアイデアを見出し、必要な思考と行動を生み出せるように傾聴できるかどうか。
(高め方)
・この記事では、レベル4を中心に質問のパターンや質問法をご紹介していますので、ぜひご活用下さい。練習し、経験を積むほど、傾聴力を高めることができるようになります。
上記のように段階的に実践することで、傾聴力を高めることができます。
【補足情報】
以下の記事は傾聴力を高めることに役立ちますので、合わせてご覧ください。
2.傾聴力を高める6つの質問パターンと質問法
効果的な質問を使うことで、相手は下記を手にすることができます。
より短時間で、
- 思考や感情を整理し、
- 悩みや問題の解決、目標達成に向け、最良の答えを見出す
- 必要な変化、行動を見出す
など
それでは一緒に見ていきましょう。
そこでこの章では、効果的な6つの質問についてご紹介します。
2-1.コミュニケーションの目的(何のための時間か)を方向づける質問
コミュニケーションの目的が明確な場合、はじめに、お互いの意識を目的に方向づけた上で傾聴しましょう。
例えば、マネジメント、誰かの悩み相談、コーチング、カウンセリングなどのように、コミュニケーションの目的が明確な場合、「何のための時間か」を予め確認し合うことで、目的に意識を向けた上で、傾聴することができます。
以下に具体的な質問をご紹介します。
【効果的な質問の例】
- 営業において
:本日は御社(あなた)にとって、どのようなメリットがあるかをご判断いただく時間になります。よろしいでしょうか?
- マネジマントにおいて
:今日は◯◯について話をできたらと思っているけど、大丈夫?
- コーチングやカウンセリングにおいて
:本日はどのようなテーマでセッションをしたいですか?
など
このようにコミュニケーションの目的に対して意識を向けることで、話がそれたり、散らばることを回避し、大切な話に集中できるようになります。
【補足:コミュニケーションの目的が明確ではない時】
このような時は、会話をしながら相手が聴いてほしそうな話を出してくれた場合、「もっと詳しく教えてもらってもいいですか」と伝えることで、大切なことへ意識を向け、話を方向づけることができます。
2-2.本当に欲しい結果、望んでいる状態、なりたい自分を明確にする質問
相手が望んでいる、「本当に欲しい結果」「望んでいる状態」「なりたい自分」を明確にしましょう。
ゴールや目標の達成、悩みや問題の解決の基本は、「どうなりたいか」を明確にすることです。そのため、「どうなりたいか」を明確にした上で傾聴することで、相手の「人生の質」「生活の質」をより良くすることに、話を方向づけた上で傾聴することができます。
そしてもしも、悩みや問題を抱えている場合は、「悩みや問題の代わりにどのような状態を手にしたいか」と質問しましょう。それにより「どうなりたいか」へ意識を方向づけることができます。
さらに、「どうなりたいか」を明確にすることで、脳や無意識も方向付けられます。その結果、望んでいる状態に対して、思考や感情が整理され、必要な答え、アイデア、解決策を見出しやすくなります。
以下に具体的な質問をご紹介します。
【効果的な質問の例】
- 望ましい状態を明確にする質問
:どうなりたいですか?/どのような状態を手にしたいですか?
:何が欲しいですか?/何を得たいですか?
:どのような自分になりたいですか? - 悩みや問題の代わりに、どうなりたいかを明確にする質問
:現状に変えて、どのような状態を作りたいですか?
:悩みや問題の代わりに、どうなりたいですか?
:こじれた人間関係を、どのようにしたいですか?
:苦しい現状に変えて、どのような状態を作りたいですか?
:無理、できないと思っている自分の代わりに、どのようになりたいですか?
など
このように、相手がどうなりたいかを聴き、明確にすることで、大切なことへ話を方向づけることができます。さらに、別の話にそれたり、曖昧なまま進むことを避けることができるようになります。
【補足1:相手が、強い悩み、問題、マイナス感情にある時に関して】
その話を聴き切ることも効果的な方法の一つです。話を聴き切ることで、気持ちが落ち着き、思考や感情が整理されます。それにより、前に進むための話をしやすくなります。
その一方で、最初から望ましい状態に意識を向けることで、前に進む話をしやすくする方法もあります。そのため、相手の状態をよく見て、使い分けましょう。
【補足2:ゴールを明確にするための質問に関して】
以下の記事に詳しくまとめていますので、合わせてご覧ください。
2-3.「出来事、思考、感情、思い込み」を具体的にする質問
相手が話してくれる、出来事、思考、感情、思い込みについて具体的に聴きましょう。
具体的に聴くほど、悩みや問題の解決、目標達成に向けて答えやアイデアを見出し、必要な行動を取りやすくなります。例えば、相手自身も気づいていない、「はっ」とするような事実や答え・アイデアが生まれたり、「私には無理」「私にはできない」などの執着を緩め、手放すことにもつながります。
以下に具体的な質問をご紹介します。
【効果的な質問の例】
※「私には無理」「私にはできない」と思っている方に対する質問を例としてご紹介します。
1 | 5W1H :そう思わせた出来事は、いつ、どこで、誰といる時、何が、どのように起きたのですか? |
2 | 具体的には? :具体的にはどういうことですか? |
3 | もう少し詳しく教えていただけますか? :それについて、もう少し詳しく教えていただけますか? |
4 | 例えば? :例えば、どういうことでしょうか? |
5 | どのように? :どのように無理なのですか? |
6 | 何が問題ですか? :それは、どのように問題ですか? :それにより、どのようなマイナスがありますか? |
7 | 本当に? :本当に?(それは本当ですか?) :それは事実ですか?(それは思い込みですか?それは誰かに言われたのでしょうか?) |
8 | いつ?(何がきっかけで?) :いつ、そう思ったのですか? :いつから、そう思っているのですか? :何がきっかけでそう思ったのですか? |
9 | どうして? :どうしてそう思ったのですか? :何がそう思わせたのですか? |
10 | 誰が決めたの? :それは誰が決めたのですか? :それはあなたが決めたのですか? :それは誰かの影響を受けていませんか? |
11 | 何(誰)と比べて? :何(誰)と比べて、そう判断したのですか? |
12 | どんな意味がありますか? :それはあなたにとって、どのような意味がありますか? |
13 | どのようにして分かりますか? :無理だというのは、どのようにして分かりますか? |
悩みや問題、マイナス感情、ネガティブな思い込みにとらわれている時ほど、自分視点の曖昧な情報の中で、悶々としがちです。しかし具体的な質問で、「曖昧さ」を「具体的」にするほど、必要な解決策、変化、行動を見いだすことができるようになります。
つまり問題は問題でなくなり、マイナスの感情を手放し、ネガティブな思い込みを緩め(手放し)、マイナスの意味付けを健全なものへ変えやすくなります。つまり、傾聴力を高めるために欠かせない質問になります。
【補足:ものの見方や意味付けを変えるための質問に関して】
マイナスの感情、ネガティブな思い込み、マイナスの意味付けを建設的、あるいは健全な状態に変えるための質問方法があります。詳しくは以下の記事にまとめていますので、合わせてご覧ください。
2-4.押しとどめているマイナスの感情を開放する質問
相手が抱え込んでいる感情に耳を傾けましょう。
抱えている感情を表に出すことで、自分の想いや感情を客観的に見ることができ、マイナス感情やネガティブな思い込みが緩んできます。それをきっかけに、思考、感情、行動に変化を生み出しやすくなります。
以下に具体的な質問をご紹介します。
【効果的な質問の例】
- それについてどのように思っていますか?/考えていますか?/感じていますか?
- 相手に対して何を伝えたいですか?
- 相手に何を理解してほしいですか?
- 本当は相手との関係をどうしたいですか?
- 伝えていない感謝、お詫び、怒りがあるとしたら何ですか?
など
心理学NLPでは「感情は出しても問題ないけれど、問題を抱え込み、溜め込むことの方が問題になる」と教えてくれます。それほどネガティブな感情や思い込み、葛藤は、心の中に抱え込み、溜め込むほどに、心を蝕んでしまいます。
しかし、なかなか声に出せないのも事実です。そのため、相手が感情を開放できるように質問する力も傾聴力になります。
2-5.結果や行動を妨げているものを明確にする質問
「あなたの結果を妨げるものは何ですか?」という質問を使いましょう。
それにより、相手の結果を妨げる思考、感情、行動、思い込み、価値観、環境などを明確にすることができます。そして、結果を出すために必要な変化や行動を生み出せるようになります。
以下に具体的な質問をご紹介します。
【効果的な質問の例】
- 結果を妨げている(止めている)ものがあるとしたら何ですか?
- 行動を止めている(止めている)ものがあるとしたら何ですか?
- マイナスを生み出している思考、感情、行動があるとしたら何ですか?
など
どれだけ頑張って行動し、プラスを積み重ねても、妨げるものがあると思うように結果は出ません。自転車のペダルをどれだけ高速で回しても、同時にブレーキを掛けていたら、思うように前に進まないのと同じです。
そのため、このような質問をした上で傾聴することは、とても重要な意味を持ちます。
2-6.可能性を生み出す質問
「もしも、◯◯なら~」という質問を行いましょう。
「もしも」という言葉を頭につけることで、「無理」「できない」と限界を設けていることに対して、心理的なハードルを下げることができます。それにより、可能性に目を向けることができるようになります。
以下に具体的な質問をご紹介します。
【効果的な質問の例】
- もしも何でもできるとしたら、どのような行動を取りますか?
- もしも解決できる可能性があるとしたら、何から始めますか?
など
不安や恐れを感じている時、あるいは諦めている時、自分に自信を持てない時ほど、思考が停止しがちです。しかし、「もしも◯◯」や「仮に◯◯」という質問をすることで、仮説として思考することができます。そして可能性に意識を向け、広い視野で思考できるようになります。
もしも相手が自分に限界を設けているなと気づいたら、この質問を使いましょう。これも傾聴力を高める効果的な質問になります。
3.まとめ
傾聴力を高めることで、仕事、ビジネス、人間関係など、人生の様々な場面で、以下のような結果を手にすることができます。
- 誰とでも、どんな話のテーマでも、効果的に傾聴できる
- より短時間で、深く心を通わせ、質の高いコミュニケーションを取れる
- より良好な人間関係を築ける
- 人間関係のもつれなど、難しい問題に対処しやすくなる
- 販売、営業、接客で高い結果を出せるようになる
- マネジメントに効果を発揮し、強いチームを作ることに役立つ
- 他者が必要としている変化や行動に対し、より効果的にサポートできるようになる
- 悩みや問題の解決、目標達成に必要な答えとアイデアを見いだせるようになる
など
それは傾聴する相手とあなた自身の「人生の質」「生活の質」を高めることに役立ちます。さらに「人間関係やコミュニケーションの質」を高めることができます。
そのために、ぜひ1章でご紹介した内容を参考に傾聴力を高め、2章でご紹介した効果的な質問をご活用ください。
【補足情報】
質問の方法に関して、以下の記事でより詳しく特集していますので合わせてご覧ください。