営業において、こんなことを感じたことはありませんか?
- 「もっと売上を上げたい/トップセールスになりたい」
- 「今のままではだめだ/どうしたら売上が上がるんだろう・・・」
- 「上手く話せるようになりたい/コミュニケーション能力を高めたい」
など
上記のように感じ、考える目的は、より高い結果を出すためかもしれませんし、まずは現状を打破したいのかもしれません。もしもそうでしたら、これから紹介する「2種類のコミュニケーション」を試してみましょう。
- 信頼を得るコミュニケーション
- ヒアリングを徹底したコミュニケーション
これらを徹底することで、お客様の反応は変わり、心を掴み・動かしやすくなります。トップセールスほど、これらを徹底しているため、お客様に感謝されながら、周囲が羨むような、圧倒的な営業成績を実現しています。
そして、著者である私が実際に出会ってきた「圧倒的な結果を出すトップ営業」の中には、「ダントツの全国1位」を達成し続けるトップセールスがいます。一緒に仕事をし、師匠でもある彼女の実践から、ノウハウを盗もうと集中していた頃、あることが分かりました。
それは「信頼を得ること」「ヒアリングすること」を徹底していたのです。それも周囲とは比較にならないレベルでです。
その一方で結果の出ない営業ほど、信頼やヒアリングの前に、一生懸命に自分の話したいことを優先しがちです。このような両者の違いが、営業成績の差をつくっていたのです。
そこでこの記事では、なぜ「信頼を得ること」「ヒアリングすること」が重要なのか?を解き明かしていきます。同時にこれらは「技術」ですので、正しい考え方と基本を知り、練習すれば誰でも上達します。この先の内容が、少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
目次
1.信頼を得ることを徹底する
この章では「信頼を得るコミュニケーション」をテーマに、お伝えしていきます。
ここを徹底するだけで、お客様の反応は大きく変わるため、まずは行っていただきたい内容となっています。
1-1.徹底して「信頼を得る」ことで、実現すること/得られる効果
ダントツ全国1位のトップセールスが、まず第一に徹底しているのが「信頼を得ることを目的としたコミュニケーション」でした。その理由は、営業成功の鍵は、「信頼を得る」ことだからです。
なぜ「信頼を得る」ことが重要かというと、「信頼を得ることで、お客様は心を開き、本当の悩み・願望を打ち明けてくれる」からです。そしてトップセールスほど、「営業とは、お客様の悩みを解決し、願望を叶えること」だと認識しています。
つまり繰り返しになりますが、営業の第一歩として重要なのは、「本当の悩みや願望を教えてもらえるような信頼関係」を作ることです。その結果として、お客様に対する影響力・説得力を高めることができます。
こうすることで、ダントツ全国1位のトップセールスは、以下を実現していました。
【信頼を得ることで実現できること】
お客様が、
- 心を開く/好意的/肯定的な言動になる
- セールスメッセージを信用し、受け入れやすくなる
- 話を聞きたいと思う
- 心を掴み・動かしやすくなる
- 商品への興味・関心が強くなる
- 購買欲求が高まる(欲しい・買いたい・購入する必要がある)
- 購入や成約を決める/行動する
など
このようにお客様の反応・行動が変わった結果、成約につながります。
ここに「信頼を得る」ことを徹底する効果があります。
このような「信頼を得ることを前提にしたコミュニケーション」は、実践するかどうかで、お客様の反応や営業成績に違いをもたらします。
1-2.信頼を得る方法
「信頼を得るコミュニケーション」の実践方法を見ていきましょう。
ここでは信頼を得る/信頼関係を築くことに特化し、人の心の動きに沿った効果的なコミュニケーションに詳しい、心理学NLPの視点を交えて紹介します。
まずはダントツ全国1位のトップセールスが行っていた、コミュニケーションの取り方を見ていきましょう。
【トップセールスが実践する「信頼を得るコミュニケーション」】
1、話し方にペースを合わせる
お客様の話し方に、徹底してペースを合わせましょう。
例えば、以下のように行います。
話すスピード・リズム・テンポを合わせる
声の大きさ・抑揚・張りを合わせる
呼吸を合わせる
など
お客様のペースに合わせて話すことで「無意識レベルで、好感・親近感・安心感」を得やすくなります。こうしたコミュニケーションスキルをNLPでは、「マッチング」と呼んでいます。
ペーシングは、まるでハーモニーを奏でるかのように、お客様と調和しながらコミュニケーションを取っていきます。こうすることで「この人話しやすい、心地良い」と感じていただき、心の距離を縮めることができます。こうして、好感・親近感・安心感・信頼感を深めることへつながっていきます。
【注意点】
もしもお客様がゆっくり話しているのに、こちらが早口で話したとしたら、お客様は違和感や不快感を感じます。心の距離が縮まないどころか、心のシャッターを下ろしてしまいかねませんね。ですので、お客様の話にペースを合わせる「マッチング」は、信頼を得ることにとても役立ちます。
2、姿勢・表情・動きを合わせる
お客様の姿勢・表情・動きに合わせましょう。
例えば以下のように行います。
姿勢を合わせる
表情を合わせる
仕草・ジェスチャーを合わせる
頷きと相づちを合わせる
など
お客様の姿勢・表情・動きに合わせることで、「無意識レベルの一体感」を作り出すことができます。こうしたコミュニケーションスキルを心理学NLPでは、「ミラーリング」と呼んでいます。
ミラーリングは極点な例を挙げれば、まるでお客様の合わせ鏡のように、姿勢や表情・身体の動きなどを合わせます。こうすることで「無意識レベルで、この人は自分と同類」と感じていただき、警戒心を緩め、一体感をつくりやすくなります。
【注意点】
ただし合わせ鏡と言いましたが、明らかに合わせているなと気づかれると、お客様の中に不信感や違和感が生まれます。そのため完璧に合わせなくても大丈夫です。
3、話を繰り返し、時折、話を要約して伝える
お客様の話を繰り返し、時折、話を要約して「こういうことですね」と伝えましょう。
例えば以下のように行います。
- お客様の「感情表現」を繰り返す
例:お客様が「すごく嬉しかったんです」と話したら、「嬉しかったんですね」と繰り返します。 - お客様の「事実表現」を繰り返す
例:お客様が「家族にあった保険プランを探しています」と話したら、「家族に合う保険プランを探しているんですね」と繰り返します。 - 時折、話を要約して伝える
例:◯◯ということですね
など
お客様が使っている言葉で、話を繰り返したり、話の要約を伝えることで、お客様の中では以下の状態が起こります。
「話を繰り返す ⇒ 自分の話を聞いてくれている ⇒ 認められている/肯定されている」
これによりお客様の「自己重要感」が満たされるため、営業に対する印象や好感が高まり、信頼を築きやすくなります。こうしたコミュニケーションスキルを心理学NLPでは、「バックトラッキング」と呼んでいます。
徹底的に行うとバックトラッキングだけで、お客様が盛り上がり、自らいろいろと話し続けてくれるようになります。
【注意点】
この時、お客様が使っている言葉を「自分流の言葉」に変えないように気をつけましょう。営業の多くは、自分の言葉に変換しがちです。すると「えっ、そんなこと言ってない」「分かってないな~」と思われてしまい、心の距離が離れたり、コミュニケーションにすれ違いが起こります。
紹介した3つのコミュニケーションですが、これらをまとめて、心理学NLP(全米NLP協会)では「ペーシング」と呼びます。
こうしたコミュニケーションが効果的な理由は、「類似性の法則」という心理学の法則が働いているためです。「人は自分に似た相手に対して、好意を持つ」というものですね。
そのためペーシングを使うことで、営業に対する「好意的・肯定的な気持ち(好感・親近感・安心感)を持ってもらい、警戒心を解かれる(緩む)」という心の動きが起こります。そしてこの積み重ねが、信頼関係につながります。
こうした人の心の動きを知っている、「ダントツ全国1位のトップセールス」ほど、ペーシングを徹底しています。それが営業成績やコミュニケーション能力に圧倒的な違いを作り出します。
※「信頼を得るコミュニケーション」と「営業において信頼を得る力」について、以下の記事で詳しく紹介していますので、お役立て下さい。
1-3.事例紹介
全国ダントツ1位のセトップセールスの事例を紹介します。
彼女は常に、粛々と営業を行っていました。周囲から見ると「静寂の中」でコミュニケーションを取り、「静寂の中」で成約に至る感じですね。営業開始後、短時間でお客様と打ち解け、談笑しているのですが、非常に静かに粛々と営業が進んでいきます。
なぜ静寂に思えるかというと、お客様との一体感が強く、空気が1つに思えるためです。多くの場合は、二人の人間がいれば、2つの空気が存在します。しかし彼女の場合は空気が1つに感じるくらい、徹底的にお客様に合わせています。
その様子を一言で表現するとこうなります。
「極限と言えるほど徹底したペーシング(お客様との一体感がすごい)」
特に徹底していたのは、話すスピード・声のトーン・間でした。そのため「こんな心地よい話し方をされたら、契約してしまうな」と、私自身が思わず感じてしまうほどです。
※営業力・営業成績を伸ばしたい方は、こちらの記事もおすすめです。
2.ヒアリングを徹底する
この章では「ヒアリング」をテーマに、お伝えしていきます。
ヒアリングを徹底するだけで、お客様の反応は大きく変わり、信頼関係も深まります。非常に効果的なため、確実に押さえたい内容となっています。
2-1.ヒアリングを徹底することで実現すること/得られる効果
ダントツ全国1位のトップセールスが、次に徹底しているのが「ヒアリング」です。ヒアリングで「お客様の話/心の声に耳を傾ける」ことで、「お客様にとって役立つ提案、心に響く(刺さる)言葉やメッセージの発信」を行えるようになります。
ヒアリングが重要な理由は、「お客様を深く理解・共感する」「お客様のニーズ・本音・HOTボタンを知る」ことができるためです。
特にHOTボタンとは以下のようなもので、動機づけに大きな影響を与えます。
「お客様が、それを満たす/得るためなら、行動せずにはいられない。という強い感情を伴った欲求や価値観」
さらにヒアリングを通して、お客様は自分のことを話す(自己開示)ため、徐々に営業に対して、心をよりオープンにしてくれます。それがより深い信頼関係につながり、発信するセールスメッセージが、受け入れられやすい状態につながります。
こうすることで、ダントツ全国1位のトップセールスは、以下を実現していました。
【ヒアリングすることで実現できること】
- お客様を知ることができる
- お客様がより心を開いてくれる/より深い信頼関係を築ける
:ニーズや欲求
:本音や感情
:商品への興味・関心の度合い
:望んでいる結果・解決したい問題・抱えている痛み
:HOTボタン
:お客様の購入を止める要因/躊躇する理由
など
など
ヒアリングにより、お客様の琴線に触れる営業をできるようになるため、営業成績や営業力の向上に大切な役割を果たします。
2-2.ヒアリングの方法
「ヒアリング」の具体的な方法を見ていきましょう。
ここではヒアリングのプロである「カウンセラーやコーチ」の視点を交えて紹介します。
まずはダントツ全国1位のトップセールスが、行っていたコミュニケーションの取り方を見ていきましょう。
【トップセールスが実践する「ヒアリング」】
1、お客様の話と心の声に耳を傾ける
お客様の話と心の声に耳を傾けましょう。
心の声とは「本音や感情、声にならない声」ですね。
例えば、以下のように行います。
話や心の声、その裏にある想い・感情・背景を聞く
お客様と営業の話は、「8対2」「7対3」の割合になるくらい、聞き役に徹する
否定せず、遮らず、自分も意見は脇において聞く
相槌や頷きを行いながら聞く
ペーシングしながら聞く
など
このようにお客様の話を聞いていくと、お客様は「この人になら何でも話せる/自分の話をしても大丈夫」という気持ちになります。これはお客様の心がよりオープンになり、「深い話や本音を話しやすい状態」といえます。
こうしたコミュニケーションスキルを「傾聴」と呼び、もともとはカウンセリングで使われた技法で、今ではコーチングや営業などでも、幅広く取り入れられています。
さらに徹底して、お客様の声に耳を傾けるため、お客様の中には「自分は大切にされている」という感覚が生まれます。同時に深い話や本音を自己開示することが、営業に対する深い信頼につながります。
【注意点】
もしも話の途中で、否定する、遮る、自分の主張を強く押し出す。ということをした場合、その瞬間にお客様は、心のシャッターを下ろしてしまうことも多々あります。特に新規のお客様とのコミュニケーションにおいては、より繊細な注意が必要です。
お客様の話を掘り下げ、具体化しましょう。
例えば、以下のような質問を行います。
会話を促す質問
会話を方向づける質問
会話を掘り下げる質問
話を具体化する質問
など
適切で効果的な質問は、営業の流れを作り、方向づけることができます。さらにお客様の話を掘り下げ、具体化することができます。多くのお客様は、自分自身の「本音・悩み・願望・感情」に気づいていない、あるいは言葉にできていないため、「適切な質問をして ⇒ 傾聴する」という流れを作ることが重要になります。
こうした適切な質問をコーチングの世界では「パワフルクエスチョン」と呼びます。どうしても傾聴だけでは、お客様の本音が出にくいこともあるため、営業において傾聴と質問スキルはセットと言えます。
【注意点】
ヒアリングは重要ですが、傾聴だけを行うと時間がかかりすぎたり、話が脱線することも多々あります。そのため、適切な質問(パワフルクエスチョン)を使えるようになることが、営業において必須と言えます。かといって、質問ばかりを重ねてしまい、尋問や詰問調になる営業も少なくないため、注意が必要です。使いながらベストなバランスとタイミングを見つけていきましょう。
「ダントツ全国1位のトップセールス達」ほど、このような傾聴と質問スキルを徹底して使っています。それが営業成績やコミュニケーション能力に圧倒的な違いを作り出しています。
※「傾聴の基本」や「営業におけるヒアリング力」については、以下の記事で詳しく紹介していますので、お役立て下さい。
2-3.事例紹介
ダントツの全国1位のトップセールスの事例を紹介します。
彼女が営業の中で大切にしていたのが「お客様の琴線に触れる」ことでした。「お客様のかゆいところに手が届く」ことを重要視していたのです。かゆいところとは、お客様が表には出しにくい本音の部分ですね。
こうした状態を作るために必要なことは、お客様の感情に寄り添った「ヒアリング」だったのです。そして良質なヒアリングのためには、お客様の話を掘り下げるための質問が欠かせません。
その重要性が分かっているため、ロールプレイングなどで私が下手な質問をすると、即座に中断し、質問の修正とやり直しを求められました。
そんな彼女が行っていたことを私の言葉にすると、以下のようになります。
- 核心をつく厳選された質問(無駄な質問がない)
- 傾聴の強弱(琴線に触れる会話では、より徹底した傾聴を行い、感情へペーシングする)
こうすることで、人一倍早く、お客様との心の距離が縮まり、親密な関係性ができました。さらに、お客様を知り、HOTボタンを押さえることができるため、琴線に触れる営業を可能にしていたのです。
まとめ
営業において、結果を出せるコミュニケーションとは、どのようなものでしょうか?
トップセールスや売れる営業ほど、共通項があるように思います。
それが下記2種類のコミュニケーションです。
- 信頼を得るコミュニケーション
- ヒアリングを徹底したコミュニケーション
これらを徹底することで、お客様の反応は変わり、心を掴み・動かしやすくなります。トップセールスほど、これらを徹底しているため、お客様に感謝されながら、周囲が羨むような、圧倒的な営業成績を実現しています。
本編で紹介した内容が、少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
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